笑顔をつくる物語   作:エヌラス

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クウガのプラモが届いてウキウキっすわ本当、生きててよかった。


page4. 共鳴

〜4日後・ある公園〜

 

「これは…、一体…!?」

 

そう言いながら氷川が遺体をみる、正確にいえば見上げる。

 

___遺体は木に埋まっていたのだ。

 

「よう氷川、俺も驚いたよ__なにせ木に穴を開けたとかどこも見当たらねぇんだ。ほんとに最初からそこにあったみたいになってやがる…」

 

「杉田さん、おはようございます。これで同じ事件が3人目ですね」

 

「ああ、しかも3人とも血が繋がった家族だ。遺されたのは弟1人だけ__ありゃあだいぶ精神に来てやがる…」

 

「未確認生命体対策本部が本格的に動き出しそうですね」

 

「いや、もう動いてる。だから俺と桜井も来てるんだ」

 

 

未確認生命体対策本部。2年前にあらわれたグロンギに対抗すべく警視庁が作った部だった。全滅したあとは1度畳まれたが、今再び復活し_G3ユニットの3人と杉田、桜井の2人が入ってきた。

 

「目撃情報もなし、頼みの監視カメラは死亡推定時刻辺りになると歪みやがってダメだ___存在が神秘すぎて映せねぇってか」

 

愚痴にも聴こえる言葉を吐きながら杉田が現場に指示を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後遺体がようやく地に着いた時は、その2時間後だった。

 

________

 

〜同日、弦巻邸・ガレージ〜

 

 

 

 

「また再び…ですか?」

 

相変わらず全身が黒い黒服さんに言われ、俺は頷き返す。

 

「最近の事件、我々も探ってはいますが今のところ全くもって情報が掴めません…、お役に立てず申し訳ない…」

 

「いえいえ…!ほんとありがとうございます!」

 

「ところで八意様」

 

「…?」

 

「アークルの調子はどうでしょうか?_あの日、戦った後からなにか進展は?」

 

俺の変身ベルトであり、ある意味自身の心臓でもあるアークルは三人で戦い、ガミオを打ち倒した際にあまりの無茶から半ば再起不能の傷を負った。正直様子はよく分からないがひとつ言えることがあった。

 

「俺が生きてるってとこは全然大丈夫っすよ!」

 

「そうですか___ではこれを」

 

そう言いながらガレージの奥にある袋を被ったひとつの物。その袋を取り外すと、中から見えたのは見慣れたバイクだった。

 

「ビートチェイサーです。我々も捨てるに捨てれずにずっと整備をしてました」

 

「ありがとうございます!」

 

俺は礼をして、ビートチェイサーのハンドルを握る

 

(懐かしいな、この感覚)

 

試しにビートアクセラーを取り出してみる。

 

(うん、あのまんまだ)

 

ビートアクセラーを再びしまい込み、ビートチェイサーに跨る。

 

「じゃあ俺行ってきます。また何かあったら連絡しますんで!」

 

「了解しました。こちらも再び探りを入れてみます」

 

俺と黒服さんはお互いにサムズアップをする。俺はエンジンをかけて弦巻邸から出て行った。

 

 

 

 

(また時間があれば、こころ達にも会いに行くか…)

 

 

_________

〜チュチュのマンション〜

 

「ぐぬぬ〜…」

 

パレオが悔しそうな顔をしながらある場所を見つめる。見つめている先はキッチン、そこには鼻歌を歌いながら料理をする翔一がいた。

 

「…?――どうしたんですかパレオさん!」

 

「い、いえ!!別に!!料理できるのはパレオだけで充分とか思ってないですよ!?」

 

「…?――――まぁ待っててください!」

 

「ぐぬっ…!!」

 

そんなやり取りを遠目に見るますきはこう思った。

 

(本人に悪意がねぇのが1番タチが悪いよなぁ…)

 

記憶喪失の翔一が来てから4日あたり、元からああいう性格なのかあまりにもポジティブなやつになってしまった。おまけに飲み込みが早く家事全般は全てこなせるようになった。しかも料理は美味いときた

 

パレオが唸っているのも、自分の役目が取られそうで気が気じゃないのだ。

 

(なんやかんやでチュチュもこいつが元からいたような顔してるし…)

 

まぁとにかく居場所が出来て良かったと思うべきなのだろうか…

 

「そういえば翔一!」

 

「どうしましたますきさん!」

 

ますきが呼ぶと、翔一から返事が帰ってきた

 

「なんか思い出したりしたかー!?」

 

「何も思い出せませんね…、霧がかかったみたいで」

 

「…そうか」

 

「でも!今こうやって生きてるからいつか見つかると思いますよ!」

 

「お前ほんとのんきっていうかなんというか…」

 

「まだ日数も経ってないからね」

 

レイヤがそう言う。意外とレイヤは見ているだけの人物だった。過保護になったりしねぇかなとか思っていたのだが…

 

 

――――――――――

〜月ノ森学園付近・PM.6:00〜

 

「ち、ちょっと…!やめてください!」

 

「えー!いいじゃーん!」

 

「君月ノ森でしょ!」

 

月ノ森学園付近で、倉田ましろは男集団に囲まれていた。みるからに柄が悪く着いて行ったら最後だろう。

 

「連れていこーぜ!」

 

金髪の男がそう言うと、ほかのメンバーが賛成する。そうしてましろの腕を掴んで―――――――

 

 

「おい」

 

「あ?なんだてめぇ」

 

気づけば、男たちの後ろにバイクから降りてきた男性が肩に手を置いていた。

 

「邪魔だ!あっちいけ!しっしっ!」

 

「お楽しみの邪魔だってのッ!!」

 

「あ、危ない…!」

 

そう金髪の男が言った瞬間、拳が男性に突き刺さり――――――

 

 

 

 

 

「ストレートすぎるぞ」

 

 

 

 

 

 

「ぐぇっ…!?」

 

そう男性が発すと、拳を避けて顎めがけアッパーを打ち込む。

 

打ち込まれた男はそのまま白目を向いて動かなくなった。

 

「お前らも同じ目に会いたいか?」

 

威圧的に男性が発すと、取り巻きふたりは即座に逃げ出した。

 

「た、助かった…」

 

そういった途端、地面に座るましろ。足に力が入らなくなっていた。

 

「大丈夫かお前」

 

「あ、ありがとうござい――あ…」

そう言い、手を差し伸べてきた男性。ましろは掴んで立とうとするがまだ恐怖があり立てなかった。

 

「…ほら」

 

男性は今度はましろに背を向けてしゃがむ。

 

「え?あの…」

 

「はやく、背負ってやるから」

 

 

 

 

 

「おーい!!しろー!!」

 

「ましろちゃん!」

 

その時だった。ましろを呼ぶ声がして2人は振り返る。桐ヶ谷透子と双葉つくしだった。

 

「友達か?」

 

「あ、はい…」

 

「ならもう大丈夫そうだな」

 

そう言いながら立ち上がり、バイクに戻っていく。大丈夫!?など様々な言葉をかけられましろは2人に両腕を担がれ立ち上がる。

 

「あの!!」

 

ましろが大きな声で男性を呼び止める。男性はヘルメットを被るのをやめて――――――――――――ヘルメットを落として男性も横に倒れた。

 

「え?」

 

「ウソ…」

 

「…!?」

 

ましろを担ぎながら男性に近寄る。

 

「くっ…!――うぁ…!!」

 

「…苦しんでる?」

 

「つくし!はやく救急車呼んで!!」

 

「わ、わかった!――ましろちゃんちょっとごめん!」

 

そう言われ、腕を離される。一応立ち上がりは出来ていた。

 

一体何が起こったのか、理解が出来なかった。

 

――――――――

〜同時刻・チュチュのマンション〜

 

「あともうちょいですからね〜!」

 

そう言いながら味付けをしていく翔一、手先が器用なのか綺麗に出来ていた。

 

「パ、パレオもできますよ!!」

 

(張り合ってる…)

 

その横でパレオが手伝い――――というより勝負が始まっていた。だが――――

 

「っ!?」

 

次の瞬間、翔一の手から皿がずり落ちて割れる。

 

「なんだ!」

 

皿の割れる音が聞こえたメンバー達がキッチンに集まる。

 

「し、翔一さんが…!!」

 

「う、うぅあ…!!――ぐあああっ!!」

 

翔一が頭を抱えて倒れ込んでいる。さっきとは打って変わって額には汗が浮かび、見ただけで相当苦しんでいるように見えた。

 

「翔一!!――翔一っ!!」

 

チュチュが叫びながら揺する。

 

「はやく救急車呼べ!!」

 

ますきの一言でようやく意識が現実に戻る。翔一は未だに苦しんでいた

 

――――――

〜同時刻・ある公園〜

 

(…外れか?)

 

八意想は、ビートチェイサーに跨りながら今回の被害者遺族の生き残りの監視をしていた。俺以外にも氷川誠も警護に着いていた。俺は近くの公園から監視し、氷川さんは車で監視

 

なんとなく血族が狙われてるのではないかという杉田さんの情報を頼りに見張ってはいるが一向になにか空気が変わる気がしない。

 

「これは黒服さんも居場所を掴みにくいわな…」

 

そう呟いて、氷川さんにちょっと見張りまかせて晩飯でも買うかなと思った瞬間だった。

 

(なんだ……)

 

さっきまで鳴いていた鳥が静かになった。風も吹いていないのに近くからガサガサという音が聞こえる。まるで何かが高速移動してるような…

 

「…あの――――っ!!??」

 

念の為に無線越しに氷川さんに警戒を頼むように言おうとした瞬間。俺は首を捕まれ投げられた。

 

「ごほっ…!げほげほっ…!!」

 

一瞬だが息が出来ずにいたせいで俺は仰向けになりながら咳き込む

 

(野郎…!張ってる奴から狙うつもりか…!?)

 

すぐさま立ち上がり、俺は姿を目にした。

 

「ヒョウ柄の、未確認…!?」

 

ヒョウ柄の怪物は俺を見ているが一切喋らない。獲物を捉えるがのごとく目を光らせていた。

 

(アイツらは言葉を発した…名乗ったりするときに、こいつらは違うのか…?)

 

アイツら――グロンギには戦う前には必ず名乗る謎のルールがあった。だがコイツは一切喋らない…

 

「…!」

 

俺は疑問に頭を抱えつつも腰に手を当てる。俺の戦うという意思に霊石アマダムは応え、アークルが腰に装着される。

 

「変身っ!」

 

久しぶりの変身ポーズをきめて、腰のスイッチを作動。アマダムが赤く光り――――俺は赤のクウガに姿を変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッ…!?』

 

 

目の前の青年が姿を変えて、ヒョウ柄の怪人――――ジャガーロード パンテラス・ルテウスは警戒レベルをMAXに引き上げた。

 

アギトではない…ならこいつは何者だ…

 

 

だがしかしこれだけはわかる。コイツは我々の任務を邪魔する者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なら殺すまでの事だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




〜感想〜

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