ア「そうね。ってか前書きコーナーも私達が担当するの?」
霊「別にいいんじゃない?出番あんまりないし」
ア「幻想郷の主人公(笑)」
霊「退治するわよ」
体育祭も終わり、いよいよ冬が近づいてきたとある日…元弐組の担任の蓬莱山輝夜は学園の門前にいた
「寒っ!ったく…何で私が…」
体育祭の様子を見てわかるが、完全に自業自得である
「つーかこっちは朝早く来たってのに誰も来ないじゃないの」
輝夜は映姫に「7時には門前に必ずいること」と言われた為、朝の肌寒い時間からずっと門前に立っている。
「結局永遠亭も直せず終いだし…おっ?誰か来た」
1番最初に学園に来たのは校長の映姫だ。彼女は真面目な為、必ず7時ちょうどに学園にやってくる
「おはようございま〜す」
「ちゃんと仕事してるじゃ無いですか」
「私だって働きますよちゃんと」
何故それを前からしなかったのかと映姫は言いかけたが、言っても無駄なのでやめておいた
「まぁ、これからも善行を積みなさい。そしたら職員復帰も考えてあげます」
「そりゃどーも」
映姫が校舎に入って行った後、次にやって来たのは文と勇儀だった。文は勇儀に担がれてぐったりしている
「勇儀先生それどうしたんすか?」
「あーこれか?さっきまで飲んでてな〜。こいつ酒豪だからいけると思ってたら気付いた時にはオチてた」
わははと笑いながら勇儀は校舎の中に去って行く。輝夜は今度から勇儀とサシで飲まないようにしようと誓った。下手すると蓬莱人でも地獄を見かねない
「しかし暇だなぁ」
その後、話したことのないような先生や生徒達が門をくぐってくるが、勿論誰一人として輝夜に挨拶をして来ない。そんな若干の殺意の波動に目覚めかけた輝夜の前をふと見覚えのある生徒が通った
「あれは確かうちのクラスの大竹…と後は覚えてねぇや」
「今日から担任代わるんだって」
「マジ?美人がいいな」
「後優しい人!門番の美鈴さんみたいな人がいい!」
「…」
自分のクラスだった子に無視され挙句の果て文句を言われていた事実に流石の輝夜も少しめげていた
「…めんどくさかったけど、もう少しちゃんとやりゃよかったかな」
「ま、当然の報いよね」
「のわっ!?霊夢かびっくりさせんなよ」
輝夜の後ろには霊夢が立っていた。霊夢は輝夜の隣に腰掛けるとおそらく買ってきたであろうコーンポタージュを飲み始めた
「つーか珍しいじゃないの。輝夜が彼処まで本気出すなんてさ」
「こっちにも事情があるってんだよ」
「ふーん。ってかさっきからあんたのクラスの子通るけど、誰一人として挨拶しないわね」
「本当だよ。流石に泣けてくるわ」
二人が何気ない会話を交わす間にも、どんどん生徒は通っていく。しかし勿論皆無視して行く。そうしてチャイムが鳴り、結局誰も輝夜の現状に触れることはなかった
「あんた忘れられてるんじゃない?」
「かもな、あははは」
輝夜は気にしてないといった感じで笑う。実際本当に気にしてないのだろう
「ところでさ、何であんたは今回の異変に乗ったの?」
「何のことだ?」
「今の幻想郷の現状よ。正直私は紫が何かの意図を持って境界異変を起こしたと思ってるわ」
「そーなのかねぇ」
「実際あんたも、この学園に関わる必要は無かったはずじゃない?」
「私は面白そうだから参加しただけさ」
「輝夜らしいわね」
「そうか?」
あははと輝夜は笑ってみせる。好奇心旺盛なのが輝夜の特徴の一つだ
「そういや霊夢。お前はあいつについて気付いたらしいな」
「当たり前よ。巫女を舐めんな」
「舐めたかねぇよ。ま、あいつもまだ若いから仲良くしてやってくれよ」
「年寄り臭いわね」
「蓬莱人だぞ?少なくとも霊夢の何百倍は生きてる」
「そーだったわね。ま、私の勘が大丈夫っていってるからまだ大丈夫でしょ」
「また勘かよ」
「巫女の勘は当たるものなのよ」
霊夢はそれだけ言うと、飲み干した後の空き缶を残して校舎へ入って行った
「ったく、ゴミ捨てすんの私なのに」
輝夜は愚痴を言いながらついでにと落ち葉掃除を始めた。やるときゃやる姫様である
「…さぶっ…」
〜放課後〜
輝夜は生徒が全員帰った後も一人門前に残っていた。永琳と一緒に帰る約束をしているからだ
「永琳遅いな」
「あら?まだ残っていたのですか?」
輝夜が顔を上げると、一度帰ったはずの映姫が立っていた。
「校長何してんすか?」
「ちょっと忘れ物したんですよ。輝夜先生は一体?」
「永琳と帰る約束してましてね。ずっと待ってるんですよ」
「あぁ、永琳先生なら帰りましたよ」
「はい?」
「確か向こうの保健室の方の出口から」
「校長戸締り任せましたよ」
輝夜は寒さと待たされたことに対する怒りが爆発しそうになっていた。流石に怒るわなそりゃ
「永琳のやろ…帰って文句言ってやる」
輝夜は能力を使い誰にも感知出来ない速さで人里の仮住まいへと向かった
〜人里〜
人里のとある一軒家では、二人の兎が夕食の準備をしていた
「姫様遅いですね〜。師匠放ってきてよかったんですか?」
「別に放って来ても死なないわよ。蛍君そっちお願い」
「アイアイサー!」
〜人里入り口〜
蛍達が何かの準備をしている間にも、怒った亭主は凍えながら一軒家に向かっていた
「ったく永琳のやろ、普通主人を置いていくか?」
人里の入り口まで来た輝夜はスピードを緩め、歩いて家まで向かっていた
「ん?何だこの匂い」
輝夜が周囲をキョロキョロすると、ミスティアが最近建てたという新店舗があった
「あれは屋台の…ちょうどいいや、少し入るか」
輝夜は暖簾をくぐり、店の中に入った。中は丁度夕飯時で客がごった返しており、到底落ち着いて呑める状況じゃなかった
「あ、貴方は永遠亭の輝夜さんじゃないですか」
カウンターに居たのは大妖精だ。どうやらバイトしているらしい
「注文はどうしますか?」
「あー、八目鰻五人前持ち帰りで」
「わかりましたぁ!」
大妖精は叫びながら厨房の方へ入って行った。輝夜はポケットから財布を取り出そうとしたが、それが無いことに気づく
「やべ…落とした…」
注文しといて今更だが、取り消すわけにもいかないので輝夜は辺りを見渡した。すると幸運なことに勇儀と文がまた飲んでいた
「勇儀先生」
「輝夜先生じゃないすか?呑みます?」
「いや、飲まないっすよ。それよかお金貸してもらえないすか?」
「お金?」
「いやぁ、実は財布落としちゃって…」
「仕方ないなー。はいこれ!返さなくていいから」
勇儀は酔いつぶれている文の財布からお金を抜き取り、それを輝夜に渡した。もちろん二人とも気にしてない
「あざっす!」
輝夜はその後、鰻を受け取り帰路についた。そして家の前につくと永琳に放って帰られたことを思い出した
「よし、たまには亭主らしく…」
輝夜は勢い良く扉を開くと永琳の名前を叫んだ。しかし永琳どころか誰も返事しない
「あれれ?」
輝夜は廊下を渡り、奥に行った。すると奥の部屋では明かりがついていた
「ったく無視しやがって…流石に怒るか!ちょっと永琳!」
輝夜が奥の部屋の襖開けると、そこには何故か贅沢に並んだ料理と永琳、鈴仙、てゐそして蛍がいた
「え?何これ?」
「おめでとーーー!!」
「え?はえ?」
「忘れたんですか姫様?今日は姫様が初めて地上に来た日ですよ」
「あ…」
忘れてたと輝夜は呟いた。そんな他愛もない事なのに永遠亭の住人達ははしゃぎ回っている。主に蛍とてゐが
「すいません姫様。これがあったとはいえ約束を破ってしまって…」
「永琳…ま、今回は私の心の広さに免じて許してやらないでもない」
環境が変わり、色々と災難だった輝夜だったが、永遠亭はいつもと変わらずそこに存在していた
〜次回予告〜
霊「弐組に新しい担任来るのよね」
ア「久しぶりの出番ね」