最初は本当に、訳が分からなかった
いつも通りに皆で集まって
いつも通りに練習をして
みんなで教えあって
でもその日の帰り道…アタシ達の日常を壊すかのような信じられないような事が起こった。
Roseliaのメンバーの一人、宇田川あこが言った。
「最近、未確認生命体?ていうのがいるらしいんです!噂によれば人を殺しちゃうとか…」
「ち、ちょっとあこ…?もう暗いんだからやめよ…そういうのさ〜」
アタシ、今井リサは怖い物が大の苦手だ。おばけとか、聞くだけで泣きたくなってくる。
「でも…実際、長野県のある警察署に…こんな大きな蜘蛛の巣がはられてたり…」
白銀燐子がスマホを見せながら言ってきた。ネットニュースの大きな見出し一面に乗る凄まじく大きな蜘蛛の巣。少し拡大すれば人が見えている。それを見ながら歩く
「ココ最近、東京でもその未確認?とやらが何かをしているらしいわね…にわかに信じ難いけども…」
氷川紗夜もこれには難しい顔をする、燐子もネットニュースを見ただけで実際にはあっていない。
「友希那はどう思う?怖い〜ってなる?」
リサの幼なじみであり、Roseliaのボーカルである湊友希那はというと、曲のフレーズを確認していた、微塵も興味が無いらしい
「友希那はさ〜こうゆうの興味あるの?」
あえて聞いてみる。答えはほぼ分かりきっているのだが…
「私は興味無いわ、そんなの存在するとはおもえないもの」
「だよね〜…」
それにしても今いる場所は森林公園、木が沢山あり、少し夜は不気味だが、人気の公園。
今日はやけに人が一人もいなかった
こんなこともあるのかなとおもいつつ…不意に、前から来る人の気配に気づき前を見る。
「…!?」
そこにいるのは……………
「…え?」
そんな声を漏らしたのは誰か?
あまりの衝撃に鞄を落とす
そこにいたのは________人間ではなかった。
一言で表すなら、二足歩行の蜘蛛だ。
「ドッキリか何かですか…!?」
紗夜がそう言い、全員がそういうことかと気を抜きそうになる____が
辺りを見回すが、カメラらしき物はない。
紗夜が再び何かを話そうとした時には、もう相手は手から何かを出しこちらへと迫ってきていた。
「これ以上近づいたら……貴方捕まりますよ…!」
紗夜の忠告にはまるで目もくれず、手から生やした爪で刺そうと振り上げるが
咄嗟に皆で避ける。勢い余って電信柱に刺さった爪は、貫通していた。まるで豆腐のように
煩わしそうに爪を抜き、再びこちらへ来る。
そこでようやく言葉を出せたのは燐子だった。
「こ……これが、、未確認……生命体……」
足が震え、今にも泣き出しそうにしている。あこもたっているのが精一杯に見える。
「とりあえず逃げるよ!」
リサは2人の手を取り、走り出そうとしたが足が動かなかった。
(足…!動け…!動け!)
それはいわゆる恐怖からくるものだった。当たり前だ、怖いに決まってる、紗夜も動けなくなっていた。
友希那もだ、後ろにあるのはベンチ、どうすればいいのか分からない。声を…絞り出す。
「嫌だ…死にたくない…」
「はあああああッ!!」
「「…!?」」
『ッ!?』
その時だった。別方向から誰かが飛び出してきて、蜘蛛人間と転がっていった。
突然した声に私達も、蜘蛛人間もびっくりする。その証拠として蜘蛛人間は反応出来ず、アタシ達は全員腰が抜けた。
「…ぐわぁっ!!」
草むらでマウントを取り合っていたはずの人がこちらの前へと転がってきた。
ぽかんとしていた思考が、現実の世界へ引き戻される。目の前でアタシ達を庇ってくたのが、人ではなかったのだ。
目の前に居たのは白い人だった、というかまず人なの!?いやでも二足歩行だし…まだあの蜘蛛人間よりかは人間っぽい見た目してるし…
「こんやろ〜…!」
立ち上がり、再び構える白い人。
そこから先はまるで漫画みたいだった。でも演技じゃない、それだけは分かる。蜘蛛人間が有利かと思いきや、白い人(?)が有利になったり、それをしばらくしていると、ふいに、白い人の動きが止まる、それに首を傾げ声をかけようとする
次の瞬間白い人は刺された、血を垂らしながら倒れ呻く白い人、だが蜘蛛人間もダメージをおったのか、逃げてしまった。
とにかく現実味が無さすぎた戦いが終わった。白い人は腹部に刺さった爪を引き抜く、次の瞬間_____
腹から明らかにやばい量の血が出てきて、白い人は倒れた。
「大丈夫ですか!?」
得体の知れない人なのに、心配の声をかけずにはいられなかった
「………」
「…!?」
そして白い人の白い鎧が自然と消えていき、人間としての姿が顕になる。
同い年くらいの男の人…
「リサ姉!救急車呼ばないと!」
「あ、うん!そうだね!大丈夫ですか!?」
そうして彼は、駆けつけた救急隊の方に連れていかれた。
___後日、これはRoseliaだけの秘密にしようとなり、許可されたのであった。