美醜逆転アズレン世界における色物系Yongshiber SHIKI-KAN☆TV 作:SHIKI-KAN
闇の心さんが便利過ぎて手放せません。
「シキカン、休憩時間がもうすぐ終わるのだ。 ……名残惜しいけど、雪風様はそろそろ戻るのだ! ……今日の仕事が終わったら、早速あんたの家に行ってもいいのだ? 雪風様はもう待ちきれないのだ!」
「いいよいいよ。さっきも言ったように俺は大歓迎だから! ……ビシャマルちゃんも家に居るけど、それでも良ければ家に来て!」
「……ビシャマルも、最初は怖か……怖くはなかったのだ!! 雪風様はオフニャなんかで怖がらないのだ!! シキカンの配信を観てたら嫌でも慣れるのだ!! 余裕なのだ!!」
「そ、そう? それなら良かった。じゃあ今日は家で遊ぼうか! 俺も今日はもうある程度目的は果たしたから、これから自分の家に帰るつもりだしね!」
「……シキカン、綾波も。 ……今日もシキカンの家にお邪魔しても、大丈夫ですか? 綾波も一緒に、みんなと遊びたい……です」
「おっけーおっけー! 綾波ちゃんもおいで! 1人も2人も変わらないしね! 寧ろ賑やかになって良い位だし! というか雪風ちゃんは俺の家の場所わからないだろうから、綾波ちゃんが案内してあげたら一石二鳥だしね! 今日は2人で俺の家に来なよ!」
「……ゆ、ゆz。 ……や。 ……あ、綾波は。 シキカンの家を知ってるのだ? それなら案内してほしいのだ! よろしく頼むのだ!」
「……了解……です。 ……蓮……さん。 ……いいえ。 ……雪風……さん。綾波も、みんなで遊ぶ方が、楽しくなると思うです。綾波は、盛り上げるのが下手……ですから」
「……ッ!! ……綾波ッ! 雪風様と綾波はもうリアルでも友達なのだ! 雪風様にさん付けはいらないのだ! 名前だけで呼んで欲しいのだ!」
「……わかった……です。 …………雪風。 ……雪風! これからも、よろしく……です!」
「こちらこそよろしくなのだっ! 綾波ッ!」
「おおー、凄い。友情を確かめ合ってる。やっぱこの2人を合わせたのは正解だったなー。この調子でどんどん仲間が増えてけば良いんだけど。 ……まあそんなに上手くは行かないか。 ……取り合えず、2人共これから仕事の続き頑張ってねー!」
「わかったのだー! 頑張ってくるのだー! シキカンは家で帰りを待ってるのだー! 仕事が終わったら寄り道しないですぐに行くのだー!」
「綾波も、午後の仕事を頑張ってくる……です。 ……シキカンも、気を付けて、帰るです」
「了解―! 大丈夫! 綾波ちゃんのおかげで帰り道もバッチリだから! それじゃあいってらっしゃーい!」
……………………ふぅ。行ってしまった。 ……というか、なんかこの構図おかしくね? ただのニート配信者が、見た目中学生レベルの女の娘のKAN-SENを仕事に送り出して自分は暇してる構図とか。冷静に見てヤバくね? 俺ヤバくね? まあ既に俺のヤバさはぶっちぎってるから関係ないか。細かい事は気にしない様にしよう。この世界ではKAN-SENちゃんを働かせるのは通常。平常。平壌運転! よし、自己暗示完了!
闇の心AR:閣下よ、良いではないか。本来ならば守ってやらなければならない、可愛い駆逐艦の妹達から養われる生活というのも。これが噂に聞くバブみという奴ではないのか? 私は理解できるぞ。
……うるせえ。そんな、この世の闇の塊みたいな属性を理解してるんじゃねえ。いや、こいつは闇の心だったわ。 ……闇でも俺の心じゃん。半分は俺もバブみ理解してるって事じゃん。やだなぁ。そもそも俺バブバブしてないし。これはバブみとはちょっと違うんじゃない?
闇の心AR:……そうだな。これはバブみではないな。どちらかというと、共依存に近いか。閣下よ、良かったな。駆逐艦綾波もいずれ、今日のパチスロ代よ、と言ってお金を恵んでくれるようになるぞ。というか閣下は既にスペチャされていたな。流石は閣下だ。この私の考えの先を常に突き進んでいる。
……それ違う方の人だから! ダメ提督製造機の方だから! しかも結構評価分かれてる価値観の奴だから! 色んな闇を掘り起こすのはヤメロ下さい! 俺はそんな展開望んでいません!
闇の心AR:……ふむ。まあそういう事にしておこうか。 ……さて、閣下よ。考え事を邪魔して悪かったな。今回は私の方から引くとしよう。夕方からは駆逐艦綾波と雪風による宴の開催が予定されているのでな。それまでに力を蓄えて置かなければ。 ……何かあったら呼んでくれ、何時でも閣下の力となろう。
……お前はその宴に呼んでないけどな!? 絶対出てくるなよ!? マジで出てきたら承知しないからな!? 出てきた瞬間ハートキャッチだからな!? 覚悟しとけよ!?
……マジで消えやがったなアイツ。何の為に出て来たんだよ。定期的に俺の心を乱してくるな。
……今は心を平静に保ててるけど、俺の心が乱れた時にアイツが来たらマジでヤバそうだぞ。
……ちょっと光の戦士PLちゃんと相談して対策を練っておかねば。
……さて、俺もそろそろ帰ろうかな。あんまり遅くなると帰宅ラッシュに巻き込まれそうだし。そうなったら俺が帰宅するのは自宅じゃなくて地獄になる可能性大だし。よし、さっさと帰ろう。
……お? あんな所にコンビニがあるぞ? しかも通常サイズ(俺にとって)の。
……あれかな? 外国人とか小人専用かな?
やっぱ基地ってくらいだから5m級の鬼神さんだけじゃなくて色んな人が来るんだろうか? ていうかKAN-SENもいるんだからそのサイズのお店もあるに決まってるのか。感覚がマヒしてたわ。
……せっかくだから見に行ってみるか。配信の時に重桜の軍隊さんがGallolyMate食べてるって聞いたから、もしかしたら俺の味覚に合う食品もいくつか売っているかもしれない。
よし、漢は度胸! 何でも行ってみるもんさ! シキカン! コンビニ入りまーす!
【テレテ↓レテレ↑~ン♪ テレ↑テレ↓テーン♪】
……からあげ君下さい。
闇の心AR:閣下、それは違う場所だ。それに、心の中で言っても私にしか聞こえないぞ。
うるさい。黙って。
闇の心AR:了解した。
「いらっしゃいませ~♪ こんにち……わっはぁ!?」
……んん!? なんか店員さんがびっくりして……ってうお!?
……あれ赤城さんじゃね? 一航戦の。空母赤城じゃね?
……なんかコンビニの店員服着て、般若のお面で顔隠してるけど。完全に耳と尻尾が隠せてませんよ?
な、なるほど? 赤城さんはコンビニで働いてるのか。 ……軍隊の仕事は良いのだろうか。
……ちょっと声かけてみるか。
「……あ、あの~? ……もし人違いだったら申し訳ないのですが。 ……赤城さんでいらっしゃいますか?」
「……!? ……へぇ!? な、なんで私がわか!? ……ん! んんッ!!
…………あ、赤城? ど、どなたでございましょう? わ、私は存じ上げておりませんわ? ……ね、『ねえむぷれいと』にもちゃんと『鳳(おおとり)』と記載されて御座いますわよ? ひ、人違いじゃ御座いません?」
「……え? ……そ、そうですか? でも、声とかも完全に赤城さんな気がするのですが?」
「ゴ、ゴホンゴホン! わ"、私"は"赤"城"で"は"ご"ざ"い"ま"せ"ん"わ"」
「……ええー、いきなり声が変に。 ……わかりました。俺の勘違いだったみたいですね。すみません、仕事の邪魔をしてしまって。俺は店内を観させてもらいますね。 ……それでは」
「ど、どう"ぞごゆ"っく"り"~」
……うーん。どうみても赤城さんだ。しゃべり方も声もそのまんまだもん。なんか隠そうとしてたけど。
……なんで隠そうとしてるんだろう。俺にコンビニで働いてるってバレるのが嫌なのか?
……赤城さんならありえそうだな。誇り高き一航戦がコンビニでアルバイト等~とか言いそう。むしろ俺が居なくても言いそうなのに。 ……なんでコンビニで働いてるんだろう。
……まあ、あの重桜軍隊の惨状を見たら、こうなっても仕方ないか。綾波ちゃんは最低限の賃金は稼げてるって言ってたけど。どう見てもブラック職場だもんアソコ。3Kどころか5Kくらいありそうだもん。キツい、汚い、危険、苦しい、怖い、鬼神、くらいありそうだもん。俺なら絶対嫌だね。コンビニバイトの方が百倍マシだわ。逆になんで軍隊のKAN-SENはあんな場所で耐えてるんだって言うね。みんなもう他の職を探す気力すら起きないのかな。 ……うーん、わからん。
まあ、赤城さんもバレたくないって事ならそっとしておくか。出来ればお話ししたいけど。居場所が分かっただけでも儲けものって思う事にしよう。よし、今日から此処が俺の行きつけのコンビニだ。片道1時間かかるけど。ニートだから問題なし。
さーて、商品は何が売ってるかなー。 ……うわー。ごめんなさい。行きつけのコンビニって言った事を5秒で後悔し始めました。はぁー、ここもか。ここも野生動物保護協会さんの特区か。なんでアナコンダみたいな巨大な蛇の丸焼きが棚に置いてあるんだよ。軍隊さんの食生活豪快過ぎだろ? こんなのジャングルでサバイバル生活に慣れてる傭兵さんしか美味しく頂けないよ。ここは小人専用コンビニじゃなかったんですかね? ……良く見たらお客さんも俺以外誰もいないし。たぶん俺サイズの人はアナコンダ食べませんよ? 仕入れ間違ってませんか? 潰れますよこのコンビニ。
……いや、まだ希望を捨てるな。きっと何かあるはず。俺がこのコンビニに通えるだけの何かが欲しい。頼む! 何か俺にとっての普通があってくれ!!
……ん? あれ? なんかあるぞ? ……!? ……普通の和菓子があるぞ!? 棚の奥のめちゃくちゃ目立たない位置にだけど! なんだこれは!? ……あれ!? 形も普通だぞ!? なんか羊羹っぽいのが置いてあるぞ!? と、となりは……!? ……なにこれ? ヒヨコ? なんか饅頭って書いてあるけど。これ実物? ……でもお菓子コーナーに置いてあるって事はお菓子だよな。いやでもこの世界はヒヨコをお菓子として食すかもしれん。 ……ちょっと店員さんに聞いてみよう。
「……あのー? 店員さん? ちょっと聞きたい事があるんですけど」
「……!? は、はひっ。な、何でございましょう?」
「えーっと、このヒヨコの形をした饅頭って商品なんですけど。これは本物のヒヨコですか? それともお菓子ですか?」
「!? ……そ、それは!? ……それはヒヨコではありませんわ。饅頭というお菓子でございます。私のおススメの商品で御座いますよ?」
「え!? 本物のヒヨコじゃないんですか!? ……よ、良かった。 ……じゃあ、このヒヨコ饅頭と、この羊羹のお会計を、お願いして良いですか?」
「……ま、饅頭だけでなく、羊羹まで……? わ、わかりましたわ。少々お待ちくださいませ? ……はい、2点で、250円になりますわ」
「ありがとうございます! ……はい、250円です! 取り合えず1個ずつで。美味しかったらもっと買いますので! ……うおー、形はまんま羊羹だなこれ。もうここで食べて行くか。 ……あ。すみません、あの店内のテーブルで食事しても良いですか?」
「か、かまいませんわぁ? ど、どうぞごゆっくりぃ?」
「ありがとうございまーす! じゃあ利用させて貰いまーす! 赤城さんありがとうございまーす!」
「!?!? ……で、ですから!? 私は赤城でなく鳳でございますわ!? シキカ、お客様ぁ!?」
「さーて、早速食べるか。 ……お願いだ! 味も普通であって下さい! マジでお願いします!
…………………うまっ。 ……え? 普通に美味しい。 ……マジで? マジで普通の羊羹じゃん。 ……こっちのヒヨコ饅頭も普通に饅頭じゃん。普通どころかめちゃくちゃ旨いじゃん。日本だったら高級老舗店で限定販売出来るレベルじゃん。気合い入れすぎだろヒヨコ饅頭」
「……し、しき。お、お客様は、そちらの商品が、お気に召したのでございますか?」
「あ、赤城さん、どうも! このコンビニ凄いですね! こんな美味しいモノが売ってるなんて! これどこのメーカーから発売されてるんですか!? 俺このクオリティの商品なら是非大量に購入したいんですけど!」
「で、ですから私は……! ……はぁ、もう、赤城で良いですわ。 ……シキカン様に、鳳、と呼ばれたくもないですし。 ……シキカン様はどうして私の事を一目で赤城だと分かったのですか? この様に般若の面で顔を隠してもいるのに。 ……もしかして本当に、私との愛の力が働いたのでしょうか?」
「え? えーっと? それは前から赤城さんの特徴を知っていたというかなんというか。 ……説明がめんどくさいので、愛の力が働いたって事にして置いて貰っても良いですか? 俺赤城さんの事好きですし。ゲームではお世話になってましたし。3-4は200周以上させられましたけど」
「へっへあ!? シ、シキカン様が!? 今好きと!? 私の事を好きと仰いましたか!?!? な、何故でございましょう!? シ、シキカン様が本当に私に好意を抱くなど!? わ、私はシキカン様にまだ何も、与える事が出来ておりませんのに!?」
「……え、えーと。それはまあそうなんですが。……なにも与えていないというのは違くないですか? スペチャしてくれてましたし。 ……それに、ここでは。重桜では、赤城さんが存在してくれて居るだけで、俺はありがたいというか。心の癒しになると言うか。お礼を言いたくなると言うか。 ……配信でも積極的に俺の事を手伝って頂けましたし。ちょっとMOBGの時は反則技とか使っちゃってましたけど。まあアレは遊びみたいなモノだったので。 ……いつも俺の配信を観に来てくれて、ありがとうございます。赤城さん」
「そ、そんな、お、お礼を言われるほどの事は何も……。 ……シキカン様は、本当に、私の事を慕ってくれておりますの? ……私は、こんな体ですのよ? 醜い、どころか、忌まわしき存在、とまで言われる見た目ですよ? 本当に、こんな私に、好意を抱いておりますの?」
「赤城さんの見た目ですか? ……忌まわしいどころか可愛らしいですけど? ……いや、今はコンビニの店員服を着ているせいで魅力が半減していますが。 ……それでもなんか神々しいオーラが出てますよ。隠せてないですよ。主に耳と尻尾から存在感が出てますよ。 ……あとはその般若のお面だけ、外して頂ければ最高なんですが。そのお面だけはめっちゃ怖いんで。なんでそんなリアル般若してるんですか。職人芸ですか。人間国宝が彫ったりしたんですか。まるで生きてるみたいですよ? さっきと表情変わってませんか? ……出来ればちょっと、般若面を外して頂けるとありがたいのですけど?」
「…………………………こう、で、ございましょうか?」
「……おおー! 赤城さんだ! 完全に赤城さんだ! とても凛々しいですね! 大人の女性って感じです! やっぱ黒髪に紅眼は似合うなー。俺の中では金髪碧眼と並んでの2大巨頭ですよ!」
「……シキカン様。 ……ワタシ、キレイ?」
「……えーっと。 ……キレイですよ?」
「……ワタシ、キレイ。 ……シキカン、サマガ、ワタシヲ、キレイと。 ……フフ、フフフ、フフフフフ」
「……あ、赤城さん? ど、どうしました?」
「……シキカン様ぁ? 先ほどのお菓子でございますけど? あれは赤城の家で製造している商品でございますわぁ。非常に、非常に残念な事に、もうこのお店には在庫が御座いませんの。 ……シキカン様がよろしければ、私の家にご招待いたしますわぁ? どうぞ、いらっしゃって下さいまし。精一杯のオモテナシを致しますわぁ♡」
「……え、えーっと。でも、いきなり家にまでお邪魔するのはご迷惑じゃ」
「そんな事ありませんわぁ♡ 私の家は、此処から歩いて直ぐの所に御座いますの♡ シキカン様にお手間をお掛けする事など御座いませんわぁ♡ どうか♡ どうか♡ 私の家にいらっしゃって下さいまし♡」
「わ、わかりました。そ、そこまでお願いしなくても、俺は行きますよ。別に断る理由もありませんしね」
「そ、そうで御座いますか! ありがとうございますわぁ! こ、これで、私と、シキカン様が、私の家で。 ……フフ、フフフ、アハハハハハハハハハハ!!!」
「あ、赤城さん!? いきなりどうしたの!? 今はお客さん俺しか居ないから良いけど、店内でそんな大声だしたら怒られちゃいますよ!? いや、既に俺とこんなに話し込んでる時点でアレだけれども! と、とにかく、落ち着いて下さい!?」
「フフフ♡ こんな雑貨店の事など、後でどうにでもなりますわぁ♡ さあさあ、シキカン様、早く私の家に行きましょう♡ 今すぐに♡ さあさあ♡」
「ええー。良いのかなー。後でめちゃくちゃ怒られても知りませんよ? ああー、もう店の外に……。しょうがない。お饅頭と羊羹の在庫を買い取ったら直ぐに戻れば大丈夫だろ。 ……うん、赤城さんが不穏な事言ってたけど。大丈夫だ問題ない。 ……問題ないかなぁ? ……なんか怖いなぁ? ……死亡フラグ建ってないこれ? ……もう逃げられなくない?」
「シキカン様ぁ~~~♡♡ 早く行きますわよ~~~♡♡」
「……うん、とりあえず、何とかなるだろう。多分。 ……なんとか、なって、欲しい、なあ。 ……ナントカナッテクダサイ」
ナントカなりますん。