笑顔をつくる物語   作:エヌラス

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page94 覚醒

想「早く…やつを止めないと…!」

 

 

そう言いながら立ち上がり、ベットから出ようとするが力が入らず床に転んでしまう。

 

リサ「大丈夫!?想くん!」

 

リサが駆け寄り俺をベットに座らせようとする

 

リサ「無茶しないの!体も突然動かせるわけじゃないんだから…!」

 

想「でも…!」

 

こうしている間にも未確認は人を殺してる。どこかで血が流れてるはずだ。今の俺は強くなったはず…!

 

今の俺なら勝てるはず…!

想「!?」

 

そう考えていた俺の右頬を、乾いた音を立てて紗夜が叩く。

 

紗夜「落ち着きましたか?」

 

相変わらずのクールなボイスだが顔は怒りを隠しきれていない。俺もそれを見て流石に状況を理解し、静かにベットに座る。紗夜怖い

 

想「すまん…俺としたことが…慌てて…」

 

アマダムにも言われたはずだ。力を求めすぎるな。求めすぎはいつか身を滅ぼすと

 

燐子「水を…買ってきました…これ飲んで…落ち着いてください…」

 

想「ありがとう、燐子」

 

俺は燐子にお礼を言いながら水を貰い、キャップを開け口に流し込む。冷たい液体が体にしみ渡る。

 

想「…?」

 

このメーカーの水は確かほんのり甘かった。俺はいつもそれが好きで飲んでいたのだが…

 

 

 

____味がしない。

 

 

 

ただ液体を口に流し込んでるだけだった

 

リサ「どうしたの…?」

 

心配そうな顔をしたリサが覗き込む。

 

想「あ…いや何でもない」

 

そう言いながらペットボトルを置いてとりあえず深呼吸

 

想「黒服さん、その後未確認の様子は?」

 

黒服「あ、ええ…1時間前の殺人を最後に姿を消しています。犠牲者が240人、決して油断してはいけません。しかもあの敵は赤、緑、紫、そして金の力を使っていました。青は見ていませんが…多分あるでしょう…」

 

あこ「なにそれチートじゃん…」

 

あこがげんなりとしながら言う。

 

リサ「金の力?も確か30秒が限界って…」

 

想「ああ、それなんだが…」

 

アマダム曰く、一応さっきの電気ショックで金の力の強化となる基礎は出来上がったらしい。だがあともう一押し、何かが足りない。

 

想「黒服さん、放電施設みたいなのって…あります?」

 

黒服「はい…?」

今日中に強化を施さなければならない。なら効率的なものはただ1つ。自分に電気を浴びせればいい。

 

???『すいません!!』

 

何故か突然、自分の記憶に蘇る光景。自分めがけ、鏡を展開し、俺に雷を向けてきた人物…

 

燐子「自分に雷を当てて強化する…確かに効率はいいかもしれませんが…」

 

紗夜「そんなの…身体が耐えれるわけがない…今度こそ死ぬかもしれないんですよ」

 

紗夜が深刻な顔で告げる。俺はその頬を掴み、引っ張る

 

想「ぐにーん!」

 

紗夜「!?!?」

 

その後、頭に手を乗せてポンポンと叩く。

 

想「なんていう顔してやがるんだ、美人が台無しだぞ?」

 

紗夜「…っ!?」

 

紗夜の顔が一気に赤くなる。それにぎょっとするが怒っているわけでは無さそうだ。だから俺は撫でるのを続ける

 

想「心配してくれてありがとな、でも俺は大丈夫。黒服さん…」

 

俺は黒服さんを見る。

 

黒服(覚悟を決めてる目だ…もうこれは止められない)

 

黒服は1度目を伏せ、そして開く

 

黒服「私達の屋敷に、実験施設があります。そこなら…八意様の言ってることを出来るかと…」

 

想「はい、とりあえずいって試してみましょう」

 

リサ「ねぇ」

 

黒服さんと部屋を出ようとした時、リサに袖を掴まれた

 

リサ「アタシ達もついて行っていい?」

 

想「…」

 

黒服「いいですよ」

 

想「…!」

 

そして、俺とRoseliaは、リムジンに乗り弦巻邸へ行くことになった

 

_________________________

 

〜弦巻邸〜

 

こころ「想!久しぶりね!」

 

想「久しぶり、こころ」

 

こころ「あら?リサ達もいるのね!いらっしゃい!」

 

紗夜「お邪魔します」

 

リサ「お邪魔します〜」

 

そこで俺たちはしばらくこころ達と部屋へ行く。黒服さんは準備をすると行って出ていった。

 

こころ「おかしと紅茶でパーティよ!」

 

リサ「ありがと、こころ」

 

ひとまずリラックスしようということで俺達は座る。

 

こころ「この紅茶はとーっても美味しいのよ!」

 

紗夜「ええ、テレビで見たことがあるわ…流石は弦巻さんね…」

 

リサ「ほんとだ…美味しい!」

 

皆が紅茶とお菓子で舌づつみしているが、俺にはわからなかった。お菓子も、紅茶を

 

 

___味を感じられない

 

 

想「やっぱわからん…」

 

俺はそうつぶやく

 

リサ「…ねぇ想くん」

 

想「…ん?」

 

リサが何かを探るように俺を見る。

 

リサ「ちょっと目つぶって?」

 

想「なんで…?」

 

リサ「いいからはやく!紗夜達も手伝って!」

 

紗夜「今井さん…突然…」

 

俺は渋々目をつぶる。こそこそと話す声が聞こえる。俺は耳を塞ぎ、しばらく時を過ごした

 

 

 

 

 

 

 

想「…もういいか?」

 

5分経ち、もうそろそろいいだろうと思い、俺は口を開く。

 

こころ「ええ!いいわよ!」

 

答えたのはこころだった。俺はそれに頷き目を開く。一番最初に目に入ったのは何かがサンドされたクッキー、それとお水?だった

 

リサ「これ食べてみて!」

 

リサ達が俺に勧めてくる。俺はとりあえずバレないようにひとくち口に入れ、「美味しい」と言う

 

想以外「「!?」」

 

燐子「お水も…飲んでみてください…」

 

燐子に勧められたお水を口に流し込む。ただの水だろうか分からないが味がしない

 

燐子「…」

 

想「どうしたんだよ…いきなり」

 

俺はこころ含め、少し悲しい顔をしている皆に声をかける

 

 

紗夜「味が…分からないんですね…?」

 

 

 

想「…!」

 

紗夜が悲しげに告げるその言葉は、俺の頭の中でグルグルと回った。わざわざ俺に食べさせたのはそれを確証へ持っていくため

 

リサ「そのお水…酢だし…クッキーには申し訳ないけどワサビをたっぷりサンドしてある…」

 

燐子「それを食べて…普通にしてる…それはもう…味覚がないのと同じじゃないですか…!」

 

想「…隠そうと…思ったんだけどな…」

 

リサ「どうして想くんだけがそんな目にあうの!」

 

想「…リサ」

 

リサ「別に想くん以外の人でも良かったじゃない!想くんじゃなきゃダメなの!?なんで…どうして想くんなの…?」

 

想「ほんと、なんでだろうな…」

 

次第に声が小さくなっていく。次に聞こえたのは、リサの嗚咽だった。紗夜の目にも光るものがある。燐子にも、あこにも、そして…友希那にも

 

それぞれなにか思うことがあるのだろう

 

こころ「想…私…おかしいわ…!」

想「こころ…」

 

俺は驚愕した。あのこころの目に、光るものがある。こころはそれを必死に堪えようとするが”それ”は次々と目から降っていく。そしてついに…

 

こころ「想っ…!うわぁぁぁ…!」

 

大きな声で泣きながら俺に飛びつくこころ。俺はそれを受け止める。

 

想「ほんとうに…なんでだろうな」

 

別にトラックに轢かれて死んでも良かった。何も思い残すことは無かった。だけど神様は俺に命と力を与え、この世界に俺を流した。

想「こころ…俺はもう人間じゃないんだ…リサ達にはもう勘づかれてたけどな…」

黒服「八意様、準備が整いました。こころ様たちはここでお待ちを」

 

想「じゃ、行ってくる。話は後でしよう…」

 

リサ「…」

 

俯くリサの顔はよく分からない、がきっと悲しんでいる。俺はそう考えながら黒服さん達と歩いていった

 

_________________________

 

〜放電施設〜

 

想「ここが…」

 

いかにもそれっぽい施設だ、コンクリと金属で出来ており、操作盤の前はコンクリとガラスで仕切られており、その奥が、放電をする場所なのだろう

 

 

黒服「はい、では早速…ここに立ってください」

 

俺は部屋の真ん中に立つ。腰からベルトを出す。

 

想「変身…」

 

俺は赤のクウガに姿を変えた。それを見た黒服は1度頷く、そしてスイッチを押し…

 

 

想「っ!?」

 

 

___俺の体を、激痛が襲った

 

 

想「ぎぃ…!あぁ!…!」

 

痛みのあまり声が出ない。膝をつきそうになるが必死に堪える。俺がやり出すと言ったことだ。本人が倒れてどうする

 

黒服「八意様!」

 

想「大…丈夫…!ですから…!止めないでッ…下さい!」

 

俺は途切れ途切れながらも言葉を返す。それに黒服は息を詰め、信じたと言わんばかりに続けた。

 

ただ俺の脳裏には、リサたちの笑顔があった

 

_________________________

 

 

八意が去った部屋は、まるで葬式のような雰囲気に包まれていた

 

あこ「あのお腹の石が…想兄を人間じゃ無くならせてるんだよね…?ならあの石を取り除いたら…」

 

紗夜「椿さんや黒服さんが言ってはいましたがあれを取り除くのは今の人類には不可能。出来たとしても想さんは…」

 

友希那「生きてはいない…というわけね」

 

リサ「…」

 

リサに更なる絶望が襲いかかる。もし戦いが終わったとしても一生をその石と一緒に過ごすということになる

 

燐子「戦いで…壊れるというのは?」

 

紗夜「その場合も椿さんから聞いています。今の想さんの一部となりかけているあの石は、壊れたりすると…死に至るらしいです…」

 

なら、一生をあの石と共に過ごすことになる。

 

あの石はもう、八意の体の一部と化していた。

 

リサ「そんな…」

 

紗夜「今井さん…」

 

なぜ本当に彼だったのだろうか、彼を選んだのだろうか。あれだけの過酷な運命を、なぜ彼だけに背負わせたのだろうか

 

 

想『俺は戦うよ…みんなの笑顔を守る為に、だからリサ達には笑顔でいて欲しい、それが俺の願い…』

 

 

いつかの日の彼の言葉が蘇る。あの日は、まさかこんなことになるとは微塵も思っていなかった。まさかこんなに長続きするとは、誰も予想していなかっただろう

 

リサ(そうだ…そうだよね…)

 

ならせめて、自分たちは笑顔でいよう。

 

リサ「よーし…!元気出すぞ!私たちがメソメソしててもどうにもならないもん!」

 

そう言いながら近くにあったクッキーを掴み口に入れる

 

燐子「あ…」

 

リサ「辛っ!これ辛っ!口がぁぁ!」

 

リサが口に入れたのは、八意に用意した激辛のサンドだった

 

こころ「リサ!大丈夫かしら?」

 

こころ達が慌てて駆け寄る。その場には、笑いが起こった

 

_________________________

 

〜放電室〜

 

黒服「…!」

 

想「黒服さん…!はぁはぁ…やりました!」

 

汗だくの八意、その姿に驚愕する。だが驚く原因はもうひとつあった

 

___金の力を30秒以上使えるようになった

 

 

想「やった…!全身が凄い力に包まれてる感じがする…!」

 

そう言いながら飛び跳ねる八意、そのいつも通りの元気さにほっとする。

 

黒服「お疲れ様です…八意様」

 

黒服はそう呟き、タオルを取りに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リサ「金の力を30秒以上使えるようになったの!?」

 

想「そうなんだよ!今もなんか身体がビリビリ〜って!」

 

あこ「静電気人間!?」

 

想「違うそうじゃない…!」

 

燐子「雷魔法が使えるようになったり…」

 

想「しないなぁ…」

 

紗夜「身体の方は大丈夫なのですか?」

 

紗夜が俺を見回しながら言う

 

想「全然大丈夫、むしろめちゃくちゃ好調、さっきまでのだるさが嘘みたい」

 

紗夜「それはよかったです…」

 

想「みんなもさっきとは打って変わって笑顔だし、なんか俺も笑顔になるわぁ」

 

友希那「…」

 

俺を見る友希那の目は、何故かゴミを見るような目をしていた

 

想「何その目…まるでゴミを見るような目してんだけど…」

 

友希那「…いいえ、何も無いわ」

 

想「意味ありげなこと言うのやめてくれない?俺そういうの気になるから!」

 

笑いが巻き起こる。その後はしばらく、おれはいじられたおされながら、でも楽しい雑談タイムをしていた

 

 




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