笑顔をつくる物語   作:エヌラス

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( ◜ᴗ◝)و


第四章 過去とゴ集団
page52 身体の痛みと心の痛み


夏休みも後半。俺は一条さんに呼ばれてファーストフード店へと足を運んだ。

 

「どうしたんです?」

 

「最近、調子はどうだ?」

 

「はい、未確認も何体か倒せてますし順調ですよ?」

 

「そうか」

 

一条さんが難しい顔をしながら話を進める。

 

「実は新たな未確認は空を飛ぶんだ。何回か目撃情報が入っていてな、ヘリを飛ばして捜索してみたんだが…」

 

「だが…?」

 

「如何せん飛ぶ速度が速すぎてヘリでは対抗しきれなかったらしい。」

 

俺は頭の中であのハチ野郎を浮かべる。あいつは確か連射はしてなかった。緑のクウガなら…

 

「花咲川の上空を50音順に移動し、各地区の人間を9人ずつ殺害して回るという推測が出ている。しかも居場所の特定は困難。」

 

「そんな…」

 

「吹き矢を使い標的を射殺する、連射も可能で、視力と精度が高く、駆けつけた警官は皆心筋梗塞で亡くなっていた」

 

連射出来るという話を聞いた瞬間、俺はどうすればと思ってしまった。

 

「そこで、君のあの緑の力を貸してほしい…!あの力で地上から奴の羽ばたく音を捉えて攻撃してほしいんだ!」

 

「…わかりました。最善を尽くします…」

正直、あまり勝てる気がしない。となるとやはり金の力をつかって緑を強化するしかないと俺は考えた

 

『あまり…使わないようにお願いします』

 

黒服の声が頭をよぎる。

 

「俺はこれで、また何かあったら連絡する」

 

そう言いながら一条さんは会計を先に済ませて車に乗りどこか行ってしまった。俺はしばらく、その場に座り色々と考えていた

 

_________________________

 

 

〜次の日〜朝7時〜

 

「今日…そう言えば黒服さんに呼ばれてたな…」

 

クウガ関係のことは黒服さんに任せっきりにしていたので、その黒服さんがすぐ来いって言うぐらいだしなにかあったのだろう。

 

「とりあえず…行くか」

 

一応拳銃を入れたホルスターを腰につけて、俺はバイクに跨り弦巻邸に行くために走り出した。

 

 

『こちら一条!聴こえるか?八意!』

 

「え?一条さん!」

 

『今37号が上空にいると言う報告がきた!今どこだ!』

 

「羽丘女子学園の近くです!」

 

『分かった!屋上から行けないか!?』

 

「不法侵入はしたくないんですけど!?」

 

『…。頑張ってくれ』

 

「ああもう!」

 

俺は一条さんとの通信を切り腰からベルトを出す。

 

「変身!」

 

バイクを走らせながら青のクウガへと姿を変える。そのまま羽丘女子学園の側へよりバイクを停め、青のクウガの跳躍力で一気に屋上まで飛ぶ。

 

屋上へ着いて拳銃を取り出す。

 

「超変身…!?」

 

緑のクウガになろうとした時、どこかから矢が飛んできた。その矢は俺の持っていた拳銃に当たる。拳銃は下に落ちていった。

 

「正確すぎだろ…!」

 

もう1発、またもう1発、矢の嵐だ。俺は避けて下に落ちる、青のクウガのおかげでなんとか飛び降りても綺麗に着地できた。

 

「どこだ…?」

 

拳銃が見当たらない。周りを見渡すと、木の近くに落ちていた。取ろうと走り出すが拳銃の前に矢を放たれ妨害される。

 

_________________________

 

〜羽丘女子学園生徒会室〜

 

 

「つぐちゃぁ〜ん!」

 

「日菜先輩…頑張ってくださいよ…」

 

今日は、二学期の文化祭や体育祭の色々な資料を作ったりまとめたりをしていた。ここだけの話、文化祭も体育祭も花咲川と合同である。それに向けて、両方の生徒会は動き出していた。

「あれ?今誰か落ちませんでしたか?」

 

「つぐちゃん?どうせ鳥とかでしょ?」

 

パシン!と乾いた音がする。

 

「「!?」」

 

何かが地面に落ちたのだろうか。だがその乾いた音は2度、3度と続く。

 

「なんだろーねー?」

 

「あっ…日菜先輩!危ないですよ…?」

 

窓を開けて下を見る日菜の目が次第にキラキラしていく事に疑問に思い下を見ると…

 

「あ…」

 

青のクウガ、八意想が必死に何から避けて木に行こうとしていたのだ。だが何かに妨害されているのか一向に近づけていない。ちなみに音がないのでただ八意が転がったりしてるだけというシュールな絵面である。

 

「何してるんだろ…早く取ればいいのに」

 

「あっ日菜先輩!地面!」

 

「ん〜?あ、ほんとだ」

 

八意が避けた場所に少し火花が散る。その後、そこには何かが刺さっていた。

 

「ん〜?上になにかいるのかな〜?見えないけどな〜」

 

「危ないですって!頭守りましょう!ね!」

 

「見守るしかできないか〜」

 

ため息を零す日菜であった。

 

_________________________

 

 

「ふっ…!よし!ようやく取れた!」

 

俺はなんとか木まで近づき拳銃を拾い屋上まで飛び

 

「超変身!」

 

緑のクウガへと姿を変えた。拳銃がボウガンになり、俺はそれを上空へ構える。

 

「…!」

 

羽ばたく音が聴こえる、そこに狙いを定めようとしたが…発射音が聴こえて左に回避する。

 

その時、地面に着いた左足に電気が迸る。

 

「またっ…!くっ…!うぁ…!」

 

全身の激痛に耐えながらボウガンを上にあげる。そのボウガンの銃口に剣のような装飾がついた。

 

俺は緑の金のクウガへとなった。

 

「いける…!」

 

さっきよりも更に良くなった感覚を使い、ボウガンを上に構え直す。ボウガンを引き…

 

「くっ…!?」

 

その時、左肘に激痛が走った。左肘を見ると、血が滴り落ちている。

 

(奴の攻撃に当たった…いや掠ったんだ…!掠っただけでこの痛み…!)

痛覚も、さらに底上げされていたのだ。

 

「くっ…!」

 

左膝を着きながらボウガンを構え直す。そこにさらに一撃、今度は右膝だった。

 

「ぐあっ…!」

 

俺は仰向けに倒れる。痛いのだ、力が入らない。

 

また一撃、今度はみぞおち辺りに掠る。まるで相手は楽しんでるかのように…

 

「ぎぃ…ぐぁぁぁ!」

 

俺は無理矢理ボウガンを引き放つ。3発連射で放った時に、限界が来たのか白のクウガへと姿が変わる。掠った場所を抑えながら上を見る

 

(せめて…1発は…!)

 

相手は2発避けて、1発翼に当たった。当たった場所に紋章が浮かび上がり相手がきりもみ状態で落下していくが…

 

 

爆発はしなかった。つまり、奴はまだ生きているのだ

 

「はぁ…はぁ…」

 

俺はまだ痛む身体を何とかして使い、仰向けに寝転がる。その時、屋上の扉が元気よく開いて、影が2つ見えた

 

「わっ!?大丈夫!想くん!」

 

「日菜…?」

 

「血が出てる…!直ぐに保健室に行かないと!」

 

「つぐみか…?」

 

「大丈夫!?」

 

「いてぇ…てかなんでお前らいるんだ?まだ夏休みだぞ?」

 

「今日は生徒会!それより立てる!?」

 

「肩貸してくれ…それなら歩ける」

 

日菜の左肩に右手を乗せて、つぐみの右肩に左手を乗せて歩き出す

 

〜保健室〜

 

「しみる…いたい…」

 

「そんなワガママいわない!我慢!」

 

「つぐみは母親か?」

 

そんな会話をしながらつぐみはテキパキと作業を進めていく。日菜は呑気な事にトイレ!と言って走っていった

「どうしたの?じっと見つめて」

 

「将来つぐみをお嫁さんにした人はきっと幸せになるだろうなぁって」

 

「ふぇっ!?」

 

「ははは、まぁつぐみならいい人見つけられるさ」

 

(タイミング…ここしか無いかもしれない…!言おう、私の気持ち…!)

 

「想さん…実は」

 

「ん?」

 

「たっだいま〜!」

 

その時、保健室の扉が思いっきりあいて、日菜がやってきた。

 

「相変わらず元気なことで…つぐみ?どうした?」

 

「いや…なんでもないです…!」

 

つぐみは笑顔で言うが

 

(嘘だな…何かある。後で聞くか)

 

俺には何故かわかってしまった。つぐみは、隠すのが下手くそだな…

 

「つぐみ、ありがと。」

 

「あれ?傷は?」

 

「塞がった…かな」

 

「え…?すごい回復速度だね…!」

 

「だろ!これが男子だ!」

 

俺はそう笑顔で伝える。

 

(何か隠してる…想くん)

 

だがしかし、日菜には1発で見抜かれた。八意想も隠すのが下手くそなのであった。

 

 

 

 

 

その後、ついでに日菜達の書類を手伝い

 

(なんか壮大な企画だな…)

 

先生には変な目で見られたが無視しよう。

 

 

〜帰り道〜

 

「それでねそれでね〜!」

 

「私も…!」

 

「ごめん2人とも、俺は聖徳太子じゃないからいっぺんに聞けない」

 

「あはは!面白い!」

 

「ふふっ…」

 

バイクを押しながら2人を見る。見てるこっちが嬉しくなりそうな笑顔で話す2人

 

「ねぇ〜聴いてた!?今の!」

 

「聴いてませんでした…」

 

「まったく…日菜ちゃんぷんすかだよ!」

 

「日菜先輩…ぷんすかって…」

 

「ぷんすかってきょうび聞かねぇな…」

 

前に人が歩いてきて前で止まる。

 

「「…?」」

 

「…!」

 

「よぉ…想。両手に花じゃねぇか…奪ってやるよ!」

 

相手は人ではなかった。あの時の、俺と同じクウガ。そして二度と聞きたくない声。

 

 

「テメェ…!!」

 

 

俺は怒りをあらわにして、日菜とつぐみを庇うように立った。

 

 

 




八意想、黒服との予定忘れてるってよ
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