(『……あれ?……』と同時刻……)
「……これは……」
防壁都市一角、ホットドッグ露店【スノーフル】にて、その骨は動き出した。
(体が自在に動かせるようになっている……? それに……)
その骨の男は、露店のカウンターから身を乗り出し、防壁都市の上空を見上げる。
(……先程まで曇った空だったというのに、何故空がいきなり晴れている? 敵の魔法か? だとしたらもっと辺りが騒がしい筈。竜達のどよめきが聞こえるだけだ。いや、どよめき? ……以前までそんな音はしなかったぞ……)
あれこれ思考すること3秒、考えた末に「骨」は露店を離れる。
(ここに留まっていても仕方がない。確か城内にあのアイテムがある筈だ。悪いが、使わせて貰うぜ、シャボンヌ)
「骨」は路地裏まで行くと、瞬時に姿を消す。
────ー
防壁都市ホーンバーグ【天上裏】。
そのふざけた名前とは裏腹に、この都市を支える柱を担うアイテムのある、とても重要な場所。
「骨」は、【天上裏】の前に姿を現した。
(合言葉は……前に聞いた記憶では『
「I vow to thee,my country.」
【天上裏】を守る門は、唱えられた合言葉によって重々しく開き始める。
ゴゴゴゴ
(開門の音煩え。気づかれる前に早めに戻るか。)
「骨」はスケルトンである為、毒や精神攻撃といった類は全く効かない。
この【天上裏】への道には、そういった毒と精神系の罠が多く仕掛けられていた。
その為、この「骨」は
遂に「骨」は【天上裏】最深部の重要機密の前に辿り着く。
「《オーディンの右目》」
防壁都市への攻撃を防ぐ役割を持つ《オーディンの右目》は、システム・アリアドネによって、入り口のみが唯一の侵入口となっている。
それ以外から入ろうとした者は、まとめて障壁に塞がれてしまう。
《隠蔽されし者の書》と組み合わせれば、大抵のプレイヤーからは襲撃不可能となる。
しかし、この《オーディンの右目》には第二の能力があるのだ。それは……
「やっぱこれ凄えな。全てが見通せる。」
そう、この世界の至るところを覗き見することができるのだ。
条件は、ワールドアイテムに守られていないところで、屋外であるという二つのみ。(《エンチャンター》で、一つ目の条件は無視できる。)
(この都市の周辺一帯が草原になっているな。元いた世界の何処とも判別つかない景色だ。)
ここ、ホーンバーグがミズガルズにあった頃は、周りが岩山の近くということもあり、岩が所々露出していた。又、ヘルヘイムに転移した時とは空模様が全く違う為、ここはミズガルズでもヘルヘイムでもない世界となる。
(まだまだ情報が足りないな……うん? あれは……炎か?)
「骨」はホーンバーグ周辺から更に離れた所に視点を移している途中、立ち上る炎をアイテムごしに見つけた。
(なんだ、この騎士の一団は……ニンゲン同士なのに同士討ちしていやがる……)
その炎の中をよく見ると、騎士の集団が農民を虐殺している光景が目に入った。
(野蛮だな、この世界は。見た限りだが、平気でこんな非道をする連中らをのさばらせている時点で終わっている。)
「骨」は騎士達を一睨みした後、今度は別の地点に視線を移す。
(やはり、辺りは村以外にくまなく草原が広がっている。笑っちまうぐらいなんもねーなw っとうん? この遺跡は……)
視点変更中、ホーンバーグの数キロ南に遺跡を発見した。
(どうやら『墳墓』ってやつみたいだな。内部に霊廟がある。その奥もまだ続いているぞ……ここがシャボンヌの言っていた『ナザリック地下大墳墓』って所なのか? 思い当たる節はこの位だが……警戒が必要だな。)
周辺地域の情報を十分に得ると、「骨」は再び視点をホーンバーグに戻す。
(しまった! 店から長時間離れちまった! ……え〜と……あ! ヤバいな、店にティルが向かっている。速攻で戻ろう。)
「骨」は素早い手捌きで《オーディンの右目》を元に戻し、痕跡を消した後、元来た道を辿る。
やがて【天上裏】の入り口にまで辿り着くと、そのまま外に出て転移を行う。
次の瞬間には露店のカウンターに突っ伏して気怠げにしている「スケルトン」がいた。
「
しばらくすると、ティルルが呆れたような顔をしながらこちらに向かって来る。
「hehe、褒めたって何も出ねぇぜ?」
「褒めてない! 全く。」
「おいおい、軽いジョークにマジレスするのはなしだろ〜?」
「はぁ……此処【ホーンバーグ】が異変に巻き込まれているみたいなの。だから全員をホーンバーグの正門前に集めていてね。」
「それで? オイラはどうすりゃ良い?」
「
「だいたい、オイラじゃなくてパピルスの方が良いんじゃないのか? 何故オイラが行かないと行けないんだ……」
「全員を集めないと行けないから、パピも連れていくつもりだし、
「hehe、悪いが全員ってのは……」
「ホーンバーグ内にいる全員!」
「……参ったなぁ。オイラの役割に、此処の絶対守護もあるんだが……」
「え? どう言うこと?」
「シャボンヌが『都市の中核への攻撃を即座に対処できるヤツは、お前しかいない。防壁都市の守護は任せたぞ』って言ってたぜ?」
「嘘?」
「んな訳あるか。」
「……じゃあ信じる。」
「ありがとよ。」
「その代わり、しっかり役割は果たしてよね! 全員招集掛けられているのに
「あ〜分かった。へーきだから、へーきへーき。」
「それじゃあ私は行くから。シャボンヌ様をお待たせする訳にはいかないからね。ちなみに嘘付いていたとしても怒るからね!」
「あぁ、気を付けて行きな。そうだ、ちなみにティルは何処行くんだ?」
「だから皆が集まってこれからの動向の指示をシャボンヌ様からお受けするの。多分その後『アインズ・ウール・ゴウン』のモモンガ? が来る準備を行うと思うけど。」
「ふ〜ん」
「……興味ないんだったら聞かないでよ」
「いんや、興味津々だったぜ。」
(心の中では、な)
「む〜……じゃあそろそろ行くね。」
「おう、またな。」
そう言ってティルルはこの場から去っていく。
十分に姿が見えなくなった所で、ティルルの行った方向にある塔の屋上に転移する。
「さ〜て、ティルの後をびこうしてみるか。」
やってる事ストーキングなんだが……
「……ん? 何か後ろから視線が……」
視線に気付くティルル、しかし、背後には誰もいない。
「? 気のせいだったかな?」
いや違います。骨野郎です。
「あっぶね! 気付かれるところだった……」
バレたらブン殴られっぞ
(パピルスの方に行ったな……他の竜や竜人達は……正門に向かっているのか……)
ティルルによって、「骨」を除く全ての拠点防衛者は正門前に続々と集結している。
内心申し訳ないな、と思いつつも、塔の屋上から隠れて全員の動向を探る。
(すごいなぁ、ティルルは。こんな短時間に俺以外全員を招集しちまった。む、城下町方面から誰かが来る。……あれはシャボンヌか?)
ティルルの招集に応じた全ての(骨以外)NPC達が集まる。
その一方、閑散としている城下町の大通りを突如颯爽と走り抜ける白鎧の姿が。
(あの白と緑の鎧はシャボンヌ以外にいねぇな。ギルド武器の反応もあるし。お、正門前に着いたな。)
鎧戦士は正門前まで来ると、走りを瞬時にやめ、その時集団から出てきたドラゴンメイドとロリ司令官の元へ近寄る。
鎧戦士は身振り手振りをしながら集団へ指示を出す。「骨」がいるところからは何言っているか分からなかったが……
(何言っているかサッパリ分からねぇ! ……ん? シャボンヌがティルとヴァルを残した? これから何するつもりなんだ? アイツは……)
しばらくすると、鎧戦士、シャボンヌが、ティルルとヴァルの2人を連れ、【防壁都市ホーンバーグ】外に出る。
(今ホーンバーグを離れるって言うことは、十中八九
「骨」は、ワールドアイテム《オーディンの右目》で見た、【ナザリック地下大墳墓】と思わしき荘厳な霊廟を思い出す。
(警戒が必要だとは思っていたが、これは好都合。シャボンヌやティルに付いていくか。)
「骨」は懐から《隠遁者の布衣》を取り出す。
シャボンヌが転移前に渡してくれた物である。
(すまんな、シャボンヌ。少しばかり私目的で使わせてもらうぜ。)
「骨」は《隠遁者の布衣》を装備する。
《隠遁者の布衣》は、黒のローブから青いパーカーへと変化する。
新たなパーカーを羽織り、隠密系魔法『
そのまま、シャボンヌ達の後ろを歩いていく。
(MPがそこそこ減るなぁ。おっあの墳墓の入り口にいる骨がここの主か?)
しばらく付いていくと、眼前に《オーディンの右目》で見たよりずっと広大で荘厳な霊廟が見えてくる。
その霊廟の入り口には、先程見た時にはいなかった、朱と漆黒のアカデミックガウンを羽織った骸骨様が、隣にいるベトベトした外見の漆黒の粘体に何やら話をしている。
(シャボンヌの知り合い? 我が友よ、とか言っているが……少し気に入らないねぇ)
シャボンヌが今親しげに会話している骸骨様は、モモンガと言うらしい。
その横の黒いスライムはどうやらヘロヘロと言う個体名なのか?
ヘロヘロはモモンガに普通に口を効いているところから同格かまたはお気に入りの部下か……
そういうことを考えながら、「骨」は念の為近くの柱に身を隠して、シャボンヌ達の動向を確認する。
「では、第六階層へ向かおうか。」
(第六階層だと……ここは差し詰め第一階層ということか。おっと、転移されちまう!)
咄嗟にシャボンヌの背後に転移し、シャボンヌのマントの裾をこっそりと掴む。
────ー
ナザリック地下大墳墓【
元よりその場で待機していた階層守護者にモモンガ達が向かう中、「骨」は少し離れたところで会話を盗み聞き出来るようにスタンバっていた。
やがて守護者達の〝忠誠の儀〟が始まる。
(何つー忠誠心だ、控えめに言ってエグい。)
階層守護者達の〝忠誠の儀〟をそうdisりながら、其々の守護者の特徴を探る。
(さて、まずは此処の連中の見極めから……うおっ!? これは『絶望のオーラ』か! いや、面を上げさせる気ないだろ! ……ふぅ、スケルトンで良かったぜ。)
間髪入れず、〝忠誠の儀〟を終えた守護者達に容赦無き絶望が襲いかかる。
そこそこ遠くにいた「骨」にもその効果は伝わったが、「骨」の種族はスケルトン。即死効果のある『絶望のオーラ』は回復でしかない。
(……『剣聖のオーラ』に『漆黒の瘴気』か。シャボンヌ、
大丈夫なわけないです。
(あ〜あ、ひっどい有様だ……ん? リアルだと? なんだその世界、聞いたことがないが……)
「はい。確か、至高の御方のみが行ける、別世界のことだと」
(別世界……パラレルワールド? いや、この世界と元の世界みたいに、全く別の世界か? 何にせよもっと)
「さて、そのリアルについてだが、単刀直入に言うと、世界軸が瓦解し、崩壊した可能性が高い。」
(え────!!!???)
思わず声に出しかける「骨」。
(お前さん、話が急展開すぎるぜ!)
「リアルでは我らは強大な敵、『キギョウ』による侵略を受けていた。奴らの目的は新たなる世界軸の形成。その為にリアルの世界軸の破壊を画作した。」
「『キギョウ』……」
(『キギョウ』……だと? そんな存在がいたとは……世界の破壊とは随分と大それたことを……)
シャボンヌは尚も話を続ける。
「そのキギョウが使役する魔獣は『カイシャ』と呼ぶ。この『カイシャ』はキギョウが出来ない世界軸の破壊能力を持っている。一体だけでも非常に危険な魔物だった……そこで! 退治する為に、武力を持つ者達だけを集めた仕事人の集団、『カイシャ・イン』が作られた。インは打倒という意味がある。」
(ふむ、『カイシャ・イン』の一員がシャボンヌであり、その同僚がモモンガとヘロヘロだったということか。)
「成る程! だからあの時武人建御雷様と弍式炎雷様は……」
(武人建御雷? 弍式炎雷? 誰だそれ? 新手のスタ◯ド使いか?)
ジョジョネタぶっこむんじゃねぇこの「骨」
「以前までは『カイシャ』の排除を我等『カイシャ・イン』が食い止め、『キギョウ』はその妨害をするというサイクルで成り立っていた。そんな中、遂に我等の敵、『キギョウ』は『カイシャ』とは別により強力な化け物を誕生させた。サイクルを破壊する程の力が必要だったのだろう。しかし、あまりに凶暴過ぎる
(成る程、その武人建御雷と弍式炎雷って奴らは、そのそいつによって殺された?)
「その、
「『テロ』、破壊神『テロ・リストン』だ。奴だけは絶対に、絶対に許さぬ!」
(『テロ』……ねぇ。)
「……ということは、シャボンヌ様。次々とお隠れになられた御方々は、『テロ』を倒しに行っていたということですね? ということは、モモンガ様やヘロヘロ様、ペロロンチーノ様に、シャボンヌ様も『テロ』なる者を倒しに行く筈だったのでは?」
「我は頼まれたのだ。我が友モモンガを1人残して、生きて帰れるかも分からない戦い《ラグナロク》に身を投じていった残りの同胞達に。『ナザリックを、愛するギルドをよろしく頼みます。』と。」
「そうだったのですか……」
「そんな……」
「何ト……」
(教えろ──ー!!! そんなことあったんなら────!!!)
「リアルには、我等の本当の故郷であり、同時に約束の地である『アズマノミヤコ』があった。我が友モモンガはここナザリックに隠れ、《ラグナロク》を回避することを提案した。しかし、その矢先、『キギョウ』によって洗脳された3500からなる軍勢が、我のギルド『七つの竜星』とモモンガのギルド『アインズ・ウール・ゴウン』を襲った!」
(あの時の奴らか! ……確かここの所属だったヴァンパイヤ少女がティルと入れ違いで来た時の……)
「その一件で、元の世界【Yggdrasil】も危険と判断した仲間が次々と自決し、去っていった。しかし、モモンガもまた、彼等に頼まれてここにいる。」
「つまり、世界軸の崩壊は……」
「認めたくはない。だが、彼等の死を意味することは明白だ。」
「うぁ、ああああああ!!!」
(うっさ。)
この骨、血も涙もねぇ! 骨だけに!
「しかし、安心して欲しい。彼等はまだ生きている可能性もある。」
「えっ?」
(おっ?)
「破壊神『テロ・リストン』の目的もやはり『キギョウ』と同じくより良い世界軸の作成。世界軸の作成には元の世界の破片も必要なのだ。」
「ま、まさか!」
(ハッピーエンドか?)
「あぁ、もしかしたら、世界の破片に残っていた記憶によって、生き返れる可能性がある。ごく僅かな確率だが、私は叶うと信じている。そして! 生き返った彼等の帰還を待とうではないか。それが託された者の務めだ。」
「やったよ〜〜!!! お姉ちゃ〜ん!!!」
(やったな、偉いぞー)
いや、お前はちげーだろぉ!
────────
「さて、ここで本題に入るが、その世界軸の崩壊による影響を受けた所為で、我々は他の世界軸に飛ばされた可能性が高い。一先ずはナザリック外の情報の収集を行うつもりだ。」
(やはり全く別の世界に来ちまったってことか。情報を少し集めていたのはよかったぜ。)
「ワールドアイテムとは、全世界に200程しか無い貴重なアイテムであり、我がギルド『七つの竜星』とモモンガのギルド『アインズ・ウール・ゴウン』を持ってしても、26個程しか手に入れることが叶っていない。」
(ふ〜ん、これそんなに凄かったのか。)
今羽織っているパーカーを見やる「骨」。
その後も話は続く。
「大丈夫だ。いざとなったら、ティルルやサンズが防衛に回る。サンズは大方自分の店が潰れるのを恐れて、かな?」
(お〜お〜分かってるな〜。店を潰されちゃあ流石に困るからなぁ。パピルスを泣かせるような奴入れるわけねぇよ、
「その代わり、お前たちには近々別の指令を出す予定だ。忙しくなるぞ〜。」
「は! ありがたき幸せ!」
(うわぁ……こいつらヤベエ)心の中で相手したく無いリストに階層守護者全員の名前を打ち込む。
「ゴホン! ……最後に、セバスがもうすぐ帰還するであろう。セバスからの情報を確認して解散とする。」
しばらくすると、白髪の老執事が指輪を使って転移してきた。そのまま僕たちの前まで来ると、跪いて臣下の例をする。
「は! ナザリック地下大墳墓より半径1kmの土地の全てが広大な草原でした。しかし、北部に広大な森林が広がっており、そこにはよく踏み込んでいませんが、見たところ強者の気配は感じられませんでした。南部にはシャボンヌ様の居城と思しき城とその城下町がありました。他には人工的に作られた建造物や主だった地理的特徴は見受けられませんでした。」
(俺の見た通りか……)
セバスという老執事の話から、自分の知識への裏付けをする。
「では、解さ……」
「一つ、あなた方に聞きそびれた事がありましたね。……モモンガ、すまない、少々気になる事が。」
モモンガという骸骨が解散しようと声を上げたその時、ヘロヘロというスライムに待ったを掛けられた。
(え? この忠誠心激重の奴らに評価を求めんの? お前さん……それは悪手っていうもんだぜ?)
「ヘロヘロ様ハ武器破壊ト相手ノ行動阻害二秀デタ御方デアリ、至高ノ御方々ヲ裏カラ支エル大黒柱トイウベキ御方デアラレマス。モモンガ様ハ至高ノ御方々ノ頂点デアラセラレ、ナザリック地下大墳墓ノ絶対的ナ支配者デアラセラレマス。シャボンヌ様ハ、武、技、知、全テニオイテ完璧タル御方デアリ、我ニ目指ス目標ヲ与エテクダサッタ心優シキ御方デアラレマス。」
「ヘロヘロ様はいつも『ブラックキギョウ』なるキギョウと戦っておられた勇敢な方です! モモンガ様は少し怖いですが、本心は慈悲深く、また配慮に優れた御方だと思います! シャボンヌ様はとてもカッコいい御方です!」
「へ、ヘロヘロ様はメイドの方々にす、すごく優しい方です、モッモモンガ様は怖いけど、優しい方だと思います……シ、シャボンヌ様は、と、とってもカッコいいです!」
「ヘロヘロ様は御身の身体特性における有用性を全て熟知した上で、敵の翻弄への有効的かつ最善の方法・タイミングでの敵への妨害工作を図られる、ナザリックきっての智謀の将であられる御方です。モモンガ様は賢明な判断力と、それを瞬時に実行される行動力を兼ね備えた方。まさに、端倪すべからず、という言葉が相応しい御方です。シャボンヌ様は数多の竜を従える卓越した統率力と、超常的なバイタリティを巧みに駆使する、御身は言わば迅速果断、という言葉に相応しい御方です。」
「ヘロヘロ様は戦争の前にナザリックに再び戻ってこられた慈悲深き御方であられます。モモンガ様はナザリックを外敵から守るために1人孤独な戦いにみを投じた勇敢な方です。シャボンヌ様はそんなモモンガ様を支えるべく此処に残った優良な御方であらせられます。」
案の定守護者達は高評価を出す。
(オイラはちゃんと忠告したからな! 心の中で! 恨むなよ!)
心の中でどうやって相手に伝えるんだよ!
────────
シャボンヌ、モモンガ、ヘロヘロの三人が転移し、後に残されるは部下達のみ。
「骨」は互いの意思に
(今日だけで様々な情報を得たが……『キギョウ』ねぇ。そんな奴らがこの世界にいたら危険だ。何よりもパピルスやティル、そしてシャボンヌまでもが危険に晒される。そんなのお断りだ。
……守らなければな。みんなの幸せを。笑顔を。
その為ならどんな手段さえ使ってやるさ。)
闘技場の入り口の影で、「骨」は佇む。
新たなケツイを胸に秘めて……
今日、ナザリック地下大墳墓に1人の「骨」が侵入した。
その侵入者の名は『サンズ』、彼の物語はまだ始まったばかりである。
ハハ…いつも思ってたんだ…
もしもサンズがケツイをチカラに変えていたらなぁと。