ガノタ系TS転生Vtuberいきまーす!   作:ゼノアplus+

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ガノタ系TS転生Vtuber誕生編
プロローグ


1話

 

 

「ついに……ついに完成だ!!」

 

 

苦節6時間……ようやく完成だよ。ふぅ……やりきったぜ。

 

 

「わぁ〜……かっこいいな」

 

 

私の前に鎮座する蒼いロボット。ガンダム作品に登場する『イフリート改』の100分の1グレードのプラモデルだ。

 

 

おっと……自己紹介しなきゃ。

 

私の名前は菫紅葉(すみれ くれは)。今年で22歳になる社会人。小説投稿サイトなどで流行りの『転生者』っていう私だけど、もう一個おかしな部分がある。『TS』……性転換という意味で、男だった主人公が女に生まれ変わるっていうジャンルだ。私自身よく好んでいたし、少し憧れてもいた。でもさぁ?

 

 

まさか私が転生した挙句TSして女の子になるとか誰も思わないじゃん???

 

 

物心ついた時に自分の顔を見てあらびっくり、幼い頃の『俺』とは似ても似つかない可愛らしい少女の姿があったんだから。この辺りで一度現実逃避した私はお昼寝をしてからもう一度鏡を見た。でも何も変わっていない。

 

ああ諦めたよ。私はもう女なんだって。幸い声は可愛いし見た目も可愛いのでチヤホヤされるだろうとこれからの生活を考えていた私だが現実は甘くなかった。両親は2人とも放任主義。私のやりたいことは大体何でも協力してくれるけど責任は私がしっかりと負う。小学生に入る前からそういう家庭環境だったから自然と同い年の子に比べたら大人びた。ていうか、30代男性の精神があるから元々大人びていたし、幼稚園や小学校ではどっちかっていうと頼れるお姉さんみたいなポジションだった。

 

そこはいいんだよ。私は元々アニメやゲーム好きなオタクだ。割と好きにできる環境だったから、中学に上がった時にPCを買ってもらった。もちろん悪いことには使わない事を親に約束して、素晴らしい成績と引き換えだ。昔から出来なかった英語と理科を猛勉強して普段からトップ5に入る成績だったから親も反対しなかった。うぅ……ありがとうお母さんお父さん。PCを手に入れた私が真っ先に始めたことはこの世界の情報だった。前世の世界との違う点や時代にしては優れている点とかを洗い出したけど、精々各国の首脳や大統領、総理大臣、や歴史的人物の名前がちょっと違うだけだったので問題なし。歴史の授業ではちょっとミスしちゃったけどもね。なによりも、前世にあったアニメやゲームは何も変わっていない。私の愛してやまないガンダムや他のアニメも無事あったからもう大勝利だったね。

 

 

「よし!いったん棚に飾って〜、ニッパーやエアブラシを納めてっと……」

 

 

そんなこんな中学を卒業した私は高校に入学。しかし、私はそこでちょっとしたミスに気付いてしまったのだ。

 

 

ガンダム好きの女子って殆どいない……と。

衝撃が走ったよね。流石に10年以上女の子してるし、口調や考え方、行動もそれらしいけど、やっぱり好きなものは昔から好きだ。小学校の時は「うわ〜かっこいい〜」で済んでいた同い年の女の子達も、中学ともなれば精神的にも成熟してくる。他の女子との関係などで忙しい陽キャな子達はグループを作ってハブられないように試行錯誤。いや〜女子って怖いわ。陰湿っていうのかなんていうのか、ターゲットさえ決まってしまえばバレないように用意周到に苛めだすんだもん。私は運良く被害合わなかったけど、なにより男子には全く知られずにやっているっていう事実が一番怖かった。

 

で、オタク趣味がバレたら私も袋叩きに合うと気付いてしまったので中学も高校も全てオタク趣味を表では封印し最大限の注意を払った。結果的に何事もなく高校卒業まで持って行けた私は、兼ねてからやりたかった動画制作の会社に就職。平べったい関係の友人達からは反対されたけど、大学まで行くのはちょっと……って感じだったからモーマンタイ。

 

ここでさっき言った『ちょっとしたミス』のお話。オタク趣味の女子があの学校で少なかったのはただのおまけ。本題はねぇ……気づくとすごい悲しかったよ。

 

私って出来る限り良い成績を維持しながら人間関係にも気を配っていたんだけども……逆にそれが災いして尖ったことが何もない、

『面白味のない菫紅葉』が出来上がってしまった。声は可愛い、顔もまあ男子には人気が出そうな顔だ。胸もそこそこあるしスタイルにも気を配っていた。男子や女子の言う『可愛い子』だったこと以外は何も変な事をしなかった。

 

 

「一通り終わったし、モンエナ飲んでAPEXでもしようかな〜」

 

 

もちろん表で押さえていた分、家では爆発した。ひたすらにアニメを見てゲームをして、ガンプラ作って勉強して。元々男だった故に恋愛については何も思わなかったしひたすらヒャッハーしていたんだけど、卒業したからにはもう我慢する必要はない!!

って感じで休日の今日、今世で一度も行わなかった『塗装』をした。久しぶりすぎて洋服に色々ついちゃったけど、ボロいのを着てたから大丈夫。

 

 

「んぐっ……ん……ぷはぁ!ああ〜これが効くんじゃ〜」

 

「アンタねぇ……気をつけなさいよ」

 

「わかってるよお母さん。1週間に2本も飲まないし」

 

 

50過ぎても美人と言える我がお母さん降臨。まあ流石に21才の娘が実家の冷蔵庫にエナドリ入れておっさんみたいな声で飲んでる絵面はヤバいよね。呆れたようなお母さんの視線を無視して部屋に戻った私はジップロックに入れて保護してたノートパソコンを取り出して起動。あ、さっきエアブラシ吹いたから精密機器を避難させてただけだよ?

 

そしてしっかりとエペっていくぅ!!

 

 

「ちょっと待って!?レヴさん早くウルト頂戴!?死んじゃッあぁぁあああ!!!!……クックック……だが私にはまだ金シという素晴らしい物があってだな。あっ……あの、すいません。そんな光り輝くチャージライフルで私に一体何をするつもりなのでs…なんでここで私を確キル入れるんだよ!?」

 

 

何故だ……私には金ピーキーがあったというのに……あ、部隊全滅した……

 

2、3戦ほどやったところで休憩することにした私は前世で言うところのようつべを見ることにする。

 

 

「はぁ……一旦KyoTubeでも見よっかな……っと広告?」

 

 

Vs学園2期生募集中!!

好きな事をもっと楽しく!! 

好きな事をもっとみんなと!!

貴方を求める人がいる!!

 

 

「Vtuber……か」

 

 

薄っぺらい広告だなって思った。好きな事なら既に楽しい。好きな事なら1人でも楽しめる。私は面倒な人間関係の世界に入りたくない。いつもの私ならこんな風に吐き捨ててまたゲームに戻るんだろう。でも、イフリート改を作り終わって棚に飾った時に思ってしまったんだよね。

 

誰かに自慢したい。誰かとこの嬉しさを共有したい。

 

 

「一期生の人、少し見てみようかな」

 

 

まだギリギリ流行ってないKyoTube界でのVtuber。あまり注目されてないにも関わらずVtuber専門の企業。前世では凄い流行ってたから、似たような今世でも一応調べてたんだけど……軌道に乗ってきたのかな?もう少し世に馴染んでから2期生を募集してもいいと思う。まあ別に経営の専門でもないし適当なこと言えないけどね。

 

変な考察をしながらも公式サイトからURLに入って所属しているVtuberさんの初配信やゲーム実況、雑談配信などをまったりと視聴した。途中ご飯とお風呂を挟んで夢中になって見ちゃったよ。意外と面白くてね〜。

 

 

「やば……楽しそう」

 

 

見るんじゃなかったな〜って思った。Vtuberは本人の顔が映らない。制作された自分のアバターを自らの分身としてるから顔バレもしない。そんな状況で生き生きと画面の向こうのリスナーに向かってお話やゲーム。流れるコメント欄からは応援や同意、偶に批判や荒らしがあるのもご愛嬌だろう。

今の私にはすごく魅力的に見えた。

 

「…………」

 

 

チラッと、プラモスペースに置いてある棚に飾り付けたイフリート改を見る。久々でムラがある塗装をしちゃったし、感覚を思い出したらまた新しいのを作るし塗装する。でも……この達成感は、素組じゃあり得ない。

 

 

「い、一次審査でどうせ落ちるし……折角だから……ね?」

 

 

ちょっとした出来心で、私は応募要項に目を通していった。

 




〜2週間後〜


「う……受かっちゃった……」


呆然とする私の目の間には、液晶に映る『一次審査合格』の文字。並びに二次審査の会場や案内の説明文があった。そう、出来心で応募したVs学園の一次審査に合格してしまった。


「……とりあえず、お母さんに言わなくちゃ」


この時の私は一次審査に受かったと言う事実で頭が回ってなかったのかもしれない。忘れていたのだ。


「Vtuber?…………へぇ、可愛いじゃない。一次審査に通ったの?うん。紅葉アンタ、なっちゃいなさいよ」

「…へ?」


我らが母は、面白そうなことには何でも興味を示すと言う事を……

ニヤニヤと笑い、興味深そうに二次審査についての項目を読み始めたお母さんを、私は止めることができなかった。

【期限は1日程度】ガンダムコラボあったしバトルスピリッツ(カードゲーム)の話しても大丈夫?

  • 大丈夫
  • ダメ
  • バトスピ知らない
  • カードゲームやってない
  • ガンオンから逃げるな(大丈夫、と判断)

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