あの後その場に居た全員で広い部屋に移動した。どうやら実力測定はこの部屋で行うらしい。
「それでは、実力測定を開始します。マスターナンバー一番は前に出てください」
所長が呼びかけると一人の男性が前に歩き出した。所長に指示されたところで止まると、男性の周りを光が照らしだした。光は床の上を何かをなぞるように動き、やがて出来上がった絵が立体となって起き上がった。
「へー、仮想敵ってああやって出来んのか」
なかなかにカッコイイ。今度やってみよ。そんな思考をしているといつの間にか戦闘が始まっていたようだ。せっかくの他の魔術師の戦いだ、一般的な魔術師の平均戦闘力は知っていて損はしないだろう。
男性は的確な狙いでガンドや他の魔術を放っているが、第二第三と待ち構えている敵の増援に攻撃が追いついておらず、囲まれて袋叩きにされる寸前で仮想敵がパッと消えた。
「計測終了、次!」
所長の声が部屋に
「次で最後ね……ああ、貴方だったのね。まあいいわ、始めて」
所長の声が相手が俺だと気づいた瞬間にやる気が抜けた声に変わる。その対応に不満があるので後で弄るとしよう。
それはともかく俺の出番か。よっしゃ、そっこーで仕留めるとしよう。その前に
「へい!そこの魔術師共!何人か俺が生存能力重視で戦闘力そんな高くねえなって思ってるだろ!……いや頷くなよそこで!わかった!度肝抜いてやるから見てろ!」
そこそこやる気出して終わらせようと思ってたが、気が変わった。全員の腰抜かしてやろ。
所長の合図と共に仮想敵が俺に襲いかかる。だが、もう
「コマンドオン、モッド・Ore Spawn・スタート!サモン・マンティス!目標指定・前方の敵対反応全て!」
右手に構えた『インパルス』が俺の魔力を吸い込み、コマンドを実行する。インパルスから奔流のように光が溢れだして何かの形を作っていき、やがてそれは出来上がった。
人を見下ろす巨体、血の如き複眼は眼下にいる仮想敵の事を餌としてしか見ていないだろう。それは捕食者としての、そしてれっきとした『ボス』としての強さがあるからだ。枝のようにしなやかな体と触れただけで切れてしまいそうな鋭利な鎌を両腕に構えたそれは前方の敵に隠さぬ殺意を叩きつけた。
『──────────ッ!!』
声なき雄叫びを上げ、巨大
マンティスは無造作に一番近くにいた仮想敵に鎌を薙いだ。その場にいた魔術師達は仮想敵の首が落ちた事を認識し、ようやく斬られたのだと言うことを理解した。その間にも次々と仮想敵が目にも止まらぬ速さで屠られていく。仮想敵もマンティスを攻撃しようとするのだが、攻撃した時にはもうその場にマンティスはいない。それは戦闘と呼べる代物ではなく、では何かと言われればこの場にいる全員がこう言うだろう。
『蹂躙』。まさにその通りのことが起きていた。大量の仮想敵を一匹も逃さず文字通り『細切れ』にしたマンティスは役目を終えて光となって消えた。
後ろを振り返ると唖然とした表情の魔術師達が棒立ちしていた。
「はーいこれが辺境の魔術師さんの実力でーっす!皆さん、何でここまで差がついたか、明日までに考えてきてください!」
俺の一言でイラっとした顔になったやつが何人かいたが、さっきのマンティスを出されたらどうしようもないとかいろいろ思考しているのか罵倒も魔術も飛んでこない。
「所長!次はなんかやる事ありますかい?」
「ヒッ……いえ、今日はこれで終わりよ」
悲鳴が聞こえたような気がしたが、まあいきなり殺意溢れた巨大蟷螂出てきたら怖いだろう。マンティスはMODを入れると普通に序盤から出てくるボスモンスターだが、余程の装備を整えないと瞬殺してくる強ボスなのだ。ちなみに装備を整えすぎた人達はマンティスをトラップタワーと言う名の自動敵討伐装置に組み込んで経験値やらアイテムやらを稼ぎ回ってるとか何とか。
「そんじゃ、俺は部屋に戻ってるんで何かあったら呼んでなー」
そう告げて俺は部屋に向けて歩き出した。さ、部屋の改造続けよ……ん?そう言えば
さっき出たばかりの部屋に戻ると、所長が俺に背を向けて魔術師達に話をしているところだった。……ニヤリと隠しきれなかった笑みが浮かぶ。そろりそろりと音を立てないように所長に近づき、
「おい」
「うぇぇ!?って貴方部屋に戻ったんじゃなかったの!?」
「綺麗なジャンプだなー……ブフッ!」
「貴方ねえ……っ!」
綺麗に飛び上がった所長を見たら笑いが漏れてしまった。
「失敬失敬、知り合いを探していてな。藤丸立香って人知らない?」
「藤丸立香?うーん、そんなの居たかしら?レフなら多分知ってるから後で聞いといてあげましょうか?」
「あ、結構です。ではまたそのうち会いましょう」
「え?何で急に他人行儀になるのよってちょっと!どこ行くのよー!」
レ/フに付け狙われたらめんどくさいからです。あ、そうだ。さっきの対応の件ので弄ると決めたので髪の毛抜いとこ。
「痛っ!?ちょっと!いきなり何するのよ!」
「いやーこんな所にいて髪の毛の手入れ出来てんのかなーと。んじゃ、今度こそ失礼しやーす」
無言でガンド撃ってきそうな所長を背に部屋へと駆け出した俺だったのです。
部屋に戻ると遊希がベッドに寝転んで眠っていた。
「お前寝る時くらいメイド服脱いだら?」
「んむ?……ああ、
声を掛けたら目覚めたがまだ寝惚けているようだ。凄い眠そうな目のままだからか?
「おうおはよう。さっそくだがそのメイド服はパジャマの代わりじゃねーぞ?」
「しかたがないだろう。これしかふくをもっていないんだ」
あ、そうか。雪山産まれのドラゴンが服を持ってる訳が無い。むしろ物理現象を無視して現れたメイド服を着ていることが奇跡なのだ。
「確かに……すまん、用意してなかった事は謝る」
「いや、よういしてたらそれはそれでアレなことになるぞ」
女性用の服を常に持ち歩いている男子高校生……いや、変態やん。
「あとで通販で買っとくわ……」
「こんなやまおくにみせがあるのか?」
「そうじゃない。通販って言って買った商品を届けてくれるんだよ」
なおさらむりなのでは、いや
「今更だが買い物にエメラルド使うのって贅沢ってレベルではないのでは?まあ有るからいいけど」
購入ボタンを押すと画面から光が飛び出て床の上に広がると、光の中からダンボールが現れた。
「遊希ー、届いたぞー」
「なにっ!?つーはんとやらはもうきたのか!?」
「そうだぞー。通販はあっという間に来るんだぞー」
つーはんはすごいな!と子供のように目を輝かせている遊希を後目にダンボールを開けると、
「うげっ」
そこに入っていたのは頼んだ覚えがない緑色のパーカー、フードに見覚えのある
「何故クリーパーカーが……頼んでねえのに」
「そのしたにもなにかあるようだぞ?」
クリーパーカーを退かすと頼んだ衣服が入っていた。
「コレ何で入ってたんだ……」
「おまけではないのか?」
「うん、もうそれでいいや」
あまり気にするとその内
今回の登場Mod
Ore Spawn(敵MOB・マンティス)
MrCrayfish'sFurnitureMod(パソコン)
早くぐだ子の出番来ないかなー。
シ……。
ん?なんか聞こえたような?