氷華は戦姫の隣で咲き誇る   作:クロウド、

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感想、評価、ご意見待ってま〜す。
すんません、なんか話の内容ごっちゃになりそうなんですギアに能力つけるのはなしにしようと思います。


Durandal

『それで、響ったらまた一人で帰っちゃって。バイトだって言ってたけど、本当に何してるのかな』

 

 冬獅郎は二課に向かう途中の入った、未来からのコールを受けていた。二課の仕事のせいで響が友人たちと遊べていないことに気づいていた。勿論、未来とも。

 

「俺も最近、バイト始めたからな……立花が最近どこにいるかは俺にもわからねぇ」

 

『そっか……。』

 

 冬獅郎も二課のことを話すわけには行かない、だからバイトということで誤魔化している。未来もいくらなんでもなんの理由もなく留守の冬獅郎の家には入ってこないだろうからだ。

 

『休みの日も朝早くからどこか行っちゃうし……私になにか隠してるんじゃないかって』

 

「―――小日向、これだけは言っとくぞ」

 

『?』

 

「本当に秘密があるとして、あの立花がなんの理由もなくお前に秘密を作ると思うか?」

 

『ッ……!』

 

 電話の向こうで未来が息を呑む音が聞こえる。立花響がどういう少女かは日番谷冬獅郎と、小日向未来が誰よりも知っている。だからこそ、彼女がなんの理由もなく自分に隠し事するなんてありえないとすぐに結論づけた。

 

「信じて待ってやれ、アイツが自分の口から話してくれるまで」

 

『………そうだね、わかった。響が自分から言ってくれるのを待ってみる』

 

(最低だな、俺は……。)

 

 その理由を知っているというのに、信頼している相手を言葉で騙しているのだから。

 

「それじゃあ、俺もそろそろバイトの時間だから」

 

『うん、またね。―――シロちゃん』

 

「ん?」

 

『シロちゃんもいつか秘密を話してね♪』

 

 歌うような声音で未来がそういった次の瞬間、ブツッという音とともに通話が切れた。若干、震えた手でスマホを握る冬獅郎。その瞳は動揺しながら、通話終了画面を眺める。

 

「まさか、な……。」

 

 心の平静を保つために自分の考えすぎであろうと思うことにした。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 冬獅郎たちは二課の本部で最近急増したノイズの発生率についてのブリーフィングを行っていた。響と冬獅郎がここに所属して既に一ヶ月、情報を整理するタイミングも必要とのことだった。しかし、響にその内容はちんぷんかんぷん、冬獅郎も特殊な用語以外は話の内容で大体察している、という感じだ。

 

「ノイズ被害が国連での議題に上がったのは今から十三年前だけど、発生報告自体はもっと昔からあったわ」

 

「以前にも話した思うが、『神隠し』や『妖怪』、都市伝説の類は、ノイズ由来の、ものが多いと我々は考えている」

 

「質問いいか?」

 

 冬獅郎が小さく手を上げて、発言する。

 

「なにかしら、冬獅郎君?」

 

「俺がノイズと戦ってる中で気づいたんだが、あいつらは意思がない。いや、知能がないと言っていい。だが、この街への集中率は異常じゃねぇか?」

 

「流石だ、冬獅郎君。我々もそのことについては考えていた。今の所ノイズとは意思疎通は不可能、今までの戦いから言って奴らには知能に相当する部分がまるでない。そして、これだ」

 

 弦十郎の言葉で大きな液晶画面のグラフィックに視線が集中する。そこにはこの街の地図が映っており、そこに無数に打たれたノイズの発生を示す赤い斑点。

 

「ノイズの発生件数自体は決して多くないの。響ちゃんは授業でやったかしら?」

 

「え?あ、はい。確か、通り魔に襲われる確率よりも低いって」

 

「そーそー。よく勉強してるわね」

 

「い、いやぁ。レポートで今調べているところなもので……。」

 

 そういって、あははと苦笑いを浮かべる響。だが、流石に彼女もこのノイズの異常な発生率について疑問をいだいたらしい。

 

「ここ数年のノイズの量は明らかに異常……そこに何らかの作為が働いていると考えるべきでしょうね」

 

「要するに、この異常発生には裏で手を引いてるやつがいるってことか?」

 

「補足すると、ノイズの出現中心点はここ、リディアン音楽院の近辺。つまりこの真上です。これが敵の狙いがこの地下にある……『サクリストD』であることの証左となります」

 

 ソファンの座ってコーヒーを飲んでいた翼が冬獅郎と響が聞き慣れない単語を口にする。

 

「さくりすとD?」

 

「なんだそりゃあ?」

 

「ここより最深部、『アビス』と呼ばれる場所に保管され、日本政府の管理下にて我々が研究している、完全聖遺物…『デュランダル』のことよ」

 

「か、完全聖遺物?」

 

「……ニュアンスからして立花たちが使ってるのが欠片とするなら、つまりは形を保った聖遺物ってところか」

 

「そのと〜りっ!」

 

 冬獅郎の言葉に了子は振り返ると、モニターを操作して別の画面を映し出す。そこには古ぼけた剣が映し出されており、どこから取り出したのか教鞭を振るって説明する了子。

 

「翼ちゃんたちが使ってるそれとは違って、欠片のみではなく、ほぼ完璧な状態で保存された聖遺物のことよ」

 

「完全聖遺物の出力は欠片のそれとは比べ物にならないほどに強力なんだ。加えて、天羽々斬やガングニールのように、歌でシンフォギアとして再構築する必要もない。一度起動に成功さえすれば、誰にでも比較的簡単に扱えるという研究結果も出ているんだ」

 

 オペレーターの藤堯が補足する。

 

「じゃ、じゃあそのデュランダルを……。」

 

「誰かが欲しくなって狙ったとしても、無理はないわね」

 

 了子の言葉に響の顔色が悪くなる。当然だ、あのノイズが災害ではないとするなら、あれは人間が人為的に行い人を消しているということなのだから。

 

 ふと、隣の冬獅郎を見ると彼も奥歯を噛み締めていた。このやり方はまるで、彼が憎悪を抱く男がやった手だ。影から人間を利用し、不要となればすぐに斬り捨てる。彼が最も嫌うやり方だからだ。

 

「あれから二年、今の翼と奏の歌であればあるいは…。」

 

「そもそも、起動実験に必要な許可って政府から降りるんですか?」

 

「それ以前の話だよ。安保を盾に、アメリカが再三デュランダルの引き渡しを要求しているらしいじゃないか。下手を打ったら国際問題、実験どころの話じゃないよ」

 

「まさかこの事件…アメリカが糸を引いているなんてことは…。」

 

「調査部からの報告によると、ここ数ヶ月、本部メインコンピューターは数万回に及ぶハッキングを受けた痕跡がある。無論、出どころは不明だ。安易に米国の仕業とはいいきれんさ」

 

 そこからは弦十郎や了子達による話が進んだ、響は全くわからない様子だった。いや、わかりたくないという顔をしていた。人が人の命を奪うことを、どんな理由であれ理解などしたくはないだろう。

 

「風鳴司令」

 

 だが、そこへ緒川の声が響きその思考は中断させられた。

 

「ん?ああ、そうか。そろそろか」

 

 弦十郎は腕時計を見る、冬獅郎もなんの気なしに時計を見るとかなりの時間が経過していた。

 

「今晩は、アルバムの打ち合わせがあるんです」

 

「打ち合わせ?」

 

「はい、表では、アーティスト風鳴翼と最近ではツヴァイウィングのマネージャーを兼任しているんです」

 

 そういってメガネを掛けた緒川から冬獅郎と響は緒川から名刺を受け取った。

 

「それでは失礼します」

 

「行ってくるよ、旦那。あと、冬獅郎」

 

「なんだよ?」

 

「興味あるなら。アルバム出たら買ってくれよ」

 

「悪いがねぇ」

 

「そっか……緒川さん、見本出来たら冬獅郎に渡しといて」

 

「わかりました」

 

「人の話を聞けっ!!」

 

 そんな茶番をしていると、奏は響の前に立ち、その頭を撫でる。

 

「あっ……!」

 

「あんまり考えすぎんなよ」

 

 その行動で今の言動は響の内心を悟って、その場を和ませようとしたものだとわかった。

 

 緒川は二人を連れてそのまま重厚な扉の奥に去っていった。

 

「一応、訊いておくがここは安全なんだろうな?」

 

「大丈夫よ。なんてったってここはテレビや雑誌で超有名な考古学者、桜井了子が設計した人類守護の砦よ。異端・最先端のテクノロジーが、外敵なんて寄せ付けないんだから」

 

「よ、よろしくおねがいします」

 

 響は素直に頭を下げていたが、冬獅郎は相変わらず胡散臭いものを見る目をしていた。

 

「どうして私達も……ノイズだけじゃなくて、人間同士で争ったりして……。」

 どうして世界から、争いとかがなくならないんでしょうね……。」

 

「…………。」

 

 響の言葉に冬獅郎は口を真一文字に噤んだ。冬獅郎は戦争というものを経験した身だから、わかる。侵略と戦争には大きな違いがある。冬獅郎が危惧しているのはこれが侵略ではなく戦争である場合だ。

 

「それはきっと……人類が呪われているからじゃないかしら?」

 

 そういって、了子は響の耳を甘噛した。

 

「ひ、ぴゃあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 響は驚きソファから転がり落ち、床に倒れ込んだ。響はいきなりの了子の行動に戸惑い心臓がバクバクと高鳴るのを感じる。顔は真っ赤になり、体がこわばっている。その犯人である了子はふふふふふと怪しい笑みを浮かべている。

 

「あら、おぼこいわねえ。冬獅郎くんのものになっちゃう前に私のものにしちゃおうかしら?」

 

「りょ、了子くんっ……!!」

 

「なに、弦十郎……くん?」

 

 弦十郎の切羽詰まった言葉に振り返ると、そこには能面のような表情をした冬獅郎が立っていた。

 

「『千手の涯・届かざる闇の御手・映らざる天の射手・光を落とす道・火種を煽る風・集いて惑うな・我が指を見よ』……」

 

「ちょっ、それどう考えてもやばい鬼道の詠唱じゃないっ!!」

 

 冬獅郎は二課への協力の一つとして鬼道についての知識も提供していた。そこから、割り出されるこの圧と冬獅郎の表情から行って、まず間違いなくやばい鬼道だ。

 

「藤堯、止めるぞッ!!」

 

「俺に死ねとッ!?」

 

 その後、弦十郎と藤堯による必死の静止によって、なんとか冬獅郎の鬼道が放たれることは阻止できた。




「死神図鑑!」

???「今日は鬼道についてのお勉強や、ついでにゲストに来てもらったで」

響「はじめましてっ!立花響です……って、ここどこですか!?貴方誰ですか!?」

???「まぁまぁ、落ち着いてな。ここでは、死神の知識を教えコーナーや」

響「死神って……シロちゃんのこともですか?」

???「そや、今日は彼が使ってた術についてやな」

響「術って、あの光の杭とか指から出たビームとかですか?」

???「そそ、鬼道ってのは霊圧操作が達者やないとうまく使えないんや。それは一から九十九になるにつれて難しくなるんや。大半は詠唱とかで霊圧を安定させるんや、九十番台を詠唱破棄できる子は文字通り欠片ほどしかいないんや。まっ、それができる日番谷君は間違いなく天才やね」

響「へぇ、シロちゃんってやっぱり凄いんだ。あれ、そういえば番号の前に破道とか縛道とかいってたような……。」

???「おっ、ええところに気づいたやん。破道ってのは文字通り攻撃用の鬼道、縛動は防御だけでなく、拘束、伝令にも使えるんや。他にも回道ゆうて治療用の鬼道もあるんや。ちなみに日番谷くんもこれは習得してるで、あの場で君の応急処置したんもそれやな」

響「そうだったんだ……ん?なんでそんな事知ってるんですか?というか、本当に貴方誰ですか?」

???「ほな、今日はこの辺でバイバ〜イ」

響「ホントに誰なんだろう」
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