遊戯王CHRONICLE-X 奇跡と可能性の少女-   作:葉月/リーフ

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葉月/リーフです。

遊戯王OCG25周年を境に、遊戯王CHRONICLE-奇跡と可能性の少女-も1話から再始動することになりました。

更新が遅いこともありますが、よろしくお願いします。


始動編
第1話《覚醒・少女の邂逅》


少女・神ノ木遊奈は夢を見ていた。

 

そこには何もない場所の中、民族的なゆったりとした衣装を纏った神子の少女が立っていた。

 

少女の顔は遊奈と同じだが、どこか大人びた雰囲気だった。

 

「君は誰なの…?」

 

『私は光と創星の意志。使命を伝えに来たよ』

 

遊奈と少女の対話は続く。

 

「使命?」

 

『それは…。』

 

正直が言い終わらないうちに周りは光に包まれて、星型のブローチへとなったその時、遊奈は目を覚ました。[newpage]

 

ここは芽吹市。

 

どこにでもあるような普通の街だ。

 

そんな街に朝が来て、その少女は目を覚まし、青緑色の目を開けた。

 

少女は明るい紅色の髪を持っており、幼い容姿と小振りな体格から年齢はどうやら10代前半あたりだろう。

 

彼女の名は『神ノ木 遊奈(かみのき ゆうな)』。

 

母ときょうだいと暮らしているごく普通の少女だ。

 

父親は訳あって不在だが、今の家族と一緒に幸せに暮らしている。

 

「それにしてもさっきの夢、少しリアルだったなぁ…。」

 

遊奈は先程の夢を忘れられず、呟いた。

 

「あの時の状況なんだけど、わたしに助けられてた?」

 

その時、一階から女性の声が聞こえた。

 

どうやら彼女が母親だろう。

 

「遊奈〜朝ごはんできたよ!」

 

「すぐ行く〜!」

 

遊奈は一階の食卓に向かった。

 

「おはよう遊奈。」

 

濃い赤茶色の髪の遊奈の母親は目玉焼きを準備しつつ朝の挨拶をした。

 

「おはよう。実はちょっと気になる夢を見たんだ…。」

 

遊奈は母親に朝の挨拶をした。

 

「夢?」

 

「わたしと同じ顔の女の子が出てきて、危機を伝えてきたんだ。」

 

「遊奈は朝から面白い夢見るね〜。」

 

「これはわたしに何か起こる前触れなのかな…そんなことより朝ごはん食べて学校行かなきゃ。」

 

遊奈は朝食を済ませて二階で中学の制服に着替えたあと、鞄を持って家の外のドアを開けた。

 

「行ってきま〜す!」

 

「気を付けてね〜!」

 

遊奈が中学校に行くために外の世界へ駆け出した時、母親が呼びかけた。

 

数分後…。[newpage]

 

遊奈は中学校の制服を着て、中学校の校門の目の前にいるところだった。

 

「よっ!」

 

その時、遊奈の後ろから赤い髪と瞳を持った少女「火田 朱音(ひだ あかね)」が遊奈の肩を叩き、いきなり声をかけた。

 

「ふぇっ!?火田さん?」

 

「おはよっ、神ノ木!」

 

朱音はにししっ、と笑い、挨拶をする。

 

「あっ、神ノ木さん来てたんだ」

 

「今日も頑張りましょう!」

 

そんな中、眼鏡をかけた茶髪のショートヘアの少女「大地 亜季(だいち あき)」も話に参加し、緑髪をポニーテールに束ねた大人しそうな少女「翠風 初(みどりかぜ うい)」に話しかけた。

 

「私だって見てたよ」

 

長い青髪の少女「水瀬 江理(みなせ えり)」は落ち着いた様子で言った。

 

「ほ…ほんと!?少し恥ずかしいな…。」

 

「なんせ、アタシ達4人は神ノ木たちと同級生だからな♪行くぞ、みんな!今日はアタシが一番乗りだからな!」

 

朱音はにししっ、と笑うと亜季、初、江理と共に走って教室まで向かって行った。

 

「おっと、朱音に先を越される前に、みんな行こう!」

 

「あっ、待ってください!」

 

「じゃあ私はこれにて、神ノ木さん。またあとで話をしましょう。私だって貴女のことが気になりますから」

 

亜薄、初は朱音の後を追って駆け出し、江里は遊奈に一言を述べてからそのまま去っていった。

 

遊奈も、後から一緒に走って行った。

 

「おはよ〜!」

 

遊奈は中学校の教室に着き、生徒たちに挨拶した。

 

「遊奈おはよう〜!」

 

「おはよう!」

 

生徒たちは遊奈たちに挨拶をした。

 

「実はわたし、少しリアルな夢を見たんだよね。」

 

遊奈は意味深げに言った。

 

「どんな夢?」

 

女子生徒のうち1人であり遊奈の友達でもある神城 弥生(しんじょう やよい)が遊奈の話に興味津々な様子で言った。

 

彼女は遊奈とは仲良しの真面目で元気な女の子で、真っ先に話してくる。

 

「夢にはわたしっぽい顔の女の子がいて、危機を伝えてきたんだ。」

 

「危機…何が起こるのでしょうか…」

 

弥生は頭の中に「?」を思い浮かべるかのように考え込んだ。

 

「わたしにもわからない。何だろう。あの夢…。」

 

その時、学校のチャイムが鳴った。

 

「あっ、もう時間だ!詳しいことはまたあとね!」

 

遊奈は自分の席に着席した。

 

「そうだね!また話しましょう!」

 

弥生も着席し、授業の準備はできた。

 

しかし今日、普通じゃないことが起こる。

 

それは、今日新しく転校生が来るところだ。

 

「皆さん着席してください!」

 

担任の先生が言うと全員は席に座った。

 

「今日は新しく転校生が来ます!仲良くしてくださいね!」

 

担任の先生はそう言うと、銀髪の中性的な少年が教室の中に入ってきた。

 

少年はチョークで黒板に自分のフルネームを書き込むと言った。

 

「虹林 光留(にじばやし ひかる)です!よろしくお願いします!」

 

少年、虹林光留はそのあと遊奈の席の隣に来て座った。

 

「隣の席同士ですね!よろしくお願いします」

 

「うん!よろしくね!」

 

その後はいつも通りの授業だったが、遊奈は1日中夢のことが忘れられなくて集中が途切れてしまうこともあった。

 

それから休み時間のことだった。

 

「ねーねー。虹林くんってどんなものが好き?」

 

「趣味は?」

 

「好きな漫画、アニメとかあるか?」

 

光留は同級生達から質問攻めにされていて焦っている。

 

そんな時、弥生がそれを見つけて周りの同級生を止めた。

 

「ストーップ!光留君困ってます!」

 

「あ…ありがとうございます!」

 

「弥生、虹林君と友達なの?」

 

「私は光留とは幼馴染なんです!」

 

「あっ、神ノ木さん。僕を呼ぶ時は下の名前でもいいです」

 

「うん!よろしくね!光留君!わたしのことも下の名前でいいよ!」

 

「みんな~!光留さんのために質問は一人ずつ聞いてくださいね!」

 

弥生は同級生達に質問を促した。

 

そして昼休み、遊奈たちはカードゲームをして遊んでいた。

 

このカードゲームは『デュエルモンスターズ』。

 

一部ではマジック&ウィザーズとも呼ばれていたこのカードゲームは1枚のカードが超高額で取引されたり、海外でも広まっていたり、世界大会が開かれていたりなどするほど人気である。

 

ルールは40〜60枚のデッキを用意してモンスター、魔法、罠の3種のカードを駆使して戦い、相手のライフポイントを0にしたプレイヤーの勝ちというシンプルなルールだ。

 

だがそのシンプルさとは裏腹に、様々な効果を持ったカードが1万種類以上存在しており、複雑かつ熱い駆け引きが楽しめる。

 

また、デュエルモンスターズの1つの試合は「デュエル」と呼ぶ。

 

「バトル!僕は大天使クリスティアでダイレクトアタック!」

 

「うわ〜また負けた〜!光留君は強いね!」

 

遊奈はデュエルに負けたが、笑顔で光留を褒め称えた。

 

「もう一回やろう!」

 

「次は私と!」

 

遊奈と弥生はそれぞれのデッキを見せて言った。

 

「あっ、いいよ」

 

「その前にデュエルモンスターズに関する面白い話をしてもいいでしょうか?」

 

光留は承諾するもの、弥生は楽しそうに言った。

 

「面白い話?」

 

遊奈は弥生に近づき、目をじーっと見て言った。

 

「そんなに近づかなくてもいいよ?」

 

弥生は苦笑いして言った。

 

「うん!わかった!」

 

「実はリアルソリッドビジョンによる召喚が無いのに、どこかでデュエルモンスターズのカードが実体化したって情報がちょくちょくあるらしいです。」

 

「それって…どういうこと?」

 

「デュエルモンスターズのカードには魂が宿っているらしいです。そのカードの中に眠っている魂が目覚めて各地で実体化したのかも。」

 

「わたしの持ってるカードの魂も、実体化しないかな〜…。」

 

遊奈は自分のデッキを見て言った。

 

「実体化したら夢がたくさんですね!私だっていろんなカードのモンスターと一緒に走ったり飛んだりしたいです!」

 

「わたしのこのデッキ、プレゼントとして弥生から貰ったはじめてのデッキに、ちょっと手を加えたんだ!少ししかやったことないけど。」

 

「僕のこのデッキは母親に作ってもらったので、とても思い入れ深いです!」

 

遊奈と光留は自分のデッキを見せて言った。

 

「ちょっと見せてください。」

 

「いいよ。こっちもデッキを見せてね。」

 

遊奈、光留はお互いにデッキを見せ合い、お互いは丁寧に一枚一枚見ていく。

 

遊奈のは炎、水、風、地属性のモンスターがそれぞれに入っている、戦士族、魔法使い族、ドラゴン族を軸としたデッキだ。

 

光留は天使族を主体としたデッキで、どことなく彼の穏やかで優しい雰囲気と噛み合っている。

 

モンスターカードにはそのモンスターの性質となる属性と種族が決まっており、サポートカードの恩恵も受けられる。

 

「いいですね。炎、水、風、地属性がバランスよく分かれていてモンスターの効果もシンプルなので、初心者でも安心して使える安定性に向いていると思います。」

 

光留の説明を聞いて遊奈は自分のデッキに感銘を受けた。

 

「ありがとう!カードのことに詳しいんだね!そういえばだけど、弥生のはどうしたの?」

 

「私は…ちょっと家に忘れちゃって…」

 

「おっ、デュエルモンスターズのことか?ちょっと一緒に参加させろ!」

 

朱音は興味津々に近寄った。

 

「へぇ〜。面白そうな話してるじゃん」

 

「なるほど…こんなデッキを使ってるのね…」

 

「カードの実体化の話、私も気になります…」

 

亜季、絵里、初も興味津々に寄ってきた。

 

「あっ!みんな来てくれたんだ!」

 

「話が盛り上がりますね」

 

光留は楽しそうな空気を快く思っていた。

 

「さて話を戻して、モンスターが実体化している都市伝説だけど、実は異世界から飛来したんじゃないかとかの説もあったりして?って話もあるみたいです。」

 

「なるほどね。」

 

弥生が喋っていることに相槌を打つ遊奈。

 

「さらにその異世界はモンスター達の世界が、そこはいろんな自然や様々な文明、沢山の次元が広がっていて、その数は何十、何百もあったり、その異世界は一部の会社が異世界に来たってことや、とある洋館から直接繋がっているとの噂もあったりなかったり…。まぁ、リアルソリッドビジョンが起こしたものかもしれないですけど。」

 

弥生は壊れた目覚まし時計のような勢いで喋り続けていた。

 

「弥生はいつもこうだよね。普段は元気だけどだけど、好きなものの話になるとさらに元気に喋るんです。まぁ僕は嫌いじゃないんですが」

 

遊奈は弥生の話を聞き続け、気がついたら昼休みの時間は終わっていた。

 

「あっ、昼休みの時間が終わるみたい!そろそろ授業の準備をしよう!」

 

弥生は机を正して椅子に座り、授業の準備をした。

 

「うん!」

 

遊奈も弥生の後を追うように授業の準備をした。

 

その様子を遊奈の背後から現れた少年が目撃した。

 

服は黒いパーカーとボタンシャツの格好で青紫色の髪と赤い眼を持ち、少女とも少年とも取れる中性的な顔立ちをしていた。

外見から察すると年齢は10代前半で、遊奈と同い年〜もう少し上だと思われる。

 

なのだが身体は半透明で宙に浮いており、まさに幽霊のようだった。

 

『遊奈ちゃんとか言ったねぇ…中々楽しそうじゃん。ボクも同行したいなぁ。』

 

少年は「ふふふっ♪」と笑うとそのまま姿を消した。[newpage]

 

そして放課後のこと。

 

お日様がオレンジ色に輝き沈む中、1人だけになった遊奈は独り言を呟いていた。

 

「そういえばだけど、カードの実体化…本当にそんなことあるのかな…?ただの悪戯とかじゃないよね?」

 

遊奈が独り言を呟いていると、どこからか中性的で幼い声が聞こえた。

 

頭の中に響いてくるようだ。

 

『ふふふっ♪君、随分楽しそうだね〜。』

 

「ふぇっ!?だ…誰なの?」

 

遊奈は驚き振り向いたが、そこには誰もいなかった。

 

「誰もいない…なんだったんだろうあの声…。」

 

遊奈はもう一度前を向くと、黒いパーカー姿の中性的な顔立ちの少年が逆さま、しかも間近で映っていた。

 

しかも身体は半透明で宙に浮いており、まさに幽霊のようだった。

 

「きゃぁぁっ!?」

 

遊奈は驚き、思わず尻もちをついてしまった。

 

『ふふっ♪驚いた〜?』

 

少年はからかうような笑顔で言った。

 

「驚いたよ!君は誰なの?」

 

遊奈は少し怒っている様子だ。

 

そりゃいきなり幽霊が間近で映っていたら驚くだろう。

 

『ボクの名前はファントム。昔のことは覚えてないけど、君の身体の中に入ってきたよ。』

 

ファントムと名乗る少年は余裕な態度をとったまま言った。

 

「つまり、記憶喪失?」

 

『そうなるね。』

 

「幽霊って記憶喪失とかあるんだね。」

 

遊奈はなるほど。と思って呟いた。

 

『幽霊とは失礼な。ボクも幽霊っぽくなりたくてなってる訳じゃない。』

 

ファントムは遊奈の発言に対して少し失礼に思いながら言った。

 

「どういうこと?」

 

『深いことは思い出せないけど、ボクはある日半透明になって他人に憑依できるようになったんだ。それで居心地良さそうな遊奈ちゃんの身体にやって来て、面白そうだから君の体の中で暮らそうって思った。』

 

「ちょっと迷惑かも…。」

 

『そういえば、君の名前聞くの忘れてたみたいだね。』

 

ファントムは何かを思い出すように遊奈に言った。

 

「あっ、わたしは遊奈!よろしくね!」

 

『遊奈、か。よろしくね。』

 

「よろしく!」

 

ファントムと会話をしながら帰り道を通る遊奈。

 

公園の近くを通りかかっていたら、急に声が聞こえた。

 

「おい。お前のデッキ、いいカード入ってるじゃないかよ。そのカード、俺にくれよ。」

 

「嫌だ…それは僕の大切なカードだ。お前なんかに渡すもんか!」

 

遊奈はとっさに何かを感じた。

 

「この声は!わたし行かなきゃ!」

 

遊奈は声のする方向に走っていった。

 

『遊奈?どうしたんだい?』

 

ファントムは遊奈の後を追った。

 

「わたしは困ってる人は放っておけないの!」

 

遊奈とファントムは公園にたどり着いた。

 

そこでは不良の青年が光留を脅している様子が目に浮かんだ。

 

『あれって…。』

 

「わたしの思った通りだ。あの子を助けよう。」

 

『ふーん。面白くなってきたねぇ。』

 

遊奈は青年に声をかけた。

 

「君、それはやめてよ。」

 

「あ?お前何様だよ。」

 

「他の人を脅して人のカードを奪うなんて、いけないことだってわからないの?」

 

遊奈は青年に強い口調で呼びかけた。

 

「そんなこと人の勝手じゃんかよ。うるせーなー。」

 

「もう頭にきた!わたし絶対に許さない!光留!下がってて!」

 

遊奈は堪忍袋の緒が切れて、青年に掴みかかった。

 

だが実力差と体格差のせいか、青年は遊奈を地面に叩きつけた。

 

「ごちゃごちゃうるせーんだよお前…そういえばさ、お前よく見たら可愛い顔してんじゃねぇか。」

 

青年は遊奈を地面に押し倒したまま言った。

 

「きゃ!今のうちに逃げて!」

 

「は…はい!」

 

遊奈は少年に呼びかけ、少年は遊奈の呼びかけに応じて青年の気づかないような場所に隠れた。

 

「お前、俺の彼女にしてやろうか?」

 

「絶対嫌!」

 

遊奈は体格差で身動きが取れない様子なのにもかかわらず青年を反抗的な鋭い目で睨んで言った。

 

「お前さんさぁ…今のままじゃ反撃できないじゃねぇか。よく大口叩いていられるなっ!!」

 

青年はそう言ったあと遊奈の顔を拳で殴りつけた。

 

「きゃぁっ!!」

 

遊奈は強い痛みによって叫び声をあげた。

 

『大変だ…このままだと遊奈が危ない…。』

 

ファントムは痛めつけられる遊奈を見てショックを受けたが、諦めずに真寺に向かっていった。

 

『あぁぁぁぁっ!!』

 

ファントムは青年を殴りつけた。

 

しかし青年はファントムに気づいておらず、ダメージも0だった。

 

「ファントム?」

 

『しまった…ボクがみんなに気付いてないってこと忘れてた。』

 

ファントムは照れ笑いしながら言った。

 

「ふぇっ!?じゃあどうすればいいの…。」

 

遊奈はショックで落胆した。

 

「あ?何かと思ったら独り言か。とうとう懲りちまったか。」

 

青年は遊奈に止めとして顔を殴ろうとすると、どこからか咆哮が聞こえた。

 

「キシャァァァァァァッ!!」

 

それはこの世の生物のどれにも当てはまらないような、鋭くて力強い鳴き声だ。

 

青年は戸惑い、思わず手を緩めてしまった。

 

『この声は…。』

 

ファントムはこの声に聞き覚えがあったようだ。

 

するとどこからか恐竜を思わせる体型で胸には青い球体が埋まっており、背中には翼を持たず代わりに1対の棘を持っている赤いドラゴン、オッドアイズ・ドラゴンが走ってきて青年を体当たりで突き飛ばした。

 

「ぐぁっ!!」

 

青年が突き飛ばされた隙を見計らって遊奈はなんとか脱出できた。

 

ドラゴンは赤い左目と緑色の右目を鋭く光らせて真寺を睨んだ。

 

「お前、子供を傷つけるなんて、人間の屑だな。」

 

「ひっ…。」

 

青年は大型の動物への潜在的な恐怖や威圧感に打ちひしがれて、ドラゴンにおびえていた。

 

「もう2度とするんじゃねぇぞ。」

 

ドラゴンはそう言うと、青年は悔しそうにその場を走り去った。

 

「ありがとう!」

 

遊奈は立ち上がると、助けてくれたドラゴンに対して言った。

 

「どっかから痛々しい声が聞こえてきたから、放っておけなかったんだ。」

 

『君、オッドアイズじゃないか!久しぶり!』

 

ファントムは離れていた友達と再会したかのようにドラゴンに言った。

 

「ああ、久しぶりだなファントム。こっちでの暮らしはどうだい?」

 

ドラゴンはファントムと会話をしている。

 

どうやらこのドラゴンはファントムが見えるのだろう。

 

『あ〜ボクはずっとこの子に気づかれずに暮らしていたんだけど、とうとう気づかれちゃった!』

 

「そうなのか〜…でもそれでもいいんじゃないか?」

 

『そりゃ遊奈って友達ができたからね〜!ま、なったばかりなんだけど…。』

 

「ファントム?このドラゴンは一体…。友達?」

 

疑問に思った遊奈はファントムに聞いた。

 

『ああ。このドラゴンはオッドアイズ。ボクの相棒だよ。』

 

ファントムは遊奈にドラゴンを紹介した。

 

「よろしくな。」

 

オッドアイズは遊奈を見つめて言った。

 

『そしてこの子は遊奈。ボクは遊奈の精神に飛ばされちゃったけど、よろしくね。』

 

ファントムはオッドアイズに遊奈を紹介した。

 

「改めて、わたしは遊奈!よろしくね!」

 

遊奈はオッドアイズの短い前脚を両手で握り、言った。

 

「そういえば、オッドアイズってファントムが見えるの?真寺には見えてなかったけど…。」

 

遊奈はオッドアイズに質問した。

 

『ふふふっ♪モンスターにはボクのことが見えるみたいだね。』

 

「見える?」

 

『うん。詳しくはわからないけど、見ることができるみたい。』

 

「そうなんだ。」

 

遊奈はファントムの言うことに納得した。

 

すると、光留が遊奈に話しかけた。

 

「助けてくれてありがとうございます。あの…さっきから一体何の声なんですか?突然モンスターが現れたり男の子の声も聞こえたんですが…。」

 

「あー…もう外も暗いね…帰った方がいいよ!」

 

「は…はい!先程はありがとうございます!」

 

光留は遊奈の呼びかけに応じ、帰っていった。

 

『じゃあ、もう夜も深いしボク達も帰ろう♪』

 

ファントムは暗くなってきた空を見て言った。

 

『こんなに夜も遅い中、遊奈と同じ年頃の女の子がうろついていたらまず危ないと思うから、帰らなきゃいけないね。』

 

「そうだね。じゃあ帰ろう。」

 

遊奈は先程の真寺のことを思い出すと公園を後にして帰り道を歩いていった。

 

「そういえばだけど、オッドアイズはどうしたの?」

 

遊奈はオッドアイズのことをふと思い出し、ファントムに聞いた。

 

『オッドアイズ?あーあの子は街中にいるとちょっと目立つと思うから、カードに戻して遊奈のデッキに入れてやった。これでオッドアイズは君の仲間だよ♪』

 

ファントムは遊奈の質問に答えた。

 

「うん!確かにオッドアイズが街中にいたら目立つからね。」

 

そうやって遊奈はファントムと会話をしながら暗くなった帰り道を歩いていた。

 

「ファントムってオッドアイズと友達なんだね!」

 

『ボクとオッドアイズは一緒に暮らしていくうちに深い絆を紡いだから仲良くなれたんだ。オッドアイズも君のことが気に入ると思うよ?』

 

ファントムはそう言ったあとにししっ、と笑った。

[newpage]

その頃、路地裏では、何者かの声で真寺が目を覚ました。

 

「目覚めよ…。」

 

「ん…俺は一体…そしてお前は誰だ?」

 

青年の目の前には黒いコートを着た男性が立っていた。

 

帽子を目深に被っているため、顔は具体的にわからない。

 

「気がついたようだな。俺はお前たちに新たな力を与える者、いわば神の意思だ。」

 

「神の…意思…。」

 

「力が欲しいだろ。これをお前にあげよう。」

 

黒コートの男は青年にアイテムを渡した。

 

アイテムの形状はバックルのような、カバーのような形状をしており、カードを入れるホルダーが付いている。

 

「これは…。」

 

青年は不思議そうな顔をして受け取ったアイテムを眺めた。

 

「お前の悪意を力に変えて増幅させるアイテムだ。」

 

「悪意…?」

 

「お前はあの少女とドラゴンに邪魔をされて、怒りの感情が高まっている。そこから生まれる負の感情が、悪意になってお前を強くする。まずはデュエルディスクにデッキを入れろ。」

 

青年は黒コートの男に言われるがままに自分のデッキをデュエルディスクに入れた。

 

「何故お前、俺のことがわかるんだよ!訳わかんねーよ!」

 

青年は黒コートの男に心の中を見透かされ怒った。

 

「お前の心、覗かせてもらった。それと、このカードをお前にやろう。」

 

黒コートの男はこう言うと、青年にカードを渡し、デュエルディスクに挿入すると姿を消した。

 

「悪意で俺を強くする…なるほど。面白くなってきたじゃねぇか。」

 

青年は自分の腕のデュエルディスクにそのアイテムを取り付けた。

 

すると黒い光と共に青年の体が一回り、二回り大きくなり、下半身は四足歩行の肉食獣のように変化した。

 

「おぉぉぉ…!流れてくる…流れてくるぜ強力な力が!これであのガキとドラゴンに復讐ができる!うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

青年の体は変化を及ぼし、完全に変化が終わった後、手には槍と盾が持たされ、その姿はケンタウロスのような姿の獣人、神獣王バルバロスへと変化した。

 

「ちょっと復讐でもしてやろうじゃねぇか。」

 

神獣王バルバロスと化した青年は四つの足から繰り出されるスピードで夜の街中へ駆け出していった。

[newpage]

帰り道を行く遊奈は都会にある橋を歩いていると、周りから人のざわめきが聞こえた。

 

そんな中、ファントムは何か気配を察した。

 

「どうしたの?」

 

『感じる。何か得体の知れない、負の感情のエネルギーが。』

 

ファントムは先程の飄々とした物腰とは程遠いほど深刻に言った。

 

「それってなんなの?」

 

『来るぞ!』

 

「来るって…きゃ!」

 

遊奈はとっさに槍の攻撃を回避した。

 

すると目先にはケンタウロスのような姿の獣人、神獣王バルバロスが写っていた。

 

「あ…あれってモンスターだよね?」

 

遊奈は光景を疑わしく思いながら言った。

 

『ああ。確かにあれはモンスターだね。』

 

「でもなんで?」

 

『多分、モンスターの棲んでいる世界から来たんだろう。』

 

ファントムは仮説を建てた。

 

「このクソガキ…先程の恨みを晴らさせてやる!」

 

「初対面の相手に因縁つけてる…あいつ何者なの?」

 

遊奈は混乱してファントムに聞いた。

 

『遊奈!あれは前に会っているモンスターだ。いや、モンスターというより、人間かな?』

 

「人間!?なんでわかるの?」

 

遊奈はファントムの言うことを聞いて驚いた。

 

『あいつは『先程の恨み』として君に槍を突き立てた。そういうところから、あいつの正体はただ一つ。』

 

「ただ一つ?」

 

『そう。あいつはさっきの不良が姿を変えているモンスターなんだ。』

 

「人間が…モンスターに?」

 

遊奈は聞き返した。

 

『そうみたい。今は、戦わなきゃいけないみたいだね。』

 

「戦う?わたしが?」

 

『そうみたいだね…。』

 

「でもどうやって?」

 

『まずは強く念じて!』

 

遊奈はファントムの言われた通り念じると、ネクタイの上から中央に結晶を持った星型のブローチが、左腕には紅い腕時計のようなブレスレットが展開する。

 

「これは…。」

 

遊奈はネクタイの上についたブローチと、腕時計型のブレスレットを見て言った。

 

『このブレスレットはデュエルドライバー。これはボクが使ってたものだから、1つ分けてあげるよ。とにかく、強く念じてよ』

 

「うん!わかった!」

 

ファントムはいつもの余裕ぶった態度で遊奈に説明すると、遊奈は両手を合わせて強く念じた。

 

すると水色の宝石が光るブローチが現れて輝きだしその光は遊奈を包み込んだ。

 

まず遊奈の着ていた制服と下着が粒子となって消滅し、頭にはリボンの付いたブローチがサークレットに変化して展開され、髪はピンク色に染まっていきツーサイドアップに結ばれると、頭にはメッシュが2つ現れた。

 

遊奈は両腕を横に伸ばして回転すると光が体のいたるところに集約されると足から順に弾け、両足にはピンクと白の縞模様の靴下と折り返しの付いたピンク色のブーツが、下半身にはピンク色のスカートが、上半身は白いインナーとその上にはオフショルダーのピンク色の衣装が着せられ、その上には白い胸当てが装着されると両手には手袋が現れた。

 

最後に頭にはカチューシャとリボンが現れると遊奈は右手を腰に、左手をチョキにして目の横に当ててカメラに向かってウィンクをした後、満面の笑顔でポーズを決めた。

 

すると光が弾け、夜の街の橋の上にアニメの魔法少女と騎士を足して2で割ったようなピンク色の衣装に身を包んだ遊奈が姿を現した。

 

「変身した…だと…?」

 

バルバロスは変身に驚いている。

 

「な…なにこの格好〜!?わたし、変身してる!?」

 

遊奈は自分の格好に気づくと、顔から火が出るくらい真っ赤に染めて驚いた。

 

コスプレっぽい衣装を着せられて街中に立たされたらそりゃ誰だってこんな気持ちになるだろう。

 

『今の見てたよ〜♪ノリノリでやってたね〜。』

 

敵の前でも焦っている遊奈を見て、ファントムは遊奈を冷やかすノリで言った。

 

「違うよ違うよ違うよ!!これは無意識につい…。」

 

遊奈は首を横に振り、両手をファントムに突き出して言った。

 

『ふふふっ♪すごーく可愛かったよ〜♪』

 

「どうしよう…クラスメートに知られたらわたし二度と顔向けできないよ…。」

 

「変身しやがって…。お前、一体何者だ!」

 

バルバロスは遊奈に問いかけた。

 

『遊奈、こういう時はかっこよくバシッと名乗らなきゃ!』

 

ファントムは遊奈に耳打ちした。

 

「名乗り?」

 

『そう。大体変身したら名乗りとか決め台詞って言うじゃん?君もそうやったらかっこいいんじゃない?』

 

ファントムは耳打ちして提案を送った。

 

「んー…やってみる。」

 

『ふーん。落ち着いて、気楽にね?』

 

ファントムがそう言った後、遊奈は少し悩んで目を閉じてから目を見開き、モンスターに指差して名乗りと決め台詞をバシッと決めた。

 

「世界を導く光の意志、遊奈!わたしは、やってみせる!君を止めることを!」

 

すると、たまたま見物していた周りの人達は拍手を送った。

 

「な…何拍手してるの!?」

 

遊奈は周りの拍手に戸惑っている。

 

『ブラボ〜!』

 

ファントムも拍手を送っている。

 

「てめえらの茶番に付き合ってられねぇ!うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

バルバロスは槍を構えて遊奈に突進した。

 

『危ない!』

 

バルバロスの槍が遊奈に向かうとファントムの合図とともに遊奈は槍の攻撃を回避した。

 

「きゃ!」

 

「なんだと…。」

 

「ファントム!こっちも何かの武器持ってないの?」

 

『そうだな…強く念じて!』

 

「うん!」

 

遊奈は強く念じると、頭部のサークレットから光が放たれ、ステッキの形状になった。

 

「これは…。」

 

遊奈はステッキを手に持ち、それを眺めた。

 

『一言で言うと、君の武器…かな?』

 

「わたしの…武器…?」

 

『やれるだけやってみせてよ。君の力、試す時だよ♪』

 

「うん、わたし、やってみせるよ!」

 

遊奈は強く念じると、ステッキが剣へと変形した。

 

「わぁ…。」

 

『さあ、バシッとやっちゃって?』

 

「うん!」

 

遊奈はオッドアイズに乗ったまま剣を構えた。

 

「うらぁぁぁぁぁ!!」

 

バルバロスは槍を構えて遊奈に襲いかかった。

 

遊奈は目を閉じ、剣でバルバロスの攻撃を弾き返した。

 

「なかなかやるなこのガキ…。」

 

「すごい…ちゃんと防げてる。」

 

遊奈は目を開け、驚いた。

 

『今度はこっちの番だね。やってみせてよ♪』

 

「うん!わかったよ!」

 

遊奈は剣を構えて地面を蹴り、バルバロスに斬りかかった。

 

遊奈は体育の成績は普通めだったが、変身してから体がよく動く。

 

「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

バルバロスは盾で攻撃を防ぐが、衝撃が伝わってくる。

 

その後、遊奈とモンスターの攻防は続き、勝負は互角に渡り合った。

 

「すごい…わたし何か強くなったみたい…。」

 

遊奈は自分の強さを実感したかのように感じた。

 

『どうやら、自分のデッキの情報を拡大解釈し、肉体が一種のモンスターのようになったみたいだね…。』

 

「どういうこと?」

 

『あのモンスターは、どうやら人間が変化しているらしい。それと同じような力が働いて、アニメの魔法少女みたいにこうやって戦えるって訳だと思うんだ。』

 

ファントムは解説を始めた。

 

「それって、自分がモンスターになったってこと?」

 

『その通りみたいだね。おっと、敵も油断はしてないみたいだよ?』

 

ファントムは敵を見つつ言った。

 

「ウオォォォォォォォォ!!」

 

バルバロスは咆哮をあげると、全身からオーラを放っている状態で遊奈に槍を突き立てた。

 

「きゃぁぁぁぁっ!」

 

遊奈は剣で防ごうとするが、衝撃に耐えられず吹き飛ばされた。

 

「い…以前より強くなってる…。」

 

遊奈は立ち上がりつつ言った。

 

『モンスターの特性まで再現されているね…。』

 

「特性?」

 

『この神獣王バルバロスはリリースなしで通常召喚したら攻撃力は1900なんだけど、リリースありで通常召喚したら攻撃力は3000になるんだ。力を解放し、以前より強くなったのはカードの力も引き継がれているからだと思うんだ。』

 

「じゃあどうすればいいの?」

 

遊奈は戸惑っていると、デュエルディスクから着信音が鳴った。

 

『おっと、お知らせみたいだね。』

 

ファントムは遊奈に情報を知らせた。

 

「お知らせ?」

 

遊奈はデュエルディスクの結晶部分を押すと、デュエルディスクからオッドアイズの声が聞こえた。

 

『遊奈!俺を呼べ!』

 

カードの状態のオッドアイズは遊奈に提案を送った。

 

「オッドアイズ?」

 

『俺を出せば、今のあいつと真っ向勝負で互角だと思う。行くぞ!』

 

オッドアイズは出撃する気で言った。

 

「うん。いくよ!オッドアイズ!」

 

「おうよ!」

 

遊奈はオッドアイズを実体化させてからまたがり、夜の都会の中、バルバロスと車道の上で走りながら戦っている。

 

「逃すかクソガキィィィ!!」

 

バルバロスは高速でオッドアイズを追跡した。

 

「くらえッ!」

 

オッドアイズは口から火炎弾を吐き出して迎撃した。

 

「少しはやるじゃねぇか…。」

 

バルバロスは槍を遊奈に叩きつける攻撃を行った。

 

遊奈は剣で受け止めたが、危うくオッドアイズから振り落とされるところで攻撃を弾いた。

 

「きゃぁっ!」

 

『危うく落馬、いや落竜するかと思ったね。』

 

「やっぱり強くなってる…気を抜いてられないよ!」

 

オッドアイズとバルバロスの追走劇は刻一刻と続き、最終的にはバルバロスの槍がオッドアイズに当たりオッドアイズは車道に転倒して倒れた。

 

「ぐァァァァァ!!」

 

「きゃぁぁぁぁっ!!」

 

遊奈もオッドアイズから振り落とされて車道に落ちた。

 

「許さねぇ…この一撃で恨みを晴らす…。」

 

バルバロスは負の感情のオーラとともに槍を構えて遊奈に歩み寄る。

 

『モンスターが泣いている…。』

 

「どうしたの?」

 

『負の感情が強化したことで、変身している自身にもモンスターにも負担が伴っていて、最悪の場合は、どちらも死に至る。』

 

「死に至る!?ファントム!どうにかならないの?」

 

遊奈はファントムの一言に衝撃を感じ、焦った。

 

『んー…あいつがデッキを持ってればデュエルでどうにかできそうなんだけど…。』

 

「デュエルで!?どうにかなるの!?」

 

遊奈は驚いた。

 

そりゃ命を狙われている時に、そして苦しみを浄化する手段としてカードゲームで決着をつける話を聞くと何も知らない一般人はツッコミを入れるだろう。

 

『絶対、どうにかなる!』

 

ファントムは片手でガッツポーズを作り、遊奈を見た。

 

「うん。やってみせる!」

 

『まずは「デュエルドライバー・スタンバイ!」って叫んでよ』

 

「わかった!…デュエルドライバー・スタンバイ!」

 

遊奈はそう叫び、決意を固めてデッキをデュエルディスクに入れると、ディスクから光の板が展開した。

 

「いくよ!」

 

「その気になったか…。」

 

「「デュエル!!」」

 

車道の上で、遊奈と青年が姿を変化させたモンスター『神獣王バルバロス』のデュエルが始まった。

 

遊奈 LP4000

 

【紡ぐ意志、紡ぐ絆】

 

神獣王バルバロス LP4000

 

【神獣王爆誕】

 

車道の上で、遊奈と青年が姿を変化させたモンスター『神獣王バルバロス』のデュエルが始まった。

 

遊奈 LP4000

 

【紡ぐ意志、紡ぐ絆】

 

神獣王バルバロス LP4000

 

【神獣王爆誕】

 

『頑張ってね〜♪』

 

ファントムは遊奈を応援している。

 

この世界でのデュエル開始時のライフポイントは8000か4000か、好きな方が選べる。

 

じっくりと楽しみたいならライフポイント8000、速やかに終わらせたい場合はライフポイント4000から始める。

 

先行は遊奈からだ。

 

「わたし頑張る!わたしのターン!」

 

遊奈 手札5

 

LP4000

 

ターンの最初はドローフェイズから行われる。

 

1ターンにつき1度、デッキから1枚カードをドローするが、先行1ターン目はドローができないので、遊奈の手札は増えない。

 

そのあと一部のカードの効果を処理するスタンバイフェイズに直面し、モンスターの召喚や魔法カードの発動、セットを行うメインフェイズに移行する。

 

「わたしは魔装戦士 アルニスを召喚!」

 

☆4 炎 戦士族 攻1700+300=2000

 

遊奈のフィールド上に聖龍の右足をその身に宿した朱雀の戦士が出現する。

 

遊奈たちデュエリストの腕に装備されているデュエルディスクは、モンスターを質量を持った立体映像「リアルソリッドビジョン」で実体化させ、肉体を与えた状態で呼び出すことができる。

 

「わたしは永続魔法カード、補給部隊を発動!1ターンに1度、自分モンスターが破壊されると1枚ドローできる!」

 

永続魔法は、発動した後もフィールドに残り続ける魔法カードだ。

 

「さらにわたしはカードを2枚セットしてターンエンド!」

 

遊奈のターンはエンドフェイズに直面する。

 

エンドフェイズとは文字通り、ターンの終わりだ。

 

そのあとは相手のターンに回ってくる。

 

遊奈 フィールド

モンスター

①:②:③:アルニス④:⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:セットカード③:補給部隊④:セットカード⑤:

手札:1

LP:4000

 

デ⑤④③②①X

墓⑤④③②①フ

ーーEーXーー

フ①②③④⑤墓

X①②③④⑤デ

 

TURN CHANGE[newpage]

 

「俺のターン!」

 

神獣王バルバロス 手札6

 

LP4000

 

「俺はカイザー・ブラッド・ヴォルスを特殊召喚!このカードは相手フィールドにのみモンスターが存在する場合手札から特殊召喚できる!」

 

☆5 闇 獣戦士族 攻1900

 

鋭い斧を持つ、青い魔獣人が姿を現した。

 

「続いて俺は今の俺自身、神獣王バルバロスを通常召喚!」

 

☆8 地 獣戦士族 攻3000

 

バルバロスはフィールドに瞬間移動されて槍を構え、遊奈を睨む。

 

「リリースなしでいきなりレベル8のモンスターが…。」

 

『さっき言ったこと忘れたのかい?神獣王バルバロスはリリースなしでの通常召喚でき、この方法で出したら攻撃力が1900になるんだ。』

 

ファントムは驚いている遊奈に対して説明を入れた。

 

「そういえばそうだったね。」

 

バルバロス 攻1900

 

「バトル!俺は今の俺自身、神獣王バルバロスでアルニスに攻撃!トルネード・シェイパー!」

 

バルバロス 攻1900

 

アルニス 攻1700

 

「罠カード発動!スキル・サクセサー!アルニスの攻撃力を400アップさせるよ!」

 

アルニス 攻1700+400=2100

 

「速攻魔法、禁じられた聖杯を発動!俺自身、バルバロスの効果を無効にし、攻撃力を400アップさせる!」

 

バルバロス 攻3000+400=3400

 

神獣王バルバロスは力がみなぎり、雄叫びをあげる。

 

「きゃぁぁっ!」

 

遊奈 LP4000−1300=2700

 

バトルフェイズはモンスターの戦闘を行うフェイズだ。

 

先行1ターン目には行えず、相手のターンから行える。

 

神獣王の槍はアルニスを貫き、遊奈はダメージを受ける。

 

それだけでなく、ファントムにもダメージが伝わってくる。

 

「どうだ!これがこの俺、真寺様のコンボの実力だ!」

 

「だけどアルニスの効果発動!相手の攻撃で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の魔法使い族モンスターを特殊召喚する!来て!青竜の召喚士!」

 

☆4 風 魔法使い族 攻1500

 

遊奈のフィールドに青髪の魔法使いの少年が姿を現す。

 

『あっ、このデュエルでライフポイントが減ったらプレイヤーもリアルダメージを受けるみたいだね。』

 

ファントムは付け加えるように言った。

 

「そういうことは先に言ってよ!わたしは補給部隊の効果で1枚ドロー!」

 

遊奈 手札2

 

「続いて俺はカイザー・ブラッド・ヴォルスで青竜の召喚士に攻撃!!」

 

カイザー・ブラッド・ヴォルス 攻1900

 

青竜の召喚士 攻1500

 

「きゃ!」

 

『ッ!』

 

遊奈 LP2700−400=2300

 

カイザー・ブラッド・ヴォルスの刃は青竜の召喚士を狙い、そして切り裂く。

 

青竜の召喚士は消滅して遊奈はライフポイントは両者の攻撃力の差分減少し、痛みを感じた。

 

「わたしは青竜の召喚士が墓地に送られた時、デッキからエレキテルドラゴンを手札に加える!」

 

「相手モンスターを破壊した時、カイザー・ブラッド・ヴォルスの効果で攻撃力を500アップさせる!」

 

カイザー・ブラッド・ヴォルス 攻1900+500=2400

 

「俺はカードを1枚セットしてターンエンド!」

 

バルバロスはターンを終える宣言をした。

 

ドロー→スタンバイ→メインフェイズ1→バトルフェイズ→メインフェイズ2→エンドフェイズの順に流れていき、デュエルが終わるまで両者が続ける。これがデュエルモンスターズの流れだ。

 

遊奈 フィールド

モンスター

①:②:③:④:⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:セットカード③:補給部隊④:⑤:

手札:3

LP:2300

 

デ⑤④③②①X

墓⑤④③②①フ

ーーEーXーー

フ①②③④⑤墓

X①②③④⑤デ

 

神獣王バルバロス フィールド

モンスター

①:②:③:神獣王バルバロス④:カイザー・ブラッド・ヴォルス⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:③:セットカード④:⑤:

手札:2

LP:4000

 

TURN CHANGE[newpage]

 

『遊奈。このデュエルで遊奈が傷つくと、ボクにもダメージを受けるみたいだよ。』

 

深刻そうに言うファントム。

 

「それって…。」

 

表情が曇る遊奈。

 

『そう。ボクはこのまま戻らなくなるかもしれない。』

 

さっきまでの余裕そうな態度はどこへやら、ファントムは物悲しそうな表情だった。

 

「嫌だよ!絶対に負けられない!」

 

『じゃあ、頑張るかな?」

 

「うん!わたし負けない!わたしのターン!」

 

遊奈 手札4

 

LP2300

 

「わたしはフィールド魔法、召魔装着を発動!戦士、魔法使い、ドラゴン族は攻守が300アップする!」

 

遊奈が発動したフィールド魔法は、フィールドゾーンに発動することができ、永続的に効果を発動できるカードだ。

 

「わたしは召魔装着の効果で手札からエレキテルドラゴンを捨てて魔装戦士 ヴァンドラを特殊召喚!」

 

☆5 風 戦士族 攻2000+300=2300

 

遊奈のフィールド上に聖龍の左腕をその身に宿した青竜の戦士が出現する。

 

「わたしは罠カード、戦線復帰を発動!墓地から青竜の召喚士を復活させる!」

 

☆4 風 魔法使い族 守600+300=900

 

魔法陣と共に青竜の召喚士がフィールドに戻る。

 

「わたしは青竜の召喚士に装備魔法カード、ワンダー・ワンドを装備!」

 

青竜の召喚士 攻1800+500=2300

 

青龍の召喚士の手に杖が握られ、攻撃力が上昇する。

 

遊奈が発動した『装備魔法』はモンスターを対象にしてそのカードを装備し、何かしらの効果を付加させる。

 

モンスターが破壊された時、その装備カードも破壊される。

 

「わたしはワンダー・ワンドの効果を発動!装備している魔法使い族モンスターを墓地に送ることでデッキからカードを2枚ドローする!」

 

青竜の召喚士は杖を天高くにかざすと粒子になり、その粒子はデッキに宿って遊奈はそのカードを引いた。

 

「さらに青竜の召喚士の効果でデッキからホーリー・エルフを手札に加えるよ!」

 

遊奈 手札1→4

 

『一度に3枚のカードを手札に…。』

 

ファントムは遊奈のプレイングに関心して眺めていた。

 

「わたしは魔装戦士 テライガーを召喚!」

 

☆4 地 戦士族 攻1800+300=2100

 

遊奈の場に聖龍の右腕をその身に宿した白虎の戦士が現れる。

 

「テライガーの効果発動!手札からレベル4以下の通常モンスター、ホーリー・エルフを守備表示で特殊召喚する!来て!」

 

☆4 光 魔法使い族 守2000+300=2300

 

テライガーは全方に魔法陣を描くと、そこからエルフの女性が姿を現し、祈りを捧げた。

 

「バトル!わたしはヴァンドラでダイレクトアタック!ヴァンドラは相手モンスターがいてもダイレクトアタックすることができる!ドラゴニック・ゲイル!」

 

ヴァンドラ 攻2300

 

「罠カード発動!ドレイン・シールド!攻撃を無効にして、ライフポイントを攻撃モンスターの攻撃力分回復させる!」

 

「ぐあぁっ!!」

 

神獣王バルバロス LP4000+2300=6300

 

「続いてテライガーでカイザー・ブラッド・ヴォルスに攻撃!この時、墓地のスキル・サクセサーの効果で墓地からこのカードを除外してテライガーの攻撃力を上昇させるよ!」

 

テライガー 攻2100+800=2900

 

カイザー・ブラッド・ヴォルス 攻2400

 

テライガーは虎の形の白い閃光を放ち、カイザー・ブラッド・ヴォルスを消滅させる。

 

LP6300-500=5800

 

「わたしはカードを1枚セットしてターンエンド。」

 

遊奈 フィールド

モンスター

①:②:テライガー③:ヴァンドラ④:ホーリー・エルフ⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:セットカード③:補給部隊④:⑤:

手札:1

LP:2300

 

フィールド

デ⑤④③②①X

墓⑤④③②①フ

ーーEーXーー

フ①②③④⑤墓

X①②③④⑤デ

 

神獣王バルバロス フィールド

モンスター

①:②:③:バルバロス④:⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:③:④:セットカード⑤:

手札:1墓地:

LP:5800

 

TURN CHANGE[newpage]

 

「俺のターン!」

 

神獣王バルバロス 手札3

 

LP5800

 

「俺は魔法カード、二重召喚(デュアル・サモン)このターン2回モンスターを召喚できる!俺は犬タウルスと激昂のミノタウロスを通常召喚!」

 

☆3 炎 獣戦士族 攻1600

 

☆4 地 獣戦士族 攻1700

 

バルバロスのフィールドにケンタウロス型の犬の獣人と激昂する雄牛の獣人が現れた。

 

「バトル!俺は激昂のミノタウロスでホーリー・エルフに攻撃!この時速攻魔法カード、虚栄巨影を発動!ミノタウロスの攻撃力を1000アップさせる!」

 

激昂のミノタウロス 攻2800

 

ホーリー・エルフ 守2000

 

激昂のミノタウロスは戦斧でホーリー・エルフを切り裂き、ホーリー・エルフは消滅した。

 

「ミノタウロスの効果で獣、獣戦士、鳥獣族モンスターが守備表示モンスターに攻撃する時、守備力を攻撃力を越えた分だけ貫通ダメージを与える!」

 

普通は守備表示モンスターを攻撃してもプレイヤーはダメージを受けない。

 

しかし、守備力が攻撃力を超えた場合、その数値だけ戦闘ダメージを与える効果を持つモンスターは守備表示モンスターに攻撃してダメージを与えられる。

 

「わたしは罠カード、ガード・ブロックを発動!戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

遊奈 手札2

 

「わたしは補給部隊の効果で1枚ドロー!」

 

遊奈 手札3

 

「俺は犬タウルスでテライガーに攻撃!この時、犬タウルスの効果でデッキから暗黒のマンティコアを墓地に送り、レベルの数だけ攻撃力を100ポイントアップさせる!」

 

犬タウルス 攻1600+600=2200

 

テライガー 攻2100

 

遊奈 LP2300−100=2200

 

犬タウルスの剣は炎を帯びてテライガーを切り裂き、遊奈はダメージを受ける。

 

「俺は神獣王バルバロスでヴァンドラに攻撃!」

 

バルバロス 攻3000

 

ヴァンドラ 攻2300

 

「きゃぁぁっ!!」

 

遊奈 LP2200−700=1500

 

神獣王の槍によってヴァンドラは消滅し、遊奈のライフポイントはさらに削られる。

 

「ヴァンドラの効果で墓地からエレキテルドラゴンを手札に加えるよ!」

 

「俺はカードを1枚セットしてターンエンド。この時、暗黒のマンティコアの効果で犬タウルスを墓地に送り、暗黒のマンティコアを特殊召喚する!」

 

☆6 炎 獣戦士族 攻2300

 

犬タウルスは消滅し、そこから蠍の尾と蝙蝠の翼を持つライオン型のモンスターが呼び出される。

 

遊奈 フィールド

モンスター

①:②:③:④:⑤:

E:

X:

フィールド:召魔装着

魔法罠

①:②:③:補給部隊④:⑤:

手札:4

LP:1500

 

フィールド

デ⑤④③②①X

墓⑤④③②①フ

ーーEーXーー

フ①②③④⑤墓

X①②③④⑤デ

 

神獣王バルバロス フィールド

モンスター

①:②:暗黒のマンティコア③:神獣王バルバロス④:激昂のミノタウロス⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:③:④:⑤:

手札:0

LP:5800

 

TURN CHANGE

[newpage]

 

「わたしのターン!」

 

遊奈 手札5

 

LP1500

 

「わたしは星杯に誘われし者を召喚!」

 

☆4 地 戦士族 攻1800+300=2100

 

槍を持った濃い紫色の髪の青年が姿を現して槍を構える。

 

「魔法カード発動!星呼びの天儀台(セレスティアル・セクスタント)!手札のエレキテルドラゴンをデッキの一番下に戻し、デッキから2枚ドロー!」

 

遊奈 手札4

 

「わたしは召魔装着の効果で手札から星杯を戴く巫女を墓地に送り、デッキから魔装戦士ドラゴディウスを特殊召喚!」

 

☆4 光 戦士族・ペンデュラム 守1500+300=1800

 

邪龍の右腕を宿した白い竜戦士がフィールドに現れる。

 

「さらにわたしはドラゴディウスをリリースし、デッキからオッドアイズ・ドラゴンを墓地に送り、このカードを特殊召喚する!いでよ、絶望の暗闇に差し込む、眩き救いの光!オッドアイズ・セイバー・ドラゴン!」

 

☆7 光 ドラゴン族 攻2800+300=3100

 

「強化して参上!」

 

オッドアイズは剣を思わせる白い鎧を纏い、輝きと共に現れた。

 

「わたしは星杯に誘われし者で激昂のミノタウロスに攻撃!」

 

星杯に誘われし者 攻2100

 

激昂のミノタウロス 攻1700

 

神獣王バルバロス LP5800−300=5500

 

「続いてオッドアイズ ・セイバー・ドラゴンで激昂のミノタウロスに攻撃!閃光のストライク・カリバー!」

 

オッドアイズ・セイバー・ドラゴン 攻3100

 

激昂のミノタウロス 攻1700

 

オッドアイズは尻尾から光の剣を展開して激昂のミノタウロスを切り裂き、ミノタウロスは消滅する。

 

「ぐあぁぁっ!」

 

神獣王バルバロス LP5500−1400=4100

 

「わたしはオッドアイズ・セイバー・ドラゴンの効果発動!相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手モンスター1体を破壊する!わたしは神獣王バルバロスを破壊!サージング・ソード!」

 

オッドアイズは尻尾から光の剣を展開して振り回し、バルバロスを切り裂く。

 

その影響か、バルバロスは青年の姿に戻った。

 

「戻った!?」

 

『精霊の宿るカードの攻撃が、モンスターの身体を切り離して元に戻すことができた…か。」

 

「わたしはカードを2枚セットしてターンエンド。」

 

遊奈 フィールド

モンスター

①:②:オッドアイズ・セイバー・ドラゴン③:エレキテルドラゴン④:⑤:

E:

X:

フィールド:召魔装着

魔法罠

①:②:セットカード③:補給部隊④:⑤:

手札:0

LP:1500

 

フィールド

デ⑤④③②①X

墓⑤④③②①フ

ーーEーXーー

フ①②③④⑤墓

X①②③④⑤デ

 

青年 フィールド

モンスター

①:②:暗黒のマンティコア③:④:⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:③:④:⑤:

手札:0

LP:1700

 

TURN CHANGE[newpage]

 

「俺の…ターン!」

 

青年 手札1

 

LP4100

 

「これで息の根を止めてやるぜ!スキル発動!神獣王覚醒!」

 

「スキル!?なにそれ?」

 

遊奈はデュエル中初めて聞く単語に驚いた。

 

『どうやらスキル使いみたいだね…。』

 

「スキルってなんなの?」

 

『スキルはいわばデュエル中に使えるプレイヤー固有の特殊能力さ。変身した使い手のデッキやエースモンスターに対応した様々な効果がデュエル中に1回だけ使えるんだ。』

 

「でもなんであの人が?」

 

『どうやら、変身したことによってスキルを手に入れたんだろうね。』

 

「できるの?そんなことが?」

 

『恐らくそうみたい。』

 

「墓地から神獣王バルバロスを特殊召喚し、デッキから獣神王バルバロスを手札に加える!」

 

スキル:神獣王覚醒

①自分フィールド上に存在するモンスターが獣戦士族のみで、相手フィールドのモンスターより数が少ない場合に発動できる。墓地からレベル8以下の獣戦士族モンスターを特殊召喚し、デッキから獣戦士族・レベル8のモンスターを手札に加える。

 

青年はデュエルディスクを起動させ、スキルを発動すると、墓地から神獣王バルバロスが再び戻ってきた。

 

「さらに俺は神獣王バルバロスをリリースして、手札から獣神王バルバロスを特殊召喚!」

 

☆8 地 獣戦士族 攻3000

 

青年に黒いオーラが巻き付くと、より大きな槍と盾を持ってフィールドに再び蘇り、『獣神王バルバロス』へと変化した。

 

「以前よりも強くなってる!?」

 

『「神獣」王じゃなくて「獣神」王だからね』

 

「獣神王バルバロスの効果で墓地から神獣王バルバロスを除外して召魔装着と補給部隊を破壊する!」

 

バルバロスは槍からレーザーを放つと、遊奈の2枚の魔法・罠カードは破壊された。

 

星杯に誘われし者 攻1800

 

オッドアイズ ・セイバー・ドラゴン 攻2800

 

「獣神王バルバロスで相手フィールドの全てのモンスターに攻撃!この身体は相手フィールドのモンスターに1回ずつ攻撃することができる!クラッグ・トルネード・シェイパー!」

 

獣神王バルバロス 攻3000

 

星杯に誘われし者 攻1800

 

オッドアイズ ・セイバー・ドラゴン 攻2800

 

「ぐあぁぁっ!」

 

「きゃぁぁっ!」

 

『ッ…!』

 

バルバロスは槍型のエネルギーを2つ放ち、2体のドラゴンを貫いた。

 

遊奈 LP1500−1200−200=100

 

「俺は暗黒のマンティコアでダイレクトアタック!」

 

「罠カード発動!ピンポイント・ガード!墓地から星杯を戴く巫女を特殊召喚する!」

 

☆2 水 魔法使い族 守2100

 

暗黒のマンティコアの攻撃は、振袖を持つ民族的な衣装の少女の持つ鍵杖によって防がれた。

 

少女のその目は純粋だが、今の遊奈と同じく決意に満ち溢れていた。

 

「俺はカードを1枚セットしてターンエンド。さあさあ、どうあがいてくるか?」

 

「わたしは罠カード、貪欲な瓶を発動!墓地の召魔装着、補給部隊、魔装戦士 ヴァンドラ、青竜の召喚士、オッドアイズ・セイバー・ドラゴンをデッキに戻し、1枚ドローする!」

 

『はぁ…はぁ…女の子に対してこんなにも容赦なしとは、頭どうかしてるんじゃない…?』

 

ファントムは消えかかった状態で、人差し指を自分の頭の横で回しながら言った。

 

「無論、俺はこいつを許さねぇし、強いものこそが正義だからな!」

 

バルバロスはファントムの発言に対してペースを崩さず反応した。

 

「正義…力を誰かを傷つけるために使ったりするのなんて、そんなの正義じゃないよ!」

 

遊奈は以前青年に見せたような目で睨む。

 

「力は…誰かを守ったり、誰かを助けたりするのに使うんだよ!」

 

遊奈は立ち上がり、叫んだ。

 

『ふーん…いいこと言ってくれるじゃん…。ますます気に入ったよ君のこと。』

 

ファントムは余裕そうな発言を欠かさず遊奈を認めた。

 

遊奈 フィールド

モンスター

①:②:星杯を戴く巫女③:④:⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:③:④:⑤:

手札:1

LP:100

 

フィールド

デ⑤④③②①X

墓⑤④③②①フ

ーーEーXーー

フ①②③④⑤墓

X①②③④⑤デ

 

獣神王バルバロス フィールド

モンスター

①:②:③:獣神王バルバロス④:暗黒のマンティコア⑤:

E:

X:

フィールド:

魔法罠

①:②:③:セットカード④:⑤:

手札:0

LP:4100

 

TURN CHANGE[newpage]

 

「これは…?」

 

「わたしのターン!」

 

その時、遊奈のデュエルディスクの円形のモニターが光っている。

 

遊奈はデュエルディスクのモニターを見た。

 

するとそこには『スキル発動』と書かれた箇所があった。

 

「わたしにも…スキルが…?」

 

『ふふふっ♪君もどうやら使えるみたいだね。』

 

「ほんと?」

 

『君の強い意志とデュエルディスクが共鳴して新しいスキルを生み出したみたいだよ♪』

 

「どれどれ…。」

 

遊奈はデュエルディスクのボタンを操作して『スキル発動』と書かれた箇所を選択してボタンを押した。

 

すると、デュエルディスクにはこう映し出される。

 

スキル:導く運命

このスキルはデュエル中1度、自分のライフポイントが相手フィールド上のモンスターの攻撃力の合計より低くなった時に、通常のドローの代わりに発動できる。

①自分は通常のドローの代わりにデッキから好きなカードを1枚をドローする。

 

「これがスキル…。」

 

『遊奈!逆転のチャンスは今しかないよ?』

 

ファントムは遊奈にチャンスを促した。

 

「うん!わかった!スキル発動!導く運命!」

 

「スキル…だと!?あのガキが…何故!?」

 

バルバロスは見くびっていた少女がスキルを使ったことに驚きを隠せない様子だった。

 

「このスキルは自分のライフポイントが相手フィールド上のモンスターの攻撃力の合計より低くなった時に、通常のドローの代わりにデッキから好きなカードを1枚をドローする!」

 

「わたしは、やってみせる!君を止めることを!ドローっ!!」

 

遊奈 手札2

 

LP100

 

遊奈はデッキからカードをドローすると同時に、光の軌道が天を描く。

 

「これが君を止めるカード!魔法カード発動!死者蘇生!」

 

死者蘇生。これが遊奈の引き当てたカードだった。

 

「わたしは墓地からオッドアイズ・ドラゴンを特殊召喚!」

 

二色の眼を持つドラゴン、オッドアイズが再び姿を現した。

 

「キシャァァァァァァ!!」

 

☆7 闇 ドラゴン族 攻2500

 

「わたしは星杯を戴く巫女をリリースして、バルバロスの攻撃力を0にさせる!」

 

星杯を戴く巫女は遊奈を見て頷き、光になって真寺に鍵杖を刺すと真寺は力を失った。

 

バルバロス 攻0

 

「これが君を止めるカード!魔法カード、死者蘇生を発動!」

 

死者蘇生。これが遊奈の引き当てたカードだった。

 

二色の眼を持つ龍、オッドアイズが姿を現した。

 

「キシャァァァァァァ!!」

 

☆7 闇 ドラゴン族 攻2500

 

「わたしは星杯を戴く巫女をリリースして、バルバロスの攻撃力を0にさせる!」

 

星杯を戴く巫女は遊奈を見て頷き、光になって真寺に鍵を刺すと真寺は力を失った。

 

「ぐぅぅぅぅ…おのれおのれおのれぇぇぇぇ!!俺は罠カード、ビーストライザーを発動!暗黒のマンティコアを除外し、バルバロスの攻撃力を暗黒のマンティコアの攻撃力分上げる!」

 

バルバロス 攻0+2300=2300

 

暗黒のマンティコアは炎となってバルバロスに宿り、攻撃力を増強させる

 

「わたしはオッドアイズ・ドラゴンで獣神王バルバロスに攻撃!」

 

オッドアイズ 攻2500

 

バルバロス 攻2300

 

オッドアイズはバルバロスに突進した。

 

だがバルバロスも槍で迎え討ち、互角に渡り合ったがオッドアイズが飛び上がり、口から螺旋の炎を放った。

 

「スパイラルフレイム!!」

 

遊奈とファントムが同時に攻撃名を放つと、オッドアイズの放った炎を受けた真寺は盾で攻撃を受け止めた。

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

獣神王バルバロスLP4100−200=3900

 

「まだだよ!オッドアイズは相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」

 

獣神王バルバロス LP3900−1500=1400

 

「さらにミニマム・ガッツの効果でそのモンスターが銭湯で破壊された時、元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

獣神王バルバロス LP1400−1500=0

 

WINNER:遊奈[newpage]

 

オッドアイズの炎が真寺を焼き尽くし、爆発と同時に青年の変身が解除され、地面に倒れた。

 

「キシャァァァァァァッ!!」

 

オッドアイズの勝利の雄叫びと共にデュエルは幕を閉じた。

 

「やった…やったぁぁぁぁ!!」

 

遊奈は達成感を感じ、嬉しそうに飛び上がった。

 

『さすがオッドアイズ!やるねぇ〜。』

 

ファントムはファインプレーを果たしたオッドアイズを褒めた。

 

「ありがとなファントム!」

 

オッドアイズは嬉しそうに返した。

 

「ところで、この人はどうなるの?」

 

遊奈は倒れている青年を指差して言った。

 

『あの人は変身した君とのデュエルで負の感情や力が浄化されたので、しばらく体は痛むと思うけど無事だよ。』

 

ファントムは青年の状況を説明した。

 

「よかった!じゃあ安心だね!」

 

遊奈は安堵した様子だった。

 

すると、青年に脅されていた光留が遊奈のところに駆けつけて言った。

 

「今のデュエル、一部始終を見てました!」

 

「あっ!君は…」

 

遊奈は変身後の姿のまま光留に声をかけた。

 

「はい!先程助けてもらいました!」

 

「先程…。」

 

「はい!」

 

少年は嬉しいような笑顔で言った。

 

「あと、さっきの変身見てましたよ!すごく素敵でした!」

 

「さっきの…変身…?」

 

「そうです!いまの服のことですよ!可愛らしくて、かっこよかったです!」

 

遊奈は無意識のままに行った変身のことを思い出し、さらにそのコスプレ姿を少年たちに見られたことを考える、さらに自分の今の格好を見るとどんどん顔が赤くなっていった。

 

「あ…ありがとうございましたあああああああああああ!!!!」

 

遊奈は羞恥心が限界までに達し、そのままダッシュで家に帰って行った。

 

「行きましたね」

 

少年は言った。

 

「行っちゃったね。」

 

オッドアイズは光留に対して返事を送った。

 

『あっ、ボクも行かなきゃね。行くよ、オッドアイズ。』

 

オッドアイズは姿が消え、彼のカードが遊奈のデッキに入る。

 

『それにしても遊奈のこの変身、ボクが以前見た転醒決闘者とは少し違ってたような…』

 

ファントムはそう呟くと、遊奈の後をふよふよ浮きながらついて行った。

 

「夜も遅くなったし、家に帰ろう…。今日は色々と疲れた…。」

 

遊奈の勝利の様子を、神明中学校の男子の制服を着ており、青みがかった銀髪のポニーテールと青いジト目が印象的な一見少女に見えるほど可愛い少年が見ていた。

 

「新たなる転醒決闘者か…?」

 

少年は呟いた。

 

『どうやらこれは、神星の欠片の影響を受けているようだったな』

 

紺色と黒色のデュエルディスクから声が聞こえる。

 

『私の推測によると、彼女は普通の転醒決闘者には無い要素を持っているに違いない。だからそう思った。』

 

「なるほど…」

 

『それで、これからのことはどうするんだ。』

 

「俺は俺のやるべきことをやる。あの転醒決闘者に『あいつ』は絶対に倒させない。僕の姉さんを殺したあいつを…。」

 

少年は拳を握りしめ、顔をしかめた。

 

『そうか。『あいつ』のことだからな。私もその気持ち、確かにわかる。お前の姉さんは私の主でもあるからな。』

 

少年とデュエルディスクから聞こえる声の会話は続く。

 

『そういえばこんな時間になったな。じゃあ寮にでも帰ろう。』

 

「もう帰る時間帯だな。帰ろうか。」

 

少年はデュエルディスクを操作すると自分の服を瞬時に青を基調とした神明中学校のものではない制服に戻すと白いドラゴンを召喚し、ドラゴンは少年を乗せて高層ビルの方まで飛び去った。[newpage]

 

遊奈は人気の無い公園で変身を解除し、そのまま歩いて家へとたどり着いた。

 

「ただいま〜…。」

 

遊奈は疲れた様子でドアを開けた。

 

「おかえり、ずいぶん遅かったじゃないの。お湯が沸いているからお風呂に入りな。」

 

遊奈の母親はいつもと変わらない様子で言った。

 

「うん!」

 

遊奈は二階へ行き、鞄を置いて制服を脱ぎ、体を洗って湯船へと入った。

 

「は〜!落ち着く〜!」

 

遊奈は湯船に入り、今日の疲れを癒している。

 

「帰りにすごい戦ってたから、余計癒される〜!」

 

『遊奈〜♪ボクも遊びに来たよ…わわっ!?』

 

すると、突然ファントムが現れた。

 

偶然にも現れた先にいたのが入浴中の遊奈だったので、ついつい顔を赤らめてしまう。

 

「きゃっ!ファントム!?何見てんの!」

 

遊奈は発展途上の胸を隠し、顔を赤めながら叫んだ。

 

『いや…た…たまたま実体化した場所がここだったからね〜…。』

 

ファントムは恥ずかしい感情を隠しつつ照れ笑いした。

 

「この変態!見ないで〜!」

 

遊奈はうずくまって言った。

 

『み…見るつもりないじゃないか君のお子様体型なんて。』

 

ファントムは若干からかいも含めつつ遊奈の発展途上の幼児体型を指して言った。

 

「お子様体型!?今お子様体型って…ファントムの馬鹿〜!!」

 

遊奈はファントムに飛びかかったが、ファントムは実体が無いのですり抜けて遊奈は壁にぶつかった。

 

遊奈たちの戦いとは始まったばかり。

 

彼女たちはモンスターへと姿を変えた人間との戦いと、様々な決闘者との出会いに巻き込まれていく物語は幕を開けた。

 

To Be Continued…




ファントム『いや〜凄かったね〜君のデュエル♪』

遊奈「すごいでしょ!」

オッドアイズ「いやすごいのは俺の方だけどな〜!」

遊奈「スキルを発動したわたしだってすごいんだよ!」

ファントム『ということで今回の最強カードは《死者蘇生》!』

オッドアイズ「うんうん…って俺じゃあないんかい!」

ファントム『ごめん、オッドアイズ…。効果は墓地からモンスターを特殊召喚する、シンプルかつ強力なカードだね』

遊奈「それだけじゃなく、相手の墓地のモンスターまで蘇らせたりできるなんてすごいね!」

遊奈「次回はわたし達が光留の家に来たりするお話だよ!」

ファントム『それだけじゃなく、ボクのデュエルシーンもあるかも?お楽しみにね』

ストーリー系のデッキは確定なんだけど、弥生のデッキどっちにしようかな

  • セイクリッド/テラナイト
  • 星杯/パラディオン
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