あまりときめかない人生だったので来世はときめく様に生きたいと思います 作:みゅーな
凄い久し振りの更新ですね!
(ほぼ忘れてたわ…)
今回で影廊のお話は終わりにしたいと思います!
(あまり長くやっても……ね?)
変な部分とかありますが了承下さいな♪
ではでは本編どぞー?
ゼムナス side
あれから逃げては隠れ逃げては隠れ、時にはひたすら逃げてを繰り返しやっと最終ステージへと辿り着いた。
途中アホみたいなムズい回廊があったり、デカイくてあーあー叫んでる怪物や耳が痛くなるような悲鳴をあげながら追いかけてくる化け物もいた。
勿論、何度も死に戻りをした。
そうして訪れた最奥であろう場所に小さな小屋?のようなものがあり中には布団が敷かれているようだった。
近づいてみると布団に寝かされているものに面を食らう。
「…木乃伊か?雰囲気はおぞましいが…」
すると背後に気配を感じる。
「私のお母さんよ」
振り向くとそこには目を包帯で隠している少女が立っていた。
「もうずっと長い間眠ったまま。その魂は体を離れ、底知れぬ憎悪に苛まれながら、今もこの世界を彷徨い続けている…。なんとか体は維持してきたけど…」
そこまで言うと少女は溜息を溢す。
「あの男が壊してしまった…もう時間がない。今すぐ生き返らさなければ…」
あの男というのはイベントの途中で出会った俺と同じ仮面を被ったNPCだ。
それが途中出てきて大きな結晶を壊していた…あれが器とか言うやつだったんだろう…。
まぁ、そのせいでデカイ化け物に追われたんだがな。
「生き返らせる?どうゆう事だ?」
少女は俺の質問に答えるように口を開く。
「魂と体を一体化させるためには、当方もない力が必要なの。あの器で普通の魂を集めても、お母さんの体を維持するのでやっと…。だからコレを被せた」
すると少女はその手に俺が付けている仮面と同じ物を取り出す。
「この面被れば、魂の力が何倍にも増幅される。元となる魂が強ければ強いほどね」
なるほど、だからこの面を付けるとステータスが上がったのか。
「まぁ、その力の大きさ故に大抵は自我を失い、人ならざる者へと変異する。でもそういう者たちは普通の魂を集めるのに役に立った」
「ほぉ…」
あの化け物たちは元は人間だったと…。
「あの男の器は素晴らしかった…。そして貴方の器も素晴らしいの。ホントは増幅した魂を収穫したかったけど…」
少女は少し間を開けて口を開く。
「分かるでしょ、もう時間がないの…貴方にはここで死んでもらう」
少女は片手を上げる。
「ここに来て戦闘か?面白い、どうせ死ぬのなら限界まで抗ってやるよ」
俺も構える。
「………」
しかし少女は襲いかかって来ることもなくその手を降ろす。
「?」
俺が首を軽く傾げると
「まぁ、いいわ。素の魂なんて、足しにもならない…そこで見てるといい」
少女は俺の脇を取り抜けるとお母さんと言っていた木乃伊の前に移動する。
そして両手を広げると木乃伊の頭上へと周りから光が集約しだす。
「(これが魂と言うやつか?)」
光が集まるとそれが木乃伊に降り注ぐ。
すると周りが暗転し何も見えなくなる。
ウオォォォォォォンンンンンンン!!!!!!
「うそ!こんなはずじゃ…!」
化け物の様な声と焦る少女の声が聞こえる。
そして何かを破壊する音と同時に俺の体に強い衝撃が襲い吹き飛ばされる。
「待って、お母さん!」
「一体何がどうなってんだよ、このクエストは…」
俺は薄っすらと目を開きながらボヤく。
そして周りから聞こえてくるパチパチという音。
「……かなり荒れてるな…」
とこどころには火が付き燃えている。
「しかし、これからどうしたものか…。クエストは恐らくまだクリアしていない、なんせこの仮面が外せないしな…」
そして暫く考えていると
「遅かった…」
「ん?」
不意に掛けられた声に振り返ると、そこには光っている猫がいた。
いや、正しくは光る何かを首に掛けた猫だ。
「お前は…確か途中途中で何度か見かけた黒猫だな?」
「えぇ、やっと私の声が届きましたね。さて…事態は一刻を争うので手短に話します」
「あぁ」
そして猫は語りだす。
「彼女は、復活に不足していた力をこの世界を構成する力で補填したようです。お陰で私の声が届くようになりましたが…この世界はまもなく崩壊するでしょうて」
「っということはクリアもそろそろ近いか…」
「復活のために集められた魂はどれも苦痛や憎悪によって歪んでいた。それがあの人を変えてしまいました…既にあの人は人ではありません。底なしの憎しみに飲み込まれた怪物。憎悪そのものです」
『クエスト:肥大化した憎悪』
クリア条件
肥大化した憎悪の消滅
失敗した場合は「肥大化した憎悪」が破壊不能オブジェクトとしてフィールドに解き放たれる。
「肥大化した憎悪…ねぇ。つうか、失敗した際のリスクデカくないか?破壊不能オブジェクト化とか出会ったら地獄になるな」
「アレはやがて表の世界に現れることになります。人の魂を喰らい、更にその力を増し、とてつもない災厄になるでしょう」
災厄なんてレベルじゃないけどな。運営にクレームが殺到するだろう。
「まだ力が弱いうちに、こちらの世界で対処しなければなりません」
「その方法は?」
「この世界の礎となった27の人柱、その魂が燻っている場所があります。今なら私でもその封印を解けるでしょう…しかしその27の人柱は膨大な力を蓄えているので制御はできませんが…真っ先にあの怪物に向かっていくでしょう」
「それで倒せるのか?」
猫は首を横に振る。
「アレはもはや倒せるとかそういう次元ではありません。27の人柱が足止めをしている内にこの世界諸共滅びるでしょう…貴方は戦わず怪物を人柱が眠る場所へと誘導してください」
「了解した」
「上手く行けば貴方を元の世界に返しましょう…それにそのお面も外せるようにしますよ」
俺は無言で頷く。
「では、この首飾りを身に着けてください。貴方の身を守ってくれます。封印を解くためにも必要なのでくれぐれも無くさないでくださいね?」
そう言うと猫は姿を消した。
「さて…いよいよ大詰めか。どうせなら最高にときめかせろよ?」
ゼムナスSide out
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三人称Side
ゼムナスは一本道を進み付ける。
道中は一定の感覚で世界が震えたり、化け物の声が聞こえたりしている。
「一本道とはいえ油断は出来んな」
ちなみにゼムナスはこのクエストを始めてから新たにスキルを会得していたる。
化け物たちから生き残るために見つけたものだ。
暫く進んでいくと屋外へと辿り着く。
目の先には包帯の少女が呆然と立っている。
「私はむかし…人間として生きようとした。でも大切なものは人間が全て奪っていった。あの時の光景は今も、光を失った目に焼き付いている…」
いきなり語りだした少女を訝しげに思いながらも黙って聞くことにしたゼムナス。
「私は人間であることを捨て、心を捨てた。そして数えきれない人間を殺した…全てはお母さんにもう一度会うため、その為だけに。これでは終わらせない…もうあの時の私とは違う。今度こそお母さんを助ける!」
ウオォォォォォォンンンンンンン!!!!!!
少女の目の前に肥大化した憎悪が現れる。
その見た目は大きな魚の様な姿ををしていた。
肥大化した憎悪は少女に向かって金魚の様な物を飛ばすも少女は不思議な力を使って打ち消す。
少女は力を使って転移するも肥大化した憎悪によって崖の下に落とされてしまう。
「たかがクエストにしちゃあかなり凝ってるな…」
そう呟きながらも迫りくる肥大化した憎悪を回避して猫が示してくれたであろう光を頼りに走り始める。
「『音速』!」
このクエストで手に入れたスキルの1つでありAGIを最大で15倍にしVITが半分になる効果がある。
取得条件は難しくないもののそれなりに便利である。
ゼムナスはスキルを駆使しながらクエストを進めるのだった。
三人称Side out
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ゼムナスSide
あの後はひたすら敵の攻撃をかわしながら猫の案内の元走り続けた。
そうして如何にも封印されている的な崖へと誘導出来た。
俺は首飾りを翳すと魔法陣が浮かび上がり封印か解かれる。
すると中からは無数の手が伸び始め、肥大化した憎悪に絡みつきながら何処かへ引き込もうとする。
「待って!お母さん!」
「いっちゃだめ!」
すると後ろから包帯の少女が走ってきてそのまま崖から飛び降り肥大化した憎悪と共に飲み込まれる。
止まるよう呼びかけた猫は崖の淵から下を見下ろす。
「こうするしか方法がなかったの…ごめんなさい……ヒバナ」
猫の呟きはヤケに鮮明に聞こえた。
やがて猫は俺の方に視線を移すと話し始める。
「彼女は余りにもこの世界で人を殺しすぎた…ですが母に会うために彼女はそうするしか無かったんです。彼女は人としての心を捨て、母の為に化け物として生きてきた…その苦悩は私達には図りしれません、彼女は優しい人でしたから」
猫からは悲しみが伝わっわてくる。
「ですがもう彼女が苦しむことはありません、この世界も間もなく消え去り、誰かが迷い込むことも無くなります…あなたのお陰です」
すると空間が震える。
「もう時間がありませんね…約束通り貴方を元の世界にお返しします。この世界は彼女…ヒバナの心そのもの。彼女が作ったこの世界の終わりを私は見届けます。貴方が来てくれて良かった…」
猫がそう言った瞬間に視界が光で一杯になる。
「ようやく…ようやく終わった…!俺は一体何日間ここに閉じ込められてたんだ?」
クエストがやっと終わったという達成感を暫く味わっていると異変に気付く。
「…可笑しい。なぜ元の世界に転移しない?どうゆう事だ…」
辺りを見渡しても何もない空間が広がるだけだった。
するとそこに、機械音が鳴る。
「……エクストラクエスト?」
ウィンドウには新たなクエストを示す表示がされていた。
『クエスト:聖域からの邂逅』
出現条件
大勾玉を5種類集めて「肥大化した憎悪」を初回でクリアする。
「………」
確かにクリアしていく最中に普通の勾玉とは違った大きな勾玉を見つけたが…このクエストの為だったのか。
「…ここまで来たらやってやろうじゃねぇか」
俺はYes/Noと表示されたパネルのYesを押す。
すらと体が光に包まれて目を庇う。
そして再び目を開くとそこは初めて見る迷路だった。
「…このクエスト、とことん楽しませて貰おうじゃねえか」
ゼムナスは獰猛な笑みを浮かべ探索を開始するのだった。
ゼムナスSide out
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おまけ
「センパイ!クエストからゼムナスのプレイヤー反応がロストしました!」
赤いウサギがコンソールから手を離し紫のウサギに告げる。
「おぉ!遂にあのクエストをクリアしたのか!」
「てかあんな精神を摩耗するクエストをこの短期間でクリアするとか…ホントに人間なの?」
紫のウサギの反応に呆れるような声音で黄色いウサギがボヤく。
「まぁまぁ、クリアしたんだから良かったじゃないか」
それを嗜めるように緑色のウサギが口を開く。
「しかし不思議なんですよね…クリアしたならフィールドに転移されるはずなんですが何処にも反応が無いんですよ」
赤いウサギが再びコンソールを叩きながら呟くと黄色いウサギが反応する。
「クリアして直ぐにログアウトしたんじゃないのか?体感では1ヶ月位の月日を感じてたんだし」
「だけど反応があってからの前後のログを見てるんですが履歴がないんですよ」
「どういうことだ?」
紫のウサギが首を傾げると
「それはそうじゃ、なにせあやつは未だにクエストの真最中しゃからな」
「チーフ!」
他のウサギとは比べて大きな体を持った毛むくじゃらのウサギに紫のウサギが頭を下げる。
「しかしチーフが何故それをご存知で?」
「お前らも知ってるであろう?あのクエストを作ったのは誰だか」
すらとメンバー全員の声が「あっ!」とハモる。
「確か最近入ってきた新人でしたっけ?実力は凄まじいけどどこかズレてる女ですよね?」
チーフウサギが大きく頷く。
「うむ、そしてワシの娘でもあるのう」
『えっ?』
その一言に空間が停まる。
「因みにゼムナスというプレイヤーはワシの息子じゃ」
『はぁ!!!!?????』
チーフウサギの一言にその空間は混沌に包まれるのだった。
駄文を読んで頂きありがとうございます!
影廊編は以上となります!
(裏エンドは幕間みたいな感じで書こうと思います…書きたくなったら)
まぁ、影廊編についてはスキルを習得する為の物なのであまり深く書かなくてもいいかなと。
以下手に入れたスキル一覧となります!
音速
プレイヤーのAGIを最高で15倍にする。
※細い数字な調整できる。
デメリットとしてVIが半分になる。
クールタイムは1分
取得条件
1日に20時間以上、敵に追われながら走り続けるのを3日間繰り返す。4時間以上間が空くとリセットされる。
潜伏Ⅹ
プレイヤーの気配、現在位置を消失させる。
視認された状態だと使用不可。
クールタイム5分
取得条件
敵から一定期間(詳細期間は非公開)隠れ続ける。
気配察知Ⅹ
プレイヤーから半径5キロ内に存在する他プレイヤーやモンスターを感知できる。
取得条件
身を隠しながら敵の気配を24時間把握し続ける。
影廊
他プレイヤーを巻き込む特殊空間をランダムに生成する。
空間からは脱出するには勾玉を集めて祭壇に納めるか5回死ぬ以外では出られない。祭壇に納めて脱出した場合は所持金が1/2増える。なお5回死んで脱出した場合は所持金の1/3を消失する。
1日に5回まで使用可能。
取得条件
「エクストラクエスト:聖域かりの邂逅」を初回でクリア
徘徊者
他プライヤーを襲う破壊不能な異形を召喚、使役できる。
召喚、使役するには特殊な状況下や一部を除き「スキル:影廊」の特殊空間でのみ可能。制限は組み合わせ関係なく12体まで。
1日に8回まで使用可能。
大食らい、肥大化した憎悪、母については特定の空間でそれぞれ1体のみ召喚可能。
★召喚可能な徘徊者
・神楽鈴の徘徊者
・走り廻る
・泣き声の主
・忍び寄る徘徊者
・警鐘の徘徊者
・千里眼の徘徊者
以下の異形は「スキル:影廊」不使用でも召喚、使役可能。
※但し破壊不能オブジェクトではなくなり体力はそれぞれ使役プライヤーのHP×10000
・憎悪を振りまく影
・大食らい
・肥大化した憎悪
・母
取得条件
「肥大化した憎悪」&「聖域からの邂逅」を共に初回でクリア
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次回はいよいよ特典に近づいて行こうと思います!
まぁまたいつな更新になるか分かりませんがねw
ではでは〜(^_^)/~