〜想の自宅・AM10:00〜
想「ん…?ふぁぁ〜」
俺はいつも通り、ソファーで目覚める。というかなんで俺は自分の家にいる?昨日確か…
想「!?」
そこから一気に意識が覚醒し辺りを見回す。誰もいない、だが机にひとつ紙があった。俺はその紙を手に取り目を通す
紙の中身はこうだった
小川『寝すぎだばーか、私がお前をここまで運んだんだ。きっちり礼は貰うからな』
想「そうか…あいつが…」
俺は微笑みながら紙を置く。最初よりずっとあいつは人間らしくなった。
想「さて…今日は日曜日か」
まだ昨日の夢みたいな感覚が残っているが無理やり振り払う。
想「さて、どうするか」
大抵こういう時は俺は暇になる。特にやることもないし、というかこういう時いつも家にリサが来たりするが、今日はそんな日でもないらしい。
想「腹減ったな…」
とりあえずコンビニに買い物に行こうとして立ち上がる。
〜コンビニ付近〜
想「…お」
俺はビートチェイサーで走っていると、歩道から手を振る人物がいた。俺は急ブレーキを掛けて端に止まる
日菜「おーい!」
紗夜「そんなに大きな声を出さないで…!」
想「よお、お前ら。こんなとこで何してんだ?」
仲良く言い合うふたりに聞く。前よりさらに関係が丸くなってる気がする
紗夜「ええ…少し散歩に」
日菜「そう!おねーちゃんは無理やり連れてきた!」
想「そ、そうか…」
相変わらずの無茶苦茶な日菜、それに俺は苦笑する
紗夜「そんなあなたこそこんな所で何を…?また未確認でも?」
想「いや、腹減ったしコンビニ行こうかなって…」
紗夜「栄養バランスに気を使ってください…」
俺が言ってる途中に紗夜が言う。別にいいだろ、食えりゃいいんだ食えりゃ
日菜「わー!改めて見るとビートチェイサーカッコイイ!」
紗夜と栄養バランスがどうのこうの言い合っていると、ビートチェイサーの周りをうろちょろしてる日菜がそう言う
日菜「おお…!色変わった!黒くなったよ!」
想「あいつ…!?」
俺だって最初は忘れかけていた暗証番号をささっと入力する。これだから勘で動く天才は…
想「やめろ…」
俺は日菜の手を優しく払う。それから日菜はなにか思い出したかのように俺を手招きする
日菜「あ!そうだ!見せたいものがあるから家来てよ!なんか作るから!…おねーちゃんが…」
紗夜「なんで私なの!」
日菜「てへぺろ…」
想「やっぱお前可愛いけど小悪魔だな」
日菜「可愛いだけでいいの!小悪魔は余計だよ!」
想「まぁでも紗夜の料理か…食べてみたいな」
紗夜「想さんまで…!!…特別ですよ…」
日菜・想「やったー!!」
紗夜「…」
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〜氷川家・PM12:00〜
想「…美味い…」
紗夜が作ってくれたパスタを1口口に運び俺はそう呟く。隣の日菜も「美味しい!美味しいよ!」と言いながら次々口に運び、むせる
紗夜「ちゃんと噛んで食べなさい…ほらお水」
日菜「げほっ…!ありがとおねーちゃん」
想「ところで日菜が見せたいものってなんなんだ?」
日菜「あ、そうだった」
完璧に忘れていたと言わんばかりの顔をする日菜
想「撫でくりまわしてやろうかこんやろう」
紗夜(それ、脅しにもなってませんよ)
そうだそうだ〜と言いながら部屋へ行く日菜、しばらくしてから帰ってくる。その手には1冊のノート
『八意くん成長日記!』
と書かれている。
想「なんだこれ…ストーカーと変態のノートか?」
1歩引く俺を無視しながら中身を開ける。そこには、クウガの全ての姿が色鉛筆で丁寧にスケッチされ、特徴が沢山書いてあった
想「これ…」
日菜「まだ書いてる途中だけどね、ポピパとafterglow、パスパレやRoseliaやハロハピのみんなで書いてるの!いつか役に立つかなーって!」
紗夜「はい、情報収集も立派なサポートですから」
そう言われながら手渡されたノートを見る。赤のクウガ、青のクウガ、緑のクウガ、紫のクウガ…金の力、ゴウラム
『紫のクウガはカッコイイ!凄いカッコイイ!』
と書かれている文章に危うく吹きかける。多分…いや絶対これを書いたのはあこだ、奴しかいない
日菜「そういえば金の力って時間制限みたいなのあるの?」
想「あ、あぁ…一応あるが…なんでだ?」
紗夜「いえ、金の力を使ってからの想さんはすぐに戦いを終わらせたがりますから」
想「まぁ…今んとこ30秒だしな…」
あれだけの痛みを伴って金の力を引き出したのだが、今の俺にはまだ使いこなせないらしい。
日菜「30秒…」
紗夜「たったの30秒で今まで戦ってきたんですか?」
想「うん、大体タイミングを掴めてきたし…でも最近はちょっと30秒じゃ足りない気がするんだよな〜」
日菜「おねーちゃん…」
紗夜「日菜…」
肩を回す八意とは違い日菜と紗夜の顔は少し暗かった。最初より戦いになれてきてしまってるから…、彼はホントなら今も普通に生活していたはずなのに。
想「どうした2人とも〜顔がくらいぞ〜!」
紗夜「いえ、少し考え事を…」
日菜「あ!そうだ!」
想「ん?」
日菜が上手いこと話を切り替える
日菜「ゴーちゃんなんだけどさ!」
想「あ?うん?ゴーちゃん?」
日菜「え、あ〜ゴウラムの事。みんなであだ名つけたらゴーちゃんになった!」
想「…」
日菜「そのゴーちゃんなんだけどね!今は何してるの?」
想「あーうん、弦巻家にいるはずだ」
あいつ偉いから仕事終わったらちゃんと場所へ帰るのだ。あいつは偉い!(2度)
日菜「ふーん」
想「ゴーちゃ…ゴウラムがどうした?」
日菜「いやあのね!ゴーちゃんってバイクにくっつくじゃん?」
想「確かにくっつくな」
日菜「それで体当たりして倒したりするじゃん?」
想「まぁな、一回使ったらあいつ石になるけど」
日菜「えっ!そうなの!…でね、ゴーちゃんがくっついてるバイクに乗った想くんが金の力使ったらゴーちゃんも金になるのかなって!」
想「あーなるほど?」
日菜「前に見たゴーちゃんの背中の石、なんか想くんの石と似てるからって思って」
なるほど、確かに考えたことは無かった。もしかしたらできたりするのだろうか
日菜「ね!ここで1回クウガになってみて!」
紗夜「日菜…!」
想「うーんとな…なれないんだわ」
日菜「えー!なんで?」
想「誰かと戦わないと、何とかしないとって思ってないとベルトが現れないんだ」
日菜「ちぇ…なんか未確認でないかな〜」
想「おいおい不吉なこと言うなよ…」
そう言いながら紗夜がテレビを付ける。一番最初に目に飛び込んだのは
『地下街に立てこもり、約1000人以上が人質に』
と書かれた文章だった。地下街に立てこもりなど普通ありえない。そして次に出てきた写真は…
紗夜・日菜「…!」
想「…なっ!?」
石のようなもので崩落した地下街への入口だった。出れる場所は全て封じられており、到底人間にできることではない
想「予言的中か…!」
俺はそう言いながら家を出てビートチェイサーに跨りヘルメットを被る。
日菜「き、気をつけてね!」
想「ああ!」
俺はそう言い走り去る。
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〜地下街〜
リサ「こっちこっち!隠れて!」
ひまり「ありがとうございます…なんなの…?」
2人で地下街に買い物に行っていた。普段から人は多いが、休みのせいもあってかさらに人が多い。だが大半は体の一部が欠損し、その場に横たわっていた
男性「やめ…やめてくれ…!」
近くで男性の悲鳴が聞こえる。次にミシッ…ゴリッ…と嫌な音を立てる。水が滴るような音の次に倒れる音。それは嫌という程誰かが死んだと思わされる音だった
ひまり「怖いよ…」
リサ「ひまり…!大丈夫だから…!」
ひまり「想さん…助けて…」
リサ(想くん…)
祈る2人の向こうでは、さらに死体が増え続けていた
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〜地下街への入口付近〜
想「一条さん!」
俺は半分倒れかけながら一条さんに駆け寄る
一条「ダメだ…この石ビクともしない…!」
一条さんは俺を見るなりそう言う。他の警官も悔しそうに顔を歪める。俺も変身して中に強行突破したいが、何せ人が多すぎる。警官も、一般人も
警官「困ります…!やめてください!」
母「娘が!娘が中にいるんです!」
警官「落ち着いてください!」
母「う、うぅ…!ううぁぁ!」
聞こえる悲痛な叫び声。それに俺の心は突き動かされる。その場に倒れ込む母親の元へ行く
一条「八意…お前まさか…」
想「大丈夫です、必ず俺が助け出します」
母「え…?」
そう言うと俺は再び立ち上がる。ビートチェイサーの横へ立ち
想「…!」
腰に手を当て、ベルトを出す。
全員「「!?」」
想「変身!」
俺は大量の人の中、赤のクウガへ姿を変えた。近くにいたニュースキャスターがなにかを言い始める。周りにいた人も何かを叫んだりする
母「…お願いします…!娘を…!」
想「分かりました」
俺はそれだけを言うと、ビートチェイサーに跨り。ボタンを押す。カラーリングが黒へと変わり、上からゴウラムが降りてきてビートチェイサーと合体する
静まるその場、俺はただ全員に向けて親指を立てる。
一条「八意…」
次にその場は沸き立つ
女性「頑張って!4号!」
男性「少年!頑張ってくれ!」
俺は沢山の人から暖かい歓声を貰いながらビートゴウラムで石の壁に体当たりをする。ゴウラムが強いのか、壁が案外もろいのか、すぐに崩れ落ちた
一条「無理やり行った…!?」
一条はしばらく惚けていたが、八意の後に続こうとそれぞれ準備を始めた
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〜地下街〜
想「なんだよこれ…」
俺はまるで地獄と化した地下街を見て息を呑む。空気は血生臭く、辺りに欠損した死体が転がり落ちていた
???「「きゃぁぁぁ!!」」
想「…!」
俺はその声を聞き、反射的にビートゴウラムを動かす。これ以上、被害者を出さない為にも
リサ「こっち!」
リサがひまりの手を引き走る。その後ろには、化け物がゆうゆうと笑いながら歩いてきているのだ
ひまり「もうやだぁぁ!」
ひまりが泣きながら走る。だが途中で人のカバンに足をつまづきコケてしまう
ひまり「きゃ…!」
リサ「ひまり!」
リサが手を伸ばしてひまりを掴む。だがひまりは起き上がれない。コケたせいと恐怖で動けなくなったのだ。地下街十字路の真ん中でひまりを引っ張るリサ、化け物はゆうゆうと歩いてくる。
想「はぁぁぁぁ!」
十字路の右から今1番聞きたい声が聞こえた。
???「グオオアアア!」
相手は何かに吹っ飛ばされて転がる。そして自分たちの前に横向きでバイクを止めた人物
ひまり「想さん!」
リサ「想くん!」
想「2人か!怪我はないか!?」
2人の目から涙が零れ落ちる。心が自然と安心に包まれる
想「2人に手出しはさせない…」
2人を庇うようにたった先に倒れていた人物がゆっくりと起き上がる
バベル「俺は、究極の闇をもたらす!ゴ・バベル・ダだ!」
想「お前ら…このバイクに2人乗りして地下街から出ろ…」
やばい、こいつは強い。体に纏うオーラが比では無い。もしかすると前に出会ったあの化け物並に…
リサ「え…でも運転できないよ…!未成年だし!」
想「くっついてるゴウラムが何とかしてくれるはずだ…あとは気合いだ…」
バベル「行くぞ!」
そう言うと相手は俺めがけ突進をかまして来る。俺はそれをギリギリで躱し、後ろから掴む。だが直ぐに振り飛ばされそうだ
想「早く行け!早く!」
リサ「…行こうひまり!」
ひまり「で、でも…!」
最後まで言わせず後ろに乗せ、リサがハンドルを握る。アクセルを回し、一気に加速する
想「行ったか…うぉ…!」
後ろ姿を見てから俺は振り回され壁にぶつかる
想「ぐぉ…!」
壁に少しめり込み、地面に落ちる。さらに迫る追撃の拳を避け、俺は隙だらけの腹に蹴りを入れ、さらにアッパーを決める。
バベル「くっ…!」
想「…」
相手は少し後ろに下がると、まだどこか片言な日本語を話し始めた
バベル「確かに、今度のクウガは骨があるな…」
想「なんだと…!?」
俺は言葉の意味がわからずに聞く
バベル「これだけ強い拳があれば、たくさんの獲物を殺せただろうに」
まるで俺たちと同じにならないか?と言わんばかりに手招きをしてくる。その後ろに抱き合った母子の遺体を見る。ゲームのためだけに殺された…
想「…!」
その姿を見て俺は一瞬またあの時のように拳を振るいかけた。動きかけた腕を止め、何とか頬の肉を噛みちぎり抑える。
バベル「そうか…残念だがここで…殺す」
そう言うと相手は片手のメリケンサックを握りしめ構える。俺も拳を握り構える
想「はぁぁぁ!」
バベル「…っ!」
少し大振りに拳を降ってしまった。そこの隙、左胸にメリケンサックがヒットする。それは赤のクウガの鎧をいとも簡単に貫通し、心臓の1歩手前で止まる。
想「ぐあっ…!?」
俺はそのまま殴り飛ばされる。左胸から血が吹き出し、今も流れ続けている
想(こいつ…心臓を狙ってきてやがる…!)
俺は確実なる殺意を前に、足が1歩後ろへ下がった
モンスターマシンに女を乗せる八意
それ程やばいと感じたのでしょう…