「では、正義とは?」
「───無償に基づく善行。いついかなる時も、揺るがない唯一無二の価値。そして悪を斬り、悪を討つ。それが私の正義だ」
「なるほどね。『巨正』をもって世を正すと。善意の押し売り……力づくの正義だね」
「ッ、そんなことは言っていない! 悪に立ち向かうには相応の力が求められる! でなければ何も守れないし、救えない!」
ああ、そうだ。悪に立ち向かうには、それと同等以上の力が無ければならない。悪を討つ力が無ければ。私は間違っていない筈だ。なのに、何をそこまで動揺しているのだろう。
今まで大事にしていた誇りを傷つけられたから? 価値観を狂わす言葉を放たれたからか? ……きっとそうだ。自分が信じ続けた
「ああ、ごめんよ。馬鹿にしてるわけじゃないんだ。君の言ってることは間違っていないし、それくらい単純な方がいいと俺も思う。哲学や倫理で小難しく包み込んでも、万人に届くとは思わない。ただ……『悪』が同じ論法を展開した時、興味が湧いたよ」
───私はこのとき微かに、自身の『正義』に疑いを抱いた。
「……正義とは、なんなのでしょうか」
パトロールが終わり、ロキ・ファミリアに訪れて、ホームに帰ってきた。晩ご飯を食べてお風呂に入り、その後アストレア様から頂いた『現在のオラリオに於ける闇派閥についての情報』が載っている資料を繰り返し見ていると、リューさんが僕の部屋に来た。
てっきり部屋の明るさでも漏れていたのかと思ったけど、そうではないらしい。どこか自信がなくなった声音で入っていいかと聞かれ、答えると、俯いたまま部屋に入る。
あまり淹れ方に自信はないけど、紅茶を用意して椅子に座るリューさんに差し出すと、「ありがとうございます」とお礼を言って口に含んだ。ほっと一息吐くと、質問をされる。
正義とは何か。
「……アーディさんにも、似た様な事を聞かれましたね」
「アーディが?」
「あの時は『君の正義が知りたい』って。似ている質問で、凄く遠い。……僕の勝手な解釈になるんですけど、そのアーディさんの質問こそが、リューさんの質問の答えになるんだと思います」
「……質問が、質問の答えに?」
「はい」
多分、アーディさんは分かってるんだと思う。悪とは何か、正義とは何か。『アルゴノゥト』を始めとした様々な英雄譚を読み漁ったのか、ただ他人の思考を誰よりも考え続けたのかは分からないけど、あの時アーディさんは僕の事を好きと言ってくれた。……思い返すとなかなか恥ずかしいけど、あの時の言葉は『気に入った』って事なんだと思う。
きっとアーディさんと僕の解釈は同じだ。アーディさんは僕の考えを聞く前に、僕と同じ解釈を持っていた。だから『君の正義が』と言ったんだ。
「正義は一人一人で違うもの。正義は正しさ故の言葉ですけど……
「……!」
「悪く言っちゃうと、ただのエゴイストですから。
そう。だから偽善者と言われる。正義と悪は表裏一体で、
「……悪が正義だと、そう言うのですか?」
「いえ。悪は『悪』です。失敗ではなく、道を踏み外す様な過ちや間違いは、悪に違いありません」
「ならば……」
「結果的に『悪』となっても、過程が『正義』という可能性もあり得るって事です」
……どれだけリューさんが僕を信用してくれているか。それを頼りにする質問になってしまうけど、例えを出した方が分かりやすいかもしれない。
「僕がリューさんに「これだけの血液を下さい」って言った時、リューさんはどう思いますか?」
「同胞への輸血か、或いはアイテム作成に必要な為かと思いますが」
「それはなぜ?」
「なぜ、と言われても……貴方が悪用する様なヒューマンには、とても思えませんので」
「ありがとうございます。僕も悪用する気はありません。……でも、『助け』が『悪』へと繋がる場合もあると思うんです」
「……?」
「仮に僕がリューさんの同胞に輸血を施して───輸血した相手が、悪だとしたら? それは結果的に悪の手助けをしています」
「!」
倒れている見知らぬ人を見かけたら、僕はきっとそうする。
「しかし、それは……」
「もちろんモノの例えです。僕を知っているリューさんなら僕を信じてくれるかもしれない。ただ人を救っただけ、と。でもリューさん、
「……っ」
うん、やっぱりリューさんは聡明だ。イメージではなく実際にあった出来事を即座に認識してくれる。そう。7年前の今、僕とリューさんの最初の出会いは『偽善』から始まっている。そしてリューさんは、僕に偽善という言葉を送ろうとしていた。……遮る形で僕が言ってしまったけど。
あの言葉は、僕が信じる偽善をリューさんが信じられなかったから。僕の判断をリューさんが疑ったからだ。
「……そういう、事ですか」
「えっと……もちろん、これは僕の勝手な解釈です。僕の思う正義……理想を、リューさんがなぞる必要はないです」
「ええ。正義も悪も、全ては他人の評価で決まる。私がどれだけ誇りを信じても、周りの評価は周りの評価からしか決まらない。……悩む必要など、最初から無かったのですね。私の正義を信じられるのは私だけ───」
「すみません、それは否定します」
「え?」
リューさんは多分、自分の意思を貫き通す為に自分が折れる訳にはいかないと思ってる。自分が自分の正義を信じなきゃ、今まで培ったものが全て壊れるから。
間違ってはいないと思う。自分の経験は自分のもので、それを自分自身が信じられなくなれば、信じられるものがなくなってしまうかもしれない。でもそれは、あくまで『自分しか自分を信じられない人』であって、リューさんはそうじゃない。
「少なくとも、僕はリューさんを信じています。僕だけじゃなくて、アストレア様も……そしてアリーゼさん達も」
「……」
「リューさんが折れた時でも、僕はリューさんの『正義』を信じます。貴方が信じる正義を、貴方が貫いた意思を、僕が信じます」
「……貴方は酷い
ぅえ!? か、輝夜さんは兎も角として、ついにリューさんにまで……?
「諦めたいと思っても、私が私自身を貶めようと思っても、
「あ……あはは……」
なるほど、確かに今回は僕が悪い。今の発言だと、リューさんに重荷を背負わせるような意味として取られるだろう。……でも訂正はしない。僕はリューさんが信じ続けた
「クラネルさん」
「はい?」
「手を……右手を差し出して貰っても、よろしいでしょうか?」
僕はそっと右手を前に出す。僕は立ち上がったまま、リューさんは座った状態。どこか騎士が誓いの為に傅く光景を脳裏に浮かべた。
「ああ……やはり、落ち着く。心拍が心地よい。……貴方は本当に人たらしだ」
「りゅ、リューさんまで……」
「ふふ、すみません。でも貶しているわけではない。……クラネルさんは、英雄になりたいと、そう言っていましたね」
「うぐ……や、やっぱりこの年にまでなって小さな子供の夢を抱くのは恥ずかしいですよね……」
「そ、そういう訳ではありません! 寧ろ幼き日から貫けるその意志には学ぶべきものが───」
僕の
だからこれは、ほんの少しの悪戯。コロコロと変わるリューさんの表情を見ていたいから、この『正義とは何か』という質問の報酬として勘弁してもらおう。
「……」
「リューさん?」
「クラネルさん、
「ぅえっ?」
「今微かに、肌に触れていることへの忌避感を覚えました」
りゅ、リューさんに勘が芽生え始めてる……!?
「…まあいいでしょう。この時間帯に押し掛けた私も悪い」
リューさんはティーカップを持ち、立ち上がる。
「洗い物は自分でやります。乾いた後に持ってきた方がよろしいですか?」
「あ、いえ。洗い場に置いといてください。後で持っていきますから」
「分かりました。ではクラネルさん、お休みなさい」
リューさんはドアを引くと立ち止まり、僕が返事をする前に、振り返って口を開いた。
「先ほどの続きを忘れていました。クラネルさん、貴方は既に立派な英雄です」
では、と。そう言って、リューさんは静かに扉を閉めた。
僕は苦笑し、先ほどまでリューさんに握られていた右手を見る。……まだだ。僕が認められるのはまだ早い。リューさんに認められて嬉しい気持ちがある。でも真価を決めるのは───フィンさんが定めた『決定機』。それを成せるか、それとも果たせないかで全てが決まる。
正直不可能だと思っている。でもリューさんは僕を英雄だと言ってくれた。ならばそれに応えよう。不可能を可能にしてこそ『英雄』だ。
───これが夢なのだとしても、みんなをとびっきりの笑顔にして、終わりにしよう。
さあ、絶望に染めてやろう。
嗤い声。啼き声。多くの絶望はオラリオを包み込む。其れは確定された未来。神を殺せ、人を殺せ、オラリオを殺せ。あらゆる喝采は絶望を称える。もはや此れを乗り越える事など出来はしない。英雄の時代は終わった。神時代も終わりを迎える。それが終焉。
希望は、完膚なきまでに叩き潰す。かつての希望の象徴を絶望と化して
「ッ!」
恐怖で心臓が素早く脈打つ。人の命が終えるかもしれない一瞬を垣間見た。冒険者ならばあり得る帰結、しかし一般人は別問題。ただ歩き、善人たる彼らの首に刃が刺さりかけた。
「ァア? テメェ……ヴィトーの言ってたガキか」
「ぐ……っ」
直剣の刀身の根本で、流さずに受け止めている。力はしっかり込めているが押し返せない。相手が全力な事は感覚で分かる。間違いなく、この人はレベル5だ。桜色の髪に濁ったような金色の瞳。腹部すら隠せないボロボロのインナーに装備と呼べるかも怪しいコート。フィンさんが『ヴァレッタ』と呼ぶ闇派閥の一員……!
『ベル・クラネル。他の一員は兎も角、ヴァレッタ達幹部組は『絶対悪』だ。殺す事で快楽を得る破綻者。……君の信条を理解した上で伝えよう。最悪、彼女を殺す事を視野に入れてくれ』
フィンさんから伝えられた、闇派閥の幹部達への対応。それは僕の心を揺るがすには充分な発言だった。人を殺す……なんて、とても考えられない。そうしなければならない時、選ばなければならない時───僕はどうするだろう。
選択できない。だから僕は、問う事しかできない。
「……な、なんで、人を殺すんですかっ?」
「ハァ?」
「みんなに貴方と同じような命がある……! 大切な人がいる! それを奪う真似を───なんでッ!?」
「─────」
ヴァレッタさんは僕の言葉を聞いて、酷く動揺した様子で手に込めている力を緩めた。力の行方を失った僕の身体は前のめりになるけど、すぐに地面を踏み締める。剣を振ってヴァレッタさんの武器に当てる。後退するヴァレッタさんの次の動きを警戒して構えるけど、攻め入る様子はない。
「……わ、私には大切な妹がいる。そいつを殺されたくなかったら、従え……って」
「……!」
「私だって抵抗した! でもアイツら、すげー強くて……従う他なくって……!」
「……分かりました。僕が助けます。妹さんも、必ず。だから闇派閥からは」
構えを解いて、近付いた。安心させる笑みで、手を差し出しながら───
「クラネルさんッ!」
「っ、リューさ───ぐぅ!?」
突如リューさんが目の前に現れて、近くの民家に吹っ飛ばされる。早すぎる登場からの退場。僕はリューさんの方に意識が持ってかれるけど、視界の端に光って映る刃に受けの姿勢を取った。
咄嗟の行動だ。変な体勢で受け止めたから骨が軋む。まだ折れてはいないけど、それも時間の問題だろう。直ぐに右脚を振り上げて、ヴァレッタさんを吹き飛ばして距離を取る。
……騙し討ち。リューさんが攻撃を防いでくれなければ、きっと僕の身体はあの刃に貫かれていた。刃の重なる音が聞こえたから、民家にぶつかった時以外の負傷はないだろう。
リューさんの事は気になるけど、それよりも。
「ちっ……甘ちゃんなガキを騙せたと思ったが、防がれちまったな。レベル5一人の排除は大きな戦果だと思ったんだがなぁ」
「う、嘘だったんですか……?」
「ァア? ったり前だろうか。家族愛の為に動く玉じゃねーよ私は。それこそ復讐や快楽の為にしかな」
復讐や、快楽……。
「殺しが私の快楽だ。存分に罵っていいぜ? そっからテメェの四肢を切り落として、跨って上から見下ろしてやる。破綻者に犯され慰め者にでもされる兎は見ものだろうよ!」
「……っ」
「ふざけるなッ!」
舌舐めずりするヴァレッタさんに悪寒を感じ、一歩後ずさる。アマゾネスの誘惑とは違う、ただただ相手を絶望に染め上げる為の言葉の数々。
僕が思わず気圧されていると、瓦礫を退かして弾丸の如く突っ込んできたリューさんがヴァレッタさんの横から得物を叩き込む。どこか技の精彩さが欠けた力任せの一撃。当然ヴァレッタさんには防がれる。
「貴様にクラネルさんを渡してたまるか!」
「……ァア、そういう。でもそういった事はなぁ、もっと強くなってから言えよ!」
「っ、う」
「はぁッ!」
「チッ、邪魔すんなよガキが」
リューさんの得物を片手で受け止め、ヴァレッタさんは足蹴でリューさんを吹き飛ばそうとする。が、それを僕が剣の柄で受け止めた。……今なら足を切り落とせたかもしれない。でも一瞬躊躇った。他人の肉体を斬り落とす一瞬の判断が出来ない。だから受け止めざるを得なかった。
「……快楽の為に、人を殺すんですか?」
「アァ? 私は私が高揚する手段を取ってるだけだ。他人が絶望する様は見ていて気持ちが良いからな」
「分かりました」
僕は一瞬の溜めを作る。膝を曲げ、力を足に。そして一歩、踏み入る。この一歩でヴァレッタさんの懐に潜り込み、直剣を振りかぶった。
「っは、
「……ッ」
水平斬り。武器弾き。
「何度やろうが、テメェと私にそこまでの差は───」
「……」
受け流し。回転斬り。
「ねえっつってんだろ───」
「…………」
斜め斬り。斬り上げ。斬り下げ。
「───う、ぐ……っ!?」
技を放った直後から為せる技を繋げていき、攻撃からの攻撃の最速を常に披露する。僕の基本的な攻撃戦術であるヒットアンドアウェイを捨て、ただ超近接での防御と攻撃を繰り返し、ただ最速の連撃を繰り返す。
繰り返す動きは最適化されていき、徐々に速くなる。敏捷のアビリティが上昇した時とはまた違う、身体のズレがなくなっていくが故の速さ。僕のステイタスを理解しただろうヴァレッタさんだからこそ、
「っそだろテメェ、特定動作によるアビリティ補正でも持ってんのか……っ!?」
そんな筈がない。特定相手に対するアビリティ超補正はあるけど、動作による補正なんて持っていない。ただズレが解消されていってるだけ。完全に合わされば、僕の速さはそこで止まる。ステイタスの更新が出来ないのなら、それ以上は伸びないのだから。
「ッ───おいおい良いのかよクソガキ! テメェらが掲げる正義、私らが全部ぶっ壊しちまうぜ!? 私はただの誘導だ、本命は他の」
「僕達が掲げる正義は、そう簡単に壊れたりはしません」
「……っ!」
火の上がりはなく、周囲の建物の破壊は、リューさんが吹き飛ばされた時に突っ込んだ建物と他数軒のみ。ましてや死人は一人もいない。今日このタイミングで仕掛けてくると、
読めた理由までは知らないけど……やっぱりあの人は凄い。僕が読めない二手三手先の出来事を容易く看過する。……駆け引きでは勝てそうにない。同じレベルなのに、十回やったら九回負けそうな予感すらある。
それに比べれば、ただ他者を絶望に叩き落とす事しか考えていないヴァレッタさんの対応なんて、とても簡単だ。もう迷わない。僕はこの人を倒す。全てを救う
僕の助けたいモノを、助けよう。
「チッ、おいテメェら!」
「……!」
ヴァレッタさんは劣勢を認識した。僕の扱う直剣を受け止めて、連撃を停止させる。直後大声を上げた。出てきたのは闇派閥の一員。
「邪魔はさせません!」
僕の戦いに入れば邪魔になると判断したのだろう。リューさんは静観していたけれど、闇派閥の一員達が僕を食い止めようと動いた直後、その速さを以って横槍を阻止する。
が、出来るのはあくまで近距離対応。遠距離手段を持つ相手の対応までは難しい。
「なっ、魔剣!?」
───僕が知ってる『クロッゾの魔剣』に比べれば遥かに劣る威力だ。でも魔剣は魔剣。詠唱無しによって高速で放てる劣化魔法。それはダメージを負うには充分すぎる威力。
が、幸い属性は炎だ。僕はリューさんの前に入り込み、『ゴライアスのマフラー』で振り払う。レベル5の力で繰り出される風圧は魔剣の威力を妨げ、ダメージを激減させた。微かな熱は感じるが、戦闘に支障はない。
「クラネルさん、奴を!」
「ッ!」
ヴァレッタさんは逃走を開始している。でも速さはそれほどでは無い。培った経験値、貯蓄が、僕に強大な脚力を与える。速さは間違いなく僕の方が上。
フィンさんの作戦に弊害が出るかもしれないけど、もう気にしてる場合じゃない! 恐らく闇派閥の中でもトップクラスの実力者を逃すのはリスクが大きすぎる! ここで捕縛しなくては……!
「──────ッ!!?」
地面を踏みしめ、弾丸の如く───そんな動作を一瞬で停止させる悪寒。右足で地面を蹴った直後、即座に左足で身体を停止させる。直後、目の前に巨大な岩。僕のステイタスを考えれば、投石されたくらいでは死に至る事はない……が、今感じたのは間違いない“死”の予感。かつて深層で何度も死にかけたから、死に対してかなり敏感になっているから理解できた。今駆け出せば、お前の頭は吹き飛んでいたぞ、と。
心臓が暴れまくる。限りなく近付いた“死”に呼吸が乱れる。それらを振り切るように、僕は岩が飛んできた方角へ視線を向けた。
体躯。身体はもちろんだが、その存在感はオッタルさんを彷彿させるものがあった。都市最強の如き威圧。……敵には、まだこんな人が?
彼は一度視線を向けると、すぐに外して視界から消えた。
「クラネルさん、ご無事ですか!」
「……はい、なんとか。でもヴァレッタさんは」
「いえ、貴方の責任ではない。寧ろ同じレベル5を相手にあれだけ圧倒した貴方に感服する。……逃しはしたが、これで敵が注意すべきモノは増えた。そうすぐに対応策が浮かぶモノでもないでしょう」
「だと、いいですけど……。それよりあの人は」
「……以前の会議で、【猛者】が「敵には手練れがいる」と言っていた。もしかしたらその者かもしれません」
「対応策を浮かべるのは、僕たちも同じですね」
「仮に相対するのであれば【猛者】になるでしょう。心配しなくていい。彼が負ける所など、想像できない」
「……そう、ですね」
そう、オッタルさんに任せればいい。なのに、何故だろう。
感想欄で指摘されるかもなんで、予め言っておきます。
ベル君の初スキルは憧憬一途ではありますが、ベル君自身が認識している初スキルは英雄願望です。アストレア様も察して憧憬一途についてはベル君に伝えていません