ありふれていない兄は世界最強   作:じっぽるげんがー

7 / 10
そういえば書き忘れてたんですけど昨日のステータスプレートのステータスについてです。原作キャラの初期ステータスは自分で調べた感じ公開されてない(多分、知ってる方いたらどこで見れるか教えてください)ので公開されている72レベル時点のステータスを10で割って一の位を四捨五入して、みんな同じぐらいの合計値になるようにしてます。
はい、それだけです。今回も対よろです。


強き想いを持ち、兄は動き出す

ステータスプレートが渡された日から約一週間が経った。

 

座学、訓練など1日のやることを全て終わらせたハジメは悠馬の部屋に来ていた。夕食を食べている際に「今後の動きに着いて話し合おう」と呼び出されたのだ。

 

悠馬の部屋の前に立ち、ノックをする。

 

「悠馬ー?ハジメだけどー」

 

数秒後、ドアが開き

 

「うっすハジメ。まぁ入ってくれ」

「お邪魔します…」

 

自分の部屋と変わらない構造だが、つい辺りを見渡してしまう。

 

「まぁ適当にかけといてくれ」

 

そう言われたので部屋のだいたい真ん中にある椅子に腰掛ける。

 

「紅茶っぽいやつでいいよな?」

「あぁ、うん。お構いなく」

 

既にお湯は沸かされていたのか、すぐに紅茶を持ってくる悠馬。机を挟んだ自分の向かい側の椅子に座る。

 

「じゃ、早速始めようか。突然なんだけど……ハジメ、知識を蓄えないか?」

「おぉ?ほ、本当に突然だね…まぁ知識は重要だと思うけど…」

 

少し驚きながらも同意を示すハジメ。

 

「いやー、訓練が始まってとりあえず数日間さ、剣に慣れたり魔法に慣れたり、あとは基礎能力を確認するために天職関係なく全員で訓練やスポーツテストみたいなことをしただろ?」

 

確かに初日、ハジメ達はステータスプレートには書かれない持久力などを確認するために地球でいう体力テストのようなものが行われた。

ハジメは悠馬とトレーニングをしていたこともあり、次の日は軽い筋肉痛で済んだがクラスメイト大半がゾンビのような歩き方をしていたのは軽くトラウマだ…ちなみに悠馬はピンピンしていた。みんなから化け物を見るような目で見られていた。

 

そこから基本的な剣の扱い、魔法の基礎などは全員で行っていたが、数日前から天職に合わせた訓練が始まっている。

 

「ここ最近天職に合わせた訓練が始まっているけどハジメはステータスや天職的に剣技とか魔法とかやるよりも、この世界の鉱石とかの知識を蓄えたりした方が戦力になると思ったんだが…どうだ?」

「なるほど…確かに僕のステータスだとみんなの練習には着いていけないし、鉱石のことがわかれば武器製作とかも捗るね…やってみたいかも」

「よし、そうと決まれば早速行くか!」

「え?え?行くって何処に?それにこんな夜に?」

「夜だからこそいいんだよ、あと行く所は…メルド団長だ。直談判しに行くぞ」

「え、えええええーーー!?」

 

と悠馬に半強制にメルド団長の部屋に引きずられていき、直談判を行ったのだった。

 

数十分後、ハジメは一人廊下を歩きながら先程まで行われていた話し合いを振り返る。

 

悠馬は宣言通りにハジメを引きずりながらメルド団長の部屋まで行った。

流石にこんな重要なことは簡単に決められないだろう。そう思っていたハジメだったが以外にもメルド団長は

 

「たしかに坊主…南雲の訓練はどうしようかと考えていたところだった。ふむ、悠馬の言う通り南雲には知識面のサポートを任せた方がいいかもしれん。副団長達とも話し合ってみなきゃわからんが…俺個人としては了解だ」

 

とあっさりと決まってしまった。

 

そして現在、悠馬はまだメルド団長に話があるらしく、僕は一人で自室に戻っているのだが……何の話しをしているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

《悠馬side》

 

ハジメの訓練のことについてメルド団長に直談判をしに行き、無事に了解を得たが、俺──悠馬はここからが本番だった。

 

「それで?南雲を部屋に戻して何の話があるんだ?」

「はい、突然ですがメルド団長。あなたは百層あると言われているオルクス大迷宮を……一人で何層まで行けますか?」

「……そうだな、昔若い頃に行った時は二十四階層ぐらいで引き上げたが…今はおそらく、三十階層いかないぐらいだな」

「二十階層……じゃあメルド団長。その半分、十五階層までという制限をつけるから……俺を一人で大迷宮に行かせてくれ」

「な!?馬鹿野郎!!大迷宮ってのはな!訓練とは違うんだぞ!…焦らなくても1週間後にお前ら全員と騎士団で大迷宮に行く。だから今h「だからこそだよ」…だからこそ?」

「あぁ、俺はクラスに守りたい奴がいる。……本当は、別世界の戦争に参加なんてさせたくないってのが本音だ。召喚されて戦争に参加しないと言った時のデメリット──例えば奴隷のように扱われる可能性があったからあの場では参加すると言ったが……俺はアンタら、特に教皇や神のことを信頼なんてしていない。だからせめて、クラス単位で行く前に自分の目で確かめない限り……俺はあいつらを大迷宮になんて行かせない。」

 

メルドがこちらの目を見て何かを探ってくる……俺はいつでも身体が動くように警戒をする───

十数秒後、メルドが口を開けた。

 

「…お前の言うことはよくわかった。俺にも守りたい奴らはいっぱいいるからよく分かる」

「それなら…!「しかし!!!」 …!?」

「それでも大迷宮は一人で潜るのは危険だ。それにお前の実力が俺の半分とは……自惚れるなよ、小童…

 

そう言うと、メルドから謎の覇気の様な圧が出された。

一瞬、悠馬も驚くが束の間に負けじと睨みつける。

 

「ほう……威圧を受けて怯まないとはな…着いてこい、俺と打ち合えたら考えてやろう」

 

無言で頷き、肯定の意を示す悠馬。夜の闇が濃くなってきた中、二人の打ち合いが火蓋を切ろうとするのだった。

 

 

 

 

 

場所は変わってコロシアムのような訓練場。

悠馬とメルドは向かい合っていた。

 

「武器は鞘をつけたままの剣を使用する。致命傷になるような攻撃はなるべく避けるが骨の1、2本は構わん。技能や魔法を使うことも許可する。要は手加減は無し。これでいいな?」

「あぁ」

「スタート合図はこのコインを指で弾いて、地面に落ちたら開始だ。いくぞ……」

 

数秒の沈黙の後、メルドがコインを弾く…

綺麗な放物線を描きながら落ちていき───火蓋は切られた。

 

始まった瞬間、両者ともに駆け出す。

約8メートル空いていたにも関わらず、剣が交わるまで時間にして僅かコンマ数秒。そして空気が振動する程の打ち合い。

 

「っ!おおおおお!!!」

「っらああああ!!!」

 

お互いの手が痛いほどに痺れるが、声を絞り出して打ち合う。

それから十数回打ち合い、お互いに距離を取る。

 

少し乱れた呼吸を整えながら悠馬は思考する。

(流石は今まで人間界を守ってきた騎士団長だ、一太刀一太刀が重い─!!おそらく何十年も剣を振ってきたであろうこの人の前では俺なんてまだまだひよっこ──でも!それでも俺はっ!!!)

 

「負けらんねぇんだよっ!!!」

 

左上から右下の方向に剣を振り抜こうとする俺を見て、メルドは右上から……正面で打ち合うように構えた。

 

(リスクを承知でやるしかないっ!)

 

俺の剣とメルドの剣が交わる──瞬間、スローになる視界の中、俺は手首を逆に返す。

メルドの剣を自分から見て左側に逸らし、メルドの空いた鳩尾(みぞおち)に───肘鉄(ひじてつ)を入れるっ!

体制が崩れ、下を向くメルド。刹那、技能の縮地・一心動体を発動させメルドの背後に、そして────

 

 

 

俺は吹っ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

《メルドside》

 

打ち合おうとした瞬間、剣を予想外の方向に弾かれ体制を崩し、肘鉄を食らわされ俺は膝を付き、視界を下にしてしまった。

直ぐに正面を向き、攻撃に備えるが──相手、悠馬は視界にいなかった。

 

(何処だ──!?!?)

 

そう思った瞬間に背後から感じる殺気。切れ味の良い刃物を首に押し当てられている様な錯覚に陥った俺は、技能剛力、それに人生で1番の力を込めて───剣を背後に振り切った。

 

ドゴォォオオオオオオオオオン!!!

 

後ろの壁から鳴り響く音。舞う砂埃が晴れていき、音の中心源であろう人を見つけ─────

 

「まずいっっ!!悠馬っ!!!!」

 

そう言って駆け出した。

 

 

 

 

悠馬に近づき、大声で呼びかける。

 

「悠馬!おい悠馬!!!」

「……っいてててて……」

 

そう言って普通に立ち上がる悠馬。

 

「悠馬!お前……無事なのか!?」

「え?えぇ、まぁ無事ですけど」

「……あれを食らって、無傷…なのか?」

 

先程のメルドの一撃、あれは殺気を感じたメルドが火事場の馬鹿力のようなものを出して放った、今までもそしてこれからもおそらく出せないであろう最大の一撃。大型の魔物などがこの一撃で沈まないならまだ分かるが、受けたのは人間…いくら召喚者だからといってまだレベルも1桁なのだ。

 

「まぁかなり重い一撃で、直撃だったら骨は何本か逝ってたかもしれませんね。いやぁ技能が発動していてよかった」

「技能…?」

「はい。俺の技能、一心動体は強い想いを持っている時にステータスとか思考速度とか反射速度にバフがかかる技能みたいなんです。ハジメと一緒に発見しました」

「なるほど。それで防御が間に合った+耐性が上がったから無事だったんだな?」

「えぇ、メルドさんに負けたくない一心でしたからね。…勝ったと思ったんですけどね…ここまでボロボロにされちゃ…」

「……………その件だが、いいぞ。行っても」

「え?…大迷宮に……ですか?」

「あぁ、俺の実力の半分どころか全力で打ち合えたんだ。それにさっきの一撃は奇跡的に出せただけで……実質お前の勝ちだよ、悠馬」

「〜〜!ありがとうございます!!「ただし!!!」…え?」

「しっかり安全マージンを取っておいてくれ。少しでも怪しかったら直ぐに戻ってこい。あと行く予定の階層の魔物は図書館の本で予習しておく………この3つを守ってくれ」

「わかりました。………メルドさん」

「なんだ?」

「さっきは部屋でこの世界の人達を信じていないみたいなことを言いましたが、訂正です。……アンタは、メルドさんは信じてみようと思うよ。さっきの剣と剣の打ち合いでアンタの積み上げてきたものを、尊敬したいと思った……だから、これからも俺含めてアイツらを……よろしくお願いします」

 

手を差し出してくる悠馬。

 

「……当たり前だ!特に前衛組はビシバシ鍛えてやるからな!」

 

笑いあって握手をする二人。「今度また試合しましょうね!次は負けませんよ!」と言う悠馬を見ながらメルドは

 

(不知火 悠馬………お前はきっと、どんどん強くなる。俺なんてすぐに越えられるさ)

 

そう思いながら、二人で帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




技能:『一心動体』…一心同体ではなく動体です。誤字じゃないです。本文で書いてある通り、強い想いを持っている時にバフがかかります。限界突破ほど強くはなりませんが想いを持ち続ける限りデメリット無しで発動し続けます。

今回も、対ありでした。
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