個性使ってヒーローのラブドール作ってみた 作:マイティP
というかお気に入り増えまくってちょっと怖い
作間が200階に到着するほんの少し前。
レセプションパーティの会場は突如として現れたテロリストたちによって占拠され、パーティに出席していた人々は全員が拘束されていた。
それはオールマイトを含むヒーローたちも同様だ。
本来なら簡単に撃退できるテロリストが相手でも、セキュリティシステムを乗っ取られて島中の人間を人質に取られては動くことはできない。
そんな中、運よくテロリストたちに捕まらずに済んだグループがあった。
この島を訪れていた緑谷出久たち雄英高校1年A組の生徒たちと、彼らと行動を共にしていたメリッサ・シールドである。
彼らはたまたまパーティ会場に行くのが遅れてしまったために、タワー内にいるにも関わらずテロリストたちに気付かれずに済んだのだ。
そして彼らは、迷った末に行動を起こすことを決めた。
「ヴィランと戦わずに、オールマイトを、みんなを助ける方法があれば……」
ヒーローの卵に過ぎない自分たちにできることは限られているけれど、それでも助けたい。
そんな緑谷の言葉を聞いて、メリッサが解決策を提示したのだ。
「ヴィランの監視から逃れて最上階にさえ行けば、セキュリティシステムを再変更してみんなを助けられるかもしれない」
乗っ取られたセキュリティシステムの制御室はこのタワーの最上階にある。
そしてメリッサがそのシステムを再び元通りに戻せば、ヒーローたちを解放してテロリストたちを何とかできるかもしれない。
その可能性を示されたことで、緑谷たちは連れて200階へと目指すことを決めたのだ。
彼らは非常階段を用いて200階を目指すことにした。
監視カメラの少ないそこならば、まだセキュリティシステムの扱いに慣れていないテロリストたちに気付かれずに済むと思ったからだ。
しかし、順調に80階まで進んだところで問題が発生する。
「シャッターが下りてる……」
「どうする? 破壊して先に進むか?」
「いえ、そんな事したらシステムが反応してヴィランたちに気付かれてしまうわ」
非常階段の途中でシャッターが下り、先に進めなくなっていたのだ。
轟はそれを破壊してでも先にと言うが、そんな事をしてヴィランに気付かれれば戦闘になってしまう。
なんとか別の方法を考えようとしたところで、80階まで走って疲れていた峰田が非常階段から外へ繋がる扉を開いてしまった。
「じゃあこっちから進めばいけばいいんじゃねえの……」
「峰田君!」
「ダメッ!」
制止の声も届かずに扉は開いてしまい、結局他の方法も思いつかなかった一行はそちらの通路を走って進み始める。
しかし、メリッサの懸念に反して通路では
隔壁も降りてこないし、他のシステムが反応した様子もない。
それどころか。
「あぁ!? タワーがヴィランに占拠されただとォ!?」
「マジかよそれ」
「二人とも、放送を聞いていなかったのか?」
何故か80階にいた爆豪と切島と合流し、二人とも一緒に200階を目指すことになった。
友人と合流して喜ぶA組の生徒たちだったが、メリッサは訝しげな表情を崩してはいなかった。
「絶対に変よ」
「え?」
「こっちのフロアに入ってきた時点で気付かれなきゃおかしいの。それに爆豪くんたちが歩いてたなら、もっと早くにシステムが反応しててもよかったはずなのに」
「確かに……かなり不自然ですわね」
A組生徒たちの活躍によって順調にタワーを上っているのに、未だに何の妨害もされないのは明らかに異常だった。
時として壁を破壊したり、ドアをこじ開けたりしているのに、である。
メリッサの言葉を受けた八百万もそれに同調して通路の監視カメラに視線を向けるが、それが機能を停止しているというようにも見られない。
それはつまり、システム上は見ることができているはずなのに、何故か何もしてきていない、という事になる。
「おいおい、罠って可能性もあるってことか? ヤベェじゃん!」
「そうだとしてもここまで来たらもう上行くしかないでしょ……ちょっと待って!」
そして彼らが100階を通り過ぎた頃。
その時、罠の可能性を口にする上鳴に反論の声を上げていた耳郎が、何かに気付いたように耳のジャックを通路の床へとつけた。
「どうした?」
「なんか妙な音が……何かくる!」
「うわっ! シャッターが下りてくる!」
そう言った耳郎が通路の少し先の曲がり角を指さすと、そこから大量の警備マシンが現れた。
更には今まで通ってきた通路の隔壁も下りてきて、引き返すことができなくなってしまう。
「ここにきて妨害!?」
「デクくん! あっちのエレベーター!」
ダメ押しとばかりにエレベーターが動いている事に麗日が気付き、何者かがやってこようとしていることがわかってしまう。
このまま手をこまねいていれば、最上階に行く前に捕まってしまうかもしれない。
そう思った緑谷は瞬時に考えを巡らせ、メリッサに問いかけた。
「メリッサさん! この先どんな通路があるか教えて!」
緑谷の考え付いた手段は、メンバーを分ける事だった。
時間をかければかけるほどに状況が悪化していく現状、それしかなかったのだが……結果としては上手くいったと言えるだろう。
「耳郎さん、次は!」
「右からくる!」
「メリッサさん、ルートは大丈夫ですか!?」
「えぇ! 左からのルートで、上手く避けていきましょう!」
先に進むことになったのは、機動力の高い飯田と緑谷、聴覚による探知が可能な耳郎と、この先で行うショートカットでどうしても必要な麗日。
そして、セキュリティシステムを再設定するために絶対必要なメリッサだ。
彼らは耳郎が警備ロボットの場所を探知して、メリッサが上手くルートを選定するという方法をとることで、ほとんど戦闘することなく先に進むことができたのだ。
「残してきたみんなが心配だが……」
「みんなを信じよう! きっと大丈夫だよ!」
「そうだな!」
二手に分かれた時、その場に残してきたのは戦闘に長けた爆豪と轟と切島、警備ロボットに有効そうな個性を持つ峰田と八百万、上鳴といった面々。
不安は大きいが、きっと大丈夫だとみんなを信じながら彼らは先へと進んでいく。
そしてついに、彼らは150階へとたどり着いた。
そこはタワー外部に出れば巨大な風力発電システムがある場所で、
高所での強風対策として八百万からフック付きのロープも受け取っているため、麗日の個性である『
それがあの場で建てた彼らの作戦だった。
とはいえ、麗日の個性で飛ばせる人数には限りがある。
更には麗日本人が浮こうとすれば気分が悪くなって長時間の個性の維持が困難になるため、ここでもまた彼らは二手に分かれることになった。
「ロープを伝っていくなら緑谷くんの方が向いているだろう。俺はここで麗日くんたちと」
「うん。頼んだよ飯田君!」
そんな挨拶を交わして、緑谷はメリッサと共に麗日の個性を受けて宙へと浮いていく。
警戒していた強風が吹いても、先に超パワーで投げておいたフック付きロープを掴むことで耐えしのぐことができた。
そしてそれから10分もしないうちに、緑谷とメリッサは非常扉から再びタワーの中へと入るのだった。
「急いでセキュリティシステムを止めないと」
「うん。足止めしてくれたみんなも、オールマイトも早く助けないと」
メリッサに案内されながら、二人は足早に制御室へと向かう。
この階層に警備ロボットがいる様子はない。
異様な静けさの中、二人の足音だけが周囲に響いていた。
「入ったらきっとヴィランがいる。僕が何とかするから、その隙にメリッサさんはセキュリティシステムを」
「えぇ。私がすぐにシステムを再設定する。そうすればマイトおじさまがなんとかしてくれるはずよ」
入ってからの流れを再確認した緑谷とメリッサ。
きっと上手くいく。
ここまでのみんなの分もしっかりやろう。
そう思いながら、彼らはタワーの制御室へと足を踏み入れた。
指示を出すヴォルフラムもいない上、作間はセキュリティシステムをロクに扱えないので、原作よりも警備がガバガバです。
故に緑谷くんの甘々な作戦も上手くいきました。
あと、風力発電するほどの高所なら強い風が吹いていて当然。
という至極真っ当な八百万さんの意見により、事前にフック付きロープが渡されました。
時々活動報告とかも更新してるのでぜひみてやってくだせぇ