チ「フラン…グスッ」
萃「さ、ばれねぇうちに帰るか」
チ「うん…グスッ」
「…以上があの事件の真実です」
咲夜が語り終えフランを含め全員が黙り悲しみや哀れみの表情を浮かべる
「くっ…あはは、あはははは!」
「お嬢様?」
静寂のなかレミリアは虚ろな目で狂ったかのように訴えかける
「これでわかったでしょ?春は私達のせいで死んだのよ!」
「そうね、だから私達が罪を償わなきゃいけない」
「さぁフラン早く私達を殺しなさい!そうすれば全て終わるわ!」
レミリアがフランに自分を殺すよう促すなか、竜斗は黙っていなかった
「…ざけんなよ」
竜斗は黙って立ちすくむレミリアと幽香に近づき、すっと手をあげた。そして…
パチィンと軽快な音が2つ鳴り響いた
「痛ッ!?」
「あぐっ!?」
音の正体は竜斗は二人に全力でデコピンをかましたものだ。それはもうデコピンとは思えないほどの大きな音、強さそして、重み、だった
「ちょっと…何するのよ一体!」
「何ってデコピンだけど?」
「わかってるわよ!痛いじゃないの!」
「さっきからフランに殺せって命令している割にはデコピンの痛みでたじろくんだな」
「ぐっ…」
「さっきから聞いてりゃ罪を償うだの早く殺せだの…高々デコピンの痛みで文句言うやつが甘ったれたこといってんじゃねぇよ!」
「竜斗…?」
「あんたら二人とも自分が死ねば全部解決するようなこといってるけどよ、逃げてるだけだろうが春ってやつの死からよ!」
「じゃあ他にどうすれば良かったのよ!少なくとも私達が死ねばフランは解放されるの「だからそれが違うんだよ!」えっ…」
「あんたらが死んだら誰がフラン守るつもりだったんだ?春が死んだときに悲しんだようにあんたらが死んだら悲しむやつもいるんだよ」
「じゃあどうすればいいのよ…」
「そんなもん神様じゃないんだからわからねぇよ。でも、春はこんな皆を望んでないと思うぜ」
竜斗は手に持っている手帳を開きレミリア達に見せた。そこには途中のページから春が写真と共に書き残した日記が書いてあった
「これは…」
レミリアと幽香はその日記を読み返した。それは春がいた頃の、ごく普通で笑顔溢れる紅魔館メンバーの写真と日記だった
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今日は仕事が早めに終わったので美鈴さんの所へ遊びに行った。そしたら美鈴さんが気持ち良さそうに寝ていたので僕もお邪魔させてもらった。そのあと咲夜姉ちゃんに二人揃って怒られたけど、美鈴さんがアメをくれたのでよしとする
図書館へ本を返しに行ったら、何故かこあちゃんが本に埋もれていた。とりあえず引っこ抜いて話を聞いてみたら本の整理をしていてバランスを崩してしまったらしいので僕もお手伝いすることにした。その後パチュリー様が手品を教えて下さったので今度皆に披露しよう
咲夜姉ちゃんに何でいつも三つ編みにしているのか聞いてみたら答えてくれなかった。どうしても気になったからお嬢様のところへ聞きに行ったら全部教えてくださった。どうやら美鈴さんが絡んでいるらしい、それと咲夜姉ちゃんの名前の由来も教えてもらった。話しているときのお嬢様は笑顔で嬉しそうだった
幽香さんが紅魔館に泊まりにきた。お嬢様がありとあらゆるゲームで勝負を挑んでいるが全敗しているようだ。お嬢様は悔しそうだけど皆笑っているからこれはこれでいいと思う…お嬢様は悔しそうだけど
フランがいつものお礼といって料理を振る舞ってくれるらしいのでこっそり咲夜姉ちゃんとキッチンを覗いていたら、キッチンから禍々しいオーラが漂っていた。覚悟を決めて料理を待っているとこの世の物ではない何かが出てきた。全員食べるのを躊躇ったがフランがあまりにも笑顔なので覚悟して食べることに…お嬢様が血の涙を流すくらいの味だったけどフランの笑顔と気持ちで僕は満足だった
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「春…」
「そいつはあんたら皆の笑顔が好きだったんじゃないのか?自分が犠牲になったとしても、他の皆には笑っていてほしかったんじゃないのかよ」
「でもあの子を助けなかったのは事実なのよ…」
「それでもあいつが望んだことなんだろ?春は最後に何て言ってたんだよ」
「それは…」
「あの子は…幸せだったと言っていたわ」
「ならいいじゃねえか。自分の守りたいもん守り抜いて散っていったんだ。最高に格好いい男じゃねえか。その覚悟、受け継いでやれよ。確かに今までやって来たことはお世辞にも正しいとは言えねぇよ。それでもこれから先いくらでも変えれるだろう」
「春…ごめんなさい…」
春の手帳を握りしめたままレミリアは泣き崩れる。竜斗は泣きながらもまだ平静を保っている幽香の前に立って頭を下げた
「手をだしたことについては謝るよ…ごめん」
「いえ、おかげで目が覚めたわ。春はもういないけど、あの子が命をかけて守ったものは残っている…それをこれからちゃんと守っていくわ。もう…逃げない」
「私も…逃げないわ!」
レミリアと幽香は先ほどまでと違い、確固たる決意を持っていた。その目には光が宿っている
「さてと…もう一人もきちんとケアしなきゃな…」
竜斗はフランのそばへと近寄った。フランはうつむいて泣きじゃくっている
「春は私を助けようとした…お姉様が殺したんじゃなかった」
「あぁ、命はってフランのこと助けてくれたんだよ」
竜斗は微笑みながらフランの頭を撫でる。フランは落ち着いてきたのか徐々に泣き止んでいた
「大切な親友から貰ったその命、無駄にするんじゃねえぞ」
「…うん」
「よしよしいい子だ。見ろ話せばわかる奴じゃねえかフランは。回りくどいやり方しても後々ツケが回ってくるだけだし何も残らねぇ。全員がしっかり向き合えばいい方向へと進めるもんだよ」
「竜斗…」
そして竜斗達から少し離れた場所では閻間と稚依斗、両校の校長及び教頭が和解のための話し合いをしていた
「さてさて、責任はとってもらいますわよ?」
「いやはやこの度は誠に申し訳ないと思う。儂の注意不足が招いた不始末じゃ」
紫に頭を下げて謝るのは稚依斗高校校長の二ツ岩マミゾウ(フタツイワマミゾウ)だ。彼女の後ろには教頭の稗田阿求(ヒエダノアキュウ)もいる
「ところでそちらの校長が見当たらないようですが?」
「あの人は変な花粉のお陰で寝てますよ。まぁ時期に起きてくるでしょうし、先にやることやっときますわ」
紫はマミゾウと阿求の前に立ち、声のトーンを落として話始めた
「まず、今回の件についてはうちの校長に伝えないでおくつもりです」
「どうしてじゃ?」
「一つはあの人が閻魔であるということ、もう一つはこれ以上この件を掘り返さないため。すでにあの子達は自分自身でけじめをつけようとしている。そこにこれ以上介入するのも野暮ってものですからね」
「成る程、わかりました」
「まぁそなたが言うならそれがいいんじゃろう」
「紫先生、何やら騒がしいみたいですがどうしたんですか?」
「これはこれは校長。少し両高校の生徒間で口論になったみたいでして」
「どうやら原因は儂らの方からみたいでの、そこで儂からお詫びとして提案なんじゃが、二校の間で宴会を開くというのはどうかの?勿論稚依斗高校が全部負担させてもらう」
(へぇ…中々気が利くじゃないタヌキの癖に)
「なんか今凄く侮辱された気がしたんじゃが…」
「ん?何か言いました?」
「いやなにも」
茶番を繰り広げる二人の横で映姫は考え、そして結論を出したのか話始めた
「確かに宴会の席ならば仲直りしつつ互いに仲を深めるきっかけにもなるかもしれませんね。紫先生私は賛成です」
「私もです」
「ならば決定ですね。ではうちの生徒には私が伝えておきますわ。アーネムイネムイ…」
多少ぼやきながら紫はスキマに入っていった。おそらく寝るつもりだろう
「では私も失礼します。お二方もゆっくり休んでくださいね」
「ありがとう。日時は折り入って伝達するぞい」
「わかりました。それでは」
映姫が宿舎に入っていき、マミゾウと阿求の二人が残った
「なぁ阿求よ。お主は春とか言う小僧にあったんじゃろ?」
「ええ」
「酒の肴にちょいと話を聞かせてくれんか?」
「いいですよ。それでは一杯飲みましょうか」
阿求とマミゾウが宿舎に入り、ここでやっと長らく続いた事件が終わった…かのように思えた
霊「久しぶりの出番だわ!」
ア「最近出番無かったしね…あ、でも今後私出番増えるかも」
天「はぁ!?あんた自分だけ抜け駆けするきなの!?」
霊「そんなの許さないわよ!」
ア「煩いわね…落ちぶれた2位が偉そうにするんじゃないわよ」
霊「あ?」プチン
ア「あ、いや今のは冗談よ冗談あは…アヒッ」ガクッ
天「アリスが霊夢の威圧で失神したところで次回もゆっくりしていってね!」