明石「艦娘の夢を操る機械を作って欲しい?」 作:マロニー
【数日の後】
明石「出来ました!」
提督「うおお、ゴツい見た目だな…
こりゃ前みたいに持ち歩きは出来ないな…」
明石「いかんせん機能が複雑なもので…小型化する時間も無かったし…で、でも!機能は恐らく文句の付けようがありませんよ!」
提督「ほう。射程は?」
明石「この鎮守府中です!」
提督「発動させる条件は?」
明石「目の前のそこのスイッチを押すだけです!」
提督「相手を選ぶ事は?二人以上への同時使用は?」
明石「勿論出来ます!」
提督「パーフェクトだ明石。
では早速やっていこうじゃないか!」
明石「お、早速ですね。
最初は誰にやるつもりですか?」
提督「そうだなぁ…」
提督「……」
明石「…提督?」
提督「…いやな、本当に咄嗟のアイデアだった上、これが出来るまでワクワクするだけして、誰にやろうかとか全然考えて無かった」
明石「ええ…馬鹿ですか貴方は」
提督「う、うるせぇな。
…そうだな、夕立なんてどうだろう?」
明石「夕立ちゃんですか?それまた何で」
提督「言っちゃ悪いが、あいつは結構能天気な奴だからな。アイツで効果があるんならば他の奴にも効果があるだろうって事さ」
明石「ああ、実験も兼ねるんですか。
…ほんと、息をする様に下衆の思考をしますね」
提督「おうありがとよ。さて、そうと決まれば…ここで操作できるのか?」
明石「あっはい、そこで対象や見せたい夢などを選んで、最後に決定ボタンを押せば発動します」
提督「オッケイ。…良し、決定ッ!」
カチリ
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【翌日】
提督「聴こえてるか、見えてるか?」
明石『はいはいバッチリですよー』
提督「良し。…しかしアレだな。夢という性質上、一日に一人…無理しても数人ぐらいにしか出来ないのはネックだな」
明石『まあそればかりは…提督が増えないとどうしようもないですからね』
提督「っと。夕立発見。さて、様子はどうかな?」
夕立改二「……」
提督「ふーむ…心なしか元気が無いな。
これなら成功かな?」
明石(ちょっとふらふらしてる様な気も…
大丈夫かしら?)
明石『そういえば、執務室で仕事しないで、こんな所をほっつき歩いてて良いんですか?』
提督「仕事なら終わらせて来た。
と、いう事で接触してくるから話せなくなるぞ」
明石(に、人間離れしてる…
この人はこの意欲をもっと他の所に使えばなぁ)
提督「おーい、夕立」
夕立「!!」ビクッ
提督「よお、元気か?」
夕立「あ…て、提督さん!こんにちは!」ニコリ
提督(ムム、笑顔。だが…)
明石(不自然な笑顔…取り繕ってるって感じね)
提督(俺が夕立に見せた夢は、ずばり、触れ合いに辟易した俺が突き飛ばして罵倒するといったような…そんなものだった)
提督(どうやらかなり効果があったようだな。
今迄通りならば、夕立は既に飛びついてきたりのボディタッチ的なものをしてくる筈だ)
夕立「何か用事っぽい?」
提督「いや、特に用事って訳でも無いがな。
ただ話し掛けただけさ。駄目か?」
夕立「…ううん、全然駄目じゃないっぽい」
提督「そうか。…そうだ、ここで会ったのも何かの縁だ、何か食べに行くか?」
夕立「本当!?やった、提督さん大好きっ…」ガバッ
ピタリ
夕立「…っぽい」
提督「…なあ、どうかしたか夕立?」
夕立「え?」
提督「こう言うと何か、まるで催促してるみたいで気持ちが悪いかもしれんが…今日はヤケに大人しいというか、こう、触ってこないというか」
夕立「き、今日はそんな気分じゃ無いだけっぽい」
提督「…そうか?俺には今、わざわざ行動を中止したように見えたが。本当に何もないのか?」
夕立「……ッ」
提督「…夕立?」
夕立「…何も無いっぽい」
提督「…夕立!」
夕立「ひっ…!」ビクッ
夕立「…ご、ごめんなさい…
て、提督さん、お、怒らないで…」
提督「…夕立」
夕立「…ッ!提督さんが嫌な事はもうしないから、提督さんがやれって行った事なら何でもするから、だから…!」
提督「…待て、話を聞いてくれ、夕立。
俺は怒ってなんかないんだ。…大きい声を出してすまなかった。誤解させちまったな」
提督「俺は怒ってない。
俺はただお前の事が心配なんだ」
夕立「……!」
提督「…もし俺が信用出来ないと言うなら、言わなくても構わない」
夕立「!そ、そんなこと!」
提督「でも、出来たら話してくれないか?」
夕立「…うん」
夕立「…ねえ、提督さん。
…夕立の事、きらい?」
提督「まさか。そんな筈は無い」
夕立「じゃあ、いつも夕立がしてる行動にイライラしてたり、してない?」
提督「勿論さ」
夕立「じゃあ、それじゃあ!提督さん、私の事好き?」
提督「……」
夕立「…好きじゃ、ないの…?」ジワァ
【提督、抱擁】
提督「済まない。そんな風に思わせてしまった。辛い想いをさせてしまったな」
夕立「…!!」
提督「大好きだよ、夕立。嫌いな訳が無いじゃないか」
夕立「…う、うう…!」
夕立「提督さ〜ん…!」グズグズ
提督「うわ、服に鼻水を垂らすな!」
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提督「成る程、俺に嫌われる夢を」
夕立「うん…夢の中で、提督さんが触るのが嫌だって。我慢の限界だって言って、私の事を突き飛ばしてきたっぽい」
提督「…大丈夫だよ。俺はお前のそう言った行動全てが好きだし、嫌がって我慢なんかしていないから…というか思う訳が無いからな」ナデリ
夕立「んっ… ありがとう、提督さん」
提督「とんでもない、俺も好きでやってる事だ。礼を言われる筋合いなんてないさ」
夕立「本当にありがとうっぽい!」スリスリ
提督「話を聞いてくれ」
夕立「…ねぇ、提督さん!これから先も提督さんに抱きついたり、今みたいにすりすりしてもいいっぽい?」
提督「ん?ああ、勿論いいとも」
夕立「そ、それで…またこういう夢を見ちゃったら…また提督さんに、話を聞いてもらっていい…?」
提督「…いつでも来るといい」
夕立「!うん!ありがとう提督さーん!」
【夕立はそのまま走り去って行った】
提督「あ、おい!一緒に何か食いに行くんじゃ無かったのかー!?おーい!」
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提督「良し良し、いい感じだ。
俺の考えていた感じにとっても近いぞ」
提督「…にしても夕立は、結構思い詰めるタイプみたいだな…これからはそれを踏まえて接しないとな」
明石『いやー、全部貴方が仕組んだ事って知ってるこっちからすると、こういう人を邪悪って言うんだなーなんて事を思ってましたよ』
提督「いつも明るかったり気丈に振る舞っている娘の、その顔が曇っている所…やはりとても良い物だ。
そして、それが晴れる所もな」
明石(あ、この人この手の悪口には最早反応すらしないや)
提督「しかし…夕立は後に取っておくべき逸材だったかもしれん。使い方を覚えてる最中の今に、手を出すべきじゃなかったな」
明石『と、いいますと?』
提督「もっと使い方に慣れてから夕立に対してこれをやれていたなら、もっともっと良い顔を作り出せたかもしれん。ま、後の祭りだがな」
明石『何を変な拘りを見せてるんですか』