ある転生者のオーバーロード   作:Solo Mon

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8.突撃!初めてのなざりっく! 前編

 天空城崩壊後4か月が経った。

 

 アースガルズへの出張(ギルド潰し)を終え、再びミズガルズに帰った僕は、

 ヘルヘイムのナザリックに行く為の準備をしている。

 あの後計7個のギルドを壊滅させた。

 その中には上位30位以内のギルドも何箇所かあったらしい。

 

 

 ヤッベ! やり過ぎたァ! 

 

 知らぬ間にユグドラシル掲示板の一角には「竜星叩き落とスレ」が出来上がっており、300人近くがウチのギルドを潰そうと目論んでいるらしい。

 

 アインズ・ウール・ゴウンの1500人よりはマシか。

 そうそう、一方でその

「1500人に攻められる予定」のアインズ・ウール・ゴウンはというと、何と2ch連合に喧嘩売られて、逆に報復したらしいが……

 今の2ch連合って確かギルド構成員が三千人の超大型ギルドやん! 

 1500どころでは無い状態なんですけど! 

 モモンガさん達大丈夫かな〜

 加勢しに行くことも視野に入れとかないとなぁ。

 取り敢えず今日は最強NPC爆誕を報告しなくては! 

 

 


《モモンガサイド》

 

 今日は久しぶりにシャボンヌさんが来るらしい。

 今朝メールを確認してところ、一通の宛先不明のメールが届いていた。そこには

 

 〝今日そっちにお伺いします。僕の娘を紹介したいので

 byシャボンヌ〟

 

 と書かれていた。

 

 ……娘? 

 あの人娘さんいたのか〜知らなかったなー。

 って言うことは既婚者? あの人リア充? 

 嫉妬マスク持ってるって言ってたじゃないですか! 注)言ってないです。

 仲間に裏切られた気分。(←勝手な妄想です。)

 まあ、私怨で友人を一人失うなんてことはしたくはないな。

 

 ────

 

 この旨を他のギルドメンバーに伝えた時は、皆驚いてすぐ歓迎の準備を手伝ってくれた。(嫉妬マスク同盟陣以外は……)

 

 シャボンヌさんは不親切にも到着時刻を教えてくれなかった。あの野郎〜! 

 いつ来るか分からない為、待つこと五時間。

 流石に待ちくたびれて、PKに行こうとした時、『伝言(メッセージ)』が届いた。

 

『お久ーモモンガさん、元気してました? もうじき着きますよー』

 

『シャボンヌさん! ちょっと! いつ来るかくらいちゃんと書いておいて欲しかったんですけど……』

 

『すいません! ワールド間の移動準備に手間取っていたので……』

 

『まぁ別に良いですよ。ところでその、娘さんというのは?』

 

『俺が4か月丸々費やして作った、かなりの自信作ですよー』

 

『えっ、まさかNPCなんですか?!』

 

『そうですけど……あっ、あ〜これはやらかしたかも。メールの娘というのを……』

 

『シャボンヌさん自身の娘さんかと』

 

『やっぱりか〜、ギルメンの方々にはどう伝えていますか?』

 

『シャボンヌさんが娘を連れて来るそうですと』

 

『まずいな、十中八九誤解されてるじゃん』

 

『次からはちゃんとメール書いてください』

 

『ハイ……』

 

 自分のNPCに娘と……まいったなぁ

 メンバーにどう伝えれば……

 

 茶釜さん始めとする女性陣はノリノリで「お姉ちゃんが案内するからね〜」とか妄想の世界に入ってるし、

 ペロロンチーノさんはさっきからずっと「ロリですかね! ロリですよね!! Yesロリータ、Noタッチ!!!」という調子だし、

 ウルベルトさんを筆頭とした嫉妬マスク同盟の男達は「おのれ〜」とか「裏切りやがって〜」とか呪詛(リアル・カースト)唱えちゃってるし、

 ごめん! 頑張って! シャボンヌさん! 

 


 

 やっと着いたけど、ちゃんと誤解解かなきゃな〜

 お、入口前に多くの人影が。出迎えにきてくれたのかな? 

「お久しぶりですねーシャボンヌさん、ところで、ロリが見当たりませんが」

 

「えーと、どういうことですか?」

 

「モモンガさんにはさっき説明したんですが、娘というのは自分が手掛けたNPCのことでして……」

 

「「「紛らわしいわ!」」」

 

「はい……スイマセン」

 

 ────

 

 一騒動あったが、初ナザリックだぜい! 先ずは第一階層を、罠掻い潜りながら進み、次に第二階層のシャルティアのいる

【死蝋玄室】へ。

 中は案外広く、そして薄暗い。

 大きな寝台と、全てが黒色美の豪華な家具が室内を占めている。

 室内にテーブルランプの赤い光が仄かに広がる。

 ここの案内役であるペロロンチーノさんの

「ようこそ、我が()()へ。」

 という台詞を完全無視(パーフェクト・スルー)しながら、部屋の中心に佇む一人の真祖の吸血鬼(トゥルー・ヴァンパイア)に向かう。

 

「この()がペロロンチーノさんの嫁の……」

 

「そう! 俺の愛すべき嫁にして、俺の全て(性的趣向)が詰まった吸血鬼少女! シャルティア・ブラットフォールン人呼んでシャルティア! いやぁ〜シャルティアはロリ処女美少女でありながら性に開放的だというまさに奇跡! 奇跡の存在で、その性的趣向はレズから死体愛好家(ネクロフィリア)まで幅広いジャンル! 両刀で男でも女「も、もういいです、魅力は十分伝わりましたから!」……後、俺の嫁が魅力的だからって、手を出さないで下さいよ! あっでも男2人が女の子を組み伏せた形の3Pも……」

 

「話は変わりますが、シャルティアちゃんとの結婚式は? 嫁と豪語しているなら、まさかやっていますよねー???」

 ペロロンチーノさんが色々と暴走しそうだったので、途中で話題を変える。

 

「なんでこった! 結婚式挙げてない!」

 

「ぶくぶく茶釜さんもたっちさんも、ゲームだから許してくれると思いますよ」

 

「え〜そうかな〜?」

 

「それか僕達だけで秘密裏に行うとか」

 

「う〜ん、どうしよ」

 

「全面協力しますよ? モモンガさんも分かってくれると思うし」

 

「じゃあ、やりますか! シャルティアが俺の1番に……あ、言ったからには、ちゃんと協力してもらいますからね!」

 

「じゃあ僕も式に参加させてくださいよ。約束です」

 

「勿論です! やるなら盛大にしなきゃなぁ……」

 苦笑しながらもう一度吸血鬼娘の顔を覗き込む。

 

「初めまして、僕はシャボンヌ。どうぞよろしく」

 

「NPCに語りかけるとは中々斬新な……」

 

「僕はNPC達にも意思があるように思えてしまうんです。……運営から縛られているだけで、ちゃんと自我はある、みたいな?」

 

「NPC達に自我が……もしもそうならどれ程良いか! ック! 悔しいですよ、俺は」

 

「この世界だと過度な接触も禁止されていますからね」

 

「そうなんですよ! 可愛い嫁に抱きつく事さえ出来ないなんて、おかしいと思いませんか??」

 

「でも下手したらアカウントをbanされてしまいますからね、従うしか無い」

 

「もしもリアルにシャルティアを連れて行けたらな〜」

 

「リアルでヴァンパイアなんて現れた暁には、真っ先に殺されますよ」

 

「あー何て世知辛い世の中だ(涙)」

 

 そんなこんな話した後、【死蝋玄室】を後にする。

 

 同階層にある【黒棺(ブラック・カプセル)】には当然行かなかった。

 

 第三階層を進み、第四階層の湖で『ガルガンチュア』を起動してもらい、あまりのデカさについ驚いて興奮してしまった後、

 第五階層【大白球(スノーボール・アース)】へと向かう。

 

 ここで案内役が武人建御雷さんとぶくぶく茶釜さんに交代した。(「弟に何か言われたりした?」byぶくぶく茶釜)

 向かう途中、気候による影響を無くす指輪を付ける。

 遠くに整列する雪女郎(フロスト・ヴァージン)と巨大な白い造形物が見える。

 

「いや〜でっかいですね〜あの建物は何というんですか?」

 

「【大白球(スノーボール・アース)】ですよ、シャボンヌさん」

 

「ほー、あの中に建御雷さんの作ったNPCの……「コキュートスだ」……ありがとうございます。コキュートスがいるんですか。どんな姿をしているんですか?」

 

「『蟲王(ヴァーミン・ロード)』なので虫っぽくなっていますが、基本武士です。全体色は、ここに合わせてライトブルーにしています」

 

「コキュートスと是非手合わせさせてもらっても?」

 

「構いませんが、何故?」

 

「武人の建御雷さんが作ったNPCだし、戦いが好きそうかな〜と」

 

「? NPCに意思は無い筈だが……」

 

「ウチの愛娘を見て分かる通り、僕はNPCに意思があると思っているので」

 

「あ〜感情移入ってやつね〜」

 

「exactly! その通りです茶釜さん!」

 

 麗しい雪女郎(フロスト・ヴァージン)達の列を抜けて、【大白球(スノーボール・アース)】の中に入る。内装はとても質素な物だが、刀置きやら研ぎ石やら、戦場に出る武将の私室に置いてありそうな物品まであり、製作者(武人建御雷)の武士道精神と丹念さが窺える。

 

「うはぁーたっか〜。2メートル半位はあるよ」

 その部屋の中心部に立ち尽くす、大きなライトブルーの虫を見上げながら、僕は言う。

 

「どうですか、カッコいいでしょう! 何せ造形やポーズには特に力を入れたのでね」

 

「ム、やっぱり戦い好きな目をしている」

 

「えっそう見えるの? 私にはさっぱり……」

 

「何となくですよ。コキュートスの武器は?」

 

「いずれ俺の最強の一振りが完成したら、俺の剣を託そうと思っているが……今はこの『斬神刀皇』と『断頭牙』、『ブロードソード』に、『銀世界(メイス・オブ・モンデダージェント)』で我慢してもらっている」

 

「ん? 最強の一振り?」

 

「今俺が手掛けている刀だ。いずれはギルド武器をも超える物を作るつもりだ」

 

「完成品が待ち遠しいですね〜」

 

「まだまだ未完成だがな」

 

「完成させたら僕にも見せてくださいよ? 約束ですから」

 

「ああ。何せ最高の物を作るつもりだから、最高の物だと認めてもらう為に当然他の人にも見せるよ」

 

「じゃあコキュートスと模擬戦してから行きましょうか」

 

「じゃあ互いにこの『木刀』を持って、先に頭を叩いた方が勝利っていうのは?」

 

「それ採用します〜」

 

 数分後、コキュートスと僕の準備が整い、開始の合図が響く「『戦闘開始』!」

 

 互いに地を蹴り、4本と1本が交差する。

 僕は持ち前の剣道の経験から、コキュートスの攻撃をすべて見切り、全ての剣撃を回避する。

 コキュートスの刀を受け流し、受け止めつつ、相手の隙を狙う。

 コキュートスが上段から振り下ろした刀を踏み台にして上へ高く飛び……

「めぇ──ーん!」

 タァーン

 

「『そこまで!』」

 

 結果勝ったのは僕。

 流石にゲームの基本戦闘AIに剣道五段が負ける訳が無いか。

 

「すっご〜い! さすがだね! シャボお兄ちゃん!」

 

「茶釜さん、ロリボイスは流石にやめてください。あとシャボお兄ちゃんって何ですか!?」

 

「ごめんなさーい☆キラッ」

 

「ったく」

 

「コキュートス。高みを目指せ。そこで待っている」

 茶釜さんと馬鹿な会話をする一方で、コキュートスにギリ届く位の音量でそれらしいことを言う。

 転移後に、今度は本気で戦えるように。

 


 

 コキュートスの武器を一部提造

 メイス→『銀世界(メイス・オブ・モンデダージェント)

 

 2ch連合がアインズ・ウール・ゴウンに喧嘩を売ってきたのは、アインズ・ウール・ゴウンのPKKの激化による物。

 激化した理由は別の世界で猛威を振るう()()と出会ったということが大きい。

 よって、全責任はシャボンヌにあり。

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