ある転生者のオーバーロード   作:Solo Mon

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10.王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ

「では、我々は再び旅に出ます。」

 

 

「鎧の騎士団に襲撃されるようなことが二度も起こらぬよう、鍛錬を怠るでないぞ。」

 

 

カルネ村の復興を急ピッチで終え、近づいてくるガゼフの戦士団との遭遇を図る。

その為、アインズ(モモンガ)さんと相談して、村を離れることにした。

 

 

「はい!私共の村を救って下さり、本当にありがとうございました!」

 

 

「礼には及びませんよ。」

「うむ。それでは。」

 

そう言って村を離れようとする。

 

しかし、見張りを任されていた男の一人が、何やら血相を変えてこちらに近づいてくる。

もしや…

 

 

「大変です!村に騎士団が向かって来ます!」

 

 

はや!

ガゼフはや!

 

 

「何?場所は?いつ頃着きそうか?」

 

 

「西の方角より数十人の戦士隊が、後三十分もすれば村に来ます!」

 

 

『アインズ様、リューシ様、西方10時の方角より二十七名の人間種からなる鎧の騎士達の影を発見しました。現在ティルルが追尾をしています。どうされますか?』

 

アルベドマジ優秀や。

 

『アルベドか。その者達は報告にあったガゼフ・ストロノーフ率いる隊であろう。決して手を出すでない。我等が対応するべき相手だからな。』

 

 

『レベルはティルルからの報告によればlv50程度とのこと。万が一を考慮し、護衛として、増援をアウラ及び彼女の使役魔獣達に要請しておきました。』

 

 

『そうか。ありがとう、アルベドよ。ティルルもそうだが、お前達は優秀だ。我の下に付いていることが勿体無い位にな。』

 

 

『御身に何一つ及ばぬこの端小なる我等下僕風情に何という妙々たる御言葉!御身の至高なる御考えに一歩でも近付けるよう、精進いたします!』

 

(いや、気合入りすぎじゃない?もっと肩の力抜こうよ!)

 

 

『お、おう。ま、任せるぞ…』

タジタジなアインズさん。

 

 

『は!直ちに行動を開始します!』

 

(な、何?何でアルベドやる気ゲージMAXぅう!⤴︎なの?え?ナンデ?)

 

8割方貴方の所為ですよ。

 

 

(と、取り敢えず原作よりもガゼフやらニグンやらのレベルの高さが気になる。一体、何が起きてる?)

 

まあ、こっちも超強化ナザリックなんですけどね。

 

 

(兎に角、まずはアインズさん、ペロさん、ヘロヘロさんの三人とこれからの打ち合わせを…その前にガゼフと一体何話せばいいんだーー!!!)

 

心の中で葛藤するダニヤ(シャボンヌ)。

しかし葛藤の様子などお首にも出さずに、顎に指を当てて空を眺める姿はまさしく英雄の思索。

カルネ村の人々と蒼褪めた乗り手(ペイルライダー)のクランプはその姿を後にこうコメントしている。

 

 

「あの姿、佇まい、まさしく英雄譚(サーガ)の大英雄、いや、あれは英雄王の御姿だった。」

 

 


《〜王国戦士長ガゼフ・ストロノーフサイド〜》

 

 

「急げ!一人でも多くの民を救う為に!」

 

《〜走れガゼフ〜》

 

 

ガゼフは激怒した。

必ずかの邪智暴虐な鮮血帝を除かなければならぬと決意した。

 

ガゼフには政治が分からぬ。

 

ガゼフは、村の村民だった。

 

剣を振り続け、ここまで上り詰めて来た。

 

けれども邪悪に対しては、人一倍敏感だった。

 

今日未明、ガゼフは焼村を出発し、野を越え林抜け、十里離れた【カルネ村】へと馬を進めていた。

 

ガゼフには碌な鎧も無い。多くの王国兵団も、師匠である竜達もない。

あるのは腰から下げる《剃刀の刃(レイザーエッジ)》と選りすぐりの頼れる部下達のみ。

 

部下達は王都に妻子を持つ者や、強くなる見込みのある者もいる。

そして彼等は一様に私を心から慕ってくれている。

 

それに応えなくては。

 

ガゼフは、それ故、自身を犠牲にしてでも部下達は守ると心に誓った。

村々を襲う悪党共に正義の鉄槌を。

掛け替えの無い仲間と言っても過言では無い部下達の身の安全を確保しつつ、村の民を助けようと奮闘していた。

 

ガゼフには強大なる師匠がいた。

ツアインドルクス・ヴァイシオンである。

今はアーグランドの奥地で八大魔神の遺した《ぎるてぃ武器》なる物を守護している。

その師匠に、帰還後密会するつもりなのだ。

久しく会わなかったのだから、訪ねていくのが楽しみである。

 

馬で草原を駆けるうちにガゼフは、遠くにある筈の村から煙が上がっていないことに気付く。

間に合ったか!

もう既に日は傾き、辺りが夕日に赤く染まっているが、けれども、何故か煙は見えない。

【カルネ村】は襲撃対象じゃなかったのか。

それとも既に占領されてしまったのか。

慎重なガゼフも、だんだん不安になってきた。

隣にいる双眼鏡を持つ若き精鋭に問う。

 

 

「村の様子はどうなっている?」

 

 

「現在、村は無事なように見えます。壊された家屋や血痕が一部に見られることから、村は襲撃された模様。なんらかの理由で撃退に成功した可能性があります。」

 

 

「把握した。村を助けた御仁がいる、か。まだ村にいてくださるかどうか…」

 

 

ガゼフは単純な男だった。

「村を助けた御仁」が人外である可能性も考慮せず、

颯爽と村まで疾走する。

 

村にはいつの間にやら巨大な木製の木柵が立てられており、村への行く手を塞ぐ。

ガゼフは柵の向こうへこう宣言する。

 

 

「私の名は、エ・リスティーゼ王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ!村々を襲う帝国の卑劣漢共の討伐の為、この周辺の村々を回っている者である。村の詳しい事情を聞かせて欲しい為、我々を村の中に入れて欲しい。」

 

 


《アインズ&リューシサイド》

 

 

 

 

(リアルガゼフだー、めっちゃカッチョいいー)

 

草原を馬で駆けるその姿はまさしく英雄。

王国切っての強者、国王の最大の守り手、ガゼフ・ストロノーフ。

 

原作だとナザリック勢から

「小動物」程度に扱われていた漢。

 

この人自身の国の所為で、結構苦労している人だからなぁ〜助けてやりたい。

実際はそんなこと思って無いのだろうけど。

装備品見ても分かる。

この世界の王国の貴族も腐っているな。

ガゼフも可哀想に。

 

隣の村長が「王国…戦士長…!」と言う言葉に合わせ、こう言葉を発する。

 

 

「此度は其方らの言を信じよう。だが、一つでも何か不審な行動を取れば、其方等の命はない。」

威圧しっかり。

 

 

「貴様…!この方は近隣諸国最強と謳われる、王国の剣、ガゼ…」

 

「やめるんだ、副長。彼等は実際に被害を受けている。いきなり現れた我々を警戒することは必然的だ。」

 

「分かりました。戦士長。」

 

 

「信用して頂き、感謝する。ところで御仁の御名を伺ってもよろしいか?」

馬に跨りながら、ガゼフはこう言葉を発する。

 

 

「ダニヤという。旅の剣士だ。そして仲間の魔法詠唱者(マジックキャスター)の…」

 

「私はアインズ・ウール・ゴウン。遥か遠方を旅してこの村までやって来たところ、この村が騎士の襲撃に遭っていた為、助けに来た次第です。」

其々名乗りを上げる。

 

するとガゼフははっとした顔を見せた後、咄嗟に馬から降り、此方に向かってくる。

 

 

「おぉ!この村を救って頂き、感謝の言葉もない!」

そう言って頭を下げるガゼフ。

 

 

「頭を上げてください、戦士長殿。王国の剣と呼ばれる戦士長殿が、そう軽々しく頭を下げてはいけませんよ。」

止めるモモンガさん。

 

 

「ご指摘痛みいる。アインズ殿は、王宮での社交辞令にも長けているようで。」

 

 

「長い旅路の途中、多くの国家を巡り歩いていた次第です。人並みの社交辞令は兼ね備えていると自負しています。」

 

 

「御仁は素晴らしい冒険家だ。もしよかったら、一度、貴殿等を王都へお招きしたい。」

 

 

「その申し出、謹んで受けましょう。戦士長殿が居を構える国とは、どれだけ荘厳で活気に満ちたものなのか楽しみです。」

いや、もう王都?!

 

 

『アインズさんアインズさん!』

 

 

『何ですか?』

 

 

『流石に時期尚早では?』

 

 

『まだ行く日時などは決まっていないので、こちらが行きたい時に行く感じにしたいなーと。それに王国の重鎮の人っぽいし、仲良くした方が良いかなと。』

 

 

『十分な時間があるなら良いですが…』

 

 

「しかしながら我々も食料や武具の調達等で少し訪問が遅れる見通しです。王都の武器商人の売る品も気になりますし、一度本国に戻ろうと思っています。」

 

 

「承知した。本当は聞きたいことがあるのだが、冒険者への詮索は野暮。御仁の都合が良い時にお越し下さい。」

 

 

「ありがとうございます、戦士長殿。あちらに拘留した兵士達が居ます。かの者達の首を王の御前へ晒すもよし、尋問し、相手の情報を掴むのもよし。戦士長殿にかの者達の身柄を渡しましょう。」

 

 

「感謝する。これで手ぶらで王の御前へ参上するという情けない姿を部下達に晒すことが無くなりそうだ。」

 

この人やっぱすげーカッケー。

原作で殺されちゃった時、めっちゃ泣いた。

 

 

「感謝など不要。『誰かが困っていたら、助けるのは当たり前』、友の言葉だ。我等はその言葉を胸に生きている。」

 

ガゼフが殺されるところ見たくないので、ガゼフ自らが殺され回避できるように誘導しなければ!

 

 

「それは…何とも素晴らしきお言葉、御仁の御友人は御仁のようにとても素晴らしい殿方なのだろう。誠に尽善尽美たる御言葉だ…」

 

はい、ガゼフ生存フラグ立ちました〜

さすガゼ。やはり期待を裏切りません!

 

 

「えぇ、彼は英雄の中の英雄ですよ。」

 

「我等と今は離れて旅をしているがな。いつかまた会いたいものだ。」

ガゼフ選手、どうする?

 

 

「私は御仁と御友人の再会を心から願う。」

ガゼフ殺害率大幅ダウン!やったね!

 

 

「感謝します。戦士長殿。」

 

 

「戦士長では呼びづらいと思うので、できればガゼフと呼んで貰いたい。」

 

 

「ではガゼフ殿、御達者で。」

 

 

「此度は村を救って頂き、重ね重ね感謝する。王都に訪ねて来た時は、我々が案内したい。ではまた。」

 

 

「また会う時が楽しみですよ、戦士長殿。それでは。」

 

 

捕虜の兵士達(しっかり死の騎士(デス・ナイト)とクランプの記憶を捏造済み)を引き取り、再び平原へ走り去るガゼフ。

その後ろ姿を見送りながら、僕は次の作戦を立てる。

 

「これから大変になるぞ〜!」

 

 


 

《〜ガゼフ・ストロノーフサイド〜》

 

 

 

カカッカカッ

 

馬に乗り、疾走する数十名の戦士。

その纏め役である戦士長、副長は前方で馬上での対談を行っていた。

 

 

「あの者達を王都へ招いて大丈夫なのですか?戦士長。」

副長がこう言葉を零す。

 

 

「恐らくだが、かの村が救われたことは事実であろう。あの御仁達からは強さが()()()()()()()が、自身の力を隠蔽している可能性が高い。問題は、()()()()()()()()()()()()だ。答えは強すぎるからに相違は無いと思う。御仁達は、王国領にいた。恐らく王都へ向かう道中だったのだろう。なら、王都へかの御仁達をお招きし、様子見をすることが最善だろう。」

 

 

「おぉ!流石は戦士長!常に先を見据えて最善策を考える知略と、幾多もの武技と腕力、速力を兼ね備えた、まさに王国最強の戦士!」

 

 

「恩師から伝授されたことが殆どだがな。それに、かの御仁達の考えを私は実現することが出来ない。」

 

 

「あの者達の言っていた『誰かが困っていたら、助けるのは当たり前』と言う台詞ですか。」

 

 

「あぁ、私は今日、その言葉に感銘を受けたよ。だがな、同時に悲しくなるのだ。王国の民を守るべき王国戦士長が、国民に悪影響を及ぼす犯罪組織を倒すことが、実質不可能となっている。それは何故か分かるか?」

 

 

「王の守護、それに貴族達の妨害工作ですね。」

 

 

「そう、だが、青の薔薇のイビルアイ嬢が言うには、貴族達と『八本指』は、強い癒着関係にあるらしい。また、『八本指』の保有する戦力は計り知れぬ。もし攻撃したとなれば、たちまち私は抹殺されるだろう。」

 

 

「そんな!では、一体どうすれば…!」

 

 

「かの御仁達に協力を仰いでみたい。」

 

 

「あの者達を?危険だと思いますが…強さの程度もまだ把握し切れていませんし。」

 

 

「しかし、きっと応じてくれるだろう。かの御仁達の精神は気高く、美しい物と信じている。」

 

 

「私は反対ですから、戦士長。あの者達に得体の知れない何かを感じます。」

 

 

「むぅ。副長は疑り深い者よ。一応の警戒はしておこう。」

 

(ツアインドルクス御竜侯が仰る『100年の揺り返し』やも知れないからな。さて、陛下への御報告はどうすべきか。)

 

馬に乗りながら、国王への報告の内容を吟味するガゼフ。

 

背後からずっとついてきていた『骨』に気付かず…

 

 


 

《アインズ&リューシサイド》

 

 

カルネ村の復興支援の申請と従属の要求を村長に説明し終えた瞬間、0.001秒後には村長は契約書にサインをしていて、その速度に驚いた。

 

アウラには自身の部下達の一部を村周辺の監視にあたらせ、アウラ自身はナザリックに戻るよう伝えた。

その後、アルベドに任務遂行中の一部の配下を除いた全ての配下を玉座の間に集めるよう伝える。

アインズさんは、ヘロヘロさんとペロロンチーノさんに今回の調査結果を聞きに行った。

 

僕は今、ナザリック内の一室で左腕で顎杖しながら自身の右手を眺めていた。

 

 

コンコン「失礼します、シャボンヌ様。何か御所望の品はありますでしょうか?」

 

 

「今はまだこれといった要望はない。せっかく来てくれたところ悪いが、他の仕事に当たりなさい。」

 

 

「承知しました!」

 

 

(ナザリック・ホーンバーグ外ではダニヤ・リューシと、ナザリック・ホーンバーグ内ではシャボンヌと呼べ、か。部下達からしたら結構しんどそうだよなぁ。かといってせっかく付けた設定を無かったことにするのはカルネ村とガゼフに不審がられると思うし…)

 

 

とても変なところで悩む竜騎士がそこにはいた。

 

 

(ペロロンチーノさんとヘロヘロさんが捕縛した陽光聖典の尋問が始まるから、その前に呪いを解けないか試したい。それに、世界征服とか部下達が言い出したら、どう対処すれば…?)

 

 

あれこれ思考を巡らすシャボンヌ。

あの後ティルに、全配下をナザリックの玉座の間に集結させるよう命じた。

玉座の間は一時的に寿司詰め状態となること確定だ。

そんなことはさておき、部下達がモモンガさんのアインズ・ウール・ゴウン改名直後に何か言い出さないかと〜っても心配している。(特にデミえもん)

 

 

陽光聖典からの情報も超重要。

全てはこの後の集会で決まる。

 

 

(ナザリックの基本方針は全種族の救済で行くようにしたいけれど、デミえもんェ…そしてツアーや番外とはどのみち戦うことになりそうか。そもそも僕らの存在はこの世界の者たちにとってイレギュラーだからな。)

 

 

思考を巡らす至高の御方。

丁度その時、誰かが扉をノックする。

 

 

コンコン「シャボンヌさん、入りますよ。」

 

 

「アインズさん。ペロロンチーノさんとヘロヘロさんは?」

 

 

「先に玉座の間で待機してもらっています。シャボンヌさん、重要な新事実が分かりました。ペロロンチーノさんとヘロヘロさんが村襲撃の現行犯を捕縛していました。」

 

 

その現行犯もう知っているけどねw

 

 

「お、ペロさんヘロヘロさんやりますねぇ!」←い◯夢

 

 

「そいつらは自分達の事を『陽光聖典』と言っていたそうで、これから拷問してさらなる情報を引き出そうと思います。」

 

 

「ほう、『陽光聖典』ねぇ。」

わ〜陽光聖典って初めて知った〜(棒)

 

 

「聖典は確か宗教観でいう教祖の書き残した書物、という意味だったか?であれば宗教国家による犯行。近くにあるスレイン法国とか一番怪しいわー」

 

 

「スレイン法国…ですか…」

 

 

「次にローブル聖王国ですが、たしかこの国は亜人種による襲撃が相次いでいるそうです。とても他国へ手出しが出来る状態ではないでしょう。程度にもよりますけど。やはりスレイン法国しか無いですね。」

 

 

「スレイン法国を危険国リストに追加しますか。」

 

 

「それがいいでしょう。ただ、確証は今のところ有りません。」

 

 

「やはり、一刻も早く陽光聖典を尋問すべきですね。」

 

 

「もしかしたら、陽光聖典から何か国の裏事情が聞き出せるやもしれません。尋問の際に少し立ち寄りますね。」

 

 

「オケです。ではそろそろ行きましょう。」

 

 

「何処へ?」

 

 

「【玉座の間】に決まっているでしょうに。では先に行きますよ。」

 

 

「いってら」

 

「あんたも行くんだよ!!」

 

 

玉座の間で一体何話せと?

渋々ながら、《リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を使い、玉座の間に転移する。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

【玉座の間】

 

ペロ×シャルティアの結婚式から全く変わっていない景色だ。

 

ただ、大きく変わった点は、

玉座のすぐ横に、玉座と同じくらいのサイズの豪華な椅子が置かれており、その上には二体の異形種が其々座っていた点だ。

 

 

「お、来たようですよ。」

 

 

「モ…今はアインズさんか、アインズさん、シャボンさん、俺は大変な事に気付きましたよ。」

 

 

「ペロさんがいつにも無く真剣な表情をしているだと!?」

 

 

「それで、その大変な事って何ですか?」

 

 

ペロロンチーノは一拍置いてこう言う。

 

 

「精神とか肉体が種族に引き寄せられています。」

 

 

「あぁ、その件ですが、一応《人間化の指輪(リング・オブ・ヒューマン)》付ければ、人間種になることができますよ?弱体化しますけど。」

多分精神の異形種化は防げる…筈。

 

 

「あ、そっか。てっきり、シャルティアのことを性的対象として見れなくなったら怖いなぁ〜と。」

この人はこの期に及んで何言ってんだ。

 

 

「貴方の頭は99%が煩悩で出来てんのかっ?」

 

 

「ツルペタロリ妊婦って最高ですよね!シャルティアのお胸からち…」

 

 

「駄目だ、会話が全く通じねぇ…」

ペロロンチーノォ!

 

 

「そろそろ静かに、下僕達が入ってきます。」

取り敢えず会話の方向性を変えようとするシャボンヌ。

 

 

「「「はぁーい」」」

素直なところがペロさんの良いところ。

そう思うシャボンヌであった。

 

 

『アルベドよ。玉座の間に入ってきて良いぞ。』

アインズは伝言(メッセージ)を飛ばす。

直ぐに反応が来る。

 

 

『了解致しました。これより、全配下の入場を開始いたします。』

その直後、驚くべき速さで玉座の間に入り込み、整列し出す全配下達。

 

 

『…アインズさん?これはやり過ぎなのでは?』

 

 

『…私もそう思いましたよ。癪ですが。』

全配下を玉座の間に集合は少しふざけすぎたな。

ルベドやら第八階層のあれらやらパンドラズ・アクターやら、最低限の防衛用NPCだけは呼んでいなかったが、それでも玉座の間がごった返す位の動員数だった。

もしこの時の玉座の間を、バハルス帝国・エ・リスティーゼ王国・スレイン法国の三国の首脳が見たら、1秒で泡を拭いて気絶するだろう。

凶悪な見た目の悪魔やアンデッド、魔獣達や氷の怪物、更にはそこに竜まで加わり、この世の全ての絶望を一箇所に濃縮したような絵図が広がっていた。

 

 

「すまぬな、アルベドよ。」

何もかもお終いダァ…と、アインズは極度の緊張でそんな言葉を零す。

 

 

「何を仰いますか!御身が謝ることなど何も…」

慌ててアインズの突然の謝罪に弁明しようとするアルベド。

 

 

「一人でここまでの人員を集めるお前の働き、やはり我が友、タブラ・スマラグディナの愛娘だ。優秀な下僕を持てて、私は嬉しいぞ。」

そう言ってアルベドの背に無意識に手を回すアインズ。

何やってんだ。

 

 

「勿体なき御言葉…えっ」

手を回された瞬間、アルベドは頬を紅潮させ、もじもじし始める。

 

(大勢の部下の前でこんな…ア、アインズ様…その、不敬ですが、いけません!)

 

 

恥じらう乙女アルベド。

流石にアルベドの様子に気付いたアインズは、とっさに腕を引く。

 

 

(な、何やってんだ俺ぇええ!しまった!近所の子供を撫でる感覚でついアルベドにセクハラを…これ完全に事案やん…やべぇよ…)

 

 

心の中で今してしまったことを反省するアインズ。

 

 

(あっ御身の手が戻って…待ってください…)

 

 

心の底では、今されたことを心地よく思っていた事に気付くアルベド。

 

 

(((これ、アインズ×アルベドのカップリング誕生?)))

 

それを間近で見ていた鳥人(バードマン)と粘体と竜人がこう思う。

 

ーーーーーーーー

 

〜10minutes later〜

 

 

「まずは、私達が個人で勝手に動いたことを詫びよう。すまなかった。何があったかは、アルベドから聞くと良い。」

 

アインズさん演技力高過ぎワロタw

続けてアインズさんは言葉を発する。

 

「そして、皆に至急伝えるべきことがある。」

 

ざわざわ…ざわざわ…

 

 

「『上位道具破壊(グレーターブレイクアイテム)』」

 

アインズさんが呪文を唱えると同時に、モモンガロゴの旗が消滅する。

 

下僕達は目に驚きを浮かべ、消滅した旗の名残を見つめる。

 

「私は名を変える。」

 

《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》の杖先を地に打ち付けつつ、こう高らかに宣言する。

 

「これより私の名を呼ぶときは、

 

 アインズ・ウール・ゴウン!

 

 アインズと呼ぶが良い!

 

   異論がある者は立って示せ。」

 

 

すると、アルベドが伏せたまま、こう発言する。

 

「御尊名をお伺いしました。いと尊き御方。絶対の忠誠を。

アインズ・ウール・ゴウン様万歳!

 

 

「アインズ・ウール・ゴウン様、万歳!!」

 

 

続けて、シャルティアが言葉を発する。

 

「至高なる御方々に、私共の全てを捧げます。」

 

次にアウラとマーレが同時に言葉を発する。

 

「「恐るべき力の王達よ。」」

 

その次はデミえもん。

 

「この世の全ての者は、御方々の偉大さを知るでしょう。」

 

その次はコキュートス。

 

「全テヲ超越セシ、我等ガ諸王ヨ。」

 

次にティル。

 

「森羅万象全ての者に、御方々の慈愛と御威光を。」

 

最後にアルベド。

 

「深い絶望の具現、古き漆黒の粘体(エルダー・ブラックウーズ)であるヘロヘロ様。太陽の化身、爆撃の翼王であるペロロンチーノ様。神聖なる龍騎士、竜人であるシャボンヌ様。そして、死の体現者、オーバーロードであるアインズ・ウール・ゴウン様に未来永劫の栄光を。」

 

おお、凄い凄い。

そろそろ口開かないと守護者の勢いに呑まれそうだ。

 

 

「お前達に厳命する。我がナザリックを不変の伝説にせよ!」

 

アインズさんに取られた〜!!

 

 

「遥か空の彼方まで、我々の名を広めるのだ。」

 

ペロさん、ここでマジにならなくて良いから。

 

 

「暗く深い地の底まで、我等の存在を知らしめるのだ。」

 

ヘロヘロさん!?

残るは僕だけやん!ええい、こうなったらもうどうにでもなれ!

 

 

「千代に八千代に我等は不滅。この不変の定理を世界に証明せよ。」

 

ヤケ糞気味に剣《ワールドチャンピオン・ミズガルズ》を頭上へと掲げ、英雄っぽいポーズを取る。

 

 

(は、はは…恥っっっず!)

 

 

我ながら良い厨二病的ポーズと台詞だよ。

笑いたいだろ?笑いたきゃ笑えよ。

そんなキラキラした目でこっちを見ないで!

 

 

「デミウルゴス、各自への言伝を皆に伝えなさい。」

 

来た!みんな大好きデミえもんデミウルゴスだ!

夜空を見上げてアインズさんが「世界征服なんて良いかもな」っていう場面を多忙で潰しといたからきっと大丈…

 

 

「アインズ様はこの世界に転移した直後、全階層守護者を集め、至高なる御方のいた世界、『リアル』についてのお話から、私達下僕の成長の促進を要された。この世界にいる強大な敵の対処を迅速に行う為の至高なる御方々の御計略、脱帽致します。しかし、至高なる御方々の御計略はそれだけでは無かった!

至高なる御方々は、最終的にこの世界を御所望なのです!

 

 

「おおおお!」

 

 

『『『『ゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ?!?!?!』』』』

 

 

全配下達が驚嘆の声を上げると同時に、ナザリックの絶対支配者達はもっと大きな驚愕の声を上げる。

 

(そこから繋げられるのかよ!…デミえもん、恐ろしい子。じゃない!このまま行くと世界征服コースまっしぐらだ!止め…あれ?止めなくても別に自然が穢れる事はない。世界を掌握して自然を管理するというのも悪くはないかも…取り敢えず、アインズさん達と要相談や!)

 

 

『これ、止めた方が良くないですか?』

とペロさん。

 

 

『いや、これもう止めるの不可能やん。(諦め)』とヘロヘロさん。

 

 

『どうしてこうなった…』とアインズさん。

 

 

ヤバい、まるでお通夜状態だ。

 

 

『世界征服か〜。ウルさんとかるし☆ふぁ〜とかが喜びそう。(小並感)』とか適当に言ってみる。

 

 

ヘロヘロ『そのまま世界征服してもいいかと。NPC達止めるの無理だろうし。』

 

 

ペロロン『賛成〜』

 

 

アインズ『もう、どうにでもな〜れ♪』

 

 

約一名自暴自棄に陥っている人いるが、基本方針は世界征服に切り替わる。

 

 

「ふふ、ふはははは!流石は我がナザリックの知謀の将、デミウルゴスだ。我等の目的を半分も見抜いているとはな。」

絶対的支配者ロールで迫真の演技を披露するアインズさん。

 

 

「恐らく御身の最終目標は、他の至高なる御方の捜索だと愚考します。」

 

 

「素晴らしい!その通りだ!流石だな。災厄と諸悪の王、ウルベルト・アレイン・オードルの息子、炎の造物主、デミウルゴスよ。」

適当に褒めときゃ良いや!

 

 

「誠に勿体なき御言葉。」

デミえもんが平伏する。

 

 

すると、アルベドがこう宣言する。

「各員!ナザリック地下大墳墓の最終目標は、至高なる御方々の御所望する、この世界と他の至高なる御方々の所在を、アインズ様、ヘロヘロ様、ペロロンチーノ様、シャボンヌ様にお渡しする事だと知れ!」

 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

 

 

『『『大変なことになってしもた…』』』

 




ガゼフのところ、ふざけました。

恐るべしデミえもん…
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