ある転生者のオーバーロード   作:Solo Mon

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9.突撃!初めてのなざりっく! 後編

大白球(スノーボール・アース)】で武人建御雷さんと別れた後、

 第五階層を離れ、次に行くのは第六階層【ジャングル】。

 

 ここは確か、双子の闇エルフが守護している階域だ。

「アウラ・ベラ・フィオーラとマーレ・ベロ・フィオーレですか……何というか、名前が長いというのに、強そうというより可愛いらしさを感じます」

 

「ウチのアウラもマーレもナザリック一! そう、ナザリック一可愛いからね! 名前から可愛いオーラ全開なんですよ!」

 

「しっかし第六階層は本当に綺麗ですね。夜空とか森林の再現度とか……これは茶釜さんが?」

 

「いや、ブループラネットさんだよー」

 

「あ〜あの種族『樹木の精霊』木祭司(ドルイド)の! ブルプラさんと一度じっくり話し合いたいです〜」

 

「確か、お仕事が確か自然科学系でしたっけ? 多分話しが合うと思いますよ」

 

「あ、あれが【円形闘技場(アンフィテアトルム)】の入り口ですね」

 

「アウラとマーレ、魔獣達をあの中に予め待機させてあるから、見学ご自由に。あ、あと、見た感想をお願いね〜」

 

「えっ茶釜さんがNPCの紹介をしてくれるんじゃ……」

 

「中でたっちさんとウルベルトさんに交代して、見張りに行かないと行けないからね」

 

「2ch連合の奴らですか……」

 

「そう、定期的にやってくんのよ。それじゃまたね! シャボンヌお兄ちゃん!」

 

「マジでロリボイス攻撃やめてほしいのですが……」

 

 こうして、茶釜さんと闘技場前で別れ、僕は闘技場内へと足を運ぶ。

 

 第六階層【円形闘技場(アンフィテアトルム)

 古代ローマのコロッセオをモチーフに作られており、直径は188メートル、短径は156メートルにも及ぶ。

 一階はドーリア式、二階はイオニア式、三階はコリント式という建築方式に其々別れている。

 暫く進むと高さ48メートルの障壁が眼前にそびえ立ち、壁には至高の四十一人の像らしきものが置かれていることが確認出来る。

 壁の一部分にあるアーチ状の入り口を通り抜ける。

 闘技場への通路は薄暗く、それとは対照的に闘技場からの眩い光が差し込む。

 闘技場に立った僕が最初に目にしたものは

 

 眼前で座り込み、此方に首をもたげて眠る巨大な竜の顔面だった。

「うお、ビックリした!」

 

 すると、前方から声をかけられる。

 

「よう。やっと来たか」

 

「随分長かったですね、何かあったんですか?」

 

「すいません、ついつい見入ってしまいまして(^^;; 本当にすごいですね! ここは」

 

「気に入ってくれたようで何よりです。大方、()()()()にNPC愛を語られたからですかね」

 

「それもありますが、やはりペロロンチーノさんとシャルティアの結婚式について話したことや、コキュートスと軽く手合わせしたことだと」

 

「おいおい、あの鳥人(バードマン)実の娘に手を出すつもりなのかよ(呆れ)」

 

「もう自分の嫁って豪語している時点でアウトだと」

 

「まあ、ぶっちゃけどうでも良いがな。そこのクソたっちはどうか知らんが」

 

「ゲームキャラと結婚する位で何かする訳ないじゃ無いですか? あと、私より女性メンバーの方々の反応が問題だと思いますが、何故私だけに突っ掛かってくるんでしょうか?」

 

「その態度が一々気に入らねぇ! そのあからさまな善人アピールを止めろや」

 

「アピールなんてしていませんよ。私は自分の『正義』をモットーに生きているので」

 

「正義正義煩えよ。お前が正義なら俺は俺の『悪』を貫き通す。テメェには一生分からないだろうがな」

 

「私もわかりたく無いですね。あなたの言う悪の美学は」「あの〜」

 

「どうやら戦うしか無いようだな」

 

「貴方は仮にも仲間。戦いは不本意ですが、受けて立ちましょう」

 

「「決闘(PvP)だ!」」

 

「ちょっと待てーい!」

 

「何ですか? シャボンヌさん! これは彼と私だけの問題! 貴方は首を突っ込まないで頂きたい!」

 

「クソたっちをやっと潰せる機会が回ってきたんだ、せっかくのチャンス邪魔すんじゃねえ!」

 

「もしもし、モモンガさん、二人が喧嘩しています。至急応援を」

 

「「ストップ、ストーップ!!!」」

 

 ────ー

 

「こういうポーズはどうでしょうか?」

 

「我が闘技場へようこそ。挑戦者よって言う感じですね」

 

 たっちさんとウルベルトさんの喧嘩未遂騒動の後、侵入者の歓迎用ロールプレイを作ることに決めた。

 いや、話が急展開過ぎてワロタw

 

「ダセェ」

 

「こっちに目も向けてない内からそういうこと言うのやめてくれますか?」

 

 相変わらず二人共結構危なっかしいが。

 

「ウルベルトさんは何か侵入者に言わなくて良いんですか?」

 

「俺か? 俺はな、『良く頑張ったが、とうとう終わりの時が来たようだなぁ。喜べ! ここがお前の死に場所だぁ!』だな」

 

 ブ◯リーじゃん。

「如何にも悪役な台詞ですね! (適当)」

 

「実際、俺は悪だからな。悪の感情こそ我が原動力だ(ニヤァ」

 

 ウルベルトさんが凶悪な笑みを浮かべる。

 その姿は何処からどう見ても最恐の魔王そのものだった。

 ぶっちゃけモモンガさんより怖い。

 

「そうだ! そこにいるアウラちゃんとマーレくんにもポーズ取らせたらどうでしょう?」

 

「それ賛成」

 

「私も良いかと。私だけだと少し恥ずかしかったですからね」

 

「よし! じゃあ少し待っていて下さいね」

 

 〜15minutes later〜

 

「じゃあ、行きますよ? 一回しかやりませんからね?」

 

「大丈夫ですちゃんと記録しますから」

 

「いや、記録は勘弁してください」

 

「ほいじゃあカウント開始! 3、2、1、ゼロ」

 バッ

「我等が神域に足を踏み入れる者達よ、引き返せ。然もなくば、其方らは神をも恐れぬ愚者として、ここで命を散らし、我が神の糧となるのだ!」

 

 片手で剣を勢いよく引き抜き、真っ直ぐ前へ突き出す。

 もう片方の手で盾をアイテムボックスから瞬時に取り出し、取手から盾の上部を掴み、真横に置く。

 右にアウラが、両手で鞭を肩に掛けて左足を前に突き出した姿勢のまま、フェンの上に立つ。

 左にマーレが、右手で黒い歪に曲がった杖の先端を前方に突き出し、もう片方の手で右手首を支える。

 周囲を円形に魔物達が取り囲み、綺麗な円陣を組む。

 

「いや〜圧巻でしたね〜」

 

「まあまあ良かったかな? まあ俺のポーズの洗練さには敵わない……よな?」

 

「うわっ、めっちゃ恥ずかしい」

 

「大丈夫です! かっこよかったですから」

 

「そういう問題ではなくてですね……」

 

「勿論撮ってましたから何回でも見れますよ」

 

「撮るな! というか消して──!」

 

 たっちさんの意地悪。

 そういうことはウルベルトさんの役目では……? 

「誰があんな小悪党みたいなことするかっ」

 

「ウルベルトさん?! ……今心読みました?」

 

 ────ー

 その後、アウラとマーレの頭を一頻り撫でてやり、クアドラシルやフェンを始めとする魔獣達を眺めた後、第六階層を後にする。

 

「次は第七階層ですね。ウルベルトさんが作ったデミえ……デミウルゴスの守護階域の」

 

「俺のNPCを何と言い間違えたかは敢えて突っ込まんぞ」

 

 第七階層【赤熱神殿】

 其処は古代ギリシアのパルテノン神殿を模しており、白い石柱に囲まれる長方形の建造物である。

 神殿には破損の痕跡があり、神殿周囲には折れた石柱が無造作に倒れている。

 辺りには灼熱の溶岩やマグマが流れ、丘の上にある白い神殿を一際引き立てるように、下から白とは対照的に赤く光る。

 僕は溶岩流に落ちないよう、教えてもらった通りに罠を回避する。

 因みに、罠にかかった者は溶岩流内に転移させられ、溶岩による継続ダメージでキルされるようだ。

 

「ふぅ、やっと着いた〜」

 

「初めての人には結構キツイですかね」

 

「まあ、初見殺し用の罠ばかりだからな。ここら辺」

 

「予め罠位解除して置いた方が良いって言ったんですけどね? 何処かの誰かさんは全く……」

 

「オイ、それ誰の事言っている?」

 

「別に、誰でも良いじゃないですか? それとも何か心当たりがあるとか?」

 

「少し気になったから聞いただけだ。他意は無い。あと、その誰かとはギルメンのことだよな? 仲間を侮辱するのは許せねぇが?」

 

「侮辱とは過大解釈し過ぎでは? 私はそのような言葉一言も言っていませんよ? 貴方の考え過ぎでは?」

 

「あぁ?」

 

はい! では早速中に入りますか!」

 

「コイツと一緒だけは絶対に嫌なんだが」

 

「はぁ、では私は少しこの辺りを見回ってきますね」

 

 こうしてたっちさんとしばし別れ、ウルベルトさんと共に薄暗い神殿の中を歩く。

 たっちさんとウルベルトさんが互いにメンチ切っている姿を視界の端に追いやりながら、俺は神殿の奥へと入っていく。

 

「この子たちが『炎の三魔将』ですか。左から嫉妬(エンヴィー)強欲(グリード)憤怒(ラース)と」

 

 カラスの頭に黒い羽を模した衣服を着る女性の悪魔『嫉妬の魔将(イビルロード・エンヴィー)』、

 黒い鎌と腹部の開けた黒い鎧を装備し、頭部から生える一対の角と、背中から生える翼が特徴的な悪魔『強欲の魔将(イビルロード・グリード)』、

 そして、全身を硬質な鱗で覆い、頭から一対の金色の角を生やし、両翼から炎を噴出する、如何にも悪魔な姿をしている悪魔『憤怒の魔将(イビルロード・ラース)』。

 中でも、『憤怒の魔将(イビルロード・ラース)』は原作で聖王国悪魔襲撃事件の時にかなりの活躍をしていたと記憶している。ラース君有能! 

 そして、炎の三魔将の背後でこちらに背を向けて佇んでいる者が……

 

「あの子でしょうか? デミウルゴス君は」

 

「そうだ、良く出来ているだろう? デミウルゴスは。何せ俺の息子だからな」

 

 そっとデミウルゴスの側に寄る。

「目がよく見たら宝石なんですね。肌は色黒で髪は完全オールバック、尻尾は……これ銀で出来てるのか。銀のプレートが何枚も貼り付いていて、ここにトゲが、全部で6本」

 

「お、おい、いくら俺の作ったNPCが凄かったとしても、そこまで見る必要なく無いか?」

 

「失礼しました。今まで見てきた他のNPCとは違う部類だったので」

 

「ハッ! ま、まさかお前……ホモだったのか?!」

 

「いや、違いますよ。何言ってるんスか(困惑)。ところで、デミウルゴスにはどのような設定を?」

 

「そうだな〜非常に残虐性が高いサディスト系だとか、絶望して泣き叫ぶ者の絶叫や悲鳴が好物だとか、ナザリックの知謀の将であるとかかな?」

 

「うわぁ〜めっちゃ酷い」

 

「酷いとはなんだ。悪魔らしい、だろ」

 

「いや、悪魔だけれど仲間は命より大切な物である、とか所謂ギャップ萌えが無いような……」

 

「ナザリックの者以外ってちゃんと載せているが」

 

「いや、直接文章で表さなきゃ萌えないでしょう!」

 

「あー分かった分かった! 設定ちゃんと変えるから、な? ほら、余白に書いておくから!」

 

「ギャップ萌えはキャラメイクでとても重要な要素ですから! あっそれか『嫉妬の魔将に恋している』とかどうでしょう! 真面目な上司が駄目だと思いつつも己の愛に打ち負け、遂には上下関係を超えた繋がりになるという、禁断の恋も……」

 

「あー確かにアリだな。息子には俺には来なかった青春を、か。ハハ……俺に女なんて必要ない。必要ないんだ……」

 

「ウ、ウルベルトさん?」

 

「ハハハ……別に羨ましいとか思って無いしな。確かに夜の公園でベンチに座ってたら向こうからカップルがやってきて散々目の前で見せつけられた時も、羨ましかねーしって思ってたし……」

 

「ウ、ウルベルトさん……」

 

 やっちまった。ウルベルトさんってそういや非リアだったわ。何故だろう、気持ちが痛い程よく分かってしまう……

 

「あ、あの〜戻ったらウルベルトさん意気消沈してるんですけど、何かありましたか? 大丈夫ですかーウルベルトさーん?」

 

「テメェには一生分からねぇ境地だよ!!」

 

「どうやら大丈夫そうですね。それで、一体何が?」

 

「あーハイ、実は……」

 

 ──────────ー

 

「と、そういう訳なんです。」

 

「それは酷いですね。ウルベルトさんは、まず人の話聞かない節があるからですかね」

 

「テメェの話なんか聞きたくねぇ」

 

「はい、少し落ち着きましょうか」

 そんなこんなで、僕等三人は第七階層を後にする。

 


 

 良かったね! 恋人が出来たよ! デミえもん! 

 ということで、デミウルゴス×エンヴィーになりました。

 方や上司、方や部下。決して恋に落ちることなど無い筈だった二人。

 果たして二人の恋路は成就するのか?! 

 

 すいません。

 やりたかったんです。反省はしていないようでしています。

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