「音楽の天才」と呼ばれた俺がなぜガールズバンドに振り回されなければいけないのか   作:弾正

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題名は名言をパクりました。反省はしてる。後悔はしてない。
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ」←原文


話し合いで寝ていいのは、勝手に決められても良い覚悟のあるやつだけだ

 文化祭___それは学生にとって一年に一度のビッグイベントである。

 

 この日のためにクラスの出し物を考え、そしてクラスメイトと作り上げ、いわゆる青春というものを謳歌する人物はたくさんいるだろう。

 ついでに、カップルもめっちゃ誕生するだろう。イベントの雰囲気的な何かで。チクショウ羨ましい。リア充死すべし。ん?なんでこんなところにブーメランが落ちているんだ?誰かの落とし物かな。後で届けておこう。

 

 

 「というわけで、花咲川と羽丘で合同文化祭をやれば、すごい楽しいと思うの!!」

 「ごめんこころ話が唐突すぎてついていけない」

 

 

 俺が何をしているのかって?

 あれは今から1時間前のことだった。

 

 

 ~以下、回想タイム~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ヒャッホオォォォォォォ!!明日は土曜日!休日じゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「亮くん落ち着いて!!」

 「お~、りょーくんテンション高いですな~」

 「イヤッホォォォォォォォ!!!!」

 「まるでバーサーカーだ~」

 「バ、バーサーカー...」

 「マイホームが俺を呼んでるぜぇぇぇぇぇ!!!」

 「あ、行っちゃった...」

 

 

 「あ、亮じゃん。やっほー☆」

 「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!明日は10時まで寝るんじゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「行ってしまったわ。亮、もしかして私たちに気付いていないのかしら?」

 

 

 「おーい亮さーん!!」

 「うぇうfhうhdくぃdqf」

 「あはは!!亮くん面白ーい!!」

 

 

 「あwrw9いぐぃfじゃをうぇfw」

 「佐竹様。申し訳ございませんが、こころ様のところまで連行させていただきます」

 「あfはうfh...ってちょっと待って黒服さん離して」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~回想終了~

 

 

 まあつまり何があったのかというと、黒服さんに拉致られた。以上。

 んで、俺が今いるのは弦巻邸。こころ以外にもハロハピメンバーが集結してる。最初こそ真面目にハロハピのミーティングをしていたんだ。真面目に、と言ってもこころが意味わからないことを言って、はぐみがそれに同調して、薫さんが儚いと言って、花音さんがふえぇ...と言って、美咲がそれをまとめて、俺が見てる、といった感じなんだけどね。どこが真面目なミーティングなんだろう。美咲がいないとハロハピって成り立たないよな。お疲れ様です。

 

 

 そして、途中から更におかしくなった。なんとかミーティングは終わったらしいんだけど、話題は文化祭のことへと移り、こころの冒頭の発言が飛び出たのだ。なるほどわからん。

 

 

 「合同で文化祭?どういうこと、こころ?」

 「楽しいことは皆ですればもっと楽しくなるじゃない?」

 「さっすがこころん!」

 「ふえぇ...」

 「儚い...」

 「カオス過ぎて草。でもふえぇは可愛い」

 「ふえぇ!?」

 

 

 いつもこんな感じなのかハロハピは。お兄さんびっくり。

 花音さんのふえぇは癒しだ。異論は認めない。

 

 

 「美咲」

 「どうしたの?」

 「...いつも頑張ってるんだな」

 「...ありがと。でも、花音さんを口説いたのはイラってきたんだけど」

 「か、可愛いって...ど、どうしよう...」

 「口説いた覚えはないぞ。俺は本心を言っただけだ」

 「そういうところだよ」

 「亮くん、普通にかっこいいからな...すごいドキッとしちゃったよ...」

 

 

 全俺が奥沢美咲に敬意を示した瞬間である。この人すげえな。でも、口説いたというのは全力で否定させてもらおう。それじゃあ俺がまるで見境なく女の子に可愛いとか言っているみたいではないか。俺は本心しか言わないぞ。

 なんか花音さん顔赤いけど大丈夫かな?

 

 

 「花音さん、顔赤いっすけどっす大丈夫っすか?」

 「ふ、ふえぇ!?だ、大丈夫だよ!」

 「...」

 「美咲無言で睨まないで怖いから。後なんで俺睨まれてるの?」

 「さあ?自分で考えれば?」

 「ふふふ。亮、君も罪な男だね」

 

 

 もう訳がわからん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 月曜日。教室にて。

 

 

 「突然ですが、重大な発表があります」

 

 

 どうした担任?もしかして、結婚でもしたのか?おめでとうございます。

 

 

 「今年の文化祭は...花咲川と合同で行います!!」

 

 

 俺はこの時、改めて弦巻家のことを恐ろしく思った。絶対黒服さん動いたよね。

 

 

 「では、文化祭の実行委員を二人決めたいと思います!」

 

 

 実行委員か。俺そういうの興味ないな。俺には楽器弾くとかゲームするとかテレビ見るとかいう大事な用事があるからな。大した用事じゃないじゃんとか思ったやつ、俺怒らないから正直に言ってごらん。

 

 ふわぁ~。そういえば、昨日燐子さんとあこちゃんに勧められたNFOっていうオンラインゲームやってて全然寝てないんだよな。まだ出し物とか決めるわけじゃないしちょっとひと眠りしよう。寝る子は育つっていうからな!それじゃあ、お休み。zzz...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺、目覚めたら実行委員になってたってマジ?え?寝た時から予想してた?ちくしょう寝なきゃよかった。

 巴にどういうことか聞いたら「お前が寝てる間にすべてが決まった。寝てたのが悪い」だって。寝てたのが悪いってそれ正論。俺正論嫌い。

 

 でもね、同じく実行委員になってた(生徒会の関係とかかな)つぐみに上目遣いで「私、亮くんと一緒に実行委員やりたいな」って言われた日にはもうやるしかねえよなぁ!?美少女の上目遣いって反則過ぎるだろ。俺じゃなきゃ惚れてたね。そして告って玉砕してたね。俺は彼女はほしいけど、無謀な告白はしたくないんだ(ヘタレ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さーてと、授業も終わって放課後。実行委員会だってよ。めんどくさいなー。だけどそんなこと口に出して言ってみ?つぐみが悲しむから。それを知った蘭のストレートが飛んでくるから。あの赤メッシュめっちゃ狂暴。あいつが男だったらとっくに〆てしめ鯖にしてるね。俺紳士だからさー、女の子には手を出せないの。

 

 

 他校と合同なので、会議はどちらかの学校でやる。んで、今回は花咲川で第一回の会議することになってるらしい。移動しなきゃいけないけど、花咲川と羽丘って実はかなり近いんだよね。ハロハピ4人が薫さんを羽丘に迎えに来たり、日菜さんが紗夜さんのところに突撃していったりできるのも、距離が近いおかげなのだ。

 

 

 花咲川に来るのは初めてだ。生徒会関連で何回か行ったことがあるというつぐみは、これまた生徒会関連で先に行かなきゃいけないらしく俺を置いて行ってしまった。さ、寂しくなんかないもん!!

 

 

 えーと、会議室ってどこだ?1階?2階?3階?

 

 

 「すいませーん!!」

 「俺?」

 「はい!!」

 

 

 なんか猫耳?みたいな髪型の女の子が話しかけてきた。猫耳...軽く物理法則無視してないか?全国の科学者さんたちが困ってるぞ。今すぐその髪を下ろしなさい。

 

 

 「どうしたんだ?」

 「会議室ってどこにあるか知りませんか?」

 「ごめんな。俺も探してるとこなんだよ」

 

 

 この子も俺と同じく会議室を探していたのか。薫さん風に言うなら迷える子羊?駄目だな、そんなキザなセリフ俺には似合わない。

 

 ふとこの子の制服が目に入る。これは花咲川のだな。美咲とか紗夜さんとか彩さんとかが着てるのを見たことある。羽丘がグレー主体の制服なのに対して、花咲川はベージュ?みたいな色が中心なんだな。

 ...ん?待って?この猫耳少女、花咲川?

 

 

 「ねえねえ猫耳ちゃん」

 「これは猫耳じゃないです!星です!!」

 「そーなのかー。ところで、君って花咲川の生徒だよね?」

 「はい!そうですけど、どうかしたんですか?」

 「自分の学校の教室の位置くらい把握しとこうよ」

 

 

 なんだろう。この猫耳(本人は否定)少女からは、こころやはぐみと似たようなオーラを感じるぞ。どこかぶっ飛んでるような人間のオーラが。

 

 

 

 

 

 「香澄ー!会議室はそっちじゃないよ!」

 「さーや!!」

 

 

 救世主降臨。助かった。

 あれ?あの人どこかで見たことあるような...思い出した!

 

 

 「山吹ベーカリーの人?」

 

 

 商店街にあるパン屋・山吹ベーカリーの人だ!あそこのパン美味しいんだよな。よく買いに行く。一人で行くこともあるけど、たまにモカに誘われて一緒に行くこともあるんだよな。あいつ、めっちゃパン食うんだよな。カー〇ィなんじゃないかなってくらいに。

 

 

 「あ、もしかしてあなたは__」

 

 

 俺もある程度は行ったことがあるからな。俺の顔くらいは覚えててくれてるのかな。

 

 

 「__モカの彼氏さん!」

 「待て待て待て待て」

 

 

 ちょっと待てと。俺いつの間に彼氏になったのか。記憶にございません。

 

 

 「え?でもモカがそう言って...」

 「それ騙されてるやつだ」

 

 

 モカあいつなんてことを言っとるんだ。嘘教えてどうするねん。あいつ、天才美少女から()()美少女に改名だな。日菜さんに続く2代目天災の誕生だ。

 

 

 「良いか?そもそも俺に彼女ができたことなんてない」

 「どうしたんですか!?泣いてますよ!?」

 「聞くな」

 

 

 彼女できたことないって自分で言ったらすごい悲しくなったんだよ言わせるんじゃねえよ。

 あれ?俺、これ否定せずにそのまま彼氏になってたら幸せだったんじゃね?モカが美少女なのは間違いないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、紗綾のおかげで無事会議室にたどり着けた。紗綾がいなかっただどうなっていたことか...

 会議室に向かう途中、香澄が色々なことを話してくれた。香澄はPoppin'Partyという名前のバンドをやっているらしい。略してポピパだ。俺のまわりってバンドやってるやつ多いな。

 でもね、俺気づいちゃったんだ。香澄がバンドの話を楽しそうにしているとき、紗綾がすごい複雑そうな顔をしてたのに。あれは何かあったやつや。まあ、俺シリアス嫌いだから踏み込むつもりはないけどさ。そこ、フラグとか言わない。

 

 

 あー、会議自体は順調に終わったぞ。俺はすごい寝たかったけど結局寝れなかったぞ。つぐみと紗夜さんからすごい視線と圧を感じたからな!ありゃ寝たら殺される。特に紗夜さんは真面目だからな。

 

 

 

 

 

 突然だが、皆に問題だ。会議を終えた俺は今、どこにいるでしょーか?

 

 

 

 チクタクチクタク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 A:蔵

 

 

 何を言ってるんだと思った皆。その気持ちはわかる。その声に俺はこう答えなければならない。「事実なんだもんしょうがないじゃん」。

 では、なぜ蔵にいるのか。香澄に拉致られた。以上。女子高生のノリってやつにのまれてしまったんだ。最近のJKって怖いな。

 どうやらポピパはこの蔵で練習しているらしい。蔵練というやつだ。うん。どういうやつだ?

 

 

 「ここが蔵だよ!すごいでしょ!?」

 「お前の家じゃないのになんでそんなドヤ顔なの?」

 

 

 香澄にツッコミ入れたけど、実際蔵はぱっと見すげえわ。でかい(小並感)。そして、この蔵があるくらいだから敷地がでかい。香澄が「有咲の家!!」と言ってたけど、その有咲という人の家は中々の豪邸だな。流石に弦巻邸には劣るけどさ。あれは弦巻邸が異常なだけだ。

 まあ、それよりもこの家、THE・和風って感じでいい。イヴとか好きそう。

 

 

 「あの、あなたが佐竹亮さんですか?」

 「そうですけど...」

 

 

 なんて考えてると、突然話しかけられる。俺に話しかけてきたこの人は...えちょっと待って金髪ツインテロリ巨乳じゃん!王道のヒロイン属性を持ち合わせているだなんて...素晴らしい!!こんな人物がいるとは、ポピパというのはかなりすごいバンドだぞ!!(単純)

 

 

 「ごきげんよう。市ヶ谷有咲と申します」

 

 

 これはかなり丁寧な人だな。ヒロインっていうのはこんな人多いものか。

 

 

 「有咲ー猫被ってるー!!」

 「か、香澄!余計なこと言うなー!!」

 「...」

 

 

 Oh...猫被ってたんかい。剥がれるの早すぎな。ミッシェルの正体ばれるのより早いぞ。違うな。これは香澄がいたからだ。香澄、恐ろしい子。

 

 

 「猫なんて被らなくていいのに...素の姿ってのが一番可愛く見えると思うぜ」

 「か!?」

 

 

 香澄に乗っかってからかってみる。面白い反応だ。顔真っ赤にしちゃって。

 あ、でも、可愛いってわりと本心。王道ヒロインは正義。はっきりわかんだね。

 

 

 「...可愛いとか言うんじゃねー!!普通初対面の人に言う言葉じゃねーだろ!!」

 「俺を普通の人間だと思っていたのか?残念。俺は音楽の天才と呼ばれてるからな」

 「音楽関係ねーだろ!?」

 「そこまで言うということは、お前、さてはツンデレだな?恥ずかしいから誤魔化しているんだな?」

 「有咲はねー、ツンデレなんだよ!」

 「ツ、ツンデレじゃねー!!からかうなー!!」

 

 

 顔を真っ赤にしながら怒る有咲。怖くないけど。怖い怒り方を知りたければ紗夜さんや千聖さんに教えてもらいなさい。あれ?今寒気がしたような...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、なんやかんやあってポピパの演奏を見せてもらうことに。チョココロネ大好き少女りみとウサギ愛好家たえの2人も加わって、4人でポピパだ。

 

 

 

 

 

 

 

 演奏終了。うん。ポピパはまだまだ発展途上って感じだけど悪くない。俺目線で言うなら将来性がある、って感じかな。

 

 

 「どうだった!?」

 「香澄、お前ギター始めたばかりだろ?とりあえずひたすら練習しろ。練習は裏切らないから。でも、筋は悪くなかった」

 「私はどうだったかな?」

 「りみは音が安定してたな。もっと積極的に音出しても良いと思うけどね」

 「私はー?」

 「ギター中々上手いな。強いていうならサビが若干ずれてたけど」

 「す、すげえな...一回聞いただけでここまでわかるのか」

 「音楽の天才と呼ばれてるだけのことはあるだろ?あ、有咲はサビ良かったけど前奏ずれてたぞ」

 

 

 こんな性格だけど、音楽には本気なんでね。それが音楽の天才と呼ばれる理由...なんちゃって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ポピパと色々話して交流深めた。楽しかった。そんで、たまに練習見てあげることになった。アドバイスがほしいんだってよ。別に断る理由もないし。




ポピパ好きのお前ら、待たせたな!!


感想、評価ほしい(ド直球)。作者のモチベが上がってPlus Ultraできるの多分。
まあ、お気に入りの伸びに自分でも驚いてるけどね。

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