爆発
想「…」
俺は再開になった学校へ行くために用意をする。つぐみも最近はリハビリに励んでいるらしい。何か今度持って行ってやろう、お菓子あたりがいいだろうか
そう思いながら玄関を開ける。
想「行ってきます…」
タマが亡くなってからも毎日欠かさず行ってきますは言う。もう癖なんだろうな
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〜花咲川女子学園〜朝・校門〜
想「ビートチェイサーになってから学校に着くのが速くなった気がする…」
俺は心無しかそう呟きながら校門を通る。
紗夜「おはようございます」
想「おはよう…っていうか紗夜、お前どんな時間に行こうが絶対にいるよな…」
紗夜「風紀が乱れないように毎日チェックする。それが当たり前です」
想「そうか、じゃ頑張ってくれ。風紀委員さん」
俺はそう言うと、いつもの位置にビートチェイサーを止める。ココ最近は、もう俺専用の場所なのかと思うくらいそこだけ空いている。
想「よいしょ…っと」
そこから靴箱へ歩く。
美咲「あ、おはようございます」
想「おはよう、美咲」
千聖「おはよう、八意くん」
想「おはよう千聖」
とまぁいつも通りの日常。未確認がいなければ今頃はこんな風に向こうの世界で生きてたのかな…
こころ「おはようっ!!」
想「ぶはっ!?」
そう考え込んでいると、笑顔のビッグバンに気づかず後ろから元気に抱きつかれ俺を下敷きに倒れる。
想「いってぇこころ…」
こころ「何だか難しい顔をしてたわよ?お腹が痛いのかしら?」
想「ちがうちがう…それとどいて?」
ここ廊下だし周りに人いっぱいいるし、変に勘違いする人が出かねない。
こころ「わかったわ!」
相変わらずのすげぇ運動神経で器用に立ち上がるこころに遅れて俺もたちあがる。ホコリを払っていると、そこに第二波が到着した
はぐみ「わ〜い!!」
想「2度目ッ!?」
はぐみ「あれ?ぶつかっちゃった!ごめんなさい!」
想「いてぇよはぐみ…しかもお前は大丈夫か?」
はぐみ「うん!平気だよ!」
想「そうかそうか…元気そうでなにより…」
笑顔のビッグバン集団のうち2人が揃った。美咲曰くろくな事が無いらしい。
美咲「あ〜あ〜、出会っちゃったよあの二人…」
後々から美咲と花音が来た。美咲は頭を抱えながら
美咲「あの二人、元気なのはいい事なんですけど…」
花音「たまに…私達の言葉届かない時が…あるもんね…」
文句っぽいことを言うふたりだったが、顔はそれとは真反対、楽しそうな顔をしていた。
美咲「私もいつの間にかこころに毒されてますよ…」
花音「私も…、でも今じゃ出会えてよかった…そう思うよ」
美咲「それは…まぁよかったとは思ってます」
想「みんながみんな、大事に思いあってるんだな…いい事だ」
俺は微笑みながら言った。それと同じタイミングでHRを知らせるチャイムが鳴る。
想「じゃ、俺は教室へ…こころと同じだし連れてっとこ…」
美咲「それじゃあまた」
想「おう、おーい!こころー!」
こころ「どうしたのかしら!」
想「どうしたもこうしたも…チャイムなってるんだぞ」
こころ「ほんとだわ!行きましょ!」
俺達は、それぞれの教室へ歩いていった。
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HRが終わった後、集会があった。
俺の予想通り、未確認についてだった。花咲川女子学園と羽丘女子学園の生徒だけが狙われたこと、そしてこれからの対応などを、やく1時間話された。扱われ方が、確実にもう終わったことのような扱いだった。
生徒「また4号がやってくれたのかな…!」
などと周りから声がする。俺は、拳を握りしめた。
想(ごめん…みんな…まだ倒せてないんだ…!)
紗夜「…。」
事情を知っている紗夜は、壇上から八意を見つめた。
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〜花咲川女子学園付近〜
ジャラジ「人っていうのはしばらく何も無ければ勝手に安心する…そこに現れたらどれほど絶望が…恐怖が見れるだろう…」
ジャラジは、花咲川女子学園に入ろうとしていたのだった
そうだ、前仕留め損ねたブルーの髪の女を狙おう。あとひとり殺せば…
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想「…」
いつも通りの授業、先生も慌てているのだろうか授業はいつもより大雑把だった。
その時だった。突然、放送のチャイムがなる。
先生「たった今!校内に不審者が…」
そこまで言って、声が途切れる。代わりに聞こえるのは肉が避ける音。そして
フィンガースナップの音だった
俺がその音を聞いた瞬間、先生が突然みんなを廊下に逃がす。緊急時には体育館に避難をする。それをみな守るために走る。
〜3年A組〜
氷川紗夜、白金燐子、白鷺千聖、松原花音、そしてA組の生徒がいるこの教室では、もう逃げられない状況になっていた。戸は塞がれ、先生は殺され、フィンガースナップをしながらこちらにじりじりと近づく1人の化け物、花音が泣き出す。恐怖によって
まるでそれを楽しむかのように、ジャラジは親指の爪を噛んだ。
俺はみんなとは逆方向に走った。定期的になるフィンガースナップの音を頼りに、そして…
想「まさか…!」
前に狙っていた紗夜、そして今いるのは3階、ということはつまり…
最初から紗夜狙いだったのだ。アイツはいまA組にいる。
考えるよりも先に、俺はA組に走り出した
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紗夜「なぜ私だけを狙うんですか…」
震えながらも声を出す。さっきから的確に紗夜だけを見ている。千聖も、燐子も後ずさるが目もくれない。
あと一歩、そこまで来た時だった。
想「っ!」
教室の扉を開けた八意だった
ジャラジ「!?」
俺はなんとか間に合った、だがあいつの顔を見た時、俺の中でなにかが弾け飛ぶ。
怒り?……それとも殺意か
想「変身!!」
A組の奴らに姿がバレるのも構わず、俺はジャラジを掴み、窓ガラスを割り、3階から運動場に落ちる。
互いに身体に衝撃が走るがそんなものに気を使う必要は無い。
そこから紗夜達が見たのは、いつもの戦いとは違う光景が拡がっていた
想「うぁぁ!」
そこには、ジャラジの上に乗り、マウントをとってただ一方的に殴りつけるクウガの姿があった
想「おァァ!」
また殴る。
想「ウァァ!」
また殴る
想「オゥゥアア!」
また殴り付ける。ジャラジの頬の肉が裂け、そこから血が出る。だが俺はそれに構わず、殴り付ける。ただ憎しみをこめて。
憎い、ただひたすら憎い。
想「オォリャアアア!」
だが地面を転がってジャラジが攻撃を避ける。俺は砂を殴りつけて立ち上がる。相手は俺に背を向け走り出す
想「待てェェェ!!逃げるなぁァァ!!」
ジャラジの肩を乱暴に掴み、また顔目掛け拳を振るう。さらに顔から血が出、ジャラジは目を逸らしたくなるような顔になっていた。
想「オラァァ!!」
千聖「八意くん…」
紗夜「想さん…」
燐子「…想…さん?」
花音「想くん…」
生徒1「八意くんが4号!?」
生徒2「写真!動画も撮ろう!!」
生徒3「でも怖いね…男子はやっぱ…」
教室がざわざわと騒がしくなり出す。紗夜達は、ただ無言で見守った……
いや…立ち竦んでしまった。彼のあんなに激怒した姿は初めてだった。彼に対して、心からの恐怖と…それほどの憎しみがあったのにも関わらず、みんなに笑顔で対応していた。気づけなかった
想「オラァ!!」
相手を壁まで殴りながら押し付け、壁にぶつける。またもう一度、もう一度と拳を振るう
ジャラジ「っ!!」
相手が両手で俺の拳を受け止めるが
想「おァァ!」
俺は顎にアッパーを入れて後ろにぶつけ、反対方向に投げ捨てる。
想「っ!」
近くの木の棒を拾い上げ
紫のクウガになる。
そして相手目掛け、ゆっくりと歩き出す。かつてアイツがそうしたように、俺もタダでは死なせない。今まで死んで言った人達の気持ちを思い知ればいい。
ジャラジ「っ…アァ!」
相手が胸から鈎針を取って俺に投げつける。だが青のクウガのように上手くは行かず、俺の紫の鎧に弾かれた
想「…」
俺は溢れ出る怒りを表すかの如く、金の力を使う。剣の先に装飾がつき、鎧の色も変わる。
俺は1歩と歩く度にこいつがやってきた事が脳内再生される
じわじわと人を痛めつけて殺す
葬式を荒らし、遺族までもを追い詰める
俺はあの遺族の顔を見た時、とてつもなく悔しくなったのだ。
そして大事な人達にも手を出そうとした。
もはや相手は完全に戦意喪失、足が恐怖で動かず、手で来るな!と言わんばかりに振ることしか出来なかった
俺は剣の間合いに入った瞬間、容赦なく刃を振るった。普段は好きになれない感触も、今じゃ何も感じない。ただ己のうちに広がる殺意のまま刃を振るう
想「うぁぁぁぁ!」
右へ
想「はぁぁ!」
左へ
想「ああああ!」
また右へ
想「あああああ!」
身体を袈裟斬りにする。そして相手が倒れる。俺は刃を逆手持ちにして、相手のベルトに突き刺した
想「アアアアアアアアアアアアァァァ!」
相手が爆発する。その爆発の中、俺は何かを見た
先程の俺と同じように怒りのまま刃を振るう、4本角のクウガ、目は黒く、ベルトの霊石も黒い。
こうして…戦いは最悪な終わりを告げた
紗夜達が運動場へ走る。そこには一条の姿もあった
ようやく爆発の煙が少なくなった場所に、夕日に照らされ、八意はただただ立っていた。握りしめた木の棒に血が滲んでいる。
一条「…」
美咲・花音・はぐみ・こころ「…」
ポピパ「…」
燐子・紗夜「…」
千聖・彩「…」
誰も、何も言わなかった。やがてこちらを向いた八意の顔は
煙に遮られて見えなかった。
ジャラジは胸糞悪いことで有名ですから…
次回また何かありそうですね…