想「っ!」
屋上に着地し、俺は辺りを見回す。だがそこには誰もいない、さらに数歩奥に進み、さっき奴がいた階段を見るが…
想「いない…?」
俺は奥に進むと…柱に人影があった。項垂れている
想「っ!」
成人男性、人が倒れていた
想「大丈夫で…死んでる…」
体を触り、脈を確認するが…男性は死んでいた。俺がなんて言えばいいか分からない気持ちになっていると、下から車のブレーキ音が聞こえ、男性を寝かせ下を見る
想「一条さん!」
パトカーだ、そのパトカーから降りてきたのは先程別れた一条さんだった。
一条「そこにいるんだな!今行く!」
一条は、八意の場所に行くために建物に入ろうとした時だった。近くにあるエレベーターは貨物を運ぶための大きなエレベーターだった。それに入ろうとした時、そこにはバイクがあり、人が乗っていた。そのバイクはエンジンを吹かし、一条目掛けて走り出す
一条「ぐっ…!」
一条はそれを間一髪で避ける。バイクはそのまま走り出し、それを追いかける。
想「一条さん!大丈夫ですか!」
俺は青のクウガで一気に下まで降りて着地する。上で待っていた時、下から一条さんの声が聞こえたからだ
一条「大丈夫だ…!」
想「上で1人亡くなってました…早くあいつをとめないと…」
そう言いながらトライチェイサーに跨る。
想「先に行きます!」
一条さんが頷くのを見て、トライチェイサーのエンジンを吹かし、奴を追いかけるべく走り出す。
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あいつはすぐ近くの道路にいた。それなりに人通りが多い。車も沢山通ってる中、俺と相手のふたりは熾烈なカーチェイスをしていた。
想「…!」
バダー「…!」
走る車の間を交互に走り抜ける。クラクションがなってたりするがそんなに気を回せない、トライチェイサーじゃどうしてもやつに追いつけないのだ。
そのまま暫く走ると、相手が右に曲がりしばらくした所で停まった。目だけで周りを見れば、商店街の近くだった。
想「…!」
俺も右に曲がり、相手よりも先の場所に止まる。相手はエンジンを吹かし、前輪を上げて突っ込んできた
想「うぉ…!」
俺もバイクを回転させ前輪を上げ、相手に対抗するが…
想「ぐっ…!」
前輪同士がぶつかった瞬間、俺は体勢を崩され、バイクを倒しかける。なんとか踏みとどまり相手を見ると、そのまま奥へ行き、左に走り去った
想「待てっ…!」
俺は多少無理やりな体勢から起き上がり、バイクを走らせて追う。そのまま左へ曲がると…
想「…!」
相手が人間から化け物に変化し、俺を待っていた。バイクを吹かし、こちらを見ている。俺も、それに便乗して、バイクを吹かす。
バダー・想「…!」
俺たちはタイミングを同じに、互いに前輪を上げて激突すべく走り出す。
距離が縮まる。あともう少し…
想「っ!」
激突する瞬間、僅かに右にずれた俺の前輪目掛け相手が横から前輪をぶつける。
想「うわぁぁ!」
スピードも相まって俺はバイクから振り落とされる。バイクも倒れて、その場に転がる。俺も青のクウガのまま少し遠くへ転がり、止まる。商店街に来てた人達が何事かとこちらを見る。
想「うっ…ぐっ…」
体を激痛が襲った。周りから悲鳴などが聞こえる。その中、1台のパトカーが走ってきて、俺の横で止まる。
想「一条さん…!」
一条「大丈夫か!」
ライフルを片手に駆けつけてきてくれた。一条さんは相手を見る、走りさろうと動いていたバイク目掛けライフルを構える。さすがに無理だろうと思っていたのだが…
想「嘘だろ…」
思わず苦笑してしまう。一条さんの放った弾は見事相手のバイクにヒットした。バイクが急停止し、こちらを見る。
バダー「ウッ…」
バイクから流れる煙に目を擦る。その反応を、俺と一条さんは見た。相手はバイクを動かして、その場を走り去った。最後まで一条さんは狙いを定めていたが、やがて諦め、俺を起こし、続いてトライチェイサーを起こした
一条「だいぶきてるな…」
トライチェイサーの表面を触りながら一条さんが言う。
つぐみ「なんの音って…ええ!」
沙綾「つぐみ…?ってあ!」
はぐみ「あ!」
想「あ…」
人混みをかき分けて見に来たのは、商店街看板娘3人だった。俺はジェスチャーで静かにと伝えると伝わったのか静かにしてくれた
一条「41号は手強いな…」
想「あの…一条さん?」
一条「ん?」
想「ひとまず…ここ離れましょうよ…」
周りには沢山の一般人が見ている、早く離れたかった
一条「そういうことか、とりあえず行こう」
俺はバイクに、一条さんはパトカーに乗りひとまずその場を離れた。
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〜山吹ベーカリー〜
沙綾「ゆっくり選んでね!」
想「おう!ありがと!」
沙綾「さっきの…大丈夫?」
沙綾が周りの人に聴こえないように聞いてくる。心配してくれてるのだろう。
想「ああ、全然!」
俺は笑顔で答える。実際少し右半身が痛むが直ぐに治るだろうと思っている
想「にしても久しぶりに来たな〜…!」
俺は話を逸らす為に、話題をパンに向ける。
沙綾「この時間帯ってあまりないんだよね〜…」
沙綾が苦笑いしながら言う。
想「いやいや、全部美味そうだし、てか美味いから!」
沙綾「あははっ!ありがとう!」
想「将来沙綾が結婚したりしたらあれだろうな、毎日美味いパンが食えるし…旦那さんも幸せだな!」
沙綾「結婚…!?」
沙綾が「結婚…」と呟いて下を向いている。その顔は真っ赤で俺は不思議に思った。
想「沙綾…?おーい」
沙綾「あっ…えっと!ゆっくり選んでね!!」
そう言うとさっさと店の奥へ帰っていった。
想「俺…なんか悪いこと言ったか…?」
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〜夕方〜
想「…」
俺はバイクに乗り走りながら帰路を辿る。あの後、沙綾は出てこなかった。会計時に沙綾の母親から「沙綾をよろしくね」と笑顔で言われたことに対してずっと考えていた。その時、スマホが鳴る。
想「紗夜から?珍しいな」
俺は電話に出る。
紗夜『もしもし?』
想「おう、俺だが?」
その声は少し、緊張しているような感じがした
想「なにかあったのか?」
紗夜「実は…小川さんが…」
想「またあいつか…」
紗夜「今日の夜、花咲川女子学園の体育館で待ってるって…」
想「あいつが?珍しいな…」
紗夜「いつもとは違って…」
想「わかった…一応行ってみる…あ!」
紗夜「なんですか?」
想「校則違反とか言わないんだな…」
紗夜「ほんとなら言いたいですが…」
想「うん…ごめん…」
紗夜「あともう1つ、小川さんの過去について話しておきます」
俺は紗夜からそう言われ、電話越しに頷く
想「あいつにそんな過去が…」
紗夜「はい…だから男の人を憎んでるんじゃないかって」
想「そうか…わかったありがとう」
そう言い電話を切る。俺は近くの公園で少し早めの晩飯を食べる。山吹ベーカリーのパンは美味い。
想「腹が減っては戦ができぬ…」
そういえば…自分が制服姿と言うのを忘れていた。まぁいいかと思いつつ残ったパンを一気に食べる。
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〜夕方・花咲川女子学園体育館〜
小川「…」
生徒がいなくなった体育館、先生もいない、いわゆる不法侵入というやつだ、その体育館の真ん中に、小川は無言で座っていた
友達『ほら!一緒に遊ぼ!』
友達『暗い顔しない!』
友達『逃げ…て!』
小川「っ!」
今でも思い出すと腸が煮えくり返る気持ちになる。それを誤魔化すために竹刀を振る。その傍らには木刀が置いてあった。
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〜花咲川女子学園〜夜〜
想「よいしょ…」
時刻は夜の八時、もう外は真っ暗だ。その中俺はトライチェイサーを門前に止めて、門を飛び越え歩く。夜の学校といえば心霊現象が有名だなと思いつつ体育館へ向かう、扉は既に空いており、中に入ると
想「紗夜…イヴ?なんで2人が」
小川「意外と早かったね…」
想「…!どうゆう事だ…なんで2人がいる…?」
小川「ボクも知らないよ…その2人は観客だとでも思っておけばいいんじゃない?」
紗夜「もしもの時、2人だけじゃ止められないでしょう?」
イヴ「その通りです!」
紗夜は腕を組み、イヴはふんすっと立っていたその中、もう1人の声がした
日菜「おねーちゃん!」
紗夜「日菜!?いつの間に!?」
想「…。」
俺は視線を戻し、小川と目を合わせる
想「…!」
目を合わせた瞬間、足が後ずさりそうになった。覇気がえげつない、周りの空気が肌に当たる度に痛いのだ。
小川「君がクウガだって…?」
想「なんでそれを…」
小川「紗夜先輩から聞いたよ」
想「そうか…」
それだけ言うと、相手は木刀を構える
小川「君が負けたら二度と先輩達に近寄らないでくれる?男はみんなクズだから」
紗夜「それはさすがに言い過ぎでは…」
覇気がさらに濃くなる。それに紗夜やイヴ、日菜までもが押し黙る。刀から紫のオーラのようなものが見える。
小川「使いなよ、クウガの力を…」
想「使わない」
小川「弱いとでも言うのか、使う必要すらないと!?」
想「お前は強い、だが俺の力はアイツらと戦う為にある。」
小川「そうやって善人みたいに…」
想「…」
俺はクウガと同じ構えをする。 それに小川は少し驚いて、また無表情になる。
小川「っ!」
想「うぉぉぉ!」
夜の花咲川女子学園に、2人の声が響き渡った。
クウガ跡形もねぇじゃねぇかよ!
バダー「自分は?」
作者「黙ってろ!」