「はあああっ!!!」
紅魔館の前の広場、俺は瞬間的に移動し赤いチャイナ服に殴りかかる。
「……ふっ!!!」
「ぐはああっ!!!!!」
チャイナ服の女性、紅美鈴が一言息を吐きながら言った瞬間、俺は10mくらい吹っ飛ばされる。感触的に殴られたのか…でも少しのダメージだからすぐ起き上がれた。美鈴が気を調整してくれているのだろう。
「痛ってえな……流石は武術の達人だ、何されたか全く見えなかったぜ?」
ニヤッと笑いながら美鈴を睨み付ける。
「朱雀さんはまだまだ力任せで基本がなってませんねー、もっとこう、脇をしめて点で拳に力を入れてその瞬間気を送り込むんですよ。もう一度やってみましょう」
「お、おう…ちくしょう次こそは!」
また姿勢を直し、美鈴に向かっていく。
「うん、頑張っているみたいね」
私と咲夜さんは朱雀たちが始めた少し後に出てきて、その様子を見学していた。
「そうみたいですね。私には速すぎてついて行けないですけど」
2人が組み合っているのを少し遠くで見ながら苦笑を浮かべる。あれくらいはいかなくてもいいから強くなりたいなあ。
「じゃあ私達も始めましょう。今日はまず霊力を弾幕として出す練習、あとは空を飛ぶ練習をしましょうか。これが出来ないと弾幕ごっこもできませんわ」
「了解です!」
よーし、やるぞ!宇佐見蓮子、行きまーす!
──数時間後──
「今度こそ…!」
持てる霊力をギリギリまで調整して力を込める。
「……ついに出来たわね」
閉じていた目を開いてふと横を見るとさっきまでいたはずの咲夜さんは消えていた。
「あ…れ?」
下を見てみると私は地面から10m程度の高さまで浮いていた。咲夜さんが満足げな表情で腕組みをしながらこっちをみている。
「やった…飛べたんだ!人間の限界を超えたーーー!!!」
嬉しくてそこら中をビュンビュン飛び回る。回転したり、方向転換したりしてただただ飛べることを楽しんでいた。
「ち、ちょっと、気をつけて蓮子!!…ま、そりゃそうか。私も最初はあんな感じだったかしらねえ、考えてみたら懐かしいわ」
「あははははーーー」
楽しいなあ、これ。全然飽きないや。…おっと、あまりハメを外しすぎないようにしないと、いけないいけない。えーとそう言えば朱雀は…っと。おお、全く見えないや。残像かなあれは?
「…もうそろそろやめにしませんか?上達してきたし気分転換も必要だと思うんですが」
「いや、まだだ。もう少しで…完成しそうなんだよ」
「そうですか…」
組み合いながら話をしているがもう体力はほとんどカラッポだ。しかしやっていくにつれて美鈴の格闘技と俺の何かを組み合わせた技が完成しつつあったのだ。でもあと1つ、その何かが分からなかった。時空?スキマ?違う。それ以上に身体の底から湧き上がってくる力強いものだ。
「キリがないのでこれでラストにしますよ。これは私も本気で行くので覚悟して下さいね」
「………」
美鈴の言葉を聞きつつも何かの答えを考える。一度目をつぶりゆっくり型をつくり、再び目を開く。
「──────ふっ!」
「!?これは…速い!」
さっきよりも段違いの加速をしたことで美鈴は少し驚いて一瞬動きが遅れた。その隙に間合いを一気に詰める。拳にありったけの力をこめ、殴りかかる。
「おおおおお!!!」
(朱雀さんの拳に赤いオーラ!?)
「ですが…まだまだ甘い!」
「はっ!どうかな?」
「一体何が…なっ!?」
ニヤリと不敵は笑みを浮かべると、瞬間的に3、4倍のスピードに加速する。
「これは当たるだろ?うらあ!!!」
「ぐっ!!!」
オーラをまとった拳を一閃。まともに食らってかなりの勢いで飛ばされ、紅魔館の壁にぶつかった美鈴は目を回しながら倒れていた。俺は美鈴の元に駆け寄り声を掛ける。
「お、おい大丈夫か!?少しやりすぎちまった…最初だから加減が分からなくて…何というか、すまん」
顔の前に両手を合わせ何度も軽く頭を下げる。
「い、いいんですよ…気にしないで下さい」
「すーざくっ!」
「…ん?」
周りを見回しても誰もいない。…ああ、上か。
「おう蓮子、飛べるようになったのか」
「へっへー凄いでしょ。いかなることも蓮子さんにとっては朝飯前よ!」
何を言ってるんだか、4時間くらいかかったくせに。あ、ちなみに俺は5分で出来たぞ。朝飯前とはこういうことだろ。
「何言ってるの、4時間もかかってたわよー。ま、普通の人間にしては上出来の範囲内かしら」
あ、どうやら咲夜も同意見のようだ。しっかしいつ見てもキレ…
「あ~ら何咲夜さんのことジロジロと見てるのかな~?」
びくうっ!!!
何されたかって?いきなり蓮子が後ろから耳元に囁いてきたんだよ!ああもう咲夜が不思議がってるじゃないか!どうするんだよ!?
「…ちょっと来い」
「え、ちょ、ひゃっ!?」
手首を掴まれ、近くの少し大きい木の影に隠れた所で朱雀は手を離した。
「おい、どういうつもりだ?」
「私とは明らかに目線が違ってたからもしかしてーと思って。まさか咲夜さんのこと…?」
「…咲夜がど、どうしたっていうんだ?」
「……好・き・で・しょ?」
ぶっ!!!!
吹いた。盛大に吹いた。
「お、おまっ!?……いつから感づいてたんだよ」
かなり驚いた口調になったが咲夜を見て冷静になり静かに話し掛ける。
「あ、やっぱりか」
やっぱりって…俺そんな目立つことはしてないはずだが…
「うーんとね、昨日咲夜さんが朱雀と話すとたまに顔真っ赤にしてそっぽ向くって聞いたからもしかしてーと思ったら、ビンゴって感じ?」
「え」
あちゃあ…大したことやっちゃってたよ…。頭痛てえよこんなのに弱み握られるなんて…。蓮子にいじられまくる情景を考え、頭を抱える。
「あの子たち、何話してるのかしら…?」
咲夜さんがダメージを負った美鈴さんの治療をしながら呟いた。
「いたたっ!染みますよ~」
「こんなの我慢しなさい。消毒しないとバイ菌入るわよ?」
「うう…それにしてもあの2人、仲良いですよねー見ていて微笑ましいですよ~」
「……」
ふと咲夜さんは私たちがいる木の方を向く。
「お前、絶対言うなよ?」
「うーん、どうしようかなあ?」
「おい」
「あ、咲夜さーん!」
蓮子が咲夜に向かい、急に走って行こうとする。これはヤバい!
「ちょっと待てえええ!!!っておわっ!!?」
「きゃっ!!!」
俺も走って蓮子を追いかけて手を掴んだはいいが……滑ってしまい蓮子を押し倒すような形になってしまったのだ。
「………」
「………」
どちらも顔を真っ赤にしてお互いを見つめ合い、無言の状態が続く。はっと我に返ると向こうから声が聞こえてきた。
「あれ?……うひゃー大胆ですねえ」
「ええ…。さ、邪魔者は退散しましょう、美鈴」
(え、咲夜!?)
(咲夜さんに美鈴さん!?)
「い、いやこれは違うんだよ!!事故みたいなもんで…な、そうだろ?蓮子」
「う、うん。だから2人共勘違いしないで!?」
俺たちの弁明を聞いた2人は共に顔を向け、頷く。
「「さ、お嬢様(レミリアさん)に報告しなきゃ!!!」」
「「ちょっと待ってええええええ!!!?」」
2人の羞恥の叫びが紅魔館中に響き渡った。
押し倒す事故発生!朱雀くんにとっては咲夜さんに勘違いされてもおかしくない可哀想な出来事でしたねえ~。蓮子も巻沿いというwこれからもやらかしてくれそうな展開でした!
では、今回もありがとうございました!