2度目の人生の目的はパパ活です   作:粗茶Returnees

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 畳む作業はしますとも。アペ楽しい。優しい読者に感謝。


藤原萌葉に伝えたい

 

 戦争に勝つ条件は何か。いや、戦争じゃなくてもいい。

 戦いに、勝負に勝つ条件は何か。

 それは、敵のやりたい事をさせずに自分のやりたい事で蹂躙することである。TCGであれ、格ゲーであれ、戦略や戦術の介入の余地があるのなら、それができるものが強者であり勝者になる。

 さて、恋愛ならそれはどうなるか。

 早坂愛は恋愛が戦争だと言った。なるほど、他の人に出し抜かれないようにするなら、それは戦争かもしれない。この場合、競争と言った方が適している。ならば戦争ではないのか。そう決めるのは早計だ。

 

 恋愛の必勝法とは、自分が好きな相手を自分に惚れさせることである。そうすれば断られることなどあり得ない。家柄を口にするのは時代錯誤であり、臆病風に吹かれてた時の言い訳に過ぎない。

 もちろんこれは一般論。敗戦後でも財閥が解体されなかったこの日本では、一部の富裕層の中でその認識が残っている。

 それはさておき、恋愛の勝利条件の定義は必要だろう。両思いになってから付き合うのは理想形である。誰もが一度は夢見るだろう。しかして現実では難しい。付き合ってから見極めるなんてやり方もあるのだから。

 

 恋愛が叶うというのは、自分の思いが通じることを指すのか。それとも両者の思いが通じ合う状態を指すのか。

 ゴールの規定。全てはそこだろう。

 

(付き合えることを勝利条件の1つにする)

 

 陽の考えはそこだった。萌葉の気持ちは未だに分からない。圭の気持ちだって。

 だから、萌葉に惚れられる男になってから告白するという理想は隅に追いやる。萌葉に今よりも自分を知ってもらうために、より近くにいてもらうために、萌葉と付き合うという手段を取る。

 順序を入れ替えたのだ。知ってもらってから付き合うのではなく、付き合ってから知ってもらう。お試し期間として捉えてもらってもいい。それならそれで、アピールすればいいのだから。

 

「会長。別に選挙のやり方弄らなくてもよかったんじゃない?」

「こっちの方がみんな話を聞くでしょ」

「そうだけどさ~」

 

 舞台袖に控えている陽と萌葉が今回の選挙について話す。阿天坊は他の生徒と同様に席に座り、圭は司会進行を務めている。彼女ほど中立性を保っていられる生徒は他にいないから。元生徒会メンバーという憂いを跳ね除けるほどに、彼女のこれまでの実績は知られていた。

 今回はこれまでの生徒会選挙とは少しだけ異なる。真面目に話を聞かない生徒の多さは長年の悩みとなっており、陽も去年それを痛感した。

 そして気づいた。一方的だから面白くないのだと。理想は生徒参加型だが、そうなると今度は時間が足りない。そこで、立候補者のみが他の立候補者への質問ができることにした。批判は許さず、質問とそれによって生まれる討論を許容する。高等部であったことを早坂と石上から聞き、中等部でも導入したわけだ。

 

「応援演説に横槍がないのは仕方ないか」

「横槍言うな。あと残念そうにするな。応援演説で口を挟んだら、ただの人格批判になりかねない」 

「人のボロとか裏を見せるには持ってこいなんだけどね」

「それをやられて痛くない人はそういない」

「それもそっか~」

 

 萌葉ならそれすら逆手に取って相手の印象を落とさせただろう。それくらいやってのけられる。けれど、陽は萌葉にそんなことをしてほしくなかった。応援演説に口を挟むとなると、そもそもその行為の時点で人格を疑われるのも同然だから。

 他生徒の応援演説が終わり、萌葉の応援演説の番となる。元副会長であることから、この人選は適任だ。娯楽部のどちらかに任せては酷い目に遭う。それも去年経験した。

 

「それじゃ行ってくるね~」

「よろしく」

「任せて!」

 

 笑顔を見せながら出ていく萌葉のなんと頼もしいことか。そして、同時に一抹の不安を抱いてしまうという何とも嘆かわしいことか。去年よりはまともなはずだと陽は自分に言い聞かせる。

 圭に頼んだ方が安心だったが、司会進行の役割を担える人物で他を見つけられなかった。

 

「小野寺陽くんは知っての通り前会長です。彼が会長になってからの学校生活を皆さん送っています。1年生には分かりにくいでしょうが、明らかに学校生活に輝きが増したはずです」

 

 プロジェクターを活用し、陽の功績を出していく。代表的なのは制服の小さな変化だろう。見た目こそその人気の高さから変えていないが、生地が変わっている。それまでなら女子生徒が下に着ているものが透けて見えたし、濡れるとはっきりとわかってしまっていた。雨の日ほど女子生徒が億劫に感じた学校生活はない。

 陽は着任早々それを真っ先に変えた。メーカーと交渉し、生地を変えさせ、透けないようにさせたのだ。男子からは陰ながら不評だったが、男子の立場が悪くなるために表立った声も出せない。これを公約に盛り込んだこともあり、陽は女子生徒から圧倒的なまでに票を集め、実行したことで人気が高まった。それもこれも、圭の1件に関わったからだが。

 

「1年生にもわかりやすいように、去年と一昨年での違いを纏めました。二大行事たる体育祭と文化祭です」 

 

 共通してる箇所は文字色をそのままに、変更点は赤色にして表示する。改変は言わば政策。それを強調し、さらに盛り上がりの違いを示してしまえば、陽の実績として高々に言えるのである。

 この人物が会長になったからこそ、去年の盛り上がりがあったのだと。そして、それを知らない1年生には、小野寺陽だからこそそれができたのだと言える。

 これをすることで、また陽が会長につけば、その盛り上がりを約束されたも同然だと言い切れるのである。実績という他の立候補者にはない武器。前会長だから持てる最大の武器。これを使わない手はない。

 

「皆さん。楽しい学園生活を送りましょう。小野寺陽に清き1票を」

「時間です」

「イェーイぴったし~!」

 

 時間通りに終わらせるのも、萌葉の度量と技量が覗えた。数百人の生徒の目が自分に集まる。それは中々経験できるものでもなく、緊張しないほうがおかしいだろう。緊張してしまえば、話が早口になったり、場合によっては話す内容を飛ばしてしまうこともある。最悪の場合、頭が真っ白になって全て飛ばすだろう。

 けれど萌葉はそうならない。緊張なんか感じさせず、生徒たちが聞き取りやすい声量と話し方で応援演説を終えた。時間配分も完璧で、早く終わることもなければ時間を過ぎることもない。政治家の娘とはいえ、ここまでできるのは才能か。

 

「完璧過ぎてむず痒いんだが」

「え? どこが?」

 

 圭に手を振ってから帰ってきた萌葉にそう言うと、萌葉は満足できていないようで首を傾げていた。彼女としては満点ではないらしい。

 

「もっと目の色を変えさせられたらよかったけど、私やっぱ向いてないよこういうの」

「いやいやいやいや」

 

 意識が散漫しやすいこの演説の時間で、全員の意識を自分に集めさせた時点で称賛に値する。それなのに、萌葉はもっと上の目標を立てていたようだ。普段の言動により忘れてしまいそうになるが、萌葉は優秀な人物だ。だから陽も堂々と指名できたというのに、まだ見誤っていた。底知れず、末恐ろしいほどに頼もしい限りである。

 

「お膳立てはしたし大丈夫だとは思うけど、後は頑張ってね」

「頑張る」

 

 立候補者による演説。少しだけやり方を変えているため、陽もステージ上に姿を現し、プロジェクターに映っている政策を見ながら演説を聞く。粗探しをする必要などない。疑問点を聞くことがこれの目的なのだから。

 他の生徒が聞きたがるようなポイント。突っ込みたいであろう箇所。そこを割り出して聞ければ、好印象は取れるか。

 いくつか聞きたい箇所はあるのだが、まずはそれが本当に必要かという点を聞くべきだろう。碌に説明をしなかったあたり、陽を誘導するための罠であることは見え透いている。しかし、質問できるという環境を作った以上、そこを突かないわけにもいかない。

 

「質問よろしいでしょうか」

「なんなりと」

「生徒会の構成の仕方の変更は個人的に面白いとは思いますが、基準を設けるにしてもそれは結局、会長となる人間が決めて指名すればいいのでは?」

 

 それぞれの職に対して、成績やら何やらを基準にして選抜する。優秀な生徒会を作るには効率的だろう。しかし、指名制になっていたのは、円滑な人間関係の構築をするためだ。いくら優秀な者同士が集まろうとも、人間関係が悪ければ非効率的な運用になってしまう。

 組織において、人間関係の構築は重要なファクターだ。そこを切り崩す理由が何か。十分な説明があるというのか。陽はそこまで聞き出す必要がある。

 とはいえ、見え透いた釣り餌に食いついたのだ。勝手に話すだろう。

 

「これは会長となる人間の暴走を抑制するためです」

「暴走?」

「生徒会は行事に大きく影響を及ぼせる。それはあなた方が証明した」

「高等部や他校を参考にしながら、ですけどね。より楽しい時間を過ごさせるのも生徒会の仕事だと思っているので」 

「もちろんそれが望ましいでしょう。ですが、危惧すべき点は生徒会の私物化です」

「なるほど」

 

 指名制である以上、そこを危惧されるのも当然の話。実際に陽も私物化してると言える状態だった。人選の時点からして。そうではないと証明するためのこれまでの実績でもあるが、納得しない人はしないだろう。自粛警察のように。

 

「前会長であるあなたも、私物化をしましたからね」

「指名制である以上、そういう指摘をされるのは当然ですね」

 

 そんなもの、歴代の会長が等しく味わってきたジェットバスだ。痛くもない。

 

「生徒会を3人で運用されていた」

「残りの1人は新1年生から選ぶと決めてましたし、去年の今頃にも言っていたはずですが?」

 

 マスメディア部が記録しており、その記録も残っている。そこを覚えていない方が悪い。

 

「本当にそれだけですか?」

「と、言いますと?」

「生徒会が多くの噂を持つのはご存知だと思います」

「根も葉もないことやら尾ひれのついたものまでありますね」

「その中の1つに、会長は他の役員の弱みを握っているというものがあります」

「初耳ですわー」

 

 噂のすべてを把握してるわけでもないし、噂は噂だと流すのが陽たちだ。知らない噂の1つや2つあっても当然。もしくは、この場ででっち上げている可能性もある。

 生徒たちの反応を見て、それがどちらかを判断する。でっち上げの可能性の方が大きそうだ。つまり、この釣りの目的は陽の人気と信頼を削ぎ落とすこと。合法的な名誉毀損まで有り得そうだ。

 

「噂というのは、当人たちに聞くしか確かめようがありません」

「そうですね。そしてその噂も根も葉もないものだと言わせてもらいます」

 

 ステージの反対側で圭が頷き、舞台袖でも萌葉が頷く。生徒たちには萌葉の反応が見えないが、圭の反応は見える。圭がその位置にいるのがプラスに働いた。

 だが、それはマイナスになることもある。

 

「こんな写真を入手しましたが」

「……へー?」

「ぇ……?」

 

 映し出された写真を見て陽は目を細め、圭が絶句する。生徒たちもざわめいた。

 その写真は、陽と萌葉がキスしているもの。これまでの話の流れからして、「萌葉が逃げられないように腕を回している」というふうに見えることだろう。

 キスなんてしたことないわけで、陽としてはそこにまず怒りたいところなのだが、これは陽だけでなく萌葉にまで飛び火する。そちらの方が看過し難い。

 

「よくできた合成写真ですな」

「なぜ合成写真と?」

 

 これが合成写真であることは、陽と萌葉がよく知っている。2人はキスなんてしてないし、それに近いシチュエーションとしては海に行った時だ。その時に写真を撮られ、今日のために編集されたようだ。

 これを否定するのは難しい。人間にとって視覚情報は事実として映りやすい。この写真が動かぬ証拠だと生徒たちに認識されてることだろう。

 

「これをいつどこで撮られました? どうやって手に入れました?」

 

 だが、合成の背景を選び間違えた。背景が外の写真なら、2人が付き合っていたのだなという認識にすり替わりかねない。その噂もあるから。効果的にしようと思えば、室内にする必要がある。

 ならば当然生まれてくる疑問は、なぜ室内での写真を持っているかだ。

 

「関係筋から」

「関係筋? マスコミが好きそうな言い訳ですね。写真を見るにこれは室内。開放的な室内ではなく、個室などに近い場所。ではどうやってその写真を撮りました? それを盗撮と言わずして何と言うのでしょうね」

「真実を暴くために多少の悪性は必要でしょう。探偵だって似たことをする」

「名探偵の真似事かな? モナーの方だろ」

 

 陽の機嫌が悪くなっている。元生徒会メンバーと娯楽部はそれに気づいた。ブレーキを踏ませることもできないため、アクセルを踏みつける陽を見るしかない。

 

「もう一度聞きますけど、いつどこで撮ったものですか?」

「8月19日と聞いてます」

「おやおやおかしいですね。その日は3人で葉山に出かけた日ですよ。SNSでその事は投稿されてましたし、写真を見るに日中ですが、日中にやっていたことも投稿されてます。もう一度聞きましょうか、これはいつどこで撮られましたか?」

 

 陥れるなら徹底的にだ。少し得意気になって行うから手痛いカウンターを貰うのである。

 陽はこれを逆手に利用し、自分への票集めに利用した。

 

「こちとらまだ彼女できたことないんだよ! 写真にファーストキスを越される屈辱などあってたまるか!!!」

 

 連続で問い詰めたことで、写真の真実性を低下させる。その後に本心からの魂の叫びを出すことで、陽は写真が嘘であると生徒たちに信じさせた上に会場を沸き上がらせた。

 

 こうして小野寺陽(童貞)は勝利を収めるのだった。

 

 

 演説も終わり、陽は圧倒的な大差をつけて会長職を勝ち取った。大勝利である。

 陽は萌葉を生徒会室に来るように連絡し、自分もそこに向かっているのだが、途中で呼び止められた。中等部の気高き花。月も恥じらう月白の髪を持つ少女に。

 

「会長」

「白銀さん……。どうした? 今日は仕事ないし、残る意味もないだろ」

「それを言うなら会長こそ」

「俺は大事な用事があるから」

「それって、萌葉が関係してる?」

「……うん」

「っ」

 

 空よりも澄んだ瞳が揺らぐ。彼女には晴天の如き曇りなき表情が似合うと思うが、それを曇らせる原因は陽にある。それを自覚し、その上で陽は耐えながら突き進まないといけない。

 

やだ……そばにいて」

「白銀さん……。ごめん、()()()()()側にはいるよ」

「っ!!」

「俺は藤原さんが好きだから」

「ぁ……」

 

 目を見開いた圭に、瞳を潤ませる少女に、何か言葉をかけようとしてやめた。それをする権利がどこにある。資格もない。罪悪感を抱くのなら、前に進んで萌葉に告白するしかない。玉砕するかはまだわからんが。

 圭に背を向け、足早にその場を去る。お互い、この瞬間は近くにいる方がしんどいから。

 

「会長は萌葉が好きで…………。そっか……わたしも、……かいちょうがすきだったんだ」

 

 恋愛は戦争だ。出遅れれば、戦いに参加する前に敗北する。

 斯くも美しく、斯くも残酷なものはない。

 

 

 生徒会室に入ると、待ってましたと行った様子の萌葉が後ろに手を組んでくるりと振り返る。夕日を背にした彼女はどこか神々しささえ感じた。

 萌葉は陽の様子を見て、それを察して困ったように笑った。

 

「圭ちゃん振ったんだ?」

「……うん。本人はたぶん、自覚してなかったんだろうけど」

「まぁ圭ちゃんだからね。持ち前のプライドが邪魔したんだろうね。会長は子供なとこが多いから、無意識下でそこを言い訳に気持ちを逸してたのかな~」

「そこまで分かるんだ……。やっぱ凄いな藤原さん」

「親友のことだから」

 

 その親友を振った相手に告白されるのも、萌葉はわかっていた。

 

「圭ちゃんとお似合いだと思ってたんだけど。……圭ちゃんがいつから会長のことを目で追ってたか知ってる?」

「……知らない」

「会長が圭ちゃんにリボンをプレゼントした時からだよ」

「え……」

 

 全く気づかなかった。陽が鈍いのか。圭が自分の恋に鈍いせいでもあるだろう。

 しかし、最大の理由は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「藤原さん。小3の時、同じクラスになったの覚えてる?」

「覚えてるよ。会長と初めて話した時がその頃だからね」

「変な質問したのも覚えてる?」

「うん。『自分が誰なのか分からない』でしょ?」

 

 物心ついた時から見えていた前世の自分。輪廻転生という言葉を知ったのは萌葉と話した時より後のこと。

 前世の記憶など誰も持ってない。

 自分がおかしいのだと思うのも当たり前だった。

 1つの体に2つの記憶。前の記憶の持ち主の魂だろうか。今の自分は何なのか。陽はパニックになり、そんな陽に答えを出したのが萌葉だ。

 

『変なこと言うね? 小野寺陽くんは小野寺陽くんでしょ? 今ここにいて、私と話してる。それでいいじゃん』

 

 実にシンプル。単純明快にして真理だった。

 陽はあっけらかんにそう言った萌葉に感銘を受けた。その衝撃は靄を吹き飛ばし、陽の地盤をあっさりと固めた。

 

「大袈裟に聞こえるだろうけど、本当にあれに救われたんだ。その時から、ずっと俺は藤原さんのことが好きなんだ」

「……あはは、そっか~。圭ちゃんのことで気が引けるけど、嬉しいよ」

「藤原萌葉さん、俺と付き合ってください」

 

 シンプルにして真っ直ぐな言葉。萌葉は自分が熱を帯びていくのを感じる。これまでも告白をされたことはある。人に好かれるのは純粋に嬉しいが、萌葉は惹かれなかったために断ってきた。

 小野寺陽に最大の誤算があるとすれば、()()()()()()()()()()()()()()()()ことである。彼女の中で、付き合ってから知るなどという考えはない。

 

「私ね。本当の事を言えば、会長に告白されても断ろうと決めてた」

「えっ」

「圭ちゃんのことも大好きだから。圭ちゃんのこと応援してたし」

 

 何度か阿天坊を連れ出して生徒会室からいなくなるのも、萌葉なりの援護だったわけだ。もちろん、無自覚な圭を突き動かすために、自らが陽に近づいたりもした。

 藤原萌葉に最大の誤算があるとすれば、()()()()()()()()()()()()()()()である。彼がずっと萌葉に好意を持っていたからだろう。

 

「でも……駄目だなぁ。私、断ろうって決めてたのに。圭ちゃんを応援してたのに。……会長にそう言われてすっごい嬉しい。……こんなの、断れないよ……」

「藤原さん」

「だから、これから改めてよろしくね」

 

 嬉しそうに(悲しそうに)笑う萌葉を抱きしめ、距離を無くす。

 今度は未遂でもなく、合成でもない。

 

 




 萌葉(陽)が勝つにはここしかねぇ! というわけで選挙で終わりました。
 圭ちゃんの勝利条件は「文化祭までもつれ込ませること」(圭ちゃんルート突入は会長戦の後に陽が階段から突き落とされます)
 阿天坊くんの下の名前の出現条件は「体育祭をやること」でした。
 早坂ルートを想定した場合、友情(同棲)エンドになります。

 
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