幻想郷立閻間学園   作:雲の上の声の人

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咲「九重箱弁当ってのが発売されるらしいわね」

美「何かとっても豪華らしいですよ。限定スイーツとか」

咲「妹様が飛びつきそうね」


第49話 第一次閻間学園大戦争

10月27日晴天。この日は閻間学園の歴史に残るだろうと言われた戦争が起きた日であった。その日学園を視察していた雲の上の声はこう語る

 

 

「いやぁ…マジで学園どころか世界が滅ぶと思ったわ」

 

 

これから語る話はその当時の雲の上の声の体験を元に記した物である

 

 

〜門前〜

 

 

朝の門前は投稿してきた生徒でかなり賑わっている。この学園に通う人々も年々増えている影響もあるのだが。元々幻想郷にあった人里の人数も増え、さらに妖怪も平然と混じってるのでその数は三百近くに上っていた。そんな人混みの中、現門番とその舎弟…家族達が談笑していた

 

 

「つーか輝夜さんってマジで門番してるんですね〜。ざまぁ」

 

 

「あぁ?」

 

 

「まぁまぁ、ほら姫様これ食べて元気出してよ」

 

 

「変なもん入ってたら殺すからね」

 

 

「そ、そんなわけないじゃん?」

 

 

「先生、今日台所で因幡さんが毒物を盛ってましたぁ」

 

 

「…てゐ?」

 

 

「ごめんなさいごめんなさい!顔が怖いィィィ!」

 

 

…実に楽しそうで何よりだ

 

 

「ところで輝夜さん、例のアレ知ってます?」

 

 

「何よアレって」

 

 

「どうやら今日の昼休みに食堂で限定1人の九重箱弁当が販売されるそうですよ?食堂の狐のねーちゃんが奮発してくれたそうで」

 

 

「ふーん…そんなのあるのね」

 

 

「ねね、今日それ買って皆で食べようよ!」

 

 

「確かに良いかもな…酒のつまみにもなりそうだ。よし!蛍とてゐは何としてでもそれをゲットすること!将軍からの命令だ!」

 

 

「「へーへー」」

 

 

気の抜けた返事を返して二人は校舎に入っていった。しかし二人にとってそれは本気を出す合図。輝夜は何も心配せずに自分の世界に戻った

 

 

〜四組〜

 

 

「おーい霊夢〜」

 

 

「何よお燐」

 

 

霊夢が机に突っ伏してるとお燐がやってきた。手には何やらチラシのような物を持っている

 

 

「何よそれ」

 

 

「いや、今日の昼に限定1人だけの九重箱弁当が販売するらしいんだけどさ。高級品ばかりなんだって」

 

 

「ふーん…ま、興味は無いわね」

 

 

霊夢は適当な返事を交わしてまた机に突っ伏した。しかしお燐が放った言葉が霊夢の心を一気に動かすことになる

 

 

「これ売ったらものすごいお金になりそうだね」

 

 

「…え?」

 

 

「ん?どうしたの霊夢?」

 

 

「いや、最近平和過ぎて稼げないのよ。あんたらが異変の一つや二つでも起こしてくれたらねぇ」

 

 

「いやいや…何で退治される為に異変起こすのさ…」

 

 

「別に良いじゃ無い。それよりその弁当って何処で発売されるのよ」

 

 

「んー、向こうの校舎の食堂だね」

 

 

「よし、お燐四時間目になったら起こしてね」

 

 

「は、えちょっと霊夢ー?」

 

 

霊夢は力を蓄える為に眠りに入った。顔がにやけてるのは気の所為だろう。涎を垂らさないように気をつけて欲しい

 

 

〜廊下〜

 

 

廊下ではアリスと魔理沙が魔法のことで談笑していた。この二人は魔法使いとしてライバルでもあるわけだが、お互いを一応認め合ってはいる

 

 

「そういえばアリス。最近実験材料の茸が切れちまったんだ。何かいい物ないか?」

 

 

「んー、そうね。あ、今日の昼に限定1人の九重箱弁当があるみたいなんだけど…確か高級茸がセットでついてくるらしいわよ」

 

 

「ほほう…それはいいじゃないか」

 

 

「魔理沙…顔がやばいから顔が」

 

 

「へっへっへ…必ずゲットしてやるぜ」ニタニタ

 

 

「だから顔やばいって」

 

 

完全に悪人面した魔理沙はアリスの言葉に聞く耳を持たなくなってしまった。アリスは何故こいつはこうなのかと頭を抱えて自分の教室に戻っていった

 

 

〜弐組〜

 

 

弐組でも例の弁当の件で話している奴が二人いた。竜斗と萃香だ

 

 

「萃香は買いに行くのか?」

 

 

「んー、だってこれ肉やら茸やらスイーツやらで酒無いじゃん。私は酒が飲みたい」

 

 

「あ、ソウデスカ」

 

 

二人が話してるところに妖夢とフランが欠伸をしながら入ってきた

 

 

「お、フランに妖夢じゃないか。おはよっす」

 

 

「おはよ〜」

 

 

「何話してるんだ?」

 

 

「あぁ、今日の昼に限定1人の九重箱弁当が発売されることについてさ」

 

 

「そんなのあるんだ、中身はどうなってるの?」

 

 

「あぁ、確か高級松坂牛の段や外の世界で名を轟かせた職人が作った高級スイーツらしいぞ」

 

 

「「松坂牛(スイーツ)!?」」

 

 

「ど、どうした二人とも」

 

 

(確か松坂牛はこの間幽々子様と一度は食べてみたいと話していたお肉!これをゲットせずにいられるか!?)

 

 

(外の世界か何か知らないけどスイーツはとてつもなく美味しくて甘いと咲夜から聞いたことがある!これをゲットせずにいられるか!)

 

 

今二人が考えていることなんて手に取るようにわかってしまう。二人とも顔が緩んでるし

 

 

「…なぁ妖夢」

 

 

「何ですフラン?」

 

 

「悪いが、今日ばかりは敵とさせてもらう」

 

 

「ふふっ…この白楼剣の錆になりたいようですねフラン!」

 

 

戦闘態勢で盛り上がってるところ悪いけどスイーツとお肉の段を二人で分け合ったら良いと思うと切実に言いたい。しかし私はあくまでも雲の上の声…下界に直接口出しするわけにもいかぬ。よって見守るしかないのだ

 

 

〜そして時は流れて四時間目〜

 

 

弐組の中はかなり殺伐としていた。いや、正確には三人の少女の出す気が尋常じゃないくらい大きかったので他の皆が萎縮していたと言うべきか

 

 

さて、もうすぐチャイムが鳴りそうのなので軽く閻間学園の構図について説明しておこう。校舎は四階建てで白棟、黒棟の二つあり、竜斗達がいる弐組は白棟校舎だ。二つの校舎の間には中庭が広がっていてそこからそれぞれの校舎に移動できる。ちなみに三階にも渡り廊下があるのだがここは三、四階のクラスの人達しか基本使わない。ちなみに二年生は二階、問題の食堂があるのが黒棟校舎の一階だ。ついでに保健室は黒棟校舎の端にある

 

 

(どうする…今日は全域飛行禁止だからフランも妖夢も飛べない。ならば上の渡り廊下から行くべきか?いや…ここは…)

 

 

(どうやら霊夢も狙いに来るらしいしな…萃香が敵に回ると不利だ。竜斗に手伝ってもらうがここはやはり上から行くべきだな)

 

 

(フランはきっと三階の渡り廊下から飛ぶ気でしょう。ならば私はこの教室から飛べばいい話。この勝負は貰いましたね)

 

 

(霊夢には悪いけど、フランが勝ったら少し分けてもらえるしな。どうせ霊夢くれないし…あんなこといったけど私も少しは興味あるし、ここは竜斗と例のプランで行くか)

 

 

(萃香と例のプランで行くとは言ったけど、本当に霊夢がそんなことするのか?もしやったらやんちゃどころか不良だぞ)

 

 

各々が作戦を練ってるその時、戦いのゴング(ただのチャイム)が学園中に鳴り響いた

 

 

「よし!貰ったぁ!」

 

 

まず妖夢が先手を切って窓に切りかかったが傷一つつかない。それもそのはずでこの窓ガラスは特殊な魔法をかけてるのでちょっとやそっとじゃ壊れない

 

 

「へっ!甘いな妖夢!」

 

 

フランと魔理沙が教室を出ると同時に霊夢も教室から出てきた。三人は一瞬だけ睨み合うとすぐに動き出した

 

 

「茸ぉ!」

 

 

「お金!」

 

 

「スイーツ!」

 

 

完全に欲に囚われた三人のうちフランは三階、魔理沙と霊夢は一階に走り出した。そして出遅れた妖夢も肉と叫びながら一階に駆け下りていった

 

 

「よし!ここから飛び降りればすぐだ!」

 

 

フランは三階の渡り廊下まで来ていた。たとえどれほど壁が強化されていてもフランの能力の前にはゴミ同然、フランが勝利を確信したその時事態は動いた

 

 

「へっ、そんなうまく行くわけ無いでしょうが!」

 

 

霊夢が札を投げると同時に渡り廊下に貼られていた札が一斉に爆発した。もちろん渡り廊下にいたフランはバランスを崩して真下に落下するしかなかった

 

 

「くそッ!霊夢のバカ!」

 

 

フランが一瞬諦めたその時、一緒に落ちて来ていた萃香と竜斗が叫んでるのが見えた

 

 

「フラン俺の足に掴まれ!」

 

 

「え?う、うん!」

 

 

「さぁ思いっきり行くよ!」

 

 

フランが竜斗の足に捕まると萃香が竜斗の手を持って思い切り振り回し、そして竜斗がフランをゴール(食堂)目掛けてシュートした

 

 

(ん、待てよ?フランこいつもしかして…)

 

 

竜斗は軽く違和感を覚えたがそんなことはどうでも良く、フランが一直線にゴール(だから食堂)に飛んで行くのを萃香と眺めていた

 

 

「萃香あんた!覚えておきなさいよ!」

 

 

「あーあ、これでまた霊夢に怒られるよ私は」

 

 

あっはっはと萃香は笑って見せた。友情の絆が強いとはこのことだろう

 

 

「…ま、いいんじゃないか?」

 

 

どうでも良いとは思ったがやはりフランに感じた違和感を気にしてる竜斗だった

 

 

「よし!狐のねぇちゃん九重箱弁当一つ下さい!」

 

 

「はいはい、3000円になるよ」

 

 

「あ…やべ財布忘れた。」

 

 

ここに来て最大のミスをフランは犯してしまった。しかし取りに帰ると霊夢や魔理沙が来てしまう。絶体絶命の状況でフランの横に現れたのはやはりあいつだった

 

 

「はい藍さんこれお金」

 

 

「お、竜斗じゃないか?どうしたもしかして付き合ってるのか?」

 

 

「ははは、からかわないで下さいよ〜」

 

 

「あ、ありがと竜斗…」

 

 

「良いってことよ。それよりそれ食べようぜ」

 

 

「あ、セットで茸付いてくるけど「いらない」だよな私もいらないわこんなの」

 

 

食堂を後にしたフラン達は霊夢達から上手く隠れて弁当を食べた。しかし萃香と竜斗はスイーツ以外の段から一口ずつ貰っただけでお腹いっぱいになったのだが、フランは全部平らげてしまった。確かに一段で1キロ近くはあったが…恐るべし吸血鬼

 

 

「あー、美味しかったぁ。このスイーツまた食べたいな。今度咲夜に探してもらおっと」

 

 

「それもいいな。それよりフラン?」

 

 

「んー?」

 

 

竜斗はずっと感じていた違和感をフラン本人に確認することにした

 

 

「お前さ…夏より太った?」

 

 

「え?」

 

 

「あ、それ私も思うかも。フランもしかして…」

 

 

「いや、きっと俺の気の所為だけどな」

 

 

「そ、そうだよ気の所為気の所為アハハ!」

 

 

三人は笑いながら教室に戻っていった。しかしフランだけは冷や汗が止まっていなかった




〜次回予告〜

霊「ところで番外編の定義って何なの?」

ア「竜斗がいないこととか、各キャラのプライベート生活が重点的に見れることじゃない?」

霊「ふーん、意外に決まってはいたのね」

ア「当たり前よ。というわけで次回も番外編です」
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