「音楽の天才」と呼ばれた俺がなぜガールズバンドに振り回されなければいけないのか 作:弾正
なんやかんやあって文化祭前日になった。
俺は実行委員として必死に頑張った。文化祭を成功させるために。
え?頑張りが見えないって?うるせえな俺の活躍の一部始終を見せてやるよおらぁ!!
「ここにミッシェルの銅像を建てるのよ!!」
「すごいいい考えだね!!」
「こころ、戸山さん、落ち着いて。銅像なんて建てたら迷惑だから」
「こころ+香澄=収拾不可能...ガクッ」
「え!?ちょ、亮!?」
「お前らが止まらんねぇ限り、その先に俺はいるぞ!だからよぉぉ...止まるんじゃねえぞ...」
「亮?おーい亮?え、待って本当に意識ないんだけど...って寝てるだけか。はぁ...」
「やあ亮」
「あ、薫さん」
「そうだ。突然だが、文化祭でやる劇に出てみるつもりはないかい?」
「いや本当に突然ですね」
「ふふっ。君が来ると子猫ちゃんたちが喜ぶからね」
「はぁ...」
「薫さーん何してるんすかー?」
「おお、麻弥じゃないか。実はこの子犬くんを劇に出てみないか誘ってみているところなんだ」
「なるほど!そういうことでしたらお任せください!!」
「へ?あ、ちょ待って麻弥さん腕に抱き着いて引きずってかないでどことは言わないけど当たってるの」
「.....」
「あ、モカ」
「りょーくんのへんたーい。つぐと蘭に言いつけてやる~」
「やめてくださいモカ様。普段優しいつぐみに軽蔑されたら俺悲しくて死ぬし、普段俺に対して当たりが強い蘭に睨まれたら怖くて死ぬから」
「「.....」」
「あ、つぐみに蘭じゃないかハハハ...」
「おい佐竹」
「ん?どした男子諸君?」
「我らは、リア充に制裁を下すもの!!よって、貴様に刑を執行する!!」
「誰がリア充じゃアホ。俺だって早くリア充になりてえよ」
「裏切り者には死あるのみ!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ブシドー!!」
「ブシドー!!」
「ブシドー!!」
「ブシドー!!」
「ブシドー!!」
「ブシドー!!」
「ねえねえお姉ちゃん。イヴちゃんと亮くんは何やってるのー?」
「日菜、見てはいけないわよ」
「チョココロネおいひぃ」
「そうか。それは良かったな」
「...」
「...」
「...」
「(この無言空間、辛い...!)」
「なあ、亮。一つ聞いていいか?」
「OK」
「...なんでお前は猫耳とウサギ耳を同時につけて実行委員の仕事をやってるんだ?」
「友希那さんとおたえにつけるように命令されて」
「...お前、大変だな」
「わかってくれるのは君だけだよ」
「亮...猫耳...なんて最高の組み合わせなの...!!」
「ウサギっていいよね」
「何を言っているのかしら?猫の方がいいに決まってるじゃない」
「え?絶対ウサギですって」
「「.....」」
「「よろしい、ならば戦争だ」」
「ふえぇ...迷っちゃったよぉ...」
「花音さんじゃないですか」
「あ、亮くん!た、助かったよぉ...」
「...なんで学校で迷うんですか」
「亮くん!!」
「どうしたひまり」
「亮くんって、胸の大きい女の子が好きなの!?」
「待て誰だそんなこと言ったやつ」
「モカ!!」
「あの野郎...あいつが買ったパンの中にタバスコ詰め込んでやる...」
「けっこうひどいことするね!?」
「ねえ有咲。有咲はどうしてツンデレなの?」
「はぁ!?ツンデレじゃねえ!!」
「いや、でも、100人に聞いたら70人がツンデレだった言ってたよ」
「微妙な数字だな!!せめて90人以上にしろよ!!」
「ちなみに俺はツンデレな有咲も可愛いと思うぞ」
「.....」
「あれ?どした?」
「か、可愛いって...そんなこと、簡単に言うなよな...」
「...いつものツッコミ有咲はどこ行ったんだ?」
といった感じだ。俺、頑張って仕事してただろ?
話は変わるが、実は文化祭ではライブが開かれることになっている。出演するのは、俺と、知り合いの5つのガールズバンドだ。ポピパ、アフグロ、パスパレ、ロゼリア、ハロハピ。そして俺!!うん、俺ただの不純物やん。
まあそんなことはさておき、ここからが真面目な話。ポピパだけドラムが不在なんだわ。やばくない?というのも、香澄たちは紗綾を仲間に加えたみたいだが、沙綾は完全には了承していないらしい。どうやら沙綾はバンドというものに何か複雑な感情を抱いているみたいだ。詳しくは知らないけど。俺も香澄から聞いたくらいだからな。
「私、やっぱりさーやとバンドしたい!!」
「急に大声あげるなよびっくりするじゃんか」
隣に香澄がいたのだが、彼女が突然声を上げる、ナチュラルにビビった。急にくるとビビる。
「お前、紗綾とバンドしたい言うても、どうすんの?紗綾色々と複雑だぜ」
「さーやのとこ行く!!」
「リアリー?」
「リアリー!!」
この子将来が不安である。複雑な事情を強行突破しようとしないで。色々段階ってもんがあるでしょうが。
でも、俺個人的には、紗綾にポピパに入ってほしいと思ってたりするかな。あいつが音楽が嫌いってわけじゃないんだろうし。どんな事情があるのか細けえことは知らんけど、楽しいことはやるべきだと思う。
香澄1人に任せるのは不安だな。俺も動くか。これがお節介ってやつかな?でも、そういうの嫌いじゃない。
あれからしばらく経った。
かっこつけたこと思ってたんだけどさ、俺氏今ピンチなんだよね。なぜかって?
「ここのスイーツ美味しいね!」
「そうですねー」
現在、彩さんとカフェでお茶してる。紗綾のとこに凸るんじゃなかったのかって?俺だったそのつもりでいたよ。だけどね、可愛い先輩に上目遣いで「亮くんと一緒にカフェ行きたいな...ダメかな?」って聞かれたら断るわけにはいかないでしょう?あれを(おそらく)無自覚でやってる彩さん、恐るべし。
「亮くん!」
「はい?」
「あ~ん」
「.....」
「あ~ん」
「...あ~ん」
「どう?」
「美味しいっす」
ここのスイーツ普通に美味いな。つぐみのところといい勝負してる。つぐみのとこの喫茶店のスイーツも中々美味しいからな。可愛いつぐみが食べさせてくれたのもあるし。
俺、最近、色々な人に食べさせてもらってる気がするけど気のせいか?うん、気のせいだな。俺はもしかすると疲れているのかもしれない。
...ってそんなことはどうでも良いんだよ!今頃香澄が紗綾のところに突撃ィィィィ!!してそれを迎撃する紗綾と揉めてるだろう。紗綾も香澄も悪い人じゃないから、そういうのって心が痛む。喧嘩するほど仲が良いって言うけど、俺は喧嘩するときは相手を徹底的に叩きのめす(物理)からその後仲良くなれないんだよね。それは自業自得か。
とはいえ、今ここで彩さんとの楽しいデート?みたいな時間を失くすなんてできるわけないだろぉぉ!?こんな美少女と2人きりでカフェ!?一生に一度あるかないかのような経験だぞ!?それを無駄にはできない!!あ、待って訂正。デートかどうかはともかく美少女と2人きりで出かけることはよくあったわ(煽り)。多分俺荷物持ちなんだけどね。そうじゃなきゃ俺を誘う理由がない。
『♪~』
「あ、すいません俺のスマホです」
突然電話が鳴る~♪
誰や?
「はいもしもし佐竹亮です」
『亮!今すぐ紗綾のところこれねえか!?』
「有咲、わかったから落ち着け。まずは深呼吸だ。はい吸って~~~、そのまま吸って~~~、もっと吸って~~~」
『殺す気か!!』
「ナイスツッコミ」
出ました有咲のナイスツッコミ、これを待っていた!!
「っと冗談はさておき...紗綾のところってことは、あの商店街のパン屋か?」
『そうだ』
「...もしかして、香澄が1人で凸ったか?」
『なんでわかったんだ?』
「あいつ紗綾をバンドに入れる気満々だったし。あの行動力の塊が動かないわけないだろ」
良くも悪くも猪突猛進だな、香澄は。そんな調子じゃいつか痛い目見るぞ?
でも、そんな調子で成功してるのが戸山香澄という少女なのも事実。聞いた話だけど、香澄はギターを始めてほんの数か月しか経っていないらしい。それなのにポピパを完成の一歩手前までもっていってる。あれは普通の人間にはできないことだな。香澄のカリスマ性と人徳がそれを可能としてるんだろうな。
すげえ偉そうなこと言ってるけど、まあ何が言いたいのかというと羨ましい!!俺だって本気出せばバンドの一つや二つ作れるしぃ!?コミュ力ないから人を誘えないとかそんなんじゃないしぃ!?あ、二つバンド作ったら俺片方に入れないじゃん。
「んで、なんでそれで俺を呼ぶ?」
『ほ、他に頼れそうな人がいなかっただけだよ...お前以外にいたらそいつに電話かけてたっつうの!!』
「はいはい、素直に俺に助けてほしかったって言おうねツンデレさーん」
『誰がツンデレだー!!』
「あーはいはい、そういうのいいから」
『こっちのセリフだ!!』
これ以上やると有咲が本気で怒りかねない。そろそろやめとこう。ツンデレのお取り扱いにはご注意を。
「そろそろ真面目に話すとしよう。香澄は今何してる?」
『1人で紗綾ん家入ってって、そこからわかんねぇ...』
「そうか...」
流石香澄。行動が早い。
有咲に呼ばれちゃったし、彩さんとさようならするのは心苦しいけど、行くしかないな。
「わかった。今彩さんとデート中だけど仕方ないから行ってやる光栄に思え」
『デ、デート!?おい待てどういうこt』
「デート...!亮くんが、デートって言ってくれたよ...!!」
彩さんには、また今度2人で出かけるということで納得してもらった。こんな俺と2人で出かけてくれるなんて、なんて良い人なんだ...!!
俺は彩さんと別れた後、全速力で商店街まで走る。この商店街に紗綾の実家、やまぶきベーカリーというパン屋があるからな。羽沢珈琲店(つぐみの家)や北沢精肉店(はぐみの家)もある。つぐみのとこのコーヒーは美味しいし、はぐみのとこのコロッケも美味しい。当然、紗綾のとこのパンも美味しい(語彙力)。ぜひ一度行ってみてくれよな!
紗綾の家の前に着くと、有咲以外にもポピパメンバーがいた。皆で香澄を追って来たって感じかな?
「私が来たぁぁぁ!!!」
「お疲れー」
「香澄は...この中か?」
「うん」
状況理解。よし、次にやることは...
「なんで皆で外で待ってるん?」
「大人数で押しかけたら迷惑かなぁって...」
「甘いなりみ。その考えはチョココロネのチョコのように甘い!」
「えぇっ!?そんなに甘い考えだったの!?」
「なんでそれで会話通じるんだよ...」
なんでこいつらは外で待っとるんか?香澄と紗綾が来るのを待つんじゃない。自分たちから迎えに行くんだよ。今の名言っぽいくね?
「俺たちも凸るぞ」
「待て待て、こんな大人数で行ったら迷惑だってりみも言ってただろ?」
「すいませーん。紗綾の友達でーす。入れてくださーい」
「話聞けよっ!?」
「お邪魔しまーす」
「おたえも乗っかるなー!!」
「私のせいで皆に迷惑かけるなんて...できないよ!!」
「迷惑なんかじゃないよ!!」
「そうだそうだー!!」
「...ごめん香澄。今、なんか男の人の声聞こえた気がしたんだけど、気のせい?」
「気のせいだと思う!!」
「香澄の言う通り気のせいだぜ」
「...」
「...」
「...」
「「「.....」」」
有咲とりみとおたえはポピパのメンバー=今回の件の関係者なので、仕方なく俺1人で突撃することに。タイミングと方法間違えたけどね。とりあえず...
「...紗綾」
「何?」
「お邪魔してます」
「あ、はい」
家に入ったら、まず挨拶だ!でもさ、これってなんでお邪魔しますって言うんだろうね。邪魔をするなら帰ってくれって小学生の時よく言ってたわ。いや~懐かしい。なお、今回はお邪魔してますなので現在進行形なう。そうそう、なうといえばTwit〇erで「〇〇なう~」とか書くけど、そのツイートをしてる間はその〇〇をしてるんじゃなくてツイートをしてるんであって、本来は「ツイートなう~」が正しいと思うんだよね。まあつまり何が言いたいのかというとこのシリアスの空気辛い助けて。
「んで、話は戻るけど」
「元々は亮が突然来たのが悪いんだけどね」
「...紗綾は、バンドのメンバーに迷惑かけたくないからバンドをやりたくないということでOK?」
「うん」
紗綾いい子すぎんか?この商店街に住む子って皆いい子になるの?ここにいる紗綾はもちろん、つぐみはただの天使だし、はぐみは超純粋だし。
でも、俺はそんないい子にはなれないな
「1つ質問。紗綾は、迷惑かけるとかそういうの抜きにしたら、バンドやりたいと思ってる?」
「え...?」
「紗綾自身がバンドしたいのか、したくないのか。それが大切だと思うね」
自分の欲望に忠実であれ__佐竹 亮
俺が言うと説得力あるでしょ?
「私は...私だって、皆とバンドしたいよ!もう一度ドラム叩きたいよ!でも...!!」
「なら簡単な話だ。香澄たちとバンドやる。それだけだ」
「だから迷惑はかけられないって...!!」
「他人に迷惑かけない人間なんてこの世に1人もいないよ」
「!!」
そんな完璧人間いたら逆に怖いわ。
俺だって今までたくさんの人に迷惑かけてる。親父や母さんにだってたくさん迷惑かけたよ。友達や先生にだってたくさん迷惑かけたよ。だからこそさ...
「お互いに迷惑かけ合って、そして助け合えばいいんじゃないのか?ここにいる香澄なんて本当に良い例だよ」
「ん?どういうこと?亮くん?」
「香澄はポピパを作った。超絶引きこもりの有咲を引っ張り出し、自信がなかったりみをベースとして迎え入れ、1人だったおたえもバンドに入れた」
「そんな風に思ってくれてたんだ...!」
「でも、こいつが周りが見えないのは事実だろ?今だって唐突に紗綾の家に突撃してるんだし」
「上げて落とされた!?」
失礼な。俺は客観的事実を述べただけだ。いつからお前を褒めていると錯覚していた?
「だからこそ、皆は香澄を放っておけない。香澄だって皆を助けてる。それでいいじゃんか」
「亮...!!私、ポピパに入っても良いのかな?」
「当たり前だろ?なあ、香澄」
「うん!むしろそのためにここに来てるんだし!」
よし、これにて一件落着、かな?
「亮」
「どした紗綾?急に真面目な顔して」
「...ありがとう」
そう笑顔で言う紗綾に惚れそうになったということは、ここだけの秘密にしておこう。美少女の笑顔って(良い意味で)心臓に悪いよ。
次回、文化祭(多分1話では収まらない)
やっと5バンドが完全形態になったぜ
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