笑顔をつくる物語   作:エヌラス

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肉叩きっ!


page90 金のゴウラム

想「…!」

恐怖で自分の足が1歩下がる。左胸から溢れ出る血が滴り落ちる

 

想「…!」

 

俺はそれを誤魔化すかのように数歩下がり、キックの構えをとる。そのまま助走をつけ

 

想「おりゃああああ!」

 

右足に炎を纏わせ相手に蹴りを放つ。俺はその場に膝立ち、相手は後ろに吹き飛び、瓦礫に埋もれる

 

想「…!?」

 

だが相手はすぐに起き上がる。右胸に食らわせた蹴りの場所に紋章が浮かび上がる。だがそれはすぐに消された

 

想「なんだと…!?」

 

バベル「骨はいい…だがその程度では俺を超えることは出来ない…!」

 

そう言いながら相手もまた、姿を変えた。先程より毛深く、肩に尖った角を生やした。腰の飾りを取り外し、武器に変える

 

それはまるで肉たたきのような、大きな武器だった。確かミートハンマーともいう…それを構えながらこちらへ近づく。

 

想「…!」

 

俺は死を覚悟し後ずさった。

 

_________________________

 

〜入口付近〜

 

一条「まだか…八意…!」

 

付近の人は全て避難させ、万全な警戒で待っている一条達だったがいくら立っても4号が戻ってくる気配はない

 

リサ・ひまり「きゃあああああ!」

 

突如として地下街から飛び出してきた2人組に警官隊は一瞬混乱する。

 

リサ「はぁ…はぁ…怖かったぁ…!」

 

ひまり「速すぎません…?そのバイク…」

 

一条「君たち…それにそのバイク…!」

 

リサ「違うんです!彼が…想くんが私たちを逃がすために…!」

 

一条「八意が!?」

 

ひまり「はい…!助けてあげてください!」

 

自分より真っ先に八意を心配する彼女達を見る一条は八意の勇気を知る。彼は本当に優しい。優しすぎる

 

一条「バイクは見逃すから、早く後ろに隠れてなさい。彼が戦い終わったら1番にはげましてやってくれ…」

 

肩を叩き持ち場に戻る。帰れと言わなかったのは彼女達が1番八意を理解しているだろうと思ったからだ。その時、なにかがぶつかる痛々しい音と共に、八意が地上へ吹き飛んできた。

 

想「ぐふっ…!」

 

ひまり・リサ「「!?」」

 

一条達「…!?」

 

否、足は地面についてない。転がり、止まる。転がった後には血が付き、かなり痛々しい光景となっていた

 

バベル「…」

 

悠々と歩きながら地上へ出てくる化け物、前より姿はだいぶ変わり、その手にはミートハンマーが握られていた。先端の針には血がつき、それに殴り飛ばされたことを改めて自覚させられる

 

想「ぐっ…うぅ…!」

 

手を付き、立とうとするが立てない。恐怖が足を竦ませている。

 

杉田「撃て!援護しろ…!」

 

杉田の声に弾かれ、射撃が始まる。だがしかし何も効かなかった。煙が出る前に体外へ排出される

 

杉田「今までのライフルじゃダメか…!だが取りに行く暇もない…クソ!」

 

想「行って…下さい…!」

 

戦慄する杉田に、八意の声が響く。彼は血を垂らし、息を切らしながら立ち上がりこちらを見ていた

 

想「時間は俺が稼ぎます…!だから!」

 

杉田「だが…」

 

一条「俺が取りに行きます。八意の為にも」

 

杉田「一条……分かった…」

 

それに一条が頷き、パトカーに乗り科警研へ向かう。

 

 

想「…」

 

俺はそれを視界の端で確認する。後ろにはひまりとリサが俺を見ている。男としてここはカッコつけたいのだが現実そうはいかないらしい。

 

想「はぁぁ…!」

 

俺は震える拳を握りしめ、相手に拳を打ち込もうとするが、相手はそれより先にミートハンマーを下から振り上げ俺を後ろに吹き飛ばす

 

想「ぐぁっ…!?」

 

半場吹き飛ばされる形で俺は地面に頭からぶつかる。

 

リサ「…!」

 

ひまり「…リサさん…」

 

ひまりがリサの手を握る。互いに震えている

 

 

想「…超変身…!」

 

俺は1秒でも多く、反撃のチャンスを見る為、紫のクウガへ姿を変え、構える。

 

近くに剣になるような物は落ちておらず、だいぶ絶望的だ

 

想「…!」

 

歩き出す前に俺は敵が目の前にいることに気づく。相手はミートハンマーを振り上げ…

 

 

 

 

 

______戦場に悲痛な音が響き渡る

 

 

ミシッ

 

杉田「…!」

 

 

ゴリッ

 

 

桜井「…っ!」

 

 

バキッ

 

リサ・ひまり「…!」

 

想「くぅ…!ぐぅあああ…!」

 

攻撃を3発くらい、俺は地面にうつ伏せで倒れる。4つの姿のうち1番硬いはずの紫のクウガの鎧には

 

3個、ミートハンマーの後が着いていた。

 

想「ふぅ……ぐぁっ!?」

 

立ち上がろうと膝立ちになった所に下から振り上げ攻撃をくらい、また、今度は仰向けに倒れる

 

 

リサ「もうやめて…」

 

ひまり「想さん…!」

 

目の前で行われる一方的な攻撃にリサが口にする。これ以上はやめて欲しい。だがそんなことを行ってる間にも容赦のないこうげきはつづく

 

 

心臓付近に

 

 

 

肩に

 

 

 

 

足に

 

 

 

 

想「…ぅあ…」

 

痛みにより半場意識を失いかけている俺は、さらに攻撃で上に打ち上げられて転がる。近くに階段があり、次の攻撃を喰らえば階段を転がり落ちる。

 

相手は心臓を狙いミートハンマーを執拗に振り下ろす

 

1度

 

 

2度

 

 

 

 

想「…」

 

 

 

だが三度目は無かった。三度目が出る前より一瞬早く1発の銃声が響き渡る。

 

想「!?」

 

杉田・桜井「!?」

 

バベル「…っ!グゥ!?」

 

途端に相手はミートハンマーを落とし、まるで力が抜けたかのように倒れ、階段を転がり落ちて行った

 

想「一条さん…!」

 

銃声の主は一条だった。随分と厳ついカスタムが施されたライフルを片手に、俺に頷く。

 

今がチャンスだ

 

そう言わんばかりに

 

 

想「…!」

 

俺は身体に鞭打ち立ち上がる。ビートゴウラムに跨り

 

想「超変身…!」

 

赤のクウガへ姿を変え、ビートゴウラムを動かす。何とか立ち上がるバベルに体当たりをぶつけそのまますくいあげて運ぶ。ここではリサ達に被害が行く。だから別の場所で倒さなければ…

 

 

_________________________

 

 

一条「…!」

 

一条も後を追う為に柵をこえ、パトカーに乗ろうと手を掛けた時だった

 

 

異様な気配が体に伝わる

 

一条「…!?」

 

何者かがこちらを見てるような、気持ち悪い雰囲気だった

 

一条「…」

 

だが辺りを見回しても誰もいない。一条は気の所為だと思いパトカーに乗った

 

_________________________

 

〜近くの廃墟・PM3:00〜

 

想「またここか…」

 

俺は無線から伝わる指示を聞きながら走ると、確か初めて赤の金になった廃墟に来た。まぁ既にほとんど更地に近いが…

 

想「…!」

 

俺は急ブレーキを掛け、相手を吹き飛ばす。相手はそのまま転がる

 

日菜『ゴウラムも金になるのかな〜!』

 

想「…!」

 

頭に浮かんだ日菜の言葉。それは俺を突き動かした

 

 

俺はビートゴウラムに乗りながら赤の金のクウガへ姿を変える。片足に金の装飾が着くのを視認してから

 

 

想「…!」

 

アクセルを踏み込み、一気に加速する。するとくっついているゴウラムに異変が起きた。雷がゴウラムに走り…

 

想「流石は日菜!天才美少女!」

 

金のビートゴウラムと化した乗り物の上で俺は叫びながら相手との距離を詰める。

想「はぁぁぁぁぁ!」

 

先端に炎と雷が宿る。それをそのまま相手にぶつける。

 

バベル「ウワァァァ!」

 

相手は数十メートル後ろに吹き飛び呻く。呻きながら立ち上がろうとするが、ひび割れがベルトまで到達し…

 

 

大爆発を起こした

 

 

 

俺は相手が爆発したのをただ見ていた

 

想「…」

 

しばらくすると、無線がなる

 

一条『今…爆発がしたがやったのか!?』

 

想「はい!金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック効きました!日菜には感謝です!」

 

一条『…長すぎないかその名前…?』

 

想「ですよね…」

 

俺は苦笑する次の瞬間

 

ゴウラムが崩れ落ちた。必殺技を使ってエネルギーを大量消費したのだろう

 

想「お疲れ様…」

 

俺は今は石になったゴウラムにねぎらいと感謝を伝えた

 

_________________________

 

〜地下街、階段付近・PM5:00〜

 

リサ「…。」

 

ひまり「そろそろ暗くなってきましたね…」

 

リサ「そうだね…」

 

冬のせいもあるがあたりが暗くなり始めた中、ひまりとリサは立って彼の帰りを待っていた。傷ついて戦った彼を労う為に、それが一条さんから託された仕事、いや自分達のやれること

 

ひまり「…!あれ!」

 

ひまりが少し興奮しながら指を指す。

 

リサ「……あ」

 

あっちこっちの街灯が着き始める道路に、1つのバイクがこちらへ向かって走ってくる。聞きなれたエンジン音が耳に入る。そして自分達の横で止まる

 

想「…!」

 

リサ「お疲れ様ぁ…!」

 

ひまり「うわぁぁああん!」

 

ヘルメットを外してサムズアップをした途端2人とも号泣しながら俺に頭を預けてくる。本当は笑顔でお疲れ様と言いたかったのだろう。でも涙が溢れたんだな…

 

想「ただいま…」

 

リサ・ひまり「うわぁぁあぁ!」

 

号泣する2人、俺は自分の肩が濡れるのにも構わず、2人を撫で続けた

 

 

 

ガドル「あれが…今のクウガか…」

 

ただの子供だなと鼻で笑いながら、だがしかし絶対に油断しない。

 

そう考えながら歩いていく人物がいた

 




次回

…ガドルへ(多分)
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