Fate/Minecraft   作:天空ラスク

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十一話!藤丸立香視点です!
『シリアス入りまーす』



ある日の出逢い・表

 ──そう、あれは確かまだ私が小学生の頃の話。当時の私はおばあちゃんの家に住んでいた。私が小さい頃に両親が交通事故で死んじゃって、行くところが無くなった私をおばあちゃんが引き取って育ててくれたんだ。ある日、友達から私の親に着いて聞かれた。意識が出来た頃にはもう事故は起きていたから、私はその質問に答えられなかった。多分それからかな、私の親は何か訳ありなんだど思われるようになった。どんな訳が有るのか誰も知らずに、私の周りから少しずつ人が離れていった。両親は死んだって、言いたくなかったんだ。皆が自分の親について話している顔が楽しそうで、嬉しそうで、そんな雰囲気を私の話で壊したくなかったから。でも友達の中にはどうしても聞きたい子もいて、その子にも私は言えなかった。それから、その友達と上手く話せなくなっちゃった。その子はクラスの人気者で、私とその子との仲が悪くなって来ている事にクラスの誰かが気づいて、いつの間にか私はクラスから孤立しかけていたんだ。どんどん人が私から離れていってしまって、それがとても怖くなってしまって、頑張って話しかけた。 だけど駄目だった。私が話している時、色んな目で見られたんだ。存在を忘れていたような目、珍しいものを見たような目、人を邪魔物にしか見ていないような冷たい目。早く視界から消えて欲しい、そんな感情の篭った目。それが嫌で、髪の毛を伸ばして目を隠した。そんな眼で見て欲しくない、前のように仲良くしたいだけなんだ。そう言えていれば良かったんだけど当時は怖くて言えなかった。それから私は虐めっ子に目をつけられた。カバンを隠されるくらいならまだいい方で、上履きに大量に画鋲が刺さってたり、机に刃物で落書きが彫られたり、お弁当をトイレにながされたりした。どうしてそんな事をするのか聞いた事がある。『暇だから』『楽しいから』『クラスの嫌われ者を成敗してやってる』『私は悪くない。虐められるあんたが悪い』皆自分勝手な理由で、正当な理由なんて何一つなかった。ある日突然、夕暮れ時の公園に連れてこられて、殴られた。沢山罵倒されて、蹴られて、私は身を縮めて自分を守る事しか出来なかった。そんな時、声が聞こえたんだ。

「ヘイヘイヘイ、そこのレディースアンドジェントルメンズ、集団で無抵抗の女の子ボコすのってカッコ悪いと思わねーの?」

 虐めっ子達はその子にも罵声を浴びせた。私の事なんて良いから逃げて欲しかった。

「そんで?そろそろ言いたいことは終わったかい?じゃあ俺も一つ言わせてもらうぞ?」

 その子は全く動じていなかった。真っ直ぐな瞳で虐めっ子達を見詰めるその子の顔は、苛立ちに染まっていた。

「俺ん家の傍でワーワーギャーギャーうるせーわ!そんなに暴力大好きか?人を虐めるのたーのしー!ってタイプの頭がアレな人ですか?ああ?家に帰ってR18ゲームでもやってろや!」

 それで虐めっ子達は怒ってその子に向かっていった。私はそれを震えて見る事しか出来なかった。でも、その子は違った。

 真っ先に殴りかかって来た力の強い子のパンチに向かって正面から拳を合わせ、そのまま殴り飛ばした。

 足払いを仕掛けた子の攻撃を一メートル近く跳んで躱し、そのまま蹴りを叩き込んだ。

 背後から飛んできたパンチを見ずに屈んで回避し、虐めっ子の顔に砂を投げた後にその子の足を掴んで投げ飛ばした。

 暫くしたら、立っているのがその子だけになった。その子はゆっくりと私に近づいて来た。今さっきの喧嘩を見て、私はその子の事が怖くなっちゃって、後ろに下がって、足元の石につまづいて転んでしまった。怯える私に構わずその子は近寄ってきて、

「ほら、もう大丈夫だから、な?」

 そう言って手を差し伸べてきた。私を怖がらせないように浮かべただろう微笑みを浮かべて。私を見るその人は夕焼けと重なって、まるで物語の主人公のように見えた。

 その子の手を握った瞬間、力強く引き上げられた。思わず声が漏れて、気がついたらその子に抱き締められていた。

「怖かったろ?辛かったよな?もう心配は要らない、もう終わったんだ」

 そう優しく呟かれ、トントンと背中を軽く叩いて私を落ち着かせようとしている。

 その子の顔は、何故かボヤけて良く見えなかった。

「ありゃ、泣かせる気は無かったんだけどな……そうだ、コレ食うかい?」

 そう言って赤い何かを私にくれた。ぼやけてたけど、リンゴだってわかった。何でリンゴだったのかはわからないけど、私は渡されたそれを一口齧って、

「え!?何でより泣くの!?リンゴ嫌いだったか!?待て待て待て待て!俺が虐めて泣かせたみたいになるから!せめて俺が離れてからにしてくれー!」

 そう言ってその子は逃げるようにどこかへ走り去っていった。別にリンゴは嫌いじゃない。ただ、そのリンゴが甘くて、優しい味わいで、何故か、ほとんど記憶にないお母さんを思い浮かべてしまった。

 

「──それから、その子にもう一回会いたくて町中探し回ったら、同じ学校に居たのにはお互いに驚いたよ!……ってあれ?何で泣いてるのマシュ!?」

「うう、すみません。そんな良い人が今までカルデアに居たなんて気づかなくて、私がもっと早く気づいていれば先輩と会わせてあげられたのに……」

「良いよ、この街にリックが居ることはもう分かってる。だったら、また探して会いに行くだけだよ!」

「はい!マシュ・キリエライト舞寺理来さんの捜索を開始します!」

「……完全に私放置じゃないのよ、ねえロマニ────」

『ヒグッ、エグッ、ズズズ、チ-ン!』

「泣きすぎでしょ!?」

 




『シューシュー言ってたのはお前か匠さん』
つ【YES、と書かれた紙】
『よくも作者の部屋を爆破してくれたな』
つ【風通しが良くなった、と書かれた紙】
『そうかそうか、そういう反応をするんだな?……なら俺にも考えがある』
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