「音楽の天才」と呼ばれた俺がなぜガールズバンドに振り回されなければいけないのか   作:弾正

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Qポピパ回はまだ?
Aポピパって5人揃うのが遅いじゃん?バンドストーリー的に。というわけで中々出すタイミングが見つからないの。近いうちに登場させようとは思ってるから許して。


美少女の悲しむ姿を見たいか?俺は見たくない

 皆忘れているかもしれないけど、俺はRoseliaのコーチをしている。

 Roseliaのコーチを始めてもう1ヶ月以上経つ。彼女たちは俺のアドバイスをしっかりと聞いて、どんどん成長している。特に紗夜さんの成長はすさまじい。妹と仲直りしたからか、紗夜さんの音に迷いは感じられなくなった。いい変化だ。

 

 

 

 

 

 これからもRoseliaでのコーチを頑張ろう。そう思っていた矢先だった。

 

 

 「あこ、見ちゃったんだ...友希那さんがスーツを着た人と話をしていたのを...」

 

 

 Roseliaに最大の危機が訪れたのは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あこの話をすごいざっくりとまとめると、「友希那さんがスーツを着た人と話していた。どうやらプロのスカウトの話らしい。そして、そのスカウトはRoseliaとしてではなく、友希那さん個人に対するものであった」という感じだ。

 なんだ、そんなことか。それなら友希那さんが「私は他のバンドメンバーを捨ててまでプロの世界には行けないわ」と言って終わりだろう。あこちゃん考えすぎだぜ。ここはこの先輩が友希那さんに聞いてみて安心させてやろう(フラグ)

 

 

 「んで、友希那さん。なんと返事したんですか?」

 「...」

 「友希那さーん?聞いてますかー?おーい」

 「...」

 「もしかして湊さんは、自分だけがプロになれればいいと、そうお考えなのですか?」

 

 

 あっれぇ?おっかしいぞ~?

 え待ってふざけてらんないくらいおかしいぞ?紗夜さん怒ってるよ。怖いよ。友希那さん、今からならまだ間に合うから弁明を...!!

 

 

 「...」

 「そういうことでしたか。湊さんは私たちのことを、頂点へと上り詰めようと言って誘っておいて、結局は自分さえ行ければいいと、そういうことですか?」

 「ちょっと、紗夜!一旦落ち着いてって!!友希那も黙ってないで!!」

 

 

 紗夜さんキレる寸前なんだが?友希那さん何も言わないし。リサさん大変だな...あこちゃんも燐子さんもどうすれば良いのか困惑してるし...

 なるほど。これはヤバいかもしれない。

 

 

 「.....」

 「無言は肯定とみなしますが?」

 「.....」

 「っ...もう私にここにいる意味はないようですね」

 「ちょっと紗夜!それって、Roseliaはどうなっちゃうの!?」

 「さあ...今の私にはもう関係のないことです」

 

 

 そう言って紗夜さんはスタジオを出ていく。

 

 

 「あ、あこは...Roseliaが解散しちゃうなんて嫌だ!!」

 「あ、あこちゃん...待って...」

 

 

 あこちゃんも走って出ていってしまう。きっと色々な感情が混ざって複雑な気持ちになってしまっているのだろう。それを燐子さんが追って、またスタジオから出ていく。

 

 

 残されたのは、俺と、友希那さんと、リサさんの3人。

 

 

 今の気持ちを一言で。気まずいってレベルじゃねえぞぉ...

 

 

 「...友希那さん、なんであそこで黙っちゃうんですか?」

 

 

 俺はとりあえず話しかけてみる。人間チャレンジが大切だ!

 

 

 「.....私は」

 「私は?」

 「父のためにも、FUTURE WORLD FESに出ないといけないの...!!」

 「.....」

 

 

 これは.....何か深い事情がありますね。多分。

 

 

 「って友希那さん?なんで荷物まとめちゃってるんすか?」

 「フェスに出るためには、いくら時間があっても足りないわ」

 「え、ちょ、待」

 

 

 友希那さんが退出しました。

 残されたのは、リサさんと俺の2人のみ。さっきより気まずさが増えたぞ。俺こういう雰囲気大嫌いなんだけどどうしよう。

 

 

 「あはは...アタシ、なんにもできなかったなぁ...」

 「リサさん...」

 

 

 リサさんが自虐的に笑う。うん、これは精神やられちゃってるやつだ。

 

 

 「友希那を支えるって決めてたのに、結局Roseliaは」

 「まだ諦めるには早いんじゃないっすか?」

 「え?」

 

 

 俺は悲しんでいる美少女を見捨てられるような外道じゃないんでね。俺にできることは限られてるかもしれないけど、それでも最善を尽くしてやるよ。

 

 

 「リサさん。教えてくれませんか?友希那さんがなんでそんなに必死にフェスを目指しているのかを。それがわからないと何もできないので」

 「...わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リサさんが色々と話してくれた。

 友希那さんのお父さんは元々、プロのバンドをやっていたらしい。けっこう人気があったそうだ。しかし、ある時突然バンドは解散した。というのも、友希那さんのお父さんが歌おうとした曲が事務所に受け入れられず、事務所と対立したからだそうだ。その結果解散に追い込まれた、と。

 事務所と対立か...まるでいつかのパスパレみたいだな。あの時は平三さんがいたから良いけど、友希那さんのお父さんにはそんな味方はいなかったのか。馬鹿馬鹿しい話だよ。音楽なんて好きでやるもんなんだから。人に縛られる必要はない。人に縛られる音楽なんて、とっくの昔に終わってるんだ。

 当然友希那さんからしたら、何故父のバンドが解散しなければならないのか?と疑問に思うだろう。だけど、解散しちゃったものはどうしようもない。なんとかできないかと考える友希那さん。

 

 考えた結果至ったのが、(言い方悪いけど)復讐だ。バンドの頂点とも言えるイベント・FUTURE WORLD FESで父の歌を歌い、周りに認めさせてやろうと思ったのだ。父が正しいと証明する。父の無念を晴らす。そんな思いが、湊友希那という一人の人間を作っていた。

 そして、その復讐のため、いわば利用するためにRoseliaを作り上げた。リサさんは利用されていることがわかっていたけど、それでも幼馴染を支えるためにバンドに入った。

 

 

 父の想いを受け継ごうというのが決して悪いことだとは思わない。でも、そこまで冷徹になって音楽を極めて、果たして楽しいのだろうか?

 友希那さんがRoseliaを嫌いだということは、今までの練習を見ていた感じ、有り得ないと言い切れる。でも、それ以上に父の無念を晴らしたいのだろう。だからあこちゃんが言っていたスーツの人のスカウトを受けた...あれ?受けたって言ってたっけ?

 

 

 「リサさん。友希那さんって結局、プロのスカウトを受けたんでしたっけ?」

 「...言われてみれば、まだそのことは聞いてないね」

 「だったらまだ希望ありますよ!リサさん、友希那さんの家まで案内してくれますか?」

 「え、ごめん。話が急過ぎてついていけないんだけど...」

 「リサさんはRoseliaを解散させたくないんでしょう?」

 「まあ、そうだね」

 「だったら友希那さんがスカウト受ける前に家に突撃するのみ!!突撃ィィィィィ!!!!!」

 「ちょっと待ってよ亮!友希那の家知らないでしょ!!アタシより先に行ったらダメでしょ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後、リサさんの案内で友希那さんの家に着いた。

 いやー、勢いで決めちゃったけど、どうやって説得すれば良いんだ?

 

 

 「亮」

 「どうしたんですか?」

 「...アタシたち、これからどうなっちゃうのかな?」

 「それはまだわかりませんよ。でも、俺は最悪の結末回避するために全力で動きますよ」

 「...ごめんね、亮はメンバーじゃないのにこんなことに巻き込んじゃって」

 「リサさんは気にしないでくださいよ。俺が勝手に巻き込まれにいってるだけなんで。それに、美少女の悲しんでる顔は見たくないんで」

 「え」

 「美少女が悲しんでるってのに、それを黙って見過ごすだなんて、男としてできませんよ」

 「っ...!!」

 

 

 リサさんがこれ以上悲しむのを見ないためだ。この際気合いでなんとかするしかねえ!そこ、無計画とか言わない。それもこれもリサさんが美少女なのが悪いんだ。

 

 

 「じゃあ、行きましょうか。流れでなんとかしましょう」

 「なるほどねー...これは紗夜や日菜やモカが好きになっちゃうのもわかるなー...アタシも...」

 「どうしましたリサさん?」

 「ううん、なんでもない。それよりも、早く友希那に会わないと!」

 

 

 なんか、紗夜とか日菜とかモカとか言ってたけどどうしたんだろう?まあ、今はそれよりも友希那さんをどうやって説得するかだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 友希那さんの父が家に入れてくれた。ので、現在は友希那さんの部屋の前でガン待ち中。

 お父さんも急に娘が難しい顔をして帰ってきたから心配していたらしい。むしろ部屋に強引に入ってでもなんとかしてやってほしいと言う始末だ。流石に女子の部屋に無断で入るなんてのはできない。でも...

 

 

 「リサさん。俺達ここでどれくらい待機してますっけ?」

 「うーんと、30分くらい?」

 「ポケ〇ン1話見れますね」

 「なんでポ〇モン...?」

 

 

 小さいころよく見てたなー。最初に選ぶ御三家で毎回悩んだよ。懐かしい。

 このまま待機していても埒が明かない。こうなったら、非常に話しかけにくいけど友希那さんに話しかけて、部屋に入れてもらうしか...!

 

 

 「友希那さーん。俺です。佐竹亮です。ちょっとお話したいことがあるんで入れてもらえませんかー?」

 「あ、アタシもいるからねー☆」

 

 

 .....

 

 

 「返事がない。ただの屍のようだ」

 「友希那死んでないから...」

 

 

 返事をしないとは。わざわざ30分待たせておいてなんだその態度は。ただし、俺たちが勝手に待機しているだけだろという意見は認めない。

 

 

 「はぁ~...疲れた。よし、ちょっと動画見ようかな」

 

 

 何もせずに待機しているのも疲れたので、ちょっと息抜きに動画でも見よう。スマホはすごいな。どこでもYoutu〇eやニコ〇コ動画を見れる。

 

 

 「何見るの?」

 「猫の動画です。最近ハマってるんですよ。可愛くてほんとに癒されるんで」

 

 

 猫は良いぞ。マジで可愛い。ほんとに癒し。疲れた時に見ると本当に疲れ吹っ飛ぶ。

 

 

 ...ん?今友希那さんの部屋の方で物音したような?気のせいか?

 

 

 「あ、アタシも一緒に見ていい?」

 「もちろん」

 「ありがと☆」

 

 

 そう言うとリサさんはこっちに近づいてくる。スマホの画面ってあまり大きくないからな。複数で動画とか見るのには向いてない。

 

 

 「リサさんリサさん」

 「どうしたの?」

 「あの、いくら動画見るためとはいえ、近くないっすか?」

 「細かいことを気にする男は嫌われるよー?」

 「アッハイ」

 

 

 さっきからリサさんがすごい近い気がするんだけど。女性特有のいい匂いとかしてきて...はっ!落ち着け俺。冷静になれ俺。そうだ、俺たちは猫の動画を見ようとしているんだ。本来の目的を見失うな!

 ...あ。そもそも友希那さんの説得に来たんだった。何してるんだろ俺?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『にゃ~ん』

 「「可愛い...」」

 『にゃん!』

 「「「可愛い...」」」

 「「え?」」

 「あ」

 

 

 なんか、ふと隣を見たらリサさんがいるの。そこまでは良いんだよ。んで、反対側の隣を見ると、友希那さんがいたの。なんで?

 

 

 「友希那さん」

 「何かしら?」

 「.....猫、好きなんですか?」

 「そういうわけではないわ」

 「いやじゃあなんで出てきて」

 「待たせるのも悪いと思ったからよ」

 「だったら最初から出てくれれば」

 「それで、話があるのでしょう?」

 「いやまあそうなんですけど」

 

 

 思ってた展開と違う!!後、この誤魔化し方は絶対に猫好きだ!!猫好きに悪い人はあんまりいない。

 

 

 っと、ふざけるのもこのくらいにしておかないと。折角友希那さんが話を聞く気になってくれたんだ。チャンスは今しかない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 友希那さんの部屋の中にて

 

 

 「友希那さん、全部、リサさんから聞きましたよ」

 「そう...」

 

 

 さっきまでの猫好きお顔はどこへやら。友希那さんは一転して真面目な顔で話を聞いている。そういう俺も今回はガチで真面目だ。信用できないかもしれないけど真面目だ。誰がなんと言おうと真面目だ。

 

 

 「んで、単刀直入に聞きます。そのスカウトは受けたんですか?」

 「...保留にしているわ」

 「それはまたなぜ?お父さんの音楽を認めさせるいいチャンスなのに」

 「ちょっと亮...!」

 「...なんで保留にしているのか、実を言うと私もよくわからないの。折角の機会なのに、私は即答できなかった。なんでなのかしら...」

 

 

 セーフ!これでスカウト受けてたらゲームオーバーだった。

 やっぱり、俺の予想通りだ、友希那さんは、今...

 

 

 「それは、友希那さんが迷っているからだと思いますよ」

 「迷っている?」

 「はい。確かに、このスカウトを受ければ本来の目的は果たせる。Roseliaもそのために作った。でも、なぜか即答できない。つまり友希那さんは迷っているんですよ」

 「...何に迷っているのか、私にはわからないわ」

 

 

 友希那さんは、迷っている。

 

 

 「友希那さんにとって、気が付けばRoseliaで歌を歌うことは楽しくなっていた。違いますか?」

 「!?」

 

 

 Roseliaをとるか、本来の目的をとるかを。

 友希那さんとってRoseliaは、大切な場所になっていたんだ。

 

 

 「.....」

 「友希那...」

 「...私は、どうすればいいのかしら?」

 「どうすれば、じゃなくてどうしたいかの方が大切なのでは?」

 「...私は、Roseliaで活動を続けたい。でも、利用するために集めたのは事実だというのに、他の皆が私を許してくれるかしら?それに、父の曲もあの舞台で歌いたい」

 「そうですか」

 

 

 友希那さんの想いは確かに聞いた。

 友希那さんにRoseliaでの活動を続ける意思があるというなら、コーチとしてそれを助けるのみだ。

 

 

 「なら、簡単な話ですよ。Roseliaで頂点に立ち、父の曲をFUTURE WORLD FESで歌う。それだけの話ですよ」

 「だけど...」

 「誰もRoseliaをやめたいとは言ってませんよ。紗夜さんだって口ではああいう風に言ってるけど、実際やめたいだなんて全く思ってないですから。友希那さんの想いを正直に伝えれば皆わかってくれますよ」

 「こんな騒動になったというのに、私たちが頂点になれるのかしら...?」

 「何弱気なこと言ってるんすか。らしくないですよ」

 

 

 友希那さんが弱気だなんて珍しい。明日は雨が降りそうだな、と冗談はさておき。

 

 

 「俺がなんのためにRoseliaのコーチをやっていると思ってるんですか?」

 「っ!」

 「音楽の天才と呼ばれた俺が、Roseliaを頂点に連れて行ってみせますよ」

 「りょ、亮...」

 「さっすが亮ー、かっこいいねー☆」

 

 

 リサさんがそう言って茶化してくる。友希那さんはなんでかな、少し顔が赤い。

 けど、俺が言ったことに嘘なんてない。俺だってやるときはやる男だ。宣言したからには、必ずRoseliaという青薔薇を頂点に咲かせてみせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。友希那さんはRoseliaのメンバーを招集して、しっかりと自分の想いを伝えた。その結果、他のメンバー全員もRoseliaで頂点を目指すことに賛成。こうして、Roselia解散騒動は終わりを告げた。

 

 

 ちなみに俺は、よくよく考えてみたら恥ずかしいこと言ってたことに気付いたので、とりあえず現実逃避で寝た。当然のように学校に遅刻した。




Roselia解散騒動は一話で終わりました。シリアスはやっぱりこの小説には合いませんね...
亮くんがシリアスシーンで覚醒するのはいつものこと。


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