ア「いつも通りで大丈夫よ」
霊「そうよいつも通りよ」
〜二日目、学園中庭〜
「…ったく人多すぎて、訳わかんねぇな」
俺、神川竜斗は絶賛迷子なうである。途中まで魔理沙達といたのだがいつのまにかはぐれてしまったようだ。
「クソ…ついてないな」
ここ閻間学園文化祭には幻想郷各地から妖怪、人間が集いそれはもう溢れそうなくらいだった
「せめて誰か知ってるやつを…ん?」
俺の視線の先には、何処かで見たことのある七色の翼が生えた金髪娘こと、フランドールがいた
〜フランside〜
「しまったな…萃香とはぐれちまった」
私は萃香と一緒に学園まで消えいたが、途中ではぐれてしまった。本来なら飛んで見つけるところだが、今日はパニックを防ぐために全域飛行禁止になっている。正直めんどくさい制度だ
「一人でまわるのもアレだしな…」
どうしようかと考えていたら、ふと頭の中をあの男の顔が過った
「どうせだし捜してみようかな…あ!いやいや、別に一緒にまわるとかじゃないからな、萃香を探すのを手伝って貰うだけだから…!」
ゴニョゴニョ言いつつ目的も決まり、さぁ行こうという時、後ろから声をかけられた
「君ー、フランドール・スカーレットだよね?」
「あん?お前ら誰?」
見るとそれ何かの戦隊ごっこしてるんですか?といった感じに色とりどりの頭をした奴らがいた。もしかして稚依斗か?
「俺たちの顔忘れたのか?去年てめぇが入学式の日に世話してくれた奴のダチだよ」
そういえば去年そんなことがあったな、入学式の日に何かよってきたから反射的に殴り飛ばしたんだった
「ダチの借り、きっちり返させてもらうからな」
やばい、次問題起こしたら停学になってしまう。それだけは避けないと
「悪いけどあんたに興味ねぇよ。じゃあ「別に喧嘩しようって腹じゃねぇんだ」ちょっ、何すんだ!離せ!」
その場を立ち去ろうとすると腕を掴まれた。かなりの握力なので少し痛い
「離せって言ってるだろ!」
「へへ、離さねぇよ。さ、借りは身体で払ってもらおうか」
「くっ…」
しかも不運なことに今日はパチュリーに魔力を抑え込むネックレスを渡されるているので魔法も使えない。私はある意味、死を覚悟した
(誰か…助けて!)
そう念じた時、答えるように声が聞こえた
「おーいフラン〜」
〜竜斗side〜
「あの…何やってんすか?あんたたち」
運良くフランを見かけたので、声をかけてみたら少しだけムキムキの人らにフラン絡まれていた。いや、連行されかけの方が正しいか
「あ?誰だお前」
「二年弐組出席番号は忘れました神川竜斗です」
あれおかしいな?ちゃんと自己紹介したのに誰も反応してくれない。これが最近流行りのシカトってやつか
「二年坊主か、悪いけど今からこいつとお楽しみなんだ。帰れ」
「え、いやですよ」
「「「は?」」」
その場の竜斗以外の全員、フランまでもが彼の発言に驚いた
「いや、他にまわる人いなくてさ、ごめんだけどその子返して」
「ハァ?ガキが調子こいてんじゃねぇぞ!」
ムキムキの人がフランの腕を離し、俺の方へ殴りかかってきた。俺は後ろへ華麗なステップでかわし、霊夢に教えてもらった究極奥義を放った
…まぁ、限界まで握力高めて、相手を握るだけなんですけどね。霊夢曰く「握れば大抵の男は落ちるのよ」って言ってたから間違いないだろう。霊夢って握力も強いんだな
「うぐっ…」
「あ、ごめんなさい少し強くし過ぎました。あ!紫先生いいところに!ここにフランのこと誘拐しようとした奴らが!」
「ええ知ってるわ。見てたもの」
「「見てたなら助けろよ!」」
「まぁまぁ、じゃあそこのおバカさん達はこっちねぇ」
紫先生が指を鳴らすとムキムキ集団はスキマに落ちていった。本当に便利だなスキマ
「さて、貴方達は行っていいわよ。文化祭なんだし、楽しみなさい。あ、そうだ竜斗君?」
「何すか?」
(これは彼女を落とすチャンスよ?男らしくビシッとしなさい)
(なんでフランまでスキマに落とさなきゃならないんですか、今回は何もしてないですよ、見てたって言ってたじゃないですか)
(え?あーいや、いいわ、とにかく頑張りなさい、ええ)
紫先生はわけのわからないことを言うと、スキマに入って行った。本当に謎な人だ
「り、竜斗!」
「ん?」
振り返ると半分空気となっていたフランがいた。てかフランってサイドテールだっけ?いつもは結んでなかったような
「そのあれだ…あ、」
「ほん?」
「い、いや!一緒にまわろう!」
「のわっ」
フランは俺の腕を掴むとそのまま歩き出した。てか何処に行くつもりなのだろう
〜萃香side〜
私とチルノは紫にスキマを借りて二人の後をつけていた。勿論隣には紫本人もいる
「なぁ紫」
「ん?」
「フランってあんなんだっけ?」
「あたいもびっくりねこれは」
「まぁ楽しそうだしいいじゃないの、さっきはどうなるかと思ったけど、フランが男らしくて助かったわ」
「だな」
〜竜斗side〜
結局フランと一緒にまわってるわけだが、なかなか行くあてが見つからず困惑している
「どうする何処行く?」
「そうだな…あ」
フランの視線の先には巨大な綿飴があった。てか、どうやって作ったんだよあれ、フランの身長くらいあるぞ
「フランあれ食いたいのか?」
「べ、別に食べたくねぇよ。ただデカくて甘そうだなって…」
フランは嘘が下手だ。すぐに顔に出るし目がすでに綿飴に釘付けだ。俺は綿飴を売っている人にお金を渡して巨大綿飴を貰った
「ほらよ」
「え、いいの…」
「食べたそうだったからさ」
「…ありがと」
フランは巨大綿飴を持つと一目散にかぶりついた。フランはもしかして甘い物好きなのか?意外な一面を知った
「さ、行くぞ」
「うん!」
綿飴を渡して上機嫌なフランを連れて俺は校舎に入っていった
「さて、じゃあ知り合いのクラスでもまわってみようかな」
「弐組は嫌だ。あのクソお姉様がいるから」
フランは姉のことをかなり嫌っている。きっと何かあったのだろう。
「じゃあ霊夢んとこ行こうぜ。劇やってるらしいし」
時計を見ると丁度開演10分前だった。俺たちかわ四組の前に行くとアリスが客引きをしていた
「あら?竜斗じゃない」
「おっすアリス。席二つ空いてるか?」
「空いてるけど、誰と見るの?」
「こいつ」
「うっす」
「そう、なら二人…えぇ!?」
アリスはとんでもない顔で驚いた。そりゃあ驚くか、だってフランは一応学園最狂の問題児だしな
「あんたたちいつの間にそんな関係になったのよ!!」
「ち、違うわ!」
フランは顔を真っ赤にしながら否定した。そんなになって否定されたら流石に俺も傷つくぞ
「う、うん、まぁそういうことにしとくわね。じゃあ二人とも中に入って」
「サンキュー。ところで劇ってどんなのだ?」
「フッ…タイトルは、八坂新喜劇よ」
〜1時間後〜
「あー、面白かった」
劇っていうからてっきりストーリー形式の物かと思っていたが、思い切り漫才だった。霊夢を筆頭によく作られていて、終始俺たちは笑いっぱなしだった
「あれ面白かったよね、邪魔すんねやったら帰ってってやつ」
「階段が滑り台になるやつも面白かったよな〜」
感想を話ながら歩いていると、不気味な雰囲気が漂う部屋を見つけた
「じゃあ次は…お、お化け屋敷じゃあないか!フラン入ろうぜ!…フラン?」
「んあ?ああ、うん、ハイロウ」
何故片言なのかはあまり追及しないでおこう
中に入ると真っ暗で、所々の提灯が雰囲気を醸し出している。
「フラン大丈夫か?」
「だ、大丈夫に決まってるだろ!吸血鬼だぞ私は!ははははは!!」
「あぁ、そんな設定あったな」
「設定じゃな『妬ましや〜』ヒッィ!」ガシッ!
謎の声が微かに聞こえてくるのだが、すでにフランはびびっている。抱きついてくるのは全然良いんだが、幾分吸血鬼なので力が半端ない。強化してないとすぐ折れそうだ
「り、竜斗早くい『春ですよ〜』!!!」
フランは声すら出ていないが、俺はさっきから聞こえる謎の声に吹き出しそうで堪らない。これ絶対体育祭の時の実況解説コンビだろ
『パルパルパルパル』
『ハルハルハルハル』
『『パルパルパルパル(ハルハルハルハル)』』
「ダメだもう我慢出来ない。フラン…フラン?」
「…」
フランは目に涙を浮かべこちらを見ていた。何この可愛い生き物、ホントにあの悪魔か?
「と、とりあえず出ようか」
俺が人生初の萌えを味わったところで、硬直したフランを引っ張りお化け屋敷を脱出した。そういえば昔肝試しした時もびびってたな
その後少ししてから、落ち着いたフランと共に学園内の色んなところをまわったが、フランは学園内の甘い物は全てコンプリートしただろう
「フラン大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
本人も幸せそうにしているし大丈夫だろう。俺なら絶対胸焼けしているが
そんなこんなで俺たちは今体育館にきている。どうやら今から誰かがライブを行うらしい
「ライブかぁ、面白そうだな」
フランも珍しく興味津々だ。フランって知れば知るほど面白い奴だな。最初はただの殺人鬼かと
『へい皆盛り上がってるか!』
ステージにライトが浴びせられると同時に聴こえてきたのは、誰が聴いても魔理沙の声だった
『今から私達KHD48(キノコ・博霊・ドール・なんとなく48)が最高のライブをするから皆も一緒に盛り上がろうぜ☆』
「「「ウォォォォォォォ!!」」」
会場も物凄い盛り上がりを見せている。名前的に後の二人は容易に予測がついた
『まずはドラマー!アリス・マーガトロイド!』
「「「アリス!アリス!」」」
『そしてギタリストは私こと霧雨魔理沙!』
「「「魔理沙!キノコ!」」」
『そしてボーカルは幻想郷の主人公!博麗霊夢だぁぁぁぁ!!』
「「「霊夢!!霊夢!!」」」
『皆盛り上がってるわね!じゃあ一曲目早速行くわよ!チルノのパ(ry』
ライブが始まると会場は大盛り上がりで俺たちもこの上なく楽しんだ。霊夢は歌も上手く、びっくりするくらい声が綺麗だった。魔理沙もアリスも楽器が上手くて、最高のライブだった
〜二時間後〜
ライブを見終え、俺とフランは屋上で焼きそばを食べていた。景色も良くてとても居心地がいい
「なぁ竜斗」
「ん?」
「今日はありがとな、楽しかった」
珍しくフランが素直になっている。明日で幻想郷が滅ぶのではないか
「俺も楽しかったさ。それにレアな物もみれたしな」
俺はお化け屋敷のあのシーンを思い出していた
「う、うるせぇ!誰にも言うなよ!」
フランが軽く殴ってくるが今は全然痛くない。昔はツッコミ一つで命の危険があったのにな
「り、竜斗あのさ」
「なんだ?」
「その…私…」
「なんだ?」
「いや、何でもない!」
「?」
フランは何かを言いかけるとそっぽを向いてしまった。今日はフランの意外な一面を沢山見れたある意味新鮮な1日だった
〜次回予告〜
霊「番外編来たわね」
ア「また出番ないの私達」
霊「いいじゃない、ライブ出来たし」