あー旦那   作:古い狩人

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第四章 6 みず うみ 世界

 

 

王都士官学校の全校集会は王宮内の広場で行われた  

 

 

来年度の聖武器継承者の在籍人数が過去最多となり  

それにかかる人員の増加に対応するためなどに    

士官学校寮の改築や、コースのカリキュラムの修正  

(おそらくブリギッドのためだろう)の件が話されたのち

 

光の聖書ナーガを讃美するエッダ教の聖典の一節を

校長が読み上げたあと、散会した   *1    

 

 

 

散会したあと、シグルドは派閥の人間と魔法の授業へ

アーダンはいつもの資料室へとそれぞれわかれた。 

 

やや指定席と化した窓に面する机の椅子に荷物を置く

 

 

「ちょっとよろしいですかな?」         

 

「はい、なんでしょう?…って室長じゃないですか」

 

「いや、ちょっと聞きたい事があってね……」   

 

 

アーダンの顔見知りの資料室の室長である      

用件はブリギッドについてだった。         

どうやらユングヴィから家庭教師の依頼があったらしい

 

 

「依頼の際に説明はあったが、正直な所、迷っているのだ

 海賊の養女として育てられたとは聞いたが……    

 たしか君は面識があるのだろう?どういう人間だね?」

 

「美人ですよ」                   

            「ほう」          

「優しい人ですね」                 

            「ほほう」         

「頭も自分より良さげです」             

            「ほほほう」        

「力も自分よりも強いです」             

            「ほほ……ん?」      

「ぼっこぼこにされました」             

            「……ま、まあ聖戦士なら」 

「ちょっとウソつきました」             

            「君ねぇ、脅かさないでくれ」

「ボコられたのは4回です」             

 

 

 

 

 

 

こころよく引き受けてくれる事になった室長をあとに  

アーダンは資料にある中で最も詳細な地図を閲覧していた

 

 

➖この大陸の地形はおかしいとは思ってたんだ

 

 

グランベル王国の東に位置するイード砂漠の北部、  

シレジア王国に属するリューベック城の周辺を観察する

 

 

➖…リューベックでは岩塩が採掘されるなら…

  このあたりは昔、海だったってことだよな…

 

 

続いて視線を下方へとイード砂漠に移していくと  

砂漠の中に屹立する巨大な岩盤がいくつか確認できる

 

 

➖海だったのならこの岩山は小さな島みたいなもんか

  それに…前々から思ってた疑問もいくつか解決か…

 

 

イード砂漠は北部と南部でその様相が大きく異なる

 

南部は崖や岩山ばかりで乾燥しており標高も高い

標高としたが正確には海抜だ。海抜は海面からの高さで

高低差は最低でも海抜数十メートル以上だ。ガチ岩砂漠だ

 

それに比べると北部は比較的平坦で標高も低い。

近隣の海岸との高低差も少なく海抜数メートル以下だろう

 

 

➖北部はところどころ緑地もあるから水もあるだろうに

  砂漠なのは疑問だったけど砂に塩分あるなら納得だな

 

 

過去に海面が下がったなら色々と納得できる地形があった

 

たとえば大陸西南部のヴェルダン王国の中央部の巨大湖 

巨大湖と地図にはあるが塩分を含み海水魚が生息していた

湖の北西部あたりがえぐれて谷のようになっているので 

そこの部分がかつて外海と繋がっていたのだろう *2 

 

 

➖……海面が下がった原因は何だ?

  …氷河とかも無いしおかしいぞ…

 

 

海水はどこにいったのだろうか?

 

 

➖……ああ、魔法がある世界だったな……

  …しかし、いや、規模がデカすぎる……

 

 

多少の原作知識のあったアーダンには

消えた海水の行方に心あたりがあった

 

 

ロプト帝国の創始者であるガレ司教は

若いときに、海をわたって     

世界を旅したという        

 

 

だがアーダンの手元にある世界地図は

海をわたって も大陸の反対側に着くだけだ

渡った海の先、旅の目的地は無い

 

 

だが、ガレの目的地が違う世界なら?

世界と世界が魔法を介して繋がるなら?

海上で転移魔法の入り口を設置したなら?

ユグドラルの海水はそこに流れこんだ?

 

 

「そんなのアリかよ……」

 

 

*1
エッダ教の聖典とここでは扱うが、ユグドラル大陸では 聖典 とだけで通じるシロモノだ。内容は多岐に渡っており、平民にとっては歴史、道徳、国語の教科書と言ってよい。全体だと相当分厚くなるので平民にはかなり簡略した手引き書のような20Pぐらいの冊子が教会負担で配られた。ちなみにオーガヒル砦などの僻地には配られていない。文字と文化と宗教が違う。蛮族が崇めるべきは偉大な父祖と母なる大地だけでよい

*2
メタ的な視点になるが、それなら原作の湖のマス目 うみ 表記も説明できる。が、そのかわり違う場所が酷い事になるのはどうすりゃいいんだ…




諸事情により話の後半部は突貫工事で差し替えたものです

差し替え前の話はこちらになります。リンク先へ飛びます

今回ちょっと酷いので、また工事中になっても許してちょ
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