「おーい聞こえてるかー巨ドラー。お前今からメイドさんにするからなー」
そう呼びかけると、グルグル……と返事が返ってきたのでOKとする。異論は認めん。
なにせ今からこのどこかの神話に出ててもおかしくないような迫力の巨龍をメイドさんにするのだ。前半と後半の文章の繋がりの無さよ。これには本気にならざるを得ない。バレたら世界的に即アウトなレベルのやつをバレないようにメイドさんにしなければ待って笑いそう。
首を左右に振って邪念を散らす。これから行うのは俺もやったことが無い領域の魔術なのだから真剣にならねば……いつかバラした時のリアクションを愉しむためにもっ!
カモン『インパルス』!俺の声に応えたまえっ!
「コマンドオン、モッド・littleMaidMob・スタート。続けてモッド・LittleMaidDragon・スタート!」
インパルスが魔力を吸い込み、コマンドを実行する。インパルスが一瞬強く輝き……、何も起きなかった。
「あれ?何でだ?」
これでメイドさんになると思ったんだけどな……何か足りないのか?メイドさんを雇う為に必要なもの……あ、砂糖か!
「巨ドラさんよおおお!口開けてくださああああい!甘ぁい砂糖はいかがですかあああああぁぁ、……あ?」
巨ドラが『甘い砂糖』という単語に反応して俺の目の前に大口を開けてスタンバイするまでにかかった時間、約0.5秒。
今俺の顔少し引きつってると思う。目の前に一瞬にして巨大な顎が開かれた状態でスタンバってたら誰でもなると思う。
右手に砂糖を大量に出現させると、手のひらに収まりきらずにサラサラと零れてしまった。
「あ、零れてっ!?」
その瞬間、俺は何故か小屋の中に逃げ込んでいた。何か得体の知れない恐怖に襲われたのだ。ドアを閉めた途端に轟轟と風の音がした。先程までそよ風すら吹いていなかったというのに。やがて音が止み、恐る恐るドアを開けた。
雪が無かった。雪が大きな扇形に無くなっている。その扇形の根元には……、
「ボリボリボリボリボリボリボリボリ」
何かを口いっぱいに詰め込んで頬が大きく膨らんでいる少女の姿があった。
新雪のように白い長髪は太陽の光を反射して雪の精霊のよう、人形のように均整の取れた顔、吸い込まれそうな大きな青い瞳はまるで晴れた日の空のようだ。そして白と黒のメイド服に身を包んでいるがその絶世と言える肢体は隠しきれていない。まさに美の世界から飛び出して来たような美少女が俺の事を見つめていた……多分、口いっぱいの砂糖を咀嚼しながら。
「なんかもう色々と台無しだなお前は……」
「ボリボリボリボリ、ゴクンッ。うるさいぞ
「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」
「うるさいと言っている、そんなこともわからないのか
小鳥のような可愛らしい声で毒が出てきました。
「ああ悪い悪い。色々と物事が起こりすぎててな……それよりも、一つ質問がある」
「なんだ?いっておくが、うまれたてゆえにこたえられることはあまりないぞ?」
巨ドラメイドは舌足らずな声でそう返した。
「俺が小屋に入った後お前何してた?」
「さとうがもったいなかったから、すった」
すった…吸った?
「じゃああの綺麗に剥げた雪とさっきの強風はもしや?」
「うむ、わたしだ」
「お前だったのか」
見た目の割にどこかポンコツの匂いがする……。
「なんだ?ひとをジロジロとなめるようにみるとは、さては
「見てねえよ!?そんな目はした覚えねえよ!?」
何だこの毒舌メイドラゴン!?俺のペースが乱されまくるじゃねえか!
「いや、この際どうでもいい。とにかく、俺はこの山の上ら辺にあるカルデアっていう所に行かなければならない。わかるな?」
「ふむ、ではなぜこんなところでみちくさをむさぼっているのだ?」
「寒すぎて頭がやられていた。色々と言いたいことがあろうが俺は聞かない。ほれ行くぞ、あと五分くらいで着くからな」
「やれやれ、おかしな
肩を竦めてやれやれと言いたげに首を振る駄メイドラゴンをおいてさっさと歩き始める俺だった。
追いつかれて後頭部にドロップキックを食らった事は書かなくていいだろう。
二人(一人と一匹?)でトコトコと雪山を歩いていると、今更だが疑問が浮かんだ。
「そういやお前名前あんの?」
「あるわけなかろう。うまれたてほやほやのあかごドラゴンだぞ?」
「平然と毒を吐く赤子がいてたまるか。なら俺がお前の名前決めていいか?」
「すきによべ。よっぽどへんなものにならないかぎりはきにせん」
「関係ないけどひらがな多くない?」
「ほっとけ」
名前かあ……名前、名前……
「ポ」
「ポチとかいったらくいころすぞ」
「オモッテモオリマセンハイ」
「よろしい、ちゃんとかんがえるのだぞ」
「イエスサー!」
得意気な表情で腕を組んでいるメイドラゴン。腕に大きな果実が乗っているのは凄いと思う。そしてサーは男性に使うやつだとは気付いていないようだ。流石駄メイドラゴン、どこか抜けている。
それはそれとして真面目に名前を考える羽目になった。………………………………………………雪しか思いつかねえ……。なんか無いか?想像する、主人公達がピンチの時に
「決めたぞ、お前の名前は──」
敵を遊ぶように薙ぎ倒し、長い旅路を歩む主人公達に希望と勇気を与える。
「
オリキャラの遊希ちゃんが登場です!この主人公早くカルデア行かないかな……。
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