ア「それは引っ張ったらダメなやつね」
妖「でも引っ張ったら面白いかも」クイッ
魔、ア「!?」
イェァァァァァァァァァ!!!
ア「…魔理沙落ちてったわね」
妖「…もう帰りません?罠とか多いし」
ア「そうね…」
〜5日目、竜斗組〜
俺達…俺とフランは島の多分真ん中辺りの洞穴に拠点を置いて引きこもっていた。念のため非常食を持ってきておいたのが幸いしたのだが、それも時期に尽きるだろう
「なぁフラン」
「…なによ」
しかし、そんなことよりも大きな問題があった
「これからどうするよ」
「しるか」
実はここに逃げ込んだ直後、入り口の前に何故か川が出来て(多分土砂崩れ)それで吸血鬼のフランは身動きが取れなくなったのだ
「どっちにしろ私は動けないから」
っていうか、ここ数日間まともに会話出来てないんだよな。頼むからこの状況を打開する策がほしい
「…」
「と、とりあえず近くに誰かいないか探しに行くから待っててくれ」
「…おう」
さて…行きますかね。あれ?これどーやって超えよう…しゃーない飛ぶか
「………よな」
「え?」
ジャンプする瞬間振り返ったのが失敗だった。着地に失敗して足を滑らせ、そのまま川にダイブしてしまった
「あばばばば」
あれ?流されてるけど意外に楽しいこれ。暑いから水が気持ちいいなー。お、水がなくなった
なくなった?
「のわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
仰向けで流されていたから滝があることに気づかず、そのまま滝つぼに真っ逆さまにダイビングしてしまった。途中誰かの悲鳴が聞こえたのは気の所為だろう。きっと自分の悲鳴だろう
「いててて…」
昔から丈夫だったおかげでなんとか生きていられたが、大分と下に来てしまった
「…戻るか…」
滝の上に戻るべく俺は多少の回り道をしながら山を登って行った
〜フランside〜
ーー竜斗が行ってから数時間、フランドールは不安にかられていたーー
「帰ってこないなぁ」
気になるので様子を見に行きたいのだが、私は川を越えれないのでここから出ることも出来ないでいた
「退屈だなぁ…」
今ここにあるのは竜斗の着替えと私の着替え、そして少なくなった非常食と水、それに何故かある救急セットだけだった
「あいつ大丈夫かな」
私は竜斗のことを心配していた。心配?気にしているだけなのか?いや、ただ単に同じクラスってだけだろう。気にする必要もない、そもそも赤の他人じゃないか
「あー、もう!何なんだ私はぁぁぁぁ!!」
叫ぶついでにふと外を見ると、いつの間にか豪雨になっていた。川も氾濫しかけている
「川は…ここの方が高いから大丈夫か。あいつは…」
ーー数時間前に出て行った想い人のことが不安になるフランドールだったーー
〜竜斗side〜
「…やべぇ」
意気揚々と洞穴を飛び出して約2時間、突然の豪雨に俺はかなり困っていた。たまたま生えてた巨大葉を傘代わりにしているが、それでも気休め程度だ
「はぁ…どうしたものかねぇ」
そしてさらに困ったのが、滝の上に戻ってきたはいいが土砂崩れで先に進めなくなっていた。しかも後ろはこれまた見事に土砂崩れで断崖絶壁とかしていた
「目の前の川も氾濫しそうだし…能力も封じられてる…能力?」
まてよ…もしかしたら俺の能力って使えるんじゃね?いや、使えてもどうするよ?目の前の土砂を吹き飛ばすか?そんなこと出来るわけ…じゃあ川を泳ぐか?いや、流されるのがオチだろう…となると
「足を強化してジャンプして土砂を乗り越えるのがテンプレか…」
しかし失敗したら頭から真っ逆さまだ。どうする俺!この危険なかけにのるのか?
「まぁ…じっとして死ぬのが1番最悪だしな」
俺は足下を整えると、足に思いっきり力を込めた。何と無くだが足に力が溜まるのが伝わる
「よし…ぬぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は思いっきり地面を蹴った。と同時に地面が崩れ体制を崩した俺は真っ逆さまだった
「やべ…」
これはあれだな、バッドエンドってやつだな。多分死んだな俺
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
走馬灯が走る。魔理沙と出会ってからのことが鮮明に蘇ってくる。これが死ぬって感じなんだろう
「……………よ!」
「…はい?」
謎の叫び声と共に俺の身体は宙吊りになった。視界の先には走馬灯ではなく七色の羽を持つ吸血鬼だった
「ったく!帰ってこないと思ったら何してんのよ!」
「何って…バンジージャンプ?」
「紐なしでするバカがいるか!死ぬ気かお前」
「今まさに足を握りつぶされそうなんですけど」
「いいから帰るぞ!」
「ちょ、痛い痛い!!」
洒落にならないくらいの握力で足が潰されそうになりつつも俺は無事に連れ帰られた
〜洞穴〜
「ったく…何してんのよ全く…」
フランに連れて帰ってもらった俺は濡れた服を脱ぎ捨て、替えの服に着替えていた
「いやぁ、死ぬかと思いましたよアハハ」
「ったく、お前がいなきゃ少し寂しいだろ…」ボソッ
「え?ごめん雨でよく聞こえなかった」
「うるせぇなんもねぇ!死ね!殺すぞ!」
何で自分で助けた人を殺すんすかフランドールさん…なんてことは口が裂けても言えないし、言ったら口どころか本当に身体ごと裂けて死ぬ事になるので心の奥にしまっておいた
「しっかしここも崩れそうだな…」
見ると天井は今にも崩れてきそうだった。というかすでに一部崩れてきて…い…る?
「フラン上!」
「上?あ…」
フランの頭上に岩が落ちてきていた。俺は咄嗟に足に力を込め、フランに全力でタックルした。そのかいあって間一髪助かったのだが…その、何というか気まずい距離というか…服も微妙に透けてらっしゃるというか…うん…ありがとうございます
「あ…わわ…ちょ、離れろ!」
「ガフッ!ひどいっ!?」
フランは俺を押しのけると、鳩尾に思い切り拳を突きつけた。正直死にそうです
「いてて…少しは感謝ってのは無いのかお前は…」
「べ、別に助けてなんかいってねーよ」
「つーかよ、入り口らへんは防がれたしどーすんだよこれ」
「あー、それなら大丈夫」キュッ
「え?」
フランが右手を握ると同時に入り口付近を防いでいた岩は跡形もなく砕け散った
「どう?これが私の能力」
「能力?」
「そう…私には物体の最も緊張してる部分…目が見えるのよ。そしてそれを右手に移動させることも出来る。初めは上手く制御出来なかったけどね」
「なんというか、ぶっ飛んでますな」
「私はこの能力のせいで忌み嫌われてきた。正直怖いでしょ?いつ自分が壊されてもおかしくないのよ?」
そう語るフランの身体は何処か震えているようだった。あぁそうか、きっと自分の能力のせいで色んな人から蔑まれてきたのだろう。言えばトラウマみたいなもんだ。そんなフランに俺が出来るのは、頭を撫でてやるくらいだった
「そんな気にするなよ」
「でも、私の近くにいれば竜斗のことを壊すかもしれない!」
「さっき守ってくれたじゃねーか。それにな、フランがどんな能力持ってようが、俺は気にしねーよ。それについさっきもその能力で結果的には俺たちのこと助けただろ?」
「そだけど…」
まぁ、無理もないだろう。長年負った心の傷はそう簡単に癒える物ではないだろう。なら放っておくのか?それは出来ない、いやしない
「じゃあこうしよう、その能力を人を救う為に使うんだ」
「人を救う?」
「そーさ、むしろ何でも壊せるなんて逆に凄いじゃないか。俺なんか何にも出来ないのにさ、むしろその力分けてほしいよむしろ分けて下さい」
「プッ…アハハ」
「何で笑うんだよ」
「いや、私の力を知って逃げ出さなかった人間は竜斗が初めてだよ」
「昔から肝だけは座ってんだ」
「ま、少しはあんたのこと信用してやるよ(本当は前から信用してたりなんてね)」
「そりゃどーも。俺も信用してるぜフラン。友達としてな」
「あ、うん(友達…か…)」
フランが少し俯いた。疲れてるのかな?まぁ吸血鬼のくせして雨の中飛んできたから無理もないか。かなり弱ってそうだし、意外と可愛いもんだな
「竜斗、あったかいもの用意して」
「自分で用意しろよ」
「助けてやったんだからそれくらいしろよ。情の欠片もねぇやつだな」
訂正、ただのクソガキだわ
〜フランside〜
私は一つ嘘をついた。私の能力を知って逃げ出さなかったのは…竜斗が二人目だった
〜次回予告〜
紫「島の地下に眠る謎の遺跡。その最深部で魔理沙が見た物とは!?」
藍「次回は少しソフトなシリアス回になるらしいですね」