「先生、これは近道というより獣道か登山では?」
アーダンはダゴンの言う王都への近道
崖沿いの深い森にて 必死に樹木の枝や
岩の取っ掛かりを支えにして師に問いかけた。
「地元の人間しか知らない道だよ
酒の密輸や盗賊が使う道さ」
「えっ、このワイン密輸なんですか⁈」
「くふふ…安心したまえ
王都に入る際に報告すればいいんだよ」
「…ダゴンさん、急ぎましょう
山の天気はうつろいやすいと聞きますし」
「よく山のことを知っているじゃないかアーダン君
急ぐのはいいが焦ってはいけないぞ」
アーダンは深い森を抜けたあとの光景に目を奪われる
空が夕陽に染まり見えるものすべてが
太陽の色に輝いてみえるそのとき
東に向かって地平線の彼方
おそらく前世の単位で
数十キロはあるだろう断崖絶壁が続いている。
崖の高低差も200mはありそうだ。
その凄まじいスケール感に圧倒されていた。
「この地平線のむこう
ヴェルトマーまで続くこの崖は
ダン・ガイデスと呼ばれているよ」
「…(なんじゃそりゃ…)」
「…夕陽に染まるこのときを君に見せたかったんだ」
「…ええ…とても綺麗です…本当に…本当に…」
旅の終わり、最後の夜、軽い夕食をすませたアーダンは
北東の方角、星も見えない曇り空の下でもうっすらと
光り輝く都市の灯りを見ていた
➖…あれが王都バーハラか…➖
「アーダン、空が曇ってきている。
明日は雨になりそうだ、早めにでよう。
軽くひと眠りしたらすぐ出発だ」
「はい、先生、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
バーハラ王都教会
エッダ教の本部はエッダ城にあるが、あくまで教主が治める地であるため本部というのが建前で、中身は王都教会が本体といってよい。地方の会社が東京に進出して作った東京支社が実質本社になるようなものだ。建物自体はエッダ城の教会本部よりも小さいが、内部の装飾は教会で最高峰を誇り、なかでも礼拝堂の天井画はユグドラル大陸でもっとも美しいといわれている。
シトシトと小雨の降るなか、王都バーハラの教会通りを
アーダンとダゴンは歩いていた
「先生、そろそろお別れですね」
「ああ、ワインは重かったろう、おつかれさま」
「いえ、教会のほうまではもっていきますよ」
「助かるよ、雨足も強くなりそうだし
雨宿りついでに王都教会の中も見ていきなさい」
「いいんですか?」
「あれはエッダ教徒でなくともいちどは見るべきだよ」
➖…これはたしかにすごい…➖
雨雲で太陽が完全に隠れたのだろう
教会内は昼さがりにしては薄暗かった
しかしなにか魔法的な画材を使っているのだろうか
薄暗いなかでもはっきりと見えている
➖…これは地獄をあらわしているのか?…いや➖
紅が印象的に使われている
折れた柱 死人を抱く騎士 襲いかかる戦士
竜の死骸 焼かれているのは街なのか森なのか
➖…題名か?ルーン文字でなにかかいてあるな…➖
記憶の彼方の時代 魔王の闇が世を満たし
世界は悪夢の中にあった
➖次の絵は砦か…➖
どうやら入口から奥へ時系列に見るのが流れか
雨の音が強まっている 外はどしゃ降りだろう
➖この碧色は聖戦士をあらわしているのか…➖
果てしない嘆きの日々 むなしく見上げる天は暗い
十二の神、天より来たり
十二ののち、一つの碧い炎が
太陽のプロミネンスのように
変化していくのが表現されている
➖…これは…➖
ロプトウスだろうか巨大な暗く輝く竜が
邪悪な闇に立ち向かい
こちらはナーガであろう光り輝く巨竜だ
光を呼び、魔を焼きつくし
失われし希望が 再びこの世によみがえった
曼陀羅のように剣を中心に12の武器がえがかれている
➖…思い出した…➖
そして今 無数の昼と夜がめぐり
全ては伝説の中へ
どうやら奥についたようだ
足もとを見ると曼陀羅がこちらにも書かれていた
周りの12武器がない曼陀羅の中心
剣が指し示すさき、正面の壁には
それは見事な彫刻がきざまれていた
はい、オープニングのやつです
知らない人を置いてけぼりにしたのではと
少し反省しております。知ってるかたも
動画などで見返してはいかがでしょう?
ダン・ガイデスの元ネタは
大地溝帯 と ドン・エンガスの崖 です
王都バーハラをドンエンガスにみたてました
ドンエンガスは太鼓の達人で知っている人もいるかな?
第一章はこれにて終幕 終幕だが開幕とはこれいかに?
感想くれた人ありがとね、頭の隅っこにいれときます。
プロットないから次の更新はだいぶあきます。すまぬ。