何処も彼処も燃え盛りし死の街、冬木。命亡き者達が生者を仲間にしようと彷徨い、まさに地獄のような街に、大きな影があった。その影が彷徨く異形の近くを通ると破裂音と共に異形の頭部が砕け散った。数多の異形を塵と化しながら影が歩みを止めることはなく、それは正に世界の終末に現れる恐怖の大王のような、そんな絶望の光景だった。しかしそれは、生物ではなく人工物である。影の頭部、眉間のあたりにこれを作り上げた者がいた。燃え盛る街と砕け散る異形をまるで道端の蝿をみるような目で見下すその男は……。
まあ☆俺なんですけどねー!
「遊希、しっかり周りを見ろよ。骨は容赦なく撃て」
「…………………………………」
「って、ハマり過ぎじゃね?」
今現在、完成したロボットに乗り洞窟を目指すついでに素材集めをしている。
教室くらいのスペースの操縦室、そこに俺達二人はいた。
俺はコックピットに座ってロボットの操縦に専念し、遊希はロボットに取り付けた銃を使って無言で撃ちまくっている。さっきから見ているが全く銃声が途切れず、しかも撃った所を見ると骨さんが一撃で頭を砕かれている。恐ろしい精度のスナイプ力、俺でなきゃ見逃しちゃうね。しかも素材がとても沢山集まってウハウハ状態で内心踊りたい気分だ。
まあ何だかんだでのんびりと進んでいます。
『やっと繋がった!そっちは大丈夫かい!?』
突如として目の前にホログラムのロマニが浮かぶまでは。
「キェアアアアアアアアアアアアアアってロマニかい!運転中に出てくんなよ!?前見えないだろ!」
『え!?ああごめん!って今運転しているのかい!?君免許持ってるの!?』
「バチコリドライブ中だよ!あとこれに免許証は無い!」
『え?車じゃないのかい?』
今俺が握っているのはハンドルではなく二本の細い棒の先端に手のひらに収まるサイズの球体が刺さっているような形状の操縦桿である。
「持ってるの明らかにハンドルじゃねーだろ!……まあ、よーく耳を澄ましてみな?モニター越しでも聞こえる筈だぜ?」
ロマニは素直に耳を澄ました。すると、ズズン……ズズン……と重い音が聞こえた。まるで巨大な怪獣か何かが歩いているような音だ。
『君何を運転しているんだ!?』
「まあまあ、それはそのうちわかる。そんなことより、俺の他にもレイシフトしたやつは居るのか?」
『え?ああ、マシュとマリーと立香ちゃんがレイシフトしているよ!あと現地のサーヴァントと協力関係になったよ!』
どうやらもうキャスニキは仲間になっているようだな。もうすぐ合流出来そうだ。
「OK。目的地は決まっているか?」
『うん、洞窟に向かうみたいだよ』
「なるほど、所でロマニ」
『なんだい?』
「……別に、先についてしまっても構わんのだろう?」
『あはは……危険な運転はしないでね?』
俺の笑みを見て何故か苦笑するロマニであった。その後、お互いに状況を伝えあった(こちらは正しいことを伝えているとは言ってない。遊希が一緒に居ることとか)。
「え?所長爆発したのに生きてたの?ゴキブリか何か?」
『やっぱりそうなるよねー。何で助かったのか不思議なくらいだよ。奇跡か魔法でも起きたんじゃないかな?』
「僕と契約して魔法少女になってよ!今なら税抜き三百万円と魂一個!ローンでも良いよ!(裏声)」
『もっと嫌だー!?ていうか君もアニメ見るんだね!?』
「カンのいいロマニは嫌いだよ」
『理不尽じゃないかい!?』
「そろそろ到着するから通信切るぞー」
意外と話してて楽しかったが所長救出計画を練るためにはロマニはいてもらっては困るのだ。ロマニよ、サラダバー!
『えっ!?ちょっと待──』
「コマンドオン、設定・再起動。対象設定・人理継続保証機関カルデア通信システム」
コマンドブロックに魔力を送ると効果は即座に発動した。ホログラムのロマニに砂嵐が混ざり、プツッ、と音を立てて消えた。
「……よし切れたな。遊希ー?そろそろ着くぞー。もう撃つの止めろー」
「え、もうおわりなのかー?もっとうちたいぞー?」
「黙らっしゃいトリガーハッピーポンコツダメイドラゴン」
「ながいぞ!?」
長くしましたから。……ただ待ってるのもつまらねえな、よしやるか。
「ちょっとそこのチェストの中からマイクとスピーカー取ってくれ」
「む?なにをするのだ?」
「いや、ちょっとふざけてみようかなと思ってな」
それは立香達が洞窟へ向かっている時の事だった。
『ピ〜ンポ〜ンパ〜ンポ〜ン☆迷子のおしらせです。藤丸・立香ちゃん。マシュ・キリエライトちゃん。おるがまりぃ・あにむすふぃあちゃん。お友達がお待ちです。1階大洞窟前へお越しください』
と、迷子のアナウンスが流れてきた。
「「迷子扱い!?」ですか!?」
「なんで私だけやる気ないのよ!?」
この燃える街に迷子のアナウンスが響いてきたことがもう既におかしいのに女性陣のツッコミでキャスター・クーフーリンの腹筋がご臨終になったことは言うまでもない。
「この声は間違いなくリックだね……良かった、元気そうで」
「先輩、良かったですね……」
涙を零した立香にマシュがそっとハンカチを差し出した。マシュの頬も涙に濡れていた。
「何であれで泣けるのよ!?」
全くである。
「よーし!待っててよリックー!!今行くよー!」
「先輩!?待ってくださあああああい!」
「また置いていかれるの!?」
急に駆け出した立香を追いかけるマシュらであった。
「先輩ちょっと止まってくださああい!」
何故デミ・サーヴァントと化したマシュが徐々に距離を離されていくのかは謎である。
「……よし、これで洞窟まで来るだろ。多分」
「つぎはなにをするのだ?」
その質問を待ってた!
「くくく、思い切りカオスを演出してやるのさ」
「
「よーし喧嘩なら買うぞー?ダイヤモンド積んででも買うぞー?」
「ヒッ」
この後遊希がどうなったかは、理来が握っているエンチャントピコピコハンマーさんだけが知っている。
「安心してください!ノックバックしか付いてませんよ!」
「れ、レベルは?」
「
「ヒッ」
『次回いよいよ合流、果たしてリック達は何を作ったのか!匠さん、一言!』
「しゅー!(私、気になります!)」
『はーい!次回、【ポップコーンマシンのハンドルっていくら回しても量は増えないよ】でお会いしましょー!』
「しゅー!?(え、増えないの!?)」