『記念に今回は約五千字の大ボリュームでお送り致しまーす』
「シ、シュー?(大、ボリューム?)」
『当社比でございまーす』
「シューシュ(そんなの書けるならストックも当然あるよね)」
『 ゆ っ く り し て い っ て ね ! 』
「シュ(無いんだな)」
まさか自分が石を踏んで音を立てるドジをするとは思っていなかった。そして見えない筈の俺の首を正確に貫かれるとはもっと思っていなかった。
首の中を冷たく冷えた剣が通り、首裏から飛び出ている感覚がする。
(あ、これは殺られ────)
剣が引き抜かれ、視界に映るHPがハート1個分減っているのが見えた。
(────て無い!)
生きている安堵から力が抜け、ドサリ、と尻餅をついた。首を触ると何ともなかった。HPも既に回復して全開だった。ちょっとだけ小腹が空いたが後で適当なものを食べれば良いだろう。
(あ〜ぶっね〜なもう!)
マイクラ世界で攻撃された事はあるが、首を貫かれるといった殺意てんこ盛り攻撃は受けたことがないのだ。正直死んだかと思ったのだが、マイクラボディは首を斬られた程度じゃ死なないらしい。即死するかと焦ったが良かった。
落ち着く意味も込めて、生存がバレないように静かに息を吐き出した。
(…………よし、もうエミヤ仕留める準備やってしまおう)
俺はもう十分に戦いごっこを楽しんだ。死にかけるかと思ったがそれはそれだ。本気で倒す気もないしな。と言うよりゾンビやらスケルトンやら姉やらによく殺られてるのだ、今更死にかけた所で気にしないしどうせポーションで治る。……姉よ、連続ダイナマイト投擲はさすがに反則だろ。
座ったまま右手にアイテムを出現させる。それは深緑色の宝玉、エンダーパール。投げると落下地点にプレイヤーをワープさせてくれる便利アイテムだ。
(そーれ行ってこーい)
マシュ等の後方にいる所長等の上を飛び越すようにぶん投げる。
目の前にあったエミヤの背中が無くなり、誰もいない洞窟の通路が視界に広がった。ワープは成功したようだ。
(さて、行くかね)
「私たちは、絶対に貴方を倒す……お願い、マシュ、キャスターさん!力を貸して!」
外に向けて歩きだそうとした時、ぐだ子の声が聞こえた。それは普通の少女藤丸立香の声ではなく、決意に満ちた一人のマスター藤丸立香の声だった。
(あれ?何かぐだ子さん覚醒してね?)
振り返って様子を見ようにも背中しか見えない。無理をして見るほどでも無いだろう。まだ透明化ポーションの効果が続いているとはいえ、触られればバレるのだ。
足音を立てないように何度かエンターパールを投げてワープ移動して、洞窟の外に出た。視界に映る透明化のタグも消えたことからもうポーションの効果は切れたようだ。
「わー、何回見てもこの場にそぐわないデザイン」
視線の先に有るのは白猫ロボ(土下座状態)。これを改装してエミヤを仕留める気でいるのだ。
白猫ロボを創ったのは【jointblock】というModで追加されるブロックだ。このjointblockはロボットだけではなく車やバイクなどの乗り物も作れる。そして今白猫ロボは土下座状態で洞窟の入口に丁度入れるようになっている。……ここで俺が何をするかわかった人はリクルンポイントを一点あげよう。
「あっちの戦いが終わる前に仕上げますかねー」
☆改装中☆
「全く、我が建築の才能は留まる所を知らないぜ」
まあ、ちょっと各所に組み込んたパーツの設定を弄るだけなのだが。
「よーし、んじゃ早速………………いや、ダメじゃん?」
良く考えればあっちはまだ戦闘中だろう、多分、きっと、そんな気がする。そんな中に何も伝えずに作動させた所で敵諸共巻き添えにしてしまう。かといって伝えてから戻るのではダメだ。事前に脅かすよと言ってからやる様なドッキリに意味は無い。それにこの白猫ロボは遠距離から操作できないのだから、乗り込む人がいる。
「遊希を置いてきたのが痛いな……うむ、あれで行くかね」
会話可能で、人型で、白猫ロボが仮に破壊されるような事があったらすぐに脱出できる人材。そう、それは!
「カモン!エンダーマン!」
右手に生み出したのは黒い卵。それを目の前の地面に叩きつけるとそれは現れた。針金のように細い手足、三メートルはある巨体、そして全身が影のような漆黒。そう、マイクラ(バニラ)において強めの敵さんであるエンダーマン、俗称エンダー先輩である。スレ〇ダーマンとも言われる。
このエンダーマン、敵ではあるが自分からは攻撃してこない。目と目が会った瞬間に凶暴化して襲ってくるという何処かの
「コマンドオン。モッド・MobTalker・スタート。アイテムクリエイト・モブトーカー」
いつもの様に詠唱っぽくない詠唱をすると、ズボンのポケットに入れて置いたコマンドブロックが魔力を吸い、コマンドを実行した。
この【MobTalker】というMODはアイテムを一つだけ追加するMODだ。たった一つだけか、と舐めてはいけない。このアイテムは他のMODと絶対に被らない特徴があるのだ。
右手に出現したのは棒の先端に橙色の球体が着いた、いわゆるマイクのようなもの。これが唯一無二の存在、MODと同じ名を持つモブトーカーである。
「ヘローヘロー?ニホンゴワカリマスカー?」
このアイテムの使い方は至ってシンプル、マイクのように相手に向けるだけでいい。それだけでこのアイテムは真価を発揮する。
「……何?」
俺の目の前に居るのはもうただのエンダーマンでは無い。
そいつはスレンダーな長身を黒い服に包み、エンダーマンの顔を模した帽子を被っている。長い茶髪を垂らし、紫水晶のような瞳で興味無さげにこちらを見ている。
それは、少女の姿になったエンダーマンである。
理解不能だって?このマイクは生き物を女体化して恋愛ゲームみたいに会話することができるようになるってとこだよ!
「おーオケオケ。無事通じるなコレ」
「……何も無いなら、帰る」
「あー待った待った!頼みがあるんだよ」
「…………何」
ふらりと身を翻し何処かへ歩きだそうとするエンダーマンを呼び止めると、。顔には一切出ていないが若干面倒くさそうな雰囲気を醸し出しながら立ち止まってくれた。
「人に聞かれると困るのではい耳貸してねーごにょごにょごにょごにょ」
「……私が、しなきゃならない、理由がない」
断られてしまった。やはりいきなりはダメか……どうすっかなー。
「……でも」
「ん?」
「……お菓子、くれたら、考えてもいい」
「どーぞどーぞ」
はい取り出したるはホールケーキ!ただのケーキじゃないよー!直径一メートル、高さ五十センチの特大サイズのケーキだよー!もちろんマイクラ産だよー!
「……ありがとう」
両手でケーキを受け取ったエンダーマンは顔には一切出ていないが、雰囲気がほわほわしてる。なんか嬉しそうだ。
「……で、どうすればいい?」
「お?やってくれるんで?」
「……こんなの貰っておいて、やらないっていう、選択肢がそもそも、選べない。バカ」
「いきなりのバカありがとうございまーす。んじゃ説明しますんでアレの中にどうぞ──」
受けてくれることに感謝の礼をして頭を上げると、もう既にエンダーマンの姿は無かった。
「……遅い、早く来る」
声がした方を見ると、エンダーマンが白猫ロボに寄りかかっていた。
「いつの間に……ってワープか」
「……これ、何処に乗るの」
「頭の中に……ってだから早いわ!」
置いていかれたので一人寂しく梯子を登ると、
「……………………………………………………」
「………………何か御用で?」
エンダーマンはしゃがみこんでジッ……とそれを観察している。……梯子を登る俺を。
「……これ、そう使うんだな、って思ってた」
「まあワープしてたら梯子使わねえよな」
というかケーキが何処にも見当たらないのだが、もう食べたのだろうか……。Fateの女子は胃袋が特異点みたいな物だから有り得るな。
「……で、どうやるの、これ」
「随分やる気あるようで何より。では説明しよう!」
☆
「……大体、わかった」
「理解が早くて助かりますなー。んじゃ手筈通りによろしくー」
「……行ってらっしゃい」
エンダーマンに見送られながら、再び洞窟に潜るのだった。
「せっかくだし、エミヤに首貫かれた仕返しでもするかねー」
取り出したるは毎度お馴染みと化してきた透明化ポーション。これを風呂上がりの牛乳の如く一気飲みし、戦場まで洞窟を駆け抜ける。
(戦いまだ終わってないといいなー)
なんて呑気な事を考えていたから神様が天罰を下したのか。
戦場はなんか火球舞い火花舞い剣が降る熾烈なものと化していた。
(うわあ……ガチシリアスモード。あ、アイアンゴーレム。さてはぐだ子、スポーンエッグ使ったな)
以前ぐだ子に御守りとして渡したスポーンエッグ、日の目を見ることは無いと思ってたがFGOが始まっていきなり出番があるとはこの理来の目を持ってしても見抜けなかった。
「良い加減倒れたらどうだ?」
「倒れません!私は、貴方を倒すまで絶対に!負けませんッ!!」
「盾の嬢ちゃんいい事言うじゃねえか。俺も俺の目の前で協力者が無残に殺られたんだ。お前だけは確実に焼き殺してやる」
「私達は貴方に負けて居られないんだ!リックの仇は取らせてもらうよ!」
(わー凄い真面目な発言。俺場違い感パないわー。……ぐだ子、俺の仇は取らなくてもいいんだぞ?)
生きてるし、生き返るし。カルデアのマイルームにベッド隠して設置したし。
ここまでシリアスだと……うん!ぶっ壊したくなってきたなー!
透明化ポーションの効き目を頼りに、気配を殺しながら岸壁に沿うようにエミヤに向けて歩く。
カチリ、と懐中時計のボタンを押し込んだ。瞬間、世界は流れを止めた。
(やっぱり時止めはチートやない?まあ便利だからいいけど。さてさて、何か弄れる所無いかなー)
エミヤを横から、後ろから、正面から、上から、間近で、じっくり観察する。
「なるへそ、ズボンはベルトで止めているとな。タイツみたいなお肌ピッチリ謎構造じゃないのね」
では、喜劇的ビフォーアフターと行きましょうかね。
ベルトに動いたら切れる位の深ーい切れ込みを入れまして、髪の毛を額の中心ぐらいから後頭部にかけて一直線に剃りまして、その上から頭に麻袋を掛けます。
はい終わり。匠はなんということをしでかしてくれたのでしょう。
アーチャーなのに剣を使う戦闘職、動きやすさは必須なのに動くとベルトが切れてパンツが丸見えになってしまいます。これではとても戦えませんね〜。更に髪の毛を剃ってから麻袋を被せることで二弾ドッキリになるんですね〜これ。麻袋に驚いて取ったら恥ずかしい頭が公開されちゃうんですよねこれ〜。これはもう穴があったら飛び込みたいですね〜。という訳で一歩下がった位置に深さ二メートルの落とし穴を掘りました。真下には水を張ってあるのでダメージを受ける心配は一切ございません!
エミヤとぐだ子達の間に立ち、真横の壁に向かって歩く。ダイヤモンドツルハシを子供が木の枝を振るように岸壁に向けて振り下ろして、奥行二メートル、横幅一メートル、高さ二メートルの穴を掘る。一番奥に入って岩ブロックを一つ穴を塞ぐように下に置き、その上に石の半ブロックを設置する。これで覗き穴を確保したのだが少し穴が大きいのでその辺に落ちてた石を詰めて穴の大きさを調整したら準備完了。
「そして時は動き出す」
カチリ、と懐中時計のボタンを押し込む。
「何だ!?急に視界が暗くなったぞ!?」
最初に動いたのはエミヤだった。あの麻袋穴開けてないから真っ暗なんだよな。
「くっ、何をしたカルデアァ!」
「何もしてないよ!?」
ぐだ子や、お前さんの何があっても聞かれたことに律儀に答えるところ、好きやで。
麻袋を取ろうとしている時に、大きく動いたからだろう。
バツン!と良い音を立ててベルトが切れた。パサッ、とズボンが地面に落下する。
「ぬおっ!?」
急に重心がズレたことで崩れたバランスを取ろうと一歩後ろに下がった。
しかしそこに床は無い。
「ウオアアアアッ!?」
エミヤが穴の中に姿を消した直後、派手な水飛沫が穴の中から吹き上がった。彼はきっと特有の感覚を味わっただろう。そう、階段を降りきったと思ったらもう一段会った時に感じる突然の重力に似た者を。
カルデアの面々を見ると、驚いている者と笑っている者に別れている。遊希だけなんかこっちを見ているのだが、もしかして気付かれてる?
「はははははは!おーいアーチャー大丈夫か────うっははははははははははは!」
キャスターが笑いながら穴の中を覗きに行くと、何を見たのか──多分麻袋の中身(ストレートハゲ)でも見たのだろう──膝から崩れ落ちて泣く程笑ってる。
「キャスターさん一体何を………………え゛」
マシュが穴を覗いて絶句の表情を浮かべた。
「マシュもキャスターも何見てるの?」
「せ、先輩、これは……」
「ははははははははははっゲホッゲボッ、くふっはははははははは!!」
「キャスターがキャラ崩壊するくらいの何かがこの中に……ごくり」
「先輩、いきなり覗く前に心の準備を──」
「あははははははははははは!」
「先輩!?もう覗いちゃったんですか!?」
おーおー、なかなかの
今回の使用MOD
jointblock
MobTalker
「シュシューシュー?(ゲームモードをサバイバルにすると何が変わるの?)」
『説明しよう!理来の身体が普通の人間の物からマインクラフトのプレイヤーに変化するのだ。首を着られようが心臓を貫かれようが、武器或いはその人物の攻撃力分のダメージしか食らわない。例えば、ナイフで心臓を刺されたとしてもそれが木で出来てたりすると痛てっ、位で済む。それに部位欠損という概念が存在しない為全力で首を断ち切られてもダメージを食らうだけで普通に首は繋がったまま。矢とかの異物が刺さったままでも問題なく動けるし、更には、敵がガードしようとしてもそれが盾や鎧によるものでないと素通りしてダメージを与える。あと間合いもマイクラ仕様になり、明らかにそれ腕届かないだろって所まで届く。多分10メートル位届く』
「シュー?(つまりまとめると?)」
『一部即死無効初見殺し間合い自動回復クレイジーボーイ』
「シュ?(最後元からでは?)」
『あとは、ゲームの肉体になるので血液・内臓などが無くなる、よってゲイボルクなど中から殺す奴無効』
「シュー……(うわぁ……)」
『と言うより通常モードもアイテムぽんぽん出せる上にインベントリ使えるし何か食べれば傷が治るので既にチートである。ただし、首を斬られれば死ぬ』
「シュッ!(使い分けが大事!)」