笑顔をつくる物語   作:エヌラス

141 / 149
この作品を執筆する時は1台のパソコンと、2台のスマホをフル稼働させておりますね…

片方はバンドリのストーリーなど、もうひとつはアギトをチラホラ再生しながら…

そして最近禁書目録にハマりました、
オラ想くん幻想殺し使うんだよあくしろよ


page16.邂逅

 

「……失礼しました」

 

そうして警視庁にある会議室の扉を閉めたのは、G3の装着者である氷川だった。前回の戦いの傷はすでにある程度癒えており、こうして上層部の人間と話せるようになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…!!!」

 

その後しばらく歩き、人気がない場所まで来た瞬間__拳を壁へと叩きつけた。

 

その怒りは不甲斐ない自分に向けられたものでもあるが、今回の警視庁の上の対応にも憤りを隠せずにいた。

 

 

『未確認生命体といってもねぇ……』

 

『回収されたG3のデータからは乱れた映像しか認識できないよ…』

 

『幸い4号の目撃情報があるからね、本格的な対応策は後回しでもいいのでは無いかな??私個人ではG3の装備が効かないということが_____』

 

 

 

 

 

「くっ…!!」

 

それにいつまでも彼に頼りっぱなしというのも氷川自身好みではなかった。

 

そんな彼からすれば警察の上の対応は不誠実極まりなかった。以前の未確認生命体事件の時、警察はかなりの被害を負っており、再び2年足らずで新たな脅威に対策をしなければならない。

 

上の人間からすれば、何かの見間違いでいてくれた方がありがたいのだろう。

 

(このままではいつまでも後手後手に回る羽目になる…、何か出来ることを探さなければ…!)

 

今の自分に出来ることを探そうと思い、おもむろにかけ出そうとした時だった。

 

「こんにちは、氷川誠」

 

まるで準備していたようなタイミングで現れた人物、その顔を見た瞬間氷川誠は顔を顰めた。

 

「お疲れ様です、北條さん」

 

ひとまず挨拶を済ませ、早々にこの場を離れようとしたが道を塞ぐ北條。どうやらそう簡単には通してくれないらしい

 

「…貴方の報告書、読ませていただきましたよ」

 

「そうですか」

 

「単刀直入に言いますが、実にバカバカしい内容で溢れている。まるでG3が壊れた責任をアンノウン?とやらに押し付けているようだ」

 

「またそれですか…、実際被害を受けている人も亡くなっている人もいるんですよ。それに目撃情報やG3の戦闘記録だって……」

 

「戦闘記録…?ああ、あんなもの今どきはフェイク映像や加工などでなんとかなる。目撃情報も何かの見間違いでしょう」

 

「……」

 

自らの見た事聞いたことが否定され続け流石の氷川も顔に青筋を浮かべる。それに気づいたのか北條が微笑んだ。

 

今にも激突しそうな雰囲気に、周りの警官もその道を避けて通ろうとする。

 

 

「おいおいお前ら!」

 

 

その空気に割って入ったのは、同じく未確認生命体対策本部の杉田だった。今にも殴り合いに発展しそうな2人の拳を手で握りひとまず落ち着かせようとする。

 

「こんなとこでピリピリすんな…!これじゃ本庁が地獄になっちまうぞ…!?」

 

「…申し訳ありません杉田さん」

 

「__それでは私はこれで」

 

頭を下げる氷川に対し、北條は1度軽く礼をしその場を立ち去る。歩いていく先には先程まで氷川がいた会議室があり北條は北條なりの意見があるのだろうと氷川も自覚する。

 

「災難だったな」

 

「いえ、それ程のことでもありません」

 

「悪いな、あいつも根は悪い奴じゃないんだ」

 

(根から腐ってそうな人ですけどね)

 

北條を見る杉田に対し、氷川は口には出さないが辛辣な意見を心の中で浮かべる。

 

「それにしても、4号…彼が何度も助けてくれたみたいだな。俺はあの報告書信じてるぜ」

 

肩を叩き氷川を鼓舞する杉田に、自然と笑みが零れてしまう。どうもこの人の前では警察としての自分を律するのが難しい…

 

 

そしてそのまま氷川は、G3トレーラーが格納されている場所へと向かった。

 

 

____________

 

 

 

 

「はぁっ…はぁ…」

 

傷つけてしまった、よりにもよってあの二人を…

 

姿を見られてしまった。2人に

 

戦うところを見られてしまった、自分でも分からない奥底から溢れる力……1度姿を変えてしまえば時間が経つまで自らの意思を無視して別の意思で拳を奮ってしまう。

 

(これから俺はどうすればいいんだよ…畜生)

 

右も左も分からない街をとりあえず走った、ただ彼女達に会いたくない一心で、会えば必ず何かを言われるのは百の承知だった。

 

ただ、その”何か”を想像するのが怖かった。優しい彼女達から吐き出される自らへの罵り、戒め、もしかするともっと酷いものかもしれない。

 

考えれば考えるほど頭の中に泥が詰め込まれるような感覚に襲われる。気がつけば街には雨が降っており、道行く人はみな傘をさしていた。

 

 

(雨…か)

 

津上翔一は傘を持っていない、まるで自らの心を映すかのように雨は容赦なく翔一の体温を奪っていく。

 

このまま冷たくなって死んでしまいたい、そうすれば腹の中に未だに残る呪いも消えてなくなるだろうか。

 

記憶すら失った空っぽの俺には未練なんて無い。ただ強いてあるとすれば……

 

やはり、彼女達ともう少し一緒に居てやれなかったことだろうか………

 

 

 

 

「えっ…!?あれ…!?傘は…!?てか服ボロボロじゃん…!!」

 

ふと、倒れかけた自分の目の前で女性の声が聞こえた。

 

「本当ですね……」

 

「じゃああこ傘さしてる!」

 

「わ、私もよんできます!」

 

次々と別の女性の声が聞こえる中、翔一は不思議な安心感を覚えて瞼を閉じてしまった。

 

翔一が倒れた目の前の建物、その看板には

 

 

 

 

 

 

____circle、と書かれていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。