ありふれていない兄は世界最強   作:じっぽるげんがー

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対よろです。


ステータスプレート

クラス全員が対魔人族の戦争に参加する流れとなった後、これからの流れをイシュタルが説明をした。イシュタル曰く、俺たちが召喚された教会がある【神山】という山の麓にある【ハイリヒ王国】という国に向かうらしい。

途中、王国に向かうためにイシュタルが魔法を使ってクラスメイトが騒いだりしたが…まぁ置いておくとしよう。

 

そんなこんなで俺たちは現在、ハイリヒ王国の王宮にいる。王宮の中にいた騎士や文官、使用人たちが畏敬の念に満ちた眼差しでこちらを見ていることから、すでに俺たちが人間族のために召喚された者たちであるとある程度は広まっているらしい。

 

先程までいた聖教会に負けず劣らずな廊下を進み、巨大な扉の中に入ると──真っ直ぐに延びたレッドカーペット、その奥の中央には豪奢な椅子、玉座があった。

玉座の前に立っている初老の男。恐らくこの人がハイリヒ王国の現国王なのであろう。隣には王妃と思われる女性。反対側には美少年、美少女が並んでいる。揃って金髪碧眼であることから恐らく姉弟なのであろうということがわかる。

玉座の手前まで行くと、イシュタルはそこに俺たちを留まらせ、国王の前まで歩いていく。そしておもむろに手を出したと思えば──国王はその手を取り、軽く触れない程度のキスをした。

 

 

 

忠誠の印

 

 

 

ここが王国であるにも関わらず、その王国の頂点、国王は教皇に忠誠を誓っているのだ。この出来事によって、この世界の人間族は神を中心として動いていることが確信できた。この世界では一国の王<神に使える教皇なのである。

ハジメも同じことを思ったのか、軽く溜息が出ていた。

 

そこから始まったのはただの自己紹介。

国王の名前はエリヒド・S・B・ハイリヒ。王妃の名はルルリアというらしい。

金髪少年の名はランデル、姉である少女はリリアーナ。

その後王国で高い地位に着いている騎士や文官などの紹介がされていたが、そんな中ランデル王子は香織のことをチラチラと向けていた。

 

(これは…一目惚れしたか?……でも王子よ、そいつには既に想い人がいるんだよ…諦めろ……)

 

もちろん声に出すことはしないが心の中でそう零す。

 

その後、晩餐会が開かれ、俺たちは豪勢な食事を頂いた。

非常に美味しかったが、やはり俺の舌にはいつも食べている玲奈のご飯の方が合っている。ここでも料理させてくれたりしないかなぁ、世界が違うと食材はやっぱり違うのだろうか。などと考えながら、晩餐会は幕を閉じるのだった。

 

 

晩餐会が終わると、王宮の中を案内された。どうやら俺たちの拠点となるらしい。一人一人に個室を与え、訓練、衣食住を提供する辺りから自分たちに相当な期待をされていることがわかる。

 

そんな期待をされている人たちの一人、悠馬は自室で今後の自分の立ち回りについて考えていた。

 

(紹介の時に騎士団長─メルド・ロギンスさんから明日から早速訓練が始まるという旨を言われたが、どんな訓練をするのだろうか。この世界には騎士が居ることから剣、それと魔法があることが分かった。戦争の言い出しっぺである光輝──あいつはまぁ俺と同じく八重樫道場で剣術を習っていること、それにあいつの性格から前衛をやることになるだろう。勇者でもあるらしいしな。………龍太郎も脳筋だからな、魔法ではなく前衛だ。香織、玲奈は運動ができない訳じゃないが……個人的には後衛、もしくは中衛の方がいい。あの二人は周りを見ることに長けているからだ。ハジメは…今のところ判断が難しいな。最近身体はできてきているから、タイミングを見て…だな。そして1番難しいのが………雫だ。あいつは強い。俺と打ち合えるぐらいには。そしてあいつの中身をあまり知らないクラスメイト達は雫に期待するであろう。しっかり者の雫はそれに応えようとするはず……しかし剣が扱えようが、実力があろうがあいつだって女の子、それも高校生。平和な日本で今まで生まれ育っていきなり実践なんてやらせる訳にはいかない。雫の方も玲奈達と同じく自分よりも後ろに行かせたいが……)

 

「おそらく、無理だろうなぁ…」

 

性格的に厳しいであろう。周りに優しく(厳しいときもあるが)自分に1番厳しい雫はきっと多少の無理をしてでも前に行く。だから、雫のために。雫の安全を少しでも守るために、俺は………

 

 

 

拳を握り締め、決意を新たにする。

窓から見える月をチラリと見た後、俺は眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、言われていた通り訓練と座学が始まった。

 

まず集まった生徒たちに銀色のプレートが渡された。

メルド団長の話を聞くに、これはステータスプレートという代物であり、自分のステータスを数値化し、身分証となってくれる物らしい。プレートに刻まれた魔法陣に自分の血を垂らすだけでいいのだそうだ。便利なもんだな。神代のアーティファクトという神が作ったとされている魔法道具と言っていた。

そして俺は昨日の夜に一人で考えていたことを確認するために玲奈、香織、雫、ハジメを呼び寄せた。光輝と龍太郎は……まぁ大丈夫だろう。

ということで、一人一人自分の指を針で刺し、プレートに血を垂らしていく。

するとプレートが使用者の魔力色の色の光を発し始める。

香織は白菫、雫は瑠璃色、ハジメは空色。

十数人の光により周りは虹以上に鮮やかに彩られていく。

隣にいた玲奈は…黄色?のように見えるが周りの人達よりも輝いている気がするので金色のような気もする。

そして俺は…鮮やかな赤だった。しかしただ鮮やかなだけでなく、プレートに近い部分、光の根元の部分は黒と赤が混ざりあっててさながらグラデーションのようであった。

 

「珍しいのは分かるが、しっかり内容も確認してくれよ」

 

というメルド団長の声でみんなが我に返り、ステータスプレートを確認していく。

 

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不知火 玲奈 17歳 女 レベル:1

天職:巫女

筋力:20

体力:50

耐性:40

敏捷:50

魔力:150

魔耐:150

技能:全属性適正・光属性耐性・闇属性耐性・複合魔法・高速魔力回復・魔力感知・言語理解

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白崎 香織 17歳 女 レベル:1

天職:治癒師

筋力:30

体力:50

耐性:40

敏捷:40

魔力:140

魔耐:140

技能:回復魔法・光属性適正・複合魔法・高速魔力回復・魔力感知・言語理解

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八重樫 雫 17歳 女 レベル:1

天職:剣士

筋力:80

体力:80

耐性:60

敏捷:120

魔力:50

魔耐:50

技能:剣術・縮地・先読・気配感知・隠形・言語理解

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3人のステータスプレートを見せてもらった悠馬。どのくらいのステータスが高いところに位置しているのかはわからなかったが、天職と重ねて考察を始める。

 

(香織は治癒師、玲奈は巫女か…治癒師は名前の通り回復職、後衛で巫女は……巫女さんが戦うのがあまり想像できないが、全属性適正、複合魔法、高速魔力回復があり、魔力が高いことから後衛の方かな。問題は……雫か。地球での才能がこちらでも通用するのはいいが、剣使い──前衛は危険度が高い。あまり1人ではやらせたくないな、光輝や龍太郎が周りを見れるんだったらここまで考えなくてもいいかもしれないが……最悪、俺が中衛とかだったとしても前衛に行きたいな)

 

 

そう考え、自分のプレートを見る。

するとそこには──────

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒一人一人がメルド団長にステータスプレートを見せていく。

 

「……お願いします」

「おう。えーっと、名前は不知火 悠馬。天職は…なになに?侍……?聞いたことねぇ天職だな…?」

 

悠馬のステータスプレート、そこには──

 

 

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不知火 悠馬 18歳 男 レベル:1

天職:侍

筋力:150

体力:150

耐性:100

敏捷:80

魔力:80

魔耐:30

技能:火属性適正・物理耐性・縮地・剣術・一心動体・言語理解

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と記されてあった。

 

「メルド団長。侍というものは僕達のいた地球──その中でもいくつか国があって僕達が暮らしていたのは日本というのですが…そこに昔いたとされる、刀という片身の剣を扱う者たちです」

「ふむ。その刀ってやつも聞いたことがないが……片身の剣なんだな。こちら側の世界にあるか調べてみよう。それで、悠馬の陣形の配置場所だg「前衛でお願いします」…ほう?最初からそのつもりだったが自分から申し出るとは……自信があるのか?」

「うーん…まぁ、一応地球にいた頃に剣は触っていたので初心者って訳では無いですね。もちろん実剣で人や動物とかと戦ったことはないのでこっちで上手く行くかはわかりませんが」

「…まぁいいだろう!悠馬、お前は前衛だ。光輝や龍太郎、雫たちと組んでもらうことが多いだろうから、連携はしっかり取るようにしてくれ!以上!」

「了解です。ありがとうございました」

 

(よかったぁああああ!!!ナイスステータスプレート!ナイスメルド団長!!これでもしも中衛向き天職とかだったら前衛である光輝たちと試合をしてでも前衛に行くことを考えていたからなぁ。……今はクラスメイトほぼ全員が光輝を理由に参加するって言っているからな。まだ光輝にはみんなの希望でいてもらわなければ困る。そいつが天職がただの侍の俺に倒されては……な?」

 

「はは……光輝くんとの試合には勝つことが前提なんだね…」

「たりめぇよ、俺はまだあんなひよっこに負けない………ってハジメ?なんで俺が今考えてることがわかった?」

「考えてることって……普通に声に出てたよ?小声だったけど…」

「…マジ?誰にも聞かれてないよな…?」

「うん、多分周りには僕しか居なかったから大丈夫だとは思うよ?」

「そっか…助かったな…あ!そうだハジメ!お前ステータスは?天職はどうだった!」

「え、あ、あぁ、うん……それが……」

 

 

 

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南雲 ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解

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「錬成師…?それにこのステータス…確か一般人のステータスが…」

「うん……メルド団長が言ってたけど、ステータス10はここの世界の一般人程度らしいよ……ごめん悠馬、あんなに特訓に付き合ってもらったのに…僕はこっちの世界でも弱かったよ」

 

ハジメは自嘲気味に笑う。そんなハジメに俺は──

 

「何言ってんだよ、錬成師にも戦い方があるはずだろ?錬成……を見たことがないからまだなんとも言えないが、字面的にあの有名アニメの錬金術師を思い浮かべたぞ俺は。あれと同じことができるんだったら地面から杭とか出したり壁出したりとかできるんじゃないのか?」

「!………そうか、確かメルド団長は錬成師は鍛治職って言ってた。でもそれは今までこの世界の鍛治職人達が戦いに出てなかっただけであって、戦うこともできるはずってこと?」

「そういうこと。いつも言ってるだろ?頭は柔軟に、使えるもんは何でも使わなきゃな」

「そうだね!ありがとう悠馬。おかげで何をすればいいか見えてきた気がするよ!………ところで悠馬のステータスプレートはどうだったの?」

「ん?俺か?…ほれ」

「うわぁ…さすがのぶっ壊れステータスだね……ん?天職…侍?ここの世界にも侍って居るの?」

「いや、メルド団長が言うには初めて聞いたそうだから、俺がイレギュラーなのかもしれないな。刀…肩身の剣も見たこと…ないって………言っ…て……た………」

「え、なになにどうしたの悠馬!?なんでそんなに僕のこと見てんの!?怖いよ!?」

「ハジメ!お前さっき武器作れるって言ってたよな!?」

「う、うん。メルド団長が錬成師は鍛冶師で武器とかを作る〜って…」

 

 

 

 

 

 

 

「シェフ捕獲」

 

 

 

 

 

 

 

武器製作者(ハジメ)の手を掴み、俺はそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




対ありでした。
急いで書いたので誤字脱字あるかもしれません。報告等よろしくお願いします。
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