救えなかった少年 改訂版 作:ニック
一ヶ月後俺たちは仮訓練期間を最後の訓練を終えると出水と一緒に食堂で飯を食べる
「……あ〜また負けた。」
「いや、お前シューターなのになんでここまで隠密訓練の成績高いんだよ。」
俺は呆れるように出水をみる
基本的に出水と俺がトップ争いの常連であり、後は天羽が追いかける形になっている
そういうこともあり俺と出水はスカウトの対象として多くの隊長と話しているのだが。俺は防衛任務を多く入れたいため当分はソロで行動することを決めていた
「そういや、巧は決めたか?」
「俺はサイドエフェクトが正式に認定されてからチームは自分でつくる予定。」
サイドエフェクト。
俺と出水はほぼB級に近いことから説明されたものでどうやらトリオンと呼ばれるトリガー使いの才能みたいな物が多いとでるらしく俺はS級の未来予知というサイドエフェクトだと判定された
だがトリオン量が俺よりも多い出水は持っていないので本当に副産物的なものなんだろう。
「へぇ〜チーム作るのか。」
「そっちの方がいいだろ?とりあえず今期中に上がって来季は防衛任務重視かなって。一応アタッカー重視オールラウンダー目指す予定だし。」
「まじか?」
「どうやら今トリガーで追尾する弾丸を開発しているらしくてその実験台をやりたかったんだよ。それに俺シールド入れないつもりだし。」
「お前それノーガード戦法をとるってことか?」
「仕方ないだろ。グラスホッパーとその追尾する弾丸。バックアームにスパイダー。スコーピオン入れたらギリギリなんだよ。これから開発するトリガーで出水と頼んでいただろ?」
「スパイダーってまた渋いトリガー使うなお前。」
スパイダーは今は注目度が小さいけど案外便利なんだよなぁ。
「そういえば仮入隊の結果で有望株は上位からやらせてくれるんだろ?モールモッドも苦にしないし。」
「それお前もだろうが。」
ため息をついてしまう。俺も出水もかなり好成績なだけあってすでにB級が確定まで来ている。
「でも今まで最高で2000点代後半だからそれくらいだろ。そうそううまくはいかないだろ。」
「いやいや。即戦力って言われているお前が何を言っているんだよ。」
「ボーダーは出来たばかりの新しい組織だし、あんまり差別化するような真似はしないだろ。」
「そうか?でもここ実力主義が強くでているからな。」
まぁそれもそうなんだが
「てか、逆にうまくいきすぎなんだよなぁ。今の所。ただ、ぶっちゃけ今の所コンビ上手くあうのお前くらいだろ。」
機動力の俺とパワーの出水。力押しで基本的にお互いをサポートしあっている印象だ
「まぁ、チーム組んでもいいけどさすがに他の隊も見たいんだよなぁ。」
「だろうな。てか出水とは俺はチームを組むよりもライバルとしてA級で戦いたいけどな。」
最近じゃ学校が終わってすぐにこっちに来て出水とランク戦と呼ばれる1対1の対人戦ばっかりしているし。
「まぁ、確かにそっちの方が楽しそうだけどな。」
「だから俺はしばらくはソロかな。」
「まぁ俺も。一月目のソロ隊員は他の隊と合同防衛任務だろ?」
「らしいな。とりあえずは様子見で気になるところがあればって感じだけど。お前それだけでよく生きてられるな。」
「……最近自分でもそう思うようになってきた。」
豆腐、もやし、豆腐で一日乗り越えている俺は本当にまずいよな
「まぁ、さすがに学費じゃなくてボーダーの金は食費と生活費にあてて補助金を高校の資金にするか。」
「そうした方がいいと思うぞ。」
はぁとため息を吐く。これがボーダーに入ってから未だに裕福になっていない理由はC級時は給料は発生しないことが原因だ。
「固定給がそうすると欲しくなるしなぁ。そうしたら少しずつ貯金できるし。」
「まぁ、それは仕方がないとしかいいようがないな。まぁサイドエフェクト使って最悪ボーダー外から引っこ抜いてくること考えるか。」
「それありなのか?」
「う〜ん。少し面白そうな奴なら一人いる。問題児だけど女子から人気があるバカがいる。」
「バカ?お前のところって進学校だろ?」
「う〜ん。でもバカとしかいいようがない。食費を全部趣味に費やすような奴だし。毎回先生に怒られて鉄人と呼ばれる先生から逃げ回っていたり全教科赤点をとるような奴なんだけど。」
「……それは陽介以上にバカだな。」
「でも生身で3階から飛び降りたり、荷物点検とかで没収された荷物を取り戻したりしているから行動力は凄いんだよな。」
「それ、マジで?」
「あぁ、吉井くんのことでしょ?それ。」
するとラフな格好をした女子が俺の前に来る。その人物に俺は見覚えがあった。
「あれ?うちの学校の副会長じゃん。ボーダーだったのか。」
「うん。私はオペレーターだけどね。確か出水くんと加藤くんだよね?」
「えっと。だれだ?」
「うちの学校で生徒会副会長の綾辻遥さん。生徒会のマドンナって呼ばれているほどで成績優秀人気が高いんだよなぁ。」
「加藤くんも今やボーダーじゃ知らない人はいないくらいだと思うんだけど……」
「……あまりいい意味じゃないけどな。」
ボーダーでの立ち位置は俺は生意気すぎる新人でいいのであろう。今のところ仮入隊時で既にスカウトをかなり断っていることもある。
「でも、少し意外かも。もうちょっと怖いと思ってたから。加藤くんって学校でもあまり話さないよね?」
「ん?……まぁな。」
「まぁなって。」
「えっと綾辻ってサイドエフェクトって知ってるか?」
「うん。一応知っているかな?」
「それ持ちなんだよ。特定の条件で未来が見えるから。」
「……あ~。うん。嵐山さんから聞いてるよ。サイドエフェクト持ちが一人いたって。」
「そう。それが俺。」
「……もしかして結構つらい?」
「まぁな。いい未来が見えるときは別にいいんだけど、人が死ぬ未来とかを見ることもあるし。なんなら俺って大侵攻のことサイドエフェクトで見てたから。」
「……えっ?」
「マジで?」
二人は驚くがすでにボーダーの上層部には話している。
「そう。だから両親がいなくなることも知っていたんだよ。まぁ。サイドエフェクトなんてここでしか通用しないから。」
「……あっ。」
「当時は頭のおかしな少年って警察から思われていたらしい。」
「……え、えっとそれは。」
「なんというか悲惨すぎないか?お前。」
「ん?別に慣れだろ。こんなの。それに俺は両親にあんまりいい思い出ないし。」
「……えぇ。」
するとボーダーからもらった連絡用のスマホがなる。
その名を見ると加古さんの文字があった。
「悪い。電話。多分勧誘かな。」
「……勧誘?」
「加古さん。なんか近いうちに部隊作るらしいから。誘われてるんだよ。」
「加古さんって東隊の!?」
「断るつもりだけど。正直なところ早くランク戦に慣れたいっていうのは事実だし。来季のランク戦出たいのに加古さんは最低でも二期先だからな。」
「…でも、オペレーターとか当てあるの?」
「……ないけどさぁ。」
「それなら私が一人紹介しようか?オペレーターで同じ学校に一人いるから。」
「いいのか?」
その申し出はめちゃくちゃありがたいけど……綾辻はいいのか?
「てか綾辻は?今フリーなの?」
「…おい、綾辻は嵐山隊のオペレーターだぞ?」
「ま?」
「マジ。」
「……なら、お言葉に甘えようかな。俺人付き合い得意じゃないし。」
「分かった。んじゃ近いうちに学校でいいかな?多分同じクラスだし。」
「……そんな身近にいるのかよ。」
と話している俺たち。
今後長い付き合いになるとは予想すらしてなかった