Fate/Minecraft   作:天空ラスク

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三話!いよいよ主人公が魔術?を使います。


コマンド魔術

 改めて地図を見直すと、あと五分程歩けば到着するであろうということがわかった。それはそれとして寒い。暖房と言えるものはカイロ剣、間違えたダイヤ剣しかなく、木材オンリーの掘っ立て豆腐小屋は外の冷気でゆっくりと冷えていく。室内の温度が零度になるのも時間の問題だろう。その前に体を最大限温めてカルデアまで行かなくては、そう決心して右手にブロックを出現させた。

 それは、(かまど)マインクラフトにおいて金属の精錬や木炭製造、調理など使い所が割とあるブロックだ。

 竈を床に設置して、下の空間に出現させた木炭を入れ、上の空間にこれまた出現させたじゃがいもを入れる。これだけで料理が出来る。焼いている間に竈の火で小屋の中が暖かくなり一石二鳥だ。

 マイクラの竈はものの数分で焼き上がる。あっという間にベイクドポテトの完成だ。……とマイクラならそうなるがここで俺流のアレンジを入れる。右手に出現させたのはバター、マイクラには無い物であるが、これは市販品をインベントリに入れて置いたのだ。これを丸ごと焼いたのに何故か切り込みが入っているベイクドポテトに挟む。そして湯気が立ち上るそれに、はむっ、と齧り付く。

「あ〜人生で一番美味いじゃがバターだ……」

 ほくほく食感のじゃがいもにバターがいい味出している。やはり暖かい物を食べるのは良い。

「そういえばこのあとカルデアの外って焼き尽くされるんだよな……」

 物語通りならば藤丸立香がカルデアに目をつけられた時点でカルデア行きと人理焼却ら確定だろう。

 ふと、頭の中にアイデアが降りて来た。

 とあるMod……マインクラフトに新要素を追加するデータ……にドラゴンを仲間にするやつがあり、卵を孵す場所でドラゴンの属性が変わるのだ。つまり何が言いたいのかと言うと、今を逃すと氷属性のドラゴンは入手困難になる。そう思った俺は右手にあるブロックを出現させる。それは知る人ぞ知るブロック、その名もコマンドブロック。使い方はコマンドを打ち込み実行する、それだけのシンプルな使い方ながらこれが世界に及ぼす影響はとても大きい。天候を変えることも個人を狙って仕留めることも欲しいものを生み出すこともコマンド次第で出来てしまう、機械仕掛けの神のような物だ。そしてこれが俺の魔術でもある。

「コマンドオン、モッド・DragonMounts・スタート。アイテムクリエイト、エンダードラゴンエッグ」

 音声認識を搭載したコマンドブロックが詠唱のように変換したコマンドを忠実に実行する。コマンドブロックが俺の魔力を吸い取り、一瞬振動する。いつの間にか俺の目の前に黒い卵が出現していた。それはエンダードラゴンの卵、だが本来には本来存在しない気配があった。

 何故こんなことをするのかと言うと、俺はバニラのアイテムならいくらでも出現させられるが、Modで追加されるものは出せないのだ。それをコマンドブロックの持つ、言わば『世界に干渉する力』を利用して俺の魔力を使う事で解消した。エンダードラゴンの卵はバニラでは決して孵化しないが、DragonMountsというModを入れると孵化するようになる。それをコマンドブロックで再現したのだ。そしてこれで出現させたものは強化される便利機能付き。言わばコマンド魔術と言った所だ。

 卵を持ち上げてドアを開けると冷たい風が一気に吹き込んだ。

「寒っ!?……早く終わそ」

 雪の上に卵を置く。後は卵が孵るまで待てばいいのだが、ここで問題が浮上した。

「これ、何時頃孵るんだ?」

 そう、卵が孵るまでの時間が分からない。マインクラフトの生き物は成長が早いがそれでも時間がかかるやつはあるのだ。そんな時にはコマンドブロック。卵に向けてコマンドブロックを構え、

「コマンドオン、成長・成体」

 コマンドブロックが俺の魔力を吸い取りコマンドを実行する。これで卵が孵る筈だが、何故か俺の目の前に白い壁が現れた。

「はい?」

 俺が唖然としていると、壁が動いた。いや、これは壁ではなく……

「これドラゴンかよ!?」

俺が想像していたのは普通のエンダードラゴンくらいのサイズだった。しかし実物は見上げる程の巨躯だったのだ。新雪のように白い鱗は一つ一つが磨かれた鏡のように光を反射していて、芸術品のようだ。

「なんでこんなデカいの……あ」

俺は一つ思い当たる節があったことに気づいた。俺の魔力を吸ったコマンドブロックで卵を主人公させたことにより卵が強化され、更にコマンドで成長促進したことにより二重の強化がかかっているということに。

「うわ、強化されすぎ?」

 さっきまで入っていた豆腐小屋と比べても圧倒的に大きい、大き過ぎる。

「これ、どうやって隠せばいいんだ?」

 そもそも竜種って今の時代だと激レア素材の山なのでは?……こいつ、狩られる!?俺が同情と謝罪の篭った目で見ていると、強化エンダードラゴン……長いから巨ドラでいいや。巨ドラがゆっくりと動き出した。

「やべっ!?こいつ懐かせてないから自由に活動するじゃん!?」

 早くこいつを懐かせて動きを止めないとカルデアに見つかって面倒くさいことになる!

 即座に両手にコマンドブロックを出現させる。右手に現れたのは橙色のコマンドブロック『インパルス』。左手に現れたのは紫色のコマンドブロック『チェーン』。

この種類の異なる二つのコマンドブロックをくっつけた状態で詠唱を開始する。えーっと、確かこいつ魚で懐いたよな?

「コマンドオン!アイテムクリエイト・魚!」

 俺の魔力がインパルスに吸われていき、コマンド通りに魚が出現する。だがそれで終わりではない。インパルスに蓄えられた魔力がチェーンに移動し、チェーンの機能が作動する。

 今俺の目の前に魚が二匹落ちている。しかし気づけば五匹、十匹、二十匹と目を疑うような速度で魚が増えていく。これがチェーンの機能、コマンドの再実行だ。俺が魔力を注ぐ限りチェーンがインパルスに打ち込まれたコマンドを実行し続ける。俺の目の前に魚の小山が出来上がった所を見計らって魔力供給を止める。コマンド魔術で

「おーい!ドラゴンさんよおおおおおっ!魚が食いたいかああああああっ!?」

 危ねぇ!?一緒に食われる所だった!?

巨ドラは魚の山に頭を突っ込みみるみると平らげていく。

「あ、俺があげないと懐き判定されないじゃん」

 新しく魚を右手に出現させて巨ドラの口の辺りに投げ込む。十匹くらい投げてようやく成功を表すハートが巨ドラの頭上に浮かんだ。

「いやしかし、こいつ結局どうすれば……ああ、良いアイデア思いついた。」

 そうだ、メイドさんにしよう。

 




最初のmodはDragonMounts。色んなエンドラを追加するmodです。
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