カーク・ターナーの憂鬱   作:ノーマン(移住)

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第4章の登場人物です。ご確認ください。一応年代ジャンプの内容は省いて記載しています。


第四章 登場人物

第四章登場人物(~宇宙暦742年)

 

 カーク・ターナー

今作の主人公。おぼろげながらある島国の宰相として上り詰めた記憶を持つ。(前世は田中角栄さん)オレンジの髪とエメラルドの瞳を持つ。超長期目線で、対帝国の必勝策を卒業論文とした。ジークマイスター分室では自主的に提案し、エルファシル駐屯地の増築、『ハイネセンの嘆き事件』『蝙蝠相場』への対応を担った。第13艦隊の艦隊司令となった後は、エルファシル方面の防諜体制の構築や国防委員会・統合作戦本部とのパイプ役を担う。ドラゴニア会戦で勝利に貢献したメンテナンス部隊も彼の上申により設立された。4章終了時は中将、第13艦隊司令、同盟軍最高幕僚会議常任委員。

 

■家族と友人

 

 両親

惑星エコニアの開発計画の話を聞いて、全財産をはたいてそれに応じた。カークを含めて4人の子供をもうけている。末っ子はカークの子供であるシュテファンとほぼ同い年。カークが生まれた頃は打ち捨てられたしがない地方惑星だったエコニアも、捕虜収容所の大規模新設や地道な緑化事業が続けられ、同盟の同化政策の中心地、経済的にも地方星系の中で、頭2つ分ほど抜き出た惑星になっている。カークの妹弟たちはエコニアで身を立てる方針。

 

 グスタフ・ウーラント

仕えていた貴族の政争に巻き込まれ、娘と息子を連れて同盟への亡命を決断した帝国騎士。ウーラント商会の財務責任者。修行から戻った嫡男ユルゲンが戻ってきて経営に参画しているため、肩の荷が下りた。ユルゲンの妻であるジェシーの妊娠を知り、嫡孫の誕生を期待している。義息のカークには恩義を感じているが、カークも見込んでくれた事を恩義に関しているため、関係は良好。孫たちとバーベキューをするのが楽しみの一つ。

 

 クリスティン・ターナー

今作のヒロイン。カークとの間に3人の子供を授かっている。接する機会が多かったカークの僚友達には、淑女然とはしているが、実は嫉妬深くてヤバイ事がうすうすバレている。任官以来、単身赴任をさせている事にも罪悪感を感じている。

 

 シュテファン・ターナー

カークとクリスティンの嫡男。名付け親はウォーリック商会会長のグレック・ウォーリック。

 

 エリーゼ・ターナー

カークとクリスティンの長女。名付け親はオルテンブルク侯爵(ジャスパーの祖父)。ファイアザード会戦の戦勝記念パーティーでは、ウォリス・ウォーリックと手を繋いで記念撮影にのぞんだ。

 

 ヴェルナー・ターナー

カークとクリスティンの次男。名付け親は祖父であるグスタフ・ウーラント。ファイアザード会戦の戦勝記念パーティーでは、ブルース・アッシュビーに抱かれて記念撮影にのぞんだ。 

 

 ユルゲン・ウーラント

ウーラント家の嫡男。カークの義弟。優しい性格で才覚もあるそうだが、軍人には向かないと父親は判断していた。カークを始め、周囲のできる兄貴分たちを尊敬し、また可愛がられた。エドワーズインダストリーでの修行を終え、婚約していたジェシー・エドワーズと結婚した。ウーラント商会の役員として経営に参画している。

 

 トーマス・ミラー

カークの4歳年上で、兄貴分。井上商会が捕虜収容所内に出店していた売店を任されていた。年の近いカークに井上商会の業務を教えたのも彼。母の妊娠を機に家計を助ける為に志願した。新兵訓練を終え、任地であるカプチェランカの途上であるエルファシルで、ヤン・シーハンと出会い、恋に落ちる。任地であるカプチェランカの基地が帝国軍の大規模攻勢を受け、戦死した。

 

 ヤン・シーハン

カークの兄貴分のトーマスと出会い、恋に落ちた。共にいたのは一夜だが、お腹に命が宿る事となる。命名はタイロン。誕生日プレゼントを毎年とどけに来てくれていたキャプテン佐三と相思相愛となり、結婚した。(法的には初婚)ウーラント商会のエルファシル支社の経営者でもある。タイロンがハイネセンに進学した事もあり、キャプテン佐三との間に2人の子供に恵まれている。

 

 ヤン・タイロン

カークの兄貴分であるトーマスとシーハンの子供。銀英伝原作読者なら知らないはずはないある人物の父親でもある。原作比で7年早めの登場。カークと出光による商人としての英才教育が開始されている。ビジネスの世界に進路を定め、名門である記念大経済学部に合格した。4章終了時で3年次。

 

 アデレード

ブルースの初婚の相手。激論が交えられた離婚調停の末に離婚した。調停役になったアルフレッドをして『女性を怒らせるものではない』と言わしめた人物。

 

 カトリナ・ローザス

進路は士官学校に隣接する音楽学校。カーク達の会食にも参加しており、クリスティンとも友人である。アルフレッド・ローザスと結婚した。3児の母。

 

 ファネッサ

カークがダンスパーティーに参加する代わりにファンのダンスパートナーになった音大生。コミュニケーションが苦手なファンに合わせて楽しい時間を過ごせる。ある意味逸材。ジークマイスター分室で愛妻弁当を食べるファンの姿は、ランチタイムの風物詩でもあった。ファンの出身地の名産を手土産に勧めるなど、交友が苦手な夫を支えてもいる。3児の母として家庭を守っている。

 

 ルシンダ

ブルースの再婚相手、母親のナタリー代議員の秘書のひとりだった。アッシュビー重病説を流すために新婚旅行を兼ねて3ヵ月、バーラト星系の惑星シュリナーガルのリゾート施設で一緒に過ごしていた。この配慮もあって、原作では誕生しなかったブルースの子供が誕生した。

 

 カタリーナ

ウォリスの結婚相手。長年愛人関係を続けていたが、ウォーリック重病説を流すためにリゾート施設に引き込もったウォリスに連れ添った。原作では恵まれなかったウォリスの子供を授かる。士官学校の合格発表の日に、赤い三本線をウォリスの首元に付けた女性でもある。

 

 

■ビジネス界

 

 井上オーナー

誠実な商売を心掛けるウォーリック商会から独立した商人。惑星エコニアで食品を軸に商会を経営している。エコニアに新設された捕虜収容所内に売店を出店していた。カークとの縁もありエコニアの顔役ともいえる立場に。帝国風の食材を振舞うことにより、捕虜たちの同盟への同化に一役買っている。現在ではエコニアが所属するタナトス星系でも有数の商会に成長している。

 

 キャプテン佐三(出光佐三)

井上オーナーと同じく、ウォーリック商会から独立した商人。商船の船長も勤める。定期的に会う機会があったヤン・シーハンとの一時に安らぎを感じ、求婚した。タイロンの養父となる。彼が経営する出光商会も、バーラト派・亡命派、そして軍部にも太いパイプを得て成長中。

 

 グレック会長 イネッサ夫人(ウォーリック商会)

ウォーリック商会の先代。現在は息子達に経営を任せている。バーラト系融和派の雄であり、亡命帝であるマンフレート2世とも面識があり、帝国の美術品にも造詣が深い。『ハイネセンの嘆き事件』と『蝙蝠相場』に際しては同盟経済界を主導する立場となり、多大な利益を同盟にもたらした。宇宙暦741年に会長職を退き、引退を表明した。

 

 ヴァレンティ補佐官

フェザーン自治領主府に所属する補佐官。同盟方面の案件を担当していた。『ハイネセンの嘆き事件』と『蝙蝠相場』で、同盟に持っていたフェザーンの影響力は失われ、天文学的な損失が生まれた。後始末を終えた段階で、倒産した証券会社社員の逆恨みから射殺された。あまり話題にならなかったが、補佐官には本来護衛が付くことになっており、本来ならあり得ない状況だった。

 

■政界

 

 ナタリー・アッシュビー

国防委員会に所属する代議員。ブルース・アッシュビーの母。夫は軍需系の企業で役員をしている。事実上の別居状態。見た目も麗しく、人妻と承知で口説いてくる相手も多いが、靡かない。末っ子のブルースが大好きで、何かと構うが嫌がられている。730年マフィアのファンとなり、彼らの為にも政界で頑張ろうと有力な支援者のひとりになった。ブルースの再婚に伴い、念願だった孫育ての為に任期満了に伴う総選挙に不出馬を決めた。現在は念願の孫育てと、ターナーを政界転出後のブルースの盟友にすべく、政策談義を定期的に交わすのが楽しみ。

 

 ラファエル

財務委員会所属の代議員。顔と弁舌だけが取り柄。圧倒的な女性票の確保で当選している。男性からの支持は壊滅的。ナタリー・アッシュビーとは旧知の仲だが、中身がない事は彼女にも見透かされている。懇ろになろうとナタリーを口説くが袖にされている。

 

■亡命派

 

 クラウス・フォン・オルテンブルク

ジャスパーの祖父。ジャスパーの活躍と亡命派への貢献を嬉しく思いつつも、亡命派の疑似的な貴族制を維持するために、それを公言出来ずにいる。付き合いのあるベルティーニ家を通じて、ジャスパーが縁を紡いだ案件に贖罪を兼ねて投資している。

 

 クラウディア・フォン・オルテンブルク

クラウスの妻、ジャスパーの祖母。本当なら初孫であるジャスパーを可愛がりたかった。ただ、正室との間に子供がいなかった為、可愛がればジャスパーの身が危険になると判断し、厳しく接した。ジャスパーの活躍を応援するために持参金を投資案件につぎ込むように進言した。

 

 

■軍関係

 

【帝国軍】

 

 マルティン・オットー・フォン・ジークマイスター

自分が生きている内は結果が出ない打倒帝国の夢を新しい希望とし、ターナーを支援する事にした。一時的には同盟内で屈指の影響力を得たが、個人の価値観で民主共和制の理想を実現する事は、民主共和制に反すると判断し、鍛えた730年マフィアの面々を分室から送り出した。帝国からもたらされる情報は、同盟が防衛戦争を優位に進めるのに大きな貢献をしている。いずれも大勝に終わったファイアザード会戦・ドラゴニア会戦も、彼経由で帝国軍の作戦計画が入手されていた事が、勝利を決定づける大きな要素となった。

 

 クリストフ・フォン・ミヒャールゼン

自身の手腕を発揮できる場として進んでスパイ網の構築・維持に取り組んでいた。ジークマイスターが同盟に亡命した後は、帝国に於けるスパイ網のトップのような立場となっている。平民出身のコーゼルが正規艦隊司令となり、実力主義による任用を匂わせ、軍部貴族の競争心を煽る一方で、同志たちに噂を広めさせ、宇宙艦隊司令本部内の対立を煽った。結果として名門軍部貴族中心で計画された出征軍はドラゴニア会戦で同盟に大敗することになる。本人は軍務省参事官になり、役職上は第一線から退いている。

 

 ケルトリング軍務尚書

伯爵家当主。元帥。就任直後に勅命により軍に皇族を多数引き受けさせられた。その結果多くの『名ばかり少将』が所属する事となり、対同盟戦で艦隊戦力を摩耗する事になる。そのツケを支払うかのように嫡男は名ばかり少将を率いたファイアザード会戦で戦死。敗戦を覚悟の上で、名門軍部貴族中心で計画された出征を許可するも、想定以上の大敗となる。次男もこの戦いで戦死し、ケルトリング伯爵家は後継ぎを2人ともアッシュビーに殺される事となった。

 

 ツィーデン宇宙艦隊司令長官

侯爵家次男。元帥。統帥本部総長を中心とした名門軍部貴族たちの派閥抗争を抑えられなかった。結果として長年の友人であるケルトリング軍務尚書の次男を戦死させる事となる。これによりケルトリング伯爵家の直系は途絶えた。アッシュビーを破る事を本懐とし、平民出身のコーゼルを相手に、本心を吐露するなど、政治的な能力は低いが、司令長官としては、器も人物眼もある人物。

 

 ハウザー・フォン・シュタイエルマルク

少壮の戦術家で、巧緻な用兵家、また風格ある武人として後世まで名をなす名将。貴族出身だが、その才覚や人柄は貴族嫌いのコーゼルからも高く評価される。貴族出身ながら、選民主義に陥らず、実力主義に基づいた任用を訴えていた。原作で言うヤンの様なポジション。優秀で先も見えているが、上層部の大多数は貴族の為、主流派にはなれずにいる。名門軍部貴族中心の出征が敗戦する事を予期した上層部の配慮で、正規艦隊司令に任命された。

 

 コーゼル

幅の広い貫禄ある身体に豊かな茶色の髪、そしてするどく明るい褐色の目を持つ剛直な職業軍人であり、右手の甲には白いレーザーの傷跡が残っていた。貴族出身の高級士官がほぼすべてを占める当時の帝国軍にありながら、平民出身で中将、正規艦隊司令を勤める。名門軍部貴族中出身の軍務尚書や艦隊司令長官も彼の能力は内心認めていた。実力主義を標榜した統帥本部総長派と軍務尚書派との派閥抗争からも一線を引いていた。またミヒャールゼンの行動から不審を抱き、ドラゴニア会戦前に内心を吐露してきた司令長官の信頼に応える様に、自身が感じていた疑念を打ち明けた。

 

 ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガー

 

ケルトリング軍務尚書の甥。原作で宇宙艦隊司令長官として登場するグレゴール・フォン・ミュッケンベルガーの父親。能力的には軍人として素養を備えていたが、軍務尚書の息子の後任として正規艦隊司令になった事は、宇宙艦隊内部では情実人事と受け取られ、宇宙艦隊司令たちのスタンドプレーをむしろ煽る事に繋がった。

 

 ロイズ伯

選民思想の典型の様な皇族。軍事的素養は全くなく。ファイアザード会戦までの途上でも何かと身勝手な行動を行い、司令官であったケルトリング中将(軍務尚書の長男)の足を引っ張った。帝国軍右翼を担ったが、ブルース主導の背面突撃に一蹴され、泣きながら命乞いをした。後に帝室の予算から身代金として100億帝国マルクが支払われ帰国するが、即自裁を命じられ、ロイズ伯爵家は取り潰しとなる。皇帝は一罰百戒のつもりだったが、一部皇族と後ろ暗い所がある門閥貴族が動揺した事で、帝国の政情は不安定になった。生前だけでなく死後も帝国に悪影響を及ぼした人物。同盟にとってはある意味英雄。

 

 ケルトリング兄弟

名門軍部貴族であるケルトリング伯爵家に生まれ、軍務尚書でもあった父から厳しく養育された。軍人としても水準以上の能力を持っていたが、兄は名ばかり少将達に足を引っ張られファイアザード会戦で戦死。弟は、統帥本部総長派に属した名門軍部貴族中心の出征に参加し、ドラゴニア会戦で戦死した。

 

 ローエングラム伯

軍部貴族の中でも武門の家柄とされるローエングラム伯爵家の当主。帝国軍の派閥争いに関連して、統帥本部総長派に属し、宮廷工作・陛下への上申を行うなど主導的な役割を果たした。ただ、残念ながら軍人としての素養はそこまでなかった。また優秀だった庶子の兄を妬んで冷遇した事で、その兄がミヒャールゼンの同志となり、彼の足元に罠をめぐらす事となる。結果として油断した彼が率いた出征軍はドラゴニア会戦で包囲殲滅され、彼自身も戦死した。

 

 エーレンベルク中将

侯爵家の3男。名門軍部貴族出身で、正規艦隊司令。ドラゴニア会戦では速戦を主張し、同盟軍の罠にはまる結果となる。挟撃成功後は同盟軍の増援3個艦隊の突撃を受け、旗下戦力は壊滅的な打撃を受けた。包囲殲滅の過程で戦死。

 

 フォーゲル中将

伯爵家次男。名門軍部貴族で正規艦隊司令。ドラゴニア会戦では慎重論を唱えたケルトリングに対して速戦を主張した。最左翼を担当していた彼の艦隊は、同盟軍の機動斜線陣の前に猛撃を受け続け、予備戦力を援護に回されるほどの損害を会戦序盤で受けていた。挟撃の際も、真っ先に突撃を受け、限界に近かった事もあり一瞬で崩壊した。真っ先に崩壊した事で、彼の旗下のごく一部が包囲される前に戦場から離脱出来たのは運命のいたずらだろうか。 

 

 クラーゼン中将

伯爵家次男。名門軍部貴族出身で正規艦隊指令。ドラゴニア会戦では慎重論を唱えたケルトリングに同調するも、勝利を標榜していたローエングラム伯は、進撃を決定。最右翼を担当していた彼は、ケルトリングと連携して包囲後も奮戦するが、それにも限界があり戦死した。

 

【730年マフィア】

 

 ブルース・アッシュビー

少尉の身である無名時代から大佐より偉そうに見えたという逸話が残る。正にこの時代の同盟版ラインハルト。必ずしもうまくいっていなかったアデレードとは離婚し、母の秘書のひとりルシンダと再婚した。3個艦隊クラスの戦力を殲滅したファイアザード会戦では、作戦立案と、挟撃の肝になった長躯迂回を主導。ドラゴニア会戦では小惑星を活かした挟撃-包囲殲滅作戦を主導した。4章終了時では大将、エルファシル方面軍総司令、第二艦隊司令官。

 

 アルフレッド・ローザス

沈着で公正な良識人。優秀な同期達に称賛を感じつつも、劣等感を感じていたが、それを昇華し優秀な同期達の潤滑油足らんと志を立てた。幼馴染のカトリナ嬢と結婚。夫婦仲も良好で2児に恵まれている。前線に活躍の場を移してからはブルースの補佐として軍歴を重ねる。その関係もあり、アデレードとの離婚調停の仲介人を押し付けられた。4章終了時は中将。ブルース旗下のエルファシル方面軍総参謀長、第2艦隊参謀長を兼務

 

 フレデリック・ジャスパー

とかく派手な用兵を好む亡命系原理派の雄、オルテンブルク侯爵家の庶子。彼自身は亡命してすら疑似的な貴族制を取る亡命系原理派に息苦しさを感じていた。ダンスパーティーで知り合った音大生と結婚。ベストカップルにも選ばれている。3児を授かっており、前線に活躍の場を移してからは主にブルース旗下で活躍。ウルヴァシー駐留基地増設に伴い異動。ファン旗下で第4艦隊の再戦力化を行う。ドラゴニア会戦では増援3個艦隊の先陣を切り、帝国軍の艦列を粉砕した。第4章終了時では第4艦隊司令、中将。

 

 ウォリス・ウォーリック

常に容姿・言動がキザで芝居がかっており「男爵」と揶揄されたが、むしろ本人が気に入って自ら名乗るほどだった。バーラト系融和派の雄であるウォーリック商会の直系の3男。前線に活躍の場を移してからも順調に昇進。長年愛人関係を続けていたカタリーナと結婚した。ドラゴニア会戦ではブルースと共に、機動斜線陣を活用し数的に有利な帝国軍を受け止めた。第4章終了時は中将。エルファシル方面軍副司令、第5艦隊司令官。

 

 ヴィットリオ・ディ・ベルティーニ

ヘビー級ボクサーのような体躯に、無数の小さな戦傷にいろどられた赤銅色の顔と剛い頬髯という見た目。体躯は全く正反対の小柄な音大生と恋仲になり結婚した。将官になったのを機に、熱帯魚を飼う趣味を始めた。前線に活躍の場を移してからは主にウォリス旗下で活躍。ウルヴァシー駐留基地の増設に伴い、第9艦隊の再戦力化を行う。ドラゴニア会戦では増援3個艦隊の第2陣を担当。猛攻を加えながら挟撃-包囲陣の形成を巧みに行った。第4章終了時では第9艦隊司令、中将。

 

 ジョン・ドリンカー・コープ

ドリンカーというミドルネームだが酒は一滴も飲めず、勝利の祝杯もアップルジュースで済ました。バーラト系原理派出身でブルースとは幼馴染。ダンスパーティーで知り合った音大生と結婚。3児を授かっている前線に活躍の場を移してからは主にウォレス旗下で活躍。ウルヴァシー駐留基地増設に伴い、第11艦隊の再戦力化とエルファシル方面軍と連動した訓練を主導した。アッシュビー・ウォーリック両名の重病説を流す際に、ターナーの補佐としてエルファシル方面軍に異動。メンテナンス部隊の最終運用確認なども彼が主導した。ドラゴニア会戦では機動斜線陣の一角を担い、挟撃-包囲殲滅に貢献した。第4章終了時では中将、第11艦隊司令。

 

 ファン・チューリン

この時代では数少ない地方星系出身の士官学校卒業者。人間関係の構築を苦手としていたが、僚友達の影響もありかなり改善された。ダンスパートナーとなったファネッサと結婚し、3児を授かる。少将に昇進した際にいずれは艦隊司令になると見越してターナーから第13艦隊旗下の第131分艦隊司令を内示された。本人も参謀長役を気に入っていたが、艦隊司令になる経験を積むために人事を承諾した。ウルヴァシー駐留基地増設に伴い、軍政面の能力を買われて駐留軍総司令に任じられる。フェザーン商船の出入りも多いウルヴァシーをエルファシルの前例も確認しながら防諜体制も含めて構築を主導した。ドラゴニア会戦では増援3個艦隊の総指揮を担当。手堅く小惑星ドラゴニアの影になる様に艦隊を進撃させ、挟撃-包囲殲滅を成功に導いた。第4章終了時は中将、ウルヴァシー駐留艦隊司令、第8艦隊司令。

 

【部下・同盟陣営登場人物】

 

 エレン・バスケス

スパルタニアン乗りの中尉。撃墜数5機でエース資格持ち。カークが指揮した第111強行偵察大隊の数少ない女性士官。タイロンを弟分として可愛がると共に、理想的な上官のカークに密かに想いを寄せていた。残念ながら彼女の想いは実ることなく、ハイネセンの試作部門のテストパイロットとして転出した。試作担当のヤマハ技研のエンジニアと結婚。

 

 ハドソン

カークが指揮した第111偵察大隊の旗艦の機関長。ムードメーカーでもあり、部下たちに慕われている。従軍前はエンジニアもしていた。カークが昇進して半個分艦隊を指揮する事になった際、自ら売り込んで旗艦である長門へ転出した。

 

 アッテンボロー少将

ターナー旗下の第13艦隊の参謀長。孫娘たちとの時間を作るために退役するつもりだったが、ファンの転出に伴い、ご意見番的な参謀長を求めていたカークの三顧の礼により、退役を延期した人物。歴戦の経験に基づいた進言は新進気鋭の集団である730年マフィアの面々にも一目置かれている。孫娘のひとりはパトリックという男性と結婚し、3人の娘とひとりの息子に恵まれる。

 

 アレクサンドル・ビュコック

出身地の惑星バラスの経済発展に伴い、家族の徴兵名簿順位を下げるために志願し辺境出身の若者。姉と結婚した元帝国軍捕虜のデニスの伝手で、ターナーの従卒となった。エルファシルの新兵訓練は、陸戦隊も合同で実施されていたので、一部レンジャー資格向けの過酷な訓練を受けながら、直属の上司であるコナー曹長からも書類仕事を振られるなど、密度の濃い軍歴をスタートした。初陣はドラゴニア会戦。メンテナンス部隊のオペレーターを見事に勤めた。書類仕事を経験する中で知識の必要性を感じ、コナー曹長の娘、サラと勉強する事となる。原作では士官学校へは進まなかったが、今作ではコナー母娘の思惑もあり、士官学校へ進路希望している。

 

 サラ・コナー

ターナーの秘書官であるコナー曹長の娘。記念大の経済学部を目指していた。休日に一緒に勉強する様になったビュコックに思いを寄せる。志望していた記念大の経済学部のキャンパスが、士官学校と同じテルヌーゼンにある為、ビュコックが士官学校を志望する様に画策した。士官学校対策にも長じており、彼女の想いを知らないビュコックは、サラも士官学校志望なのか?と心配している。

 

 コナー曹長

ターナー旗下の第13艦隊司令部付きの秘書官。エルファシルが駐屯基地だった頃から事務関係を担っていたベテランの女性下士官。サラと言う娘がいる。ビュコックに思いを寄せた娘にアドバイスを求められ、士官学校へ進ませる画策を勧めた。どちらかと言うと勤務中は言葉少なめなタイプ。機密に触れる事が多いターナーの状況を理解し、線引きした業務遂行が出来る人物。

 

 アビー曹長

アッシュビー旗下の第2艦隊司令部付き秘書官。コナー軍曹同様、エルファシルが駐屯基地だった頃から事務を担当していた。明るく甲斐甲斐しい人柄だが、怒らせると怖い。

 

 エスピノ曹長

ウォーリック旗下の第5艦隊司令部付き秘書官。コナー軍曹同様、エルファシルが駐屯基地だった頃からの事務を担当していた。コナー・アビー・エスピノの3軍曹の会議はエルファシルにある第3駐留基地ではかなりの権威を持ち、帝国3長官会議になぞらえて3軍曹会議などと呼ぶ者もいた。

 


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