ある転生者のオーバーロード   作:Solo Mon

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8.アインズ様、降☆臨☆

《少女サイド》

 

 

少女は走る。

妹を連れて。

親が懸命に繋いだ命を守るために。

 

 

 

この日、辺境の村、【カルネ村】を騎士達が襲った。

朝早く、畑仕事をしていた村人達を理不尽な暴力が襲う。

この日、カルネ村の平和は血と暴力で染められた。

 

只の素朴な村娘「エンリ・エモット」は、今人生最大の危機を迎えていた。

 

 

 

少女は走る。

血塗れの騎士を振り切るために。

 

 

エンリの両親は、家の中に押し入ってきた騎士からエンリ達姉妹を家から逃して、騎士達と対峙した。

 

無事を願いつつ、少女達は走る。

「逃げろ!エンリ!」「ネムを連れて逃げて!」という両親の言葉に従い走る。走る。走る。

 

 

後ろから追ってくる騎士が増える。

不意に背中を激痛が襲い、少女は倒れ込む。

 

 

「ネム、逃げて…」

 

 

激痛に耐えながら、そう言葉を残す。

しかし、もっと幼い少女は、その言葉とは逆に、自身の姉を助けようとする。

 

 

「ちょこまかちょこまか逃げやがって!これで終わりだ。死ね。」

 

 

少女ともっと幼い少女へと全身鎧(フルプレート)の騎士は剣を掲げる。

 

 

少女は目を閉じる。

下唇を噛みしめ、自身の力の無さを嘆きながら。

もしこうなることが分かっていれば。

こんな最後は遂げなかっただろう、と。

少女は力が無かった。

少女も理解していた。この後の結末を。

自分は死ぬ。

 

騎士が高く剣を構え、即座にーーーー

 

 

少女を痛みがーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー襲う事は無かった。

 

 

 

 

 

少女は瞼を開く。

そして驚く。

 

 

少女を殺そうとしていた刃は、()()()()()の小指で止められていた。

彼の背後には大きな楕円形に広がる闇があった。

その闇からローブを着込んだ偉丈夫が出てくる。

 

 

「ふむ、意味も無い虐殺、女子供を襲う蛮行。万死に値する。覚悟し給え。」

 

 

そう言って騎士を小指で吹き飛ばす白と緑の鎧を着た戦士。

 

闇の中から現れた、神話に出て来るかの様な見事な白い鎧を着込んだ戦士、黒いローブに身を包み、顔の全てを奇怪な仮面で包む魔法詠唱者(マジックキャスター)

其々が光と闇の凄まじい覇気を持って、騎士達を威圧している。

全身鎧(フルプレート)の騎士達はその突然の超常的存在の介入に戸惑い、また彼等の放つオーラに圧倒され、動けずにいた。

 

 

「どうした?かかってこないのか?」

 

 

「なら此方から先に行くぞ。」

 

 

次の瞬間、全ての騎士達の首が飛ぶ。

辺りに騎士の血が飛び散る。

騎士達の身体が此方に倒れて行き…

 

 

「あ、ヤバ」

 

 

この言葉の直後、少女は騎士達の血を浴びる。

栗色の髪は朱に染まり、服には大量の血痕が…

 

『血塗れのエンリ』爆誕である。

 

ちなみに、彼女の妹、ネムはエンリが壁となり、殆ど血を浴びなかった。

 

 

「うおっ」「あちゃ〜」

 

 

白の戦士と黒の魔法詠唱者が此方を見て声を上げる。

 

彼女は自分と妹の命を助けて貰ったと理解すると同時に、感謝の念が胸中を満たす。

彼女は英雄達にこう言葉を発する。

 

「助けて頂き、本当にありがとうございました!ど、どうか、村を、村の皆を助けてください!」

 

 

 


《シャボンヌサイド》

 

(何これ怖い。)

 

血に濡れた顔を向け、血に濡れた手を前で組み、懇願してくる村娘を見てこう思う。

 

〜数十秒前〜

 

(間に合った!)

 

転移門(ゲート)』を抜け、剣を掲げる騎士の前に立ちはだかる。

 

少女を斬り裂かんとしていた刃を小指で受け止め、少女と騎士とを其々見やる。

 

 (騎士の最高レベルが…

      たったの5か、ゴミめ。)

ラディ◯ツの台詞をパクリながら、

相手のlvをスキルで把握する。

 

 

『こいつらのlvは…』

 

 

『5、雑魚です。』

 

 

『やはりですか…さっさと片付けましょう。』

 

 

『了解です。』

そう言って相棒《ドラコグリード・ソード》の柄に手を添える。

 

 

「どうした?かかってこないのか?」

 

 

「なら此方から先に行くぞ。」

瞬時に騎士達との距離を詰め、騎士全員の首を刎ねる。

 

騎士達は目に驚愕の表情を浮かべる間もなく頭が胴から離れていく。

騎士達の身体は斬った剣の軌道に沿って、丁度少女がいる辺りに…

 

 

「あ、ヤバ」

 

 

斬り込み角度調整すんの忘れたわーと思った頃には既に少女は大量の血を浴びていた。

 

 

「うおっ」「あちゃ〜」

 

 

『ちょっ女性にあれはキツいですよ!』

 

 

『……てへ♪うっかり☆』テヘペロ〜

 

 

『可愛く無いです。』

 

そんな馬鹿な会話していると、血に濡れた少女が不意に声を発する。

 

 

「助けて頂き、本当にありがとうございました!ど、どうか村を、村の皆を助けてください!」

 

 

そして現在。

 

 

『軽くホラー。』

 

 

『分かる。』

 

 

『まあ、やったの貴方なんですから、責任とってくださいね?』

 

 

『は〜い。』

 

 

再び2人の少女に向き直る。

 

 

「承知した。名を聞いておこうか。」

少女に問い掛ける。

 

 

「はい、私はエンリ・エモットです。そして此方が妹のネム。」

 

 

「怪我をしているではないか。『重傷治癒(ヘビーリカバー)』。」

 

 

アイテムボックスから《アスクレピオスの杖》を取り出しつつ、自身のMPを消費して回復を行う。

 

 

「す、すごい…傷が無くなってる!」

 

「すごい!」

 

 

『第三位階で全回復かよ…』

 

 

『レベルがレベルですからね…』

 

 

『そうだ!レベリングの実験に…』

 

 

『モモンガさん、程々に。どうやら、我々の思考が人間の物では無くなって来ています。』

 

 

『はっ!そう言えば、同族意識が無くなっています。』

 

 

『一度《人間化の指輪(リング・オブ・ヒューマン)》を嵌めてみて下さい。』

 

 

『えーと、こうですか?わっ!スースーする!』

 

 

『えっと、まさかローブの下全裸?』

 

 

『イヤーーーーー!!』

 

ローブ姿のモモンガさんが身体をよじる。

 

ーーーーーー

 

 

『落ち着きました?』

 

 

『まだスースーします。』

 

 

『我慢してください。』

 

 

フード外して黒髪を見せることで、姉妹に人間ですよーアピールをした後、姉妹が目を逸らしていた()()()()()()に目を向ける。

 

 

『で、死体如何しますか?このまま置いといても目の毒です。』

 

 

『確かに…それじゃあ全部アンデッドにしてしまいますか。』

 

 

『賛成〜』

 

 

フードを被り直してから一度指輪を外し、死体に向かい、スキルを発動させるモモンガさん。

 

 

「『中位アンデッド創造』『死の騎士(デス・ナイト)』!」

 

 

死体の上に、突如出現した闇が覆い被さる。

闇は死体の全身をくまなく取り込み、死体は一度痙攣した後瞬時に起き上がり、形が変形する。

後には二体の『死の騎士(デス・ナイト)』が姿を見せる。

 

 

「「ヒッ」」

少女達が怯えている。

 

 

「大丈夫だ。彼はアンデッドを操ることが出来る。襲われないぞ。まぁ、見てなさい。」

すこし可哀想だったので、怯える少女達をなだめる。

 

 

「『死の騎士(デス・ナイト)』よ。そこの騎士の死体と同じ姿をした者達をこ『駄目です!情報源が…生け捕りにしないと!』…生け捕りにせよ。」

 

 

残った死体を指差してモモンガさんが殺害を指示しようとするのを僕は『伝言(メッセージ)』で止める。

 

「「ウォォォォオオオ!!」」

ドスドスドス…

 

 

 

 

 

…あの〜行っちゃったんですけど

 

『あ、あるぇ〜』

 

 

モモンガさんからアホっぽい『伝言(メッセージ)』が飛ぶ。

 

丁度その時、『転移門(ゲート)』から新たに二つの異形種が現れる。

 

アルベドとティルルだ。

 

2人とも完全武装で肌の露出は0である。

 

「モモンガ様、シャボンヌ様、遅れてしまい、申し訳ありません。」

「準備に時間をかけて、御身を危険に晒した罰、如何な様にも…」

 

2人が平伏して謝罪をする。

 

「良い、アルベドよ。」「ティル、よしなさい。」

 

支配者2人は其々部下を宥めにかかる。

 

 

「元は私の初動の遅さによる物、全責任は私にある。」

 

 

「友、シャボンヌだけではない。我もまた、部下へ連絡を怠った。お前たちに非など無い。」

 

 

「「違います!御身に責任など…」」

 

 

「アルベド、ティル、丁度盾役を特攻させてしまい、私しかいなかった所にお前たちが来てくれたのだ。私は感謝しているぞ。」

 

 

「シャボンヌの言う通りだ。ナイスタイミングだ。アルベド、ティルルよ。」

 

 

「「ありがたきお言葉。」」

 

「さて、この話は以上。セバスからどれくらいの話は聞いているか?」

僕は問い掛ける。

 

 

「はい、モモンガ様とシャボンヌ様の御二方が人間共の村にご慈悲を与えることを…」

 

あ、これはヤバそう。

 

「アルベドよ、その通りだ。しかしその考えは頂けないぞ。」

小声で指摘する。

 

「村の者達と交流していく上で、人を下に見る発言は控えよ。」

 

 

「は!申し訳ありません。」

アルベドも小声で了承の意を示す。

 

「大丈夫よ。私達が助けるからね。」

ティルルがお姉さんキャラで少女達の不安を解消させにかかる。

 

 

「『生命拒否の繭(アンティライフ・コクーン)』、『|矢守りの障壁《ウォール・オブ・プロテクションフロムアローズ》』。これは防御魔法という。お前たちは『魔法詠唱者(マジックキャスター)』という者を知っているか?」

 

「はい!私の友人で魔法を使える人がそう呼ばれていました!」

 

「そうか。ならその魔法の一種と思って欲しい。では、これも渡しておこう。」

そう言ってモモンガさんは二つの角笛を少女に渡す。

 

「こ、これらは…?」

 

 

「《ゴブリン将軍の角笛》というアイテムで、その効果は、名の通りゴブリン達を19匹召喚できるという物だ。いざとなったらもう一つ使いなさい。」

 

 

「あ、ありがとうございます!」

「ありがとうございます!」

 

 

姉妹が御礼を言う。

 

「あの、貴方様方のお名前は…?」

 

 

「我が名をしっかりと心に刻め。我の名はアインズ、アインズ・ウール・ゴウンだ!」

 

 

「そして、私の名はダニヤ。ダニヤ・リューシという者だ。」

 

 

『シャボンさん、いや、リューシさん、名前の由来は?』

 

 

『リューでいいですよ。…由来は竜星をキルギス語とギリシャ語で訳した呼び方を組み合わせただけです。』

 

 

『じゃあリューさん。行きましょうか。』

 

 

『これからアインズと呼ぶのか〜ちょっとめんどい。』

 

 

『他のギルドメンバーを探す為です。我慢してください。』

 

 

『オーケー。』

 

こうして4人は、死の騎士(デス・ナイト)が走り去った方向へと脚を運ぶ。

 

 


《ロンデス・ディ・クランプサイド》

 

 

 

 

 

神よ。御許しください。

 

 

私は初めから今回の任務に疑念を抱いていた。

守るべき人間を殺すだと?何の冗談だっと。

スレイン法国神官長様の言によれば、これは人類の存続を維持する上での必要な犠牲であり対価という話だった。

 

その言を何処か疑問に思いながら、私達の隊は任務を遂行する。

 

10を超える村々を焼き滅ぼした。

何の抵抗も出来ず、殺される農民達に内心謝罪をする。

 

全ては神の仰せのままに。

 

 

 

また村を滅ぼしにかかる。

ベリュース隊長は分かりやすくクズであり、いつも通り

 

 

「金目の物は奪い取れ!容姿端麗の女は捕まえろ!後は殺せ!」

 

 

とかほざいている。

本当に神はこんなこと望んでいるのだろうか?

 

その疑念に答えるように、我等の前に『死の体現達』が現れる。

 

 

「で、『死の騎士(デスナイト)』だと!?それも二体も!!」

 

 

「お、お前たち!あれらに突撃しろ!俺を守るんだ!」

 

 

ベリュース隊長の言とは別に、死にたく無い思いが数人の仲間を自殺特攻に導く。

 

奴には勝てない。

覇気で分かる。

 

ここは即座に撤退すべきなのだが、隊長がグズグズしている事で、隊員に動揺が起きている。

 

「ぐぁああ!」

「がは!」

 

死の騎士(デスナイト)に特攻した者から地に伏していく。

何故か奴等は剣の柄で殴り付け、気絶だけに留めている。

それが不気味で仕方がない。

 

 

「隊長!撤退の準備を!」

 

 

「お前たちは特攻しろ!俺の逃走の時間を稼ぐのだ!」

 

 

(ダメだコイツ)

隊員全員がそう思った時、頭上から声がする。

 

「ふむ、中々分かりやすいクズも居たものだ。」

 

咄嗟に頭上を見やれば、白い鎧に身を包めた戦士が宙に浮かんでいた。

 

「お、お前たち!アイツを殺ギャアアアア!!」

 

「クズが!苦しみながら死ね!」

 

一応隊長なので、幾人かは隊員が突撃するが、瞬時に脚を切られて行動不能にされていた。

 

「ああああああぁ、き、金貨!金貨あげますからぁぁああ!」

ブチッ

「びゃ、ひゃくっ、百枚あげますからぁぁああああガ」

ブチッ

「いぎっっっに、二百、三百グゥアぁああぁああ!」

ザシュッッッ

 

「処刑は終わったか?ダニヤ。」

 

「あぁ、アインズ。クズはクズらしく殺す。」

 

「さて、素直に武器を捨てて投降すれば命は…」

ガランガランガシャン

 

謎の魔法詠唱者(マジックキャスター)が言い終わる前に武器を捨てる者達。

 

頭が良い者は羨ましい。しかし、自分は戦わずに負けを認めたくは無い。

勝負事をする前から白旗を挙げることが、生まれつき嫌いだった。

何でも挑戦して、ダメならダメで良い。

 

我ながら馬鹿だと思うよ。

 

「私は命など惜しくは無い!最後まで戦うつもりだ!私と勝負しろ!」

さあ、終わりへ向かおう。

 

「ほう、何故だ?何がお前をそこまで突き動かす?」

 

 

「単純に戦う前から諦めたく無いだけだ。俺が勝ったら、部下達は見逃してくれないか?」

 

 

「アインズ様に何というぶれ「良い、アルベド。下がれ。」…はっ!」

 

 

「勝負はどちらが死ぬかだ。後戻りはもう出来ないぞ?」

 

 

「無論。私の名はロンデス・ディ・クランプという者。」

 

 

「私はアインズ・ウール・ゴウンという。ダニヤ、開始の合図を」

 

 

「3回数える。0で初めだ。よし、ではいくぞ?

 

…3

 

…2

 

 

…1

 

 

 

…0!」

瞬時に、強く地を蹴る。


《ダニヤサイド》

 

 

「うおぉ(ブォン)…」

 

(全く、時止め対策は必須だというのにな…)

 

アインズさは無詠唱化した『時間停止(タイム・ストップ)』を放つ。

 

アインズさんはそのまま自分に向かってきた勇気ある騎士に向かう。

 

「ロンデスか。記憶に留めておこう。魔法遅延化(ディレイマジック)魔法の弓(マジック・アロー)』さらばだ。」

 

 

「アインズ様に無礼を働いた身でありながら、ここまでの慈悲を賜わるとは…やはり私が…」

 

 

「アルベドさん。大丈夫ですよ。アインズ様は赦していらっしゃる。他の奴等とあの人間が違っていた。只それだけです。」

 

 

「でも、アインズ様に…」

 

 

「逆に考えてみてください。アインズ様に無礼を働いた訳では無く、アインズ様に無礼を働ける程の威勢があったと。馬鹿っぽいところが、アインズ様の琴線に触れたのではないでしょうか?」

 

 

「そんな馬鹿に、慈悲をかける価値など…」

 

 

「馬鹿は憎めない物なのだ。アルベドよ。」

 

 

「シ…リューシ様。何故なのでしょうか?」

 

 

「それは、私にも良く分からない。今朝窓を突き破って登場してきた奴も、なんだかんだ言って憎めない物だ。」

 

 

「そんな者、私が…」

 

 

「シズとエクレアを見よ。あんな感じだ。」

 

 

「あぁ、成る程、そういう事でしたか。」

 

 

やっと納得してくれたようだ。

 

 

「もうすぐ効果が切れる。万が一の警戒は怠るな。」

 

 

「は!」

 

 

そして時は動き出す。

 

「おぐぁああ!」

 

時間停止解除と共に、12個の光弾がロンデスという騎士を襲う。

そのまま彼は絶命した。

 

 

「さて、此奴は…『上位アンデッド創造』『蒼褪めた乗り手(ペイルライダー)』」

 

 

途端、倒れていたロンデスという騎士の死体は姿を変貌し、フードを被り、蒼い馬に跨がる禍々しい戦士の姿に変わる。

 

「名前はどうする?アインズよ。」

 

 

「名前?うん、考えていなかったが…『あおきさん』にしようか」

 

「やめなさい!この子可哀想でしょ!」

ついうっかりオネェ口調気味になってしまった…

 

「いきなりオネェみたいな口調に…それに!可哀想って何ですか!」

いや、この人マジで言ってんの?

 

 

「ほら、アルベドもそう思うだろう?」

 

 

「アインズ様の御心のままに」

 

 

「ティルはどう思う?」

 

 

「リューシ様の御心のままに!」

 

 

「一対一か…ティルよ、こっちに来ないか?」

 

 

「引き込もうとすな!…アルベドよ、考え直して欲しい。

 

 

「あんたも引き込もうとしてるじゃあないか!」

 

 

「先にやったのはあんたでしょうが!」

 

 

「なんだと?この白カビ野郎!」

 

 

「あぁん?!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「クランプで、良いな?」

 

 

「…」

 

 

結局ネーミングセンスォウに勝った僕は、『蒼褪めた乗り手(ペイルライダー)』の名をロンデス・ディ・クランプのクランプとした。

 

「村の皆さん、もう安心してください!敵は全て捕縛しました。」

 

 

「た、助かったのか?」

 

 

「あなたが村長の方でしょうか?」

 

 

「村長は彼方です。」

 

その言葉の後、おずおずと群衆の中から老夫婦が出て来る。

 

「こ、この度は私達の村を救って頂き、ありがとうございました。この村で出せる銅貨は300枚程しか有りませんが、す、全て差し上げ…「いらんな。」…へ?」

 

 

「それを受け取れば、この村の維持が不可能となるだろう?せっかく助けた村を飢餓で苦しめたくはない。それにこれは私達の気まぐれ、別に金などとらん。」

ちょっとカッコつけちゃったかな?

 

 

「な、なら何をお求めで…」

 

 

「ここら一帯の情報です。」

とアインズさん。

 

 

「情報?」

 

 

「そうだ。周辺諸国の情報が欲しい。何せ遠方から遥々ここまで旅して来たのでね。」アインズさんのフォローに回る。

 

 

「…そうだったのですか。」

 

 

「あ、後この国とか村の風習や、あの森のこと、この周辺の地理とかも教えて欲しい。」

 

 

「分かりました。答えられる範囲で。」

 

 

「よろしく頼む。」

 

僕は即座にアインズさんへ伝言(メッセージ)を送る。

 

『やりましたね!アインズさん!』

 

 

『とりま、村長との会談が終わったら、ペロロンチーノさん達の方に連絡を取りますか。後捕縛した連中からの情報も統合しなくては。』

 

 

『オケです。』

 

そう言ってアインズさんは伝言(メッセージ)を切る。

次に僕はティルとアルベドに伝言(メッセージ)を送る。

 

 

『ティル、アルベド、聞こえるか?』

 

 

『『はい。』』

 

 

『なら、まず捕縛した兵士全員に尋問をお願いする。その為に『魅了(チャーム)』を使うことを許可する。有益な情報、例えば国家の特徴、暗部や歴史、国家の強さなど、洗いざらい聞くのだ。』

 

 

『『了解致しました!』』

 

 

(さて、サンズの方はどうなっているかな?)

 

ふと、ペロロンチーノ&ヘロヘロの元へ送り込んだ怠け骨の動向が気になる。

 

(アイツの本性は()()だからな…何かしているのはほぼ確実だな。)

 

骨のあの表裏性はエグいものがある。

 

(そう設定したの僕なんだよ…)

 

我ながらとんでもないNPC作ったなぁと思う。

丁度その時、件の骨から伝言(メッセージ)が届く。

 

『よぉ、こちらサンズ。お前さん元気してたか?』

 

 

『現在進行形で絶好調。』

 

 

『そいつは良かった。オイラ達の方もヤベー奴等捕まえちまってよ。』

 

 

『ヤベー奴等?』

 

 

 

 

 

『陽光聖典って言う奴等だ。』

 

 

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