シャボンヌvsシャルティアの戦いが終わった頃、
陽光聖典の消滅、謎の冒険者『白妙の漆黒』の活躍は、世界の有力者達の耳に入る事となる。
【リ・エスティーゼ王国 玉座の間】
「で?その冒険者リューシとやらが犯人の捕縛を行い、王国戦士長はそれの回収をしたと?」
「不味いですぞ、陛下。これは陛下採択ミスと国民に思われるやも知れません。」
「陛下!そろそろ王国戦士長を改任する方がよろしいかと。まともに帝国の騎士一人捕まえられぬような者を陛下のお側に置くというのは些か問題がありますぞ。」
「父上!私めならば帝国兵を国家諸共成敗出来ますぞ!是非私に出兵の命を!」
「バルブロ第一王子の仰る通りです!ここはこのポウロローブにお任せあれ。帝国への例年通りの戦が無くなりますぞ!」
「待って下さい。帝国には帝国四騎士の存在と、フールーダ・パラダインが居ます。」
「それがどうした。我が精鋭兵団の力で、帝国四騎士なんぞ捻り潰してやるわ!パラダインだかパラダイスだか知らんが、たかが
「それか、そのリューシとやらを使えば良いではないか。所詮ペテン師だろうがな!」
「誠にその通りでございますねぇ。」
ハッハッハッ!
(ぐっ…私への中傷ならまだしも、国王陛下やリューシ殿を愚弄するとは…)
(馬鹿か!フールーダ・パラダインの使用可能魔法位階は第七位階、魔神レベルだ!それもそうだ、かの十三英雄のメンバーとの交流が今もあるとか。かの評議国のツァインドルクス・ヴァイシオン直々に魔法を伝授されているような奴、高々剣を少し習った程度の五千人程度でまともに相手取れる訳が無かろう!近づく間もなく瞬殺だ!
そ・れ・に!
聞いた話では冒険者リューシは森の賢王を無傷で屈服させ、その従者の
仲間にする所か愚弄とは、本当にコイツらはどういう思考回路をしているんだ!)
(この国が崩壊する間際、評議国辺りにラキュースずてで亡命したい…その為には貴族派閥を増長させ、内部崩壊する間際に評議国への逃亡をラキュース達にお願いするか。いや、それは帝国のジル君が満面の笑みで私を逃亡中に殺しに掛かるでしょうから、ここはやはりそのリューシという冒険者を上手く利用するしか…取り敢えずはラキュース達を王都に戻しましょう。リューシという冒険者はやがてこの王都にやってくる。もう布石は用意してありますからね。待っててね?クライム。私達は幸せになるのよ。絶対に。)
【リ・エスティーゼ王国 麻薬畑跡地】
「ったく、こんなにライラ栽培しやがって。八本指共が…」
「仕方がないことだ。奴等の勢力がそれだけ広いということ。今は地道に力を削ぐしか方法がない。」
「絶対許さないんだから…麻薬で人を壊し、殺人で秩序を壊し、賄賂で国を壊す、そんな奴ら…」
「鬼ボス、顔まで鬼にならなくていい。」
「鬼ボス、遂に完全体に。」
「貴方達は煩い!」
「鬼ボス、怒る。」
「赤鬼。」
「あぁそれとよ、来る時に店の童貞が何やら興味深い情報持ってきてな。」
「そういうことは早く言え。」
「聞かれなかったから温存していただけだぁ。それより、エ・ランテルに現れた新人が凄いらしいぜ。」
「ん?その話…
「え!?それってかなり凄くない?」
「あぁ、最低でも、フールーダの爺並みは実力があるだろう。しかし、それだけでは終わらないんだ。」
「それ以上というのか?」
「チームのキャプテン、リューシとやらが法国の指名手配犯を討伐したらしい、まだこれだけなら許せる。だが、その逃亡犯が元漆黒聖典の第九席次だったという。そいつに無傷で勝っている。」
「え?それって…漆黒聖典でも手も足も出ない強さの奴ってこと?」
「あぁ。それも、法国に丁度訪問に来ていたツアーからの情報。間違いないだろう。」
「それってまさか…」
「プレイヤー?」
「あぁ、その可能性が高い。とにかくそいつらとの接触を頼まれているんだ。法国の特殊部隊、陽光聖典の失踪に彼等が関わっている可能性もあるからな。ここ王国の辺境の村付近で『白妙の漆黒』が最初に目撃されたのと同時期に同じ場所周辺で失踪を遂げるなんて怪しいにも程がある。」
「八大魔神みたいな悪しき『ぷれいやー』でなければ良いけどね。」
「それはそうとよ、『白妙の漆黒』の面子の中にはモモンって言う童貞ボウズがいるらしいぜ!」
「何歳?美形?」
「10歳半位って聞いたが…そして美少年」
「決めた、その子
「止めろーー!絶対に手を出すんじゃない!」
「…何で?」
「ティナ!イビルアイの話聞いてた?!警戒対象なのよ!」
「ペロペロは?」
「駄目」
「クンカクンカは?」
「やっちゃダメでしょ!」
「
「モロアウトーーーーー!!!!」
「その気持ち、痛い程分かる…他のメンバーは?」
「ナーベっつー黒髪の美女」
「ナーベたんペロペロしたい」
「あとリーダーのリューシ、こっちもワンチャン童貞かも…いや、欲張り過ぎだな、やはりここはモモン一点狙いか。待ってろよ童貞〜!!」
「お前らもか!ティア!ガガーラン!」
「ホント勘弁してーーーー!!!!」
【バハルス帝国 皇帝自室】
「そうか、ロウネ。報告ありがとう。」
「それではこれにて失礼します。」
「あぁ、それと、イジャニーヤに伝言を伝えて置いてくれ。『監視依頼がしたい』とな。」
「はっ!」
(さて、爺からの情報で、ぷれいやーなる存在が100年置きの来訪をしており、近頃やってくる可能性が高いということは分かっている。突然現れたミスリル級冒険者『白妙の漆黒』、匂うな。彼等はぷれいやーか?動きからして限りなく怪しい。突然現れ、2日でミスリル級到達など、前代未聞。我が国に招き入れ、どんな存在なのか見極めなくてはな。なるべく悪い印象を持たれないようにするには…やはり奴隷制等は廃止すべきか?『白妙の漆黒』は正義の集団だ。奴隷制など悪い印象しか持たれんだろう。まぁその辺はおいおい考えておこう。とにかく今は情報だ。どれだけの量の情報が集まるかで此方の出方も変わる。我がバハルス帝国を最低限守れればそれで良いのだ。)
【竜王国】
「ビーストマン達に未だ良からぬ動きは無いな?宰相」
「はい、ドラウ様。9年前と変わらず、ビーストマン側は攻撃を仕掛けて来ません。」
「国の犯罪者も減るし、ビーストマン達にツアインドルクス殿が『ぐるめのすすめ』なる書物を大量に配布して和平協定が締結するとか、前代未聞過ぎたなぁ。」
「ご安心を、既にこの国は貴方のお姿で前代未聞ですから。」
「ちょっ、お主馬鹿にしとるな?!お主馬鹿にしとるだろ!このドラウディロン・オーリウクルス竜王国女王を!好き好んでこの姿な訳無かろうが!」
「年齢偽装ババa…ゲフンゲフン唯一女王の間違いでは?あと、国防担当の冒険者クリスタル・ティアの動員には必要なので仕方がない。諦めて下さいね。ドロワ様。」
「お主今とんでもなく失礼なこと言ったであろう!あと修正先も馬鹿にしとる呼び名だろう!最後なんてもろ悪口じゃろうが!取り消せ!取り消せよ!今の言葉!」
「取り消せだと?断じて取り消すつもりは無い、です。」
「女王にタメ口使う部下、お主しか見た事が無いぞ!クビじゃクビ!不敬罪でクビ!」
「よろしいので?私はこの国の財政、内政、外交、軍事等、全ての行政を司っております。私の代わりなどこの国に居ないのですよ!」
「ぐぬぬ…コイツ口先だけじゃなく、実際凄い優秀過ぎるからクビに出来ない…貴様!謀ったな!」
「何のことですかね?」
「ぬがーーー!!!誰か助けてーーーー!!!」
この先、どうなりますことやらw
【スレイン法国】
「陽光聖典の失踪はかの王国の戦士長からも裏付けが取れている。人間守護を掲げる我等への挑戦。早急に冒険者リューシは全戦力を持って倒すべきだ。」
「いや、そういう訳では無い可能性があります。陽光聖典の失踪前、辺境の村を襲っていた偽装兵が帰って来ていたそうで、罪の無い村人を殺したことで怒りを買っていたことが彼等からの最後の報告で分かっています。ニグン隊長は彼等をまず森から秘密裏に殺し、それからガゼフ・ストロノーフを
「先に襲ったのが陽光聖典だとしたら、冒険者リューシをプレイヤー様と仮定すれば、プレイヤー様への攻撃により、とんでもない天罰が降るやもしれません。プレイヤー様とのファーストコンタクトに失敗したと考えることも出来ます。考えうる限り最悪の可能性です。」
「いや、八大魔神のように我々の神に相対する者だった可能性もある。まだ最悪とは決まっておらん。」
「陽光聖典の今回の任務内容にも問題があったと。これからは無償の民への無闇矢鱈な殺傷は控えるべきだ。」
「もしかしたら、それが原因やも知れんしな。現にエ・ランテルでの彼等はまさに人類善。アンデッド達から民を助ける行いに他ならない。それに、我等の国の反逆者を我等に代わって成敗してくださったそうだ。」
「元漆黒聖典、クレマンティーヌだったか。冒険者リューシに敗れ、彼等の仲間となったそうだが、元から繋がっていた可能性もある。十分に調べてから接触を試みた方が良いだろう。」
「何を言うのですか?我等人類は未だに安定した生活という物を手に入れられておらん。犯罪、亜人や異形による襲撃、貧困、無神論者達の冒涜。一刻も早く神をお招きし、我等の上に立って貰わなければこの2、3年で人類が滅ぶやも知れません。評議国も我等との世界盟約を破り、我が国に攻めた来るやも知れません。安全な土地等何処にもないのですよ。」
「待ちなされ、ベレニス殿。まだ冒険者『白妙の漆黒』がプレイヤー様とは断定出来ない現状、自国の犯罪者の擁護、陽光聖典の突然の失踪、これらを考慮すれば、我が国がプレイヤー様をお招きするには戦力が足りぬ。悪しき神だった場合、抑えられる程の戦力が評議国込みでやっと。善神だったとしても、国力の低下した我が国を偉大なる御神にお見せする訳にもいかんじゃろう?今は陽光聖典の再編成と彼等の捜索、そして冒険者リューシ一行の動向を観察することを行った方が良いと思うのじゃよ。」
「確かにその通りですなぁ。ジネディーヌ殿の案に儂は賛成する。」
「私も同意見です。今の我が国はエルフ国との戦争もあり、疲弊してしまっている。国力の向上に今は努めましょう。」
「急いては事を仕損じる。神を早急にでもお招きしたいお気持ちは分かる。儂も同感じゃ。しかし、人類の存続の為には失敗は許されん。ここは手堅く行こうではないか、ベレニス殿。」
「私とした事が、少し急ぎ過ぎましたね。確かに冒険者リューシ一行が悪神の現界した姿である可能性がある。我等がスレインの地を他の神が侵略するような事が有れば、我らは大罪人として歴史に名を刻むことになるでしょう。慎重に行くこともやはり重要という事ですね。ジネディーヌ殿の意見に賛成です。」
「うむ、我が国の特殊部隊の失踪への関与の疑い、犯罪者の擁護、この二つは見過ごす事が出来ませんな。私もジネディーヌ殿に賛成ですね。」
「陽光聖典の不在、火滅聖典はエルフ共の鎮圧、水明聖典、風花聖典双方は諜報に回している為戦力には期待が出来ん、そして、我が国最強の特殊部隊、漆黒聖典を行かせている以上、神に対抗しうる存在が枯渇している今の我が国では、到底神を抑える事も招く事も不可能。時期を見て判断する方が良い。ジネディーヌ殿の案を全面的に肯定する。」
「満了一致により、ジネディーヌ殿の原案を可決とします。」
「「「「「「異議なし!」」」」」」
「これにて、第…」
「会議中失礼します!大変です!我が国の特殊部隊、漆黒聖典の一行がトブの大森林内で何者かの襲撃に遭い、現在2名が死亡、カイレ様を含む4名が重症を負う被害が!作戦の続行が困難になりましたぁ!」
「何だと?」
【漆黒聖典 野営地】
「何てことをしてくれた…神聖呪歌。」
「申し訳ありません…」
「あの圧倒的な力の流れ、あの莫大な魔力量を保有しつつも弓矢と槍にも長けていた…あの超常の力、考えられる存在はぷれいやー様のみでしょう。」
「分析感謝する。もしもあの亜人達がぷれいやー様達だったのならば、事態は最悪だ。カイレ様は重傷を負われ、庇おうとして殺害されたセドランとエドガール。そしてぷれいやー様のお怒りも買った事になる。」
「その線が濃厚でしょう。」
「とにかく、この事は国に素直に報告すべきでしょう。ぷれいやー様のお怒りを買ったともなれば、国に何かしらの良からぬ影響が起きるやもしれません。」
「しかし、我々の失態が露見する事に…」
「ん〜、それはナイでしょうねぇ。ワタシタチのソンザイはあくまでヒミツ、報じればたちまち国の混乱をおおいに招きかねない…あくまで上層部のカタタチだけに知らせればイイとオモうよ〜?」
「次は無いぞ、神聖呪歌。もう二度と指示を無視した行動は取らぬよう。さて、我々のすべき事はただ一つ、ぷれいやー様への嘆願だけだ。まだぷれいやー様とは断定出来ないが、何としてでも最悪のケースは阻止しなければならない。破滅の竜王の討伐を持って、償うべきでは無いか!一時国に帰還次第、破滅の竜王の討伐に当たるぞ。」
「はっ!」
(この件を番外が耳にすれば最悪、法国から飛び出しかねない。全く…この先嫌な予感がするな…)
【アーグランド評議国】
「久方振りじゃの?ツアー。」
「…」
「どうした?しばらく見ないうちに言葉を忘れてしまったのかのぉ?」
「…まさか。かつて共に旅をした旧友の姿を見て、少し感動に打ち震えていただけさ。相変わらず君は変わっていないなぁってね。」
「六百年以上もの間此処で生きているお主がよく言う物よ。ところで、わしの仲間の鎧は何処に行ったかい?」
「…あの時のことはもう謝ったじゃないか、もうそのことで弄るのは止めてくれないかい?」
「わしが満足するまでするに決まっておろう、カッカッカッ!」
「全く…僕の鎧は今さっき壊されたばかりだ。」
「お主の鎧を壊せる者等、この世界では数える程しかいない…百年の折り返しじゃな。」
「そうだね。そして、今回のぷれいやーは一筋縄では行かないかな。」
「お主がそう言うということは、余程の強者揃いということかの?」
「それもあるし、何故だか彼等は以前のぷれいやー達とは違う気がするんだ。」
「どういった点が違うのか教えてはくれんか?」
「彼等は賢明だ。度が過ぎるほど、ね。そして仲間想いでもある。そして何より、この世界の最強種は自画自賛かもしれないが、竜種に相違はない。そして、竜種と彼等が戦争になれば、確実に我等竜種は壊滅するだろう。」
「そ、そこまでの相手なのか?」
「匂いを感じたんだよ。同族の濃い匂いを。恐らく彼等は竜のことを知り尽くしている。竜と触れ合い、戦い、弱点や性格まで全てと思った方が良い。今回の僕の敗因は思考を容易く読まれた事にある。そして悟ったよ…僕だけでは勝てない、とね。」
「ふむ、スレイン法国と手を結ぶのが良かろうな。それとも十三英雄の再結成かの?カッカッ、冗談じゃ…」
「両方とも、だね。」
「ほう、思い切ったのぉ。それとも、そうさせる何かがそ奴らにはあったということかの?」
「その通りだよ、リグリット。そして懸念していたあのリューシという冒険者もやはり、ぷれいやーだったようだ。それに新たな謎のスケルトンも現れた…あのぷれいやー達は確実にヤバい。直感がそう言っているんだ。だから、僕はこれからあのぷれいやー達の居場所を探る為、また新たなる旅に出なければならない。…リグリット、」
「一緒に来てくれないか?って言うじゃろうなぁ、お主のことじゃから。そしてワシが断る理由等何処にあるというのかのぉ?」
「…君という仲間を持てたことに今とても感謝しているよ。少し悪戯好きだけど。」
「カッカッカッ!悪戯好きで何が悪い!何事も楽しければ良いのじゃよ。」
「果てしない道のりになりそうだな。」
「お主はこの穴倉で寝そべっているだけじゃろうが。歩かされるこっちの身にもなれや本体。」
「本体って呼び方やめてくれ…全く、君は本当に全くだよ。」
【???】
(hehe、シャルティアはオレのことをシャボンヌにはなせなかったようだな。まぁいまバレるとのちのちめんどうだ。いまはせんぷくがよいだろう。しっかしまさかツアインドルクス・ヴァイシオンとせっしょくとは、オレはなかなかうんがいいようだな。)
(さぁ、コチラのつよさはじゅうぶんしってもらっただろう。ツアインドルクス・ヴァイシオン、スヴェリアー・マイロンシル、
(オレは何でもするぜ?オレの誰も死ななくていい世界を守る為ならな。)