美「本当に、お嬢様も少し不機嫌で」
咲「あの日から紅魔の時間は止まったままですもんね」
美「咲夜さん紅魔館の時計止めてるんですか?」
咲「あんたって子は…」
〜HR〜
今日のホームルームの時間では、修学旅行の班決めをするらしい。まぁ俺となる奴は大体決まってるようなもんだけどな
「とりあえず俺の班は俺と萃香とフランと妖夢と蛍か…何だこれ」
どう考えても嫌なことしか起きそうな班わけだろこれ
「あっちは魔理沙がリーダーか。まぁレミリアがいるからまとまるだろう」
「レミリア、フランはこっちの班じゃないぜ?」
「あっ、ごめんなさい」
「ま、誰にでもミスはあるしな!」
魔理沙は笑ってレミリアの肩を叩いた。レミリアもそれに笑って答えるが何か違和感を感じる。テストでもよっぽどの潰し問題しか間違わないレベルだ。ましてやたった五人しかいないメンバーを間違えるか?
(それに僅かだけど魔力が変…ま、魔理沙の言うとおりか)
俺はそれ以上は考えないことにした。ミスなんかは誰にでもあるしな
一方のこちらでも問題が起きていた
「良かったなフラン!竜斗と同じ班で「パシィン」あっ」
フランは萃香の手を振り払うと黙って席に座って机に足を投げ出した。小声で萃香が何か言ってたみたいだが怒らせることでも言ったのだろうか
「…」
萃香が俯きながら帰ってきた。これやっちゃった奴だな
「竜斗ぉ…フランマジで怖えよアレ絶対人殺す目だよ」
「わかった、わかったからとりあえず泣くな」
目から涙を流し続ける萃香を慰め、落ち着いてから話を聞くことにした
「で、一体どうしたんだよアレ」
「いや、私も良くわかんねーよ。とりあえずご立腹みたいだ。それに「私に任せて。何とかしてみる!」ちょ私のセリフ」
妖夢は意気込んでからフランの席に行った。まぁ何かと仲のいい二人だし何とかなるかな?でも萃香でもダメだったからもしかし「ダメでしたぁぁ」早っ!」
「無理ですよアレはぁぁぁ!絶対ごろざればずよぉぉ!」
「うんわかったから落ち着け妖夢。ほらハンカチ」
「ありがどうございばずぅ!」
普段とはうってかわり紳士的な態度を見せる蛍だが顔が緩んでるため変態にしか見えない
「おーいフラン!よかったな愛おしのアレとなれてよ!」
「良かったな!」
魔理沙とチルノが空気を読まずにフランに声をかけまくっている。何かあの二人似てるよ「ボゴォン!」へ?」
「「へ?」」
「さっきからゴタゴタうるせぇんだよぉ!!」
「「いや…あのその…」」ガクブル
机を蹴り砕いたフランは完全に人を殺す目で魔理沙とチルノを見下していた。一方二人は腰を抜かしてガクガク震えながら涙を流して口をパクパクさせている
「このままだと魔理沙とチルノの危険が危ない!」
「ちょ、竜斗!?」
咄嗟に走り出した俺はフランが二人に腕を振り下ろす寸前で掴み止めた
「離せ竜斗!触れんじゃねえ!」
「いいから落ち着けフラン」
「離せって言ってんだろうがっ…あ…」
「フラン?」
フランは俺の手を振り払うとその場で固まった。それもそのはずでクラスメイト達が怯えた目でフランの事を見ていたからだ
「あ、あはは…ちょっと頭冷やしてくる!」
「おいフラン!」
「…ごめん竜斗」ボソッ
「え?」
今小さな声で確かにフランは謝ったよな。しかも少し泣いていた?
「あー…マジで死ぬかと思った。めちゃくちゃ怒ってるじゃねえか」
「つーかやっぱりあの子不良だよね。結局暴れるだけっていうかさ」
クラス中から批判の声が上がる。流石に皆怖かったのだろう
「ちょっと待ってくれ!」
「萃香?」
「確かにフランは暴れん坊だけどさ、理由もなく友達にキレたりしない!今日は朝から様子がおかしかったし、きっと何かあるんだよ。」
萃香の一言でフランに対して非難や怯えていた子達も落ち着いた。萃香の言うとおり、俺もフランに何かあると思う
「竜斗、少しいいか?」
「どうした萃香?」
「実は去年もこの時期にフランが一週間くらい学校に来ない事があったんだけど、その時フランに喧嘩売ったりしたやつは全員殺されかけてる」
「マジかよ…同じ時期…昔何かあったのか?」
〜美鈴side〜
「皆さん落ち着いて話し合いに戻ってください」
今年の妹様はかなり荒れているみたいだ。まぁ、竜斗君が似てるのも一つの理由かもしれない
(明後日か。妹様…お嬢様…)
不安だが私は今自分がこなすべき仕事をまず全うすることにした
〜フランside〜
学校を抜け出した私は咲夜と共にある場所へ来ていた。そこは紅魔館の裏で木々に囲まれた中にある少しばかりのスペースだ。中央には墓石が一つ…10年前と変わらない姿で置かれている
「ここに来るのも一年ぶりか…それより明後日だな。咲夜」
「えぇ、時が経つのは早いですわ」
「そうだな。本当に早い…」
「妹様、確かにあの子はもういないですけど、でも今の妹様は一人じゃありませんよ」
「咲夜…」
「これ、置いておきますね。では私は戻ります」
咲夜は相変わらずの方法で忽然と消えた。移動時まで時を止めるあたり流石は瀟洒だ
「ハンカチ、流石だな。なぁ聞いてくれよ、私にも好きな人が出来たんだ。そいつがお前に似ててさ、顔は少し幼い癖に強気なんだ。笑顔も眩しくてよ。でも…」
気がつけば私の目からは涙が止まらなくなっていた
「でもさっき酷いことしちゃったんだ…ちゃんと謝らなきゃいけないのにパニクって逃げちまった。今度ちゃんと謝らなきゃな」
誰もいない墓石に向かって届くはずの無い言葉を並べていく。でもそれでも届いてるかもしれないという期待が心の片隅にどうしても残ってしまう
「もし竜斗に私の気持ちが伝わったら、そん時は1番に報告するからさ。でもさ…やっぱり直接言いたいな。だからさ、また私の前に帰って来てくれるよな?またひょっこり私の部屋に来てくれるよな?
春…っ!」
いつまで経っても止まない涙は、無情に過ぎていく時とともに流れ続けた
〜次回予告〜
霊「あいつの仕事のお供はおてんば恋娘らしいわよ」
ア「キラキラ〜ダイアモ「それちゃう」へ?」
霊「それよか、これで三章はお終いよ」
ア「次は座談会ね」