万華鏡の帝国   作:さいころ丸

7 / 11
ネタ込みの日常回です。ちょっとはやい顔出しもあったり。


第五章 市立彩海学園

 ピンポーンとインタホーンが鳴り、古城は一旦朝食の準備の手を止めた。玄関前の映像を映すモニタを確認すると、ギターケースを抱えた雪菜が映っていた。

 

「今開ける。ちょっと待っててくれ」

 

 エプロンを外し、玄関へと向かう。今の古城の姿は、ワイシャツにスラックスという格好だ。何れも彩海学園指定の制服だった。

 

「おはようございます、古城先輩」

「おはよう。凪沙はまだ寝てる。話は中でしようぜ」

 

 こくりと頷くと、雪菜は靴を脱いで玄関を上がった。暁家へ招かれるのは、昨日と今日で2度目だった。

雪菜の歓迎会を行った昨日、雪菜と凪沙は一緒に朝ごはんを食べて登校しようと約束していた。雪菜にしても、古城の監視に都合がいいので快諾した。

 だが凪沙の暗示が効いているうちにここへ来たのは、古城の様子を見るためだった。

 

 オイスタッハとアスタルテに事実上敗北した後、古城の回復を待って雪菜は古城と共に帰宅した。その時に聞きたいことがあったが、古城の傷を慮って一晩待とうと思ったのだ。

 

「古城先輩、傷の方は……」

「もう全然平気さ。全く、吸血鬼様様だな」

 

 にかっと古城は笑って答えた。だが雪菜は、憂慮の表情を浮かべるだけだった。古城はそれに苦笑する。大丈夫だ、といって大丈夫と思ってくれない相手が増えてしまった。

 

「古城先輩、お願いですから、昨日のように自分一人で戦うなんてことはやめてください。古城先輩に何かあったら……浅葱さんや凪沙ちゃんが、悲しみます」

「昨日も行ったけど、御指名はオレだったからな。避げようにも――」

「だったら、わたしに押し付ければよかったじゃないですか」

 

 古城の言い分に、雪菜は被せ気味に反論する。雪菜の言葉には、間違っとことは言っていないという確信が響いていた。

 

「わたしは剣巫です。攻魔師として、魔族から人々を守ることと、人から魔族を守ることがわたしの任務です。自分の身が誰かに脅かされると思ったなら、わたしに言えば良いんです」

「雪菜……」

「それにわたしは古城先輩の監視役です。古城先輩にもしものことがあったら、わたしの、任務は――」

「雪菜。お前、昨日のイタチの話に当てられてるのか?」

 

 途切れ途切れになっていく言葉を遮り、古城は雪菜の焦燥の理由を言い当てる。雪菜は言葉に詰まり、思わず目を伏せてしまう。

 

「あのなあ、あの話だけでイタチのように戦うとか覚悟を持つとか、そんなの考えなくていいんだよ。お前は――」

「じゃあ、古城先輩はどうなんですか?自分の判断がイタチさんの記憶の影響を受けていないものだって、言えるんですか?」

 

 今度は古城が言葉に詰まる番だった。雪菜の言う通り、古城はイタチの記憶の影響を受けている。自分の身に降りかかる事象を、自分だけで対処しようとするところなど特に。古城はイタチのそういうところが欠点だと思っているのに、気が付けば同じ轍を踏んでいる。凪沙にいまいち信用されないのも、それを知っているのが一因だろう。

 

「全部押し付けるなんてかっこ悪い真似はできねえ。いざってときはちゃんと雪菜に頼るけどその分オレも頑張る。これでいいか?じゃないと話が堂々巡りしそうだ」

「……取り敢えず今はそれで。約束ですよ」

 

 雪菜はまだ不満げだったが、ひとまずそれで納得したようだった。古城はその様子を確認すると、再びエプロンを着て朝食の準備を再開した。

 

「あ、古城先輩、わたしも手伝います」

「ん――わかった、じゃあ卵の方頼む」

 

 家を訪ねてきた友人に朝食の準備をさせるなど気が引けたが、さっきの今というものだった。古城は了承した。

 

「古城先輩、昨日のヒトガタ……あれが古城先輩の眷獣ですか?」

「違う。あれは須佐能乎っていって、写輪眼に由来する能力だ」

「え?でも……」

 

 雪菜は朝食の準備を進めながら、昨日のヒトガタについて古城に訊ねた。古城の返答に対し、雪菜は疑問を深める。

 

「あの須佐能乎というのは、破壊されると術者にもダメージが?」

「無い、と思ってた。今まで見たイタチの記憶でも、これまで発動させてきた時も須佐能乎を破壊されたことなんてなかったから、何とも言えないんだけど……」

 

 正直、理由は解らないが違和感しか感じない。或いは、イタチの記憶と写輪眼が、古城の直観に語っているのだろうか。お前の身に起きたことは、本来の写輪眼の仕様の外にあることだと。

 

「オレが第四真祖になったことで、須佐能乎の性質が変化した――かもしれない。それ以上は見当がつかない」

 

 はあ、古城は嘆息を零した。

 

「眷獣は言うことを聞かねえ、奥の手はおかしなことになってる。あの2人を止めるには、どうにも一手足りねえな」

「……やっぱり、あの2人を追うんですか」

「追うさ。オレには動機ができた」

 

 決然とした表情で古城は言った。感情の発露か、その両目には写輪眼が浮かんでいる。雪菜の沈黙を疑問と受け取った古城は自分からその動機を話した。

 

「ルードルフ・オイスタッハは絃神島を異形の闊歩する呪われた街だなんて言いやがった。あれの意味を面と向かって聞き出さなきゃならねえ」

 

 聞き出した意味次第では只では置かない。言外に滲み出る古城の怒気に、雪菜は僅かばかり気圧される。

 

「でも雪菜はどうなんだ?お前が戦うつもりが無いなら、オレは……」

「いえ、わたしも彼らに会う理由ができました」

 

 獅子王機関の秘奥である神格振動波駆動術式。それをオイスタッハが持っていた理由を雪菜は知らなければならない。獅子王機関の剣巫としても、雪菜個人にしても。

 

「神格振動波駆動術式、だっけ?あれがアスタルテの眷獣に付加されていた理由、心当たりはあるのか?」

「それは――」

 

 どたどたと、廊下の向こうから慌てたような音が聞こえて古城と雪菜は一旦話を止めた。直後、凪沙がリビングに入ってきた。

 

「古城君起きてたの今何時!?昨日浅葱ちゃんを見送ってからの記憶が無いんだけどそのあとどうなったんだっけ、あ、雪菜ちゃん来てたの朝食も作ってくれてたの?うわーどうしようやっぱり寝坊したかなていうーか凪沙昨日の夜から食べてばっかり!?」

「まだ慌てるような時間じゃねえよ、風呂入って制服に着替えてこい」

「お、お邪魔してるね、凪沙ちゃん」

 

 わかったといって凪沙は引き返した。風呂を勧めたのは暗示で帰ってきてほとんどそののまま眠っていた凪沙を気遣ってのことだ。

 いったん話は切らざるを得ない、古城と雪菜は目で互いの意思を確認した。

 

 

「あの、彩海学園とはどういう学校なのですか?」

 

 暁兄弟と食事を摂りながら雪菜は訊いた。古城はワイシャツの上に学校指定の白のブレザーとネクタイをつけている。流石に始業式にパーカーを着用してくわけにはいかない。制服を着た古城は少しばかり大人びた印象がある。

 常夏のブレザーは暑い印象があるが、そこは絃神島。通気性と軽量性が図られたブレザーは見た目以上に着心地が良く、デザインも良いので生徒たちからの評判も上々である。

 

「そうだね……彩海学園は市立の共学校で中高一貫。中等部は各学年5クラスで約150人、高等部は8クラスで約240人。合計1200人程。まあ、絃神島で普通の学校かな」

「本土と違うとこって言ったらまず9月入学制ってとこだな。一学期は今日から11月の下旬。12月から冬休みを間に挟んで3月初旬が2学期。3月下旬から6月初旬が3学期で残りは夏休みだ。この辺りは市内のどこの学校も同じだな」

 

 すらすらと凪沙と古城は彩海学園の基本的な情報を答えていく。暁家がこの島に移住してきて4年になる。古城と凪沙もまた、彩海学園とは入学式からの付き合いだ。

 

「日本で9月入学制は珍しいですよね。確か、絃神島が造られた時から採用されているんですよね」

「海外からの魔族や能力者を受け入れることもあるからな。世の中には、自分がそうだってことを隠して人間社会で生活したいってヤツもいる。それができなくなっちまった(・・・・・・・・・・)連中を受け入れて新しい環境に馴染み易くするため、てのが理由らしい」

「そうなんですか……凪沙ちゃん、どうしたの?」

 

 いつの間にかどこか遠い目をしていた凪沙に雪菜が声をかける。凪沙ははじかれた様に顔を上げた。

 

「何でもないよ。ちょっとドレッシングの味が濃いかなって思っただけ」

「そう?でも……」

 

 凪沙は時折、朗らかな為人とは反した陰をその顔に浮かべることがある。昨日の歓迎会に今の一瞬。一体どうしたのだろう?何が凪沙の心を澱ませているのか――

 

「まあ、全員が故郷を離れて移住してきたわけじゃない。親の代から絃神島の住人ってうのも大勢いる。気負うことはねえよ」

 

 少し態とらしく話を戻す古城。触れてほしくない部分なのだろう、雪菜はそれ以上訊くのはやめることにした。

 

「そうですよね。魔族特区の学校と行っても、変なところなんてないですよね」

「当たり前だ。本土からの編入生だからって色めき立つなんてことはねえよ。落ち着いていりゃいい」

 

 

 

§§§§§§§§§§§§§

 

 

 

「さて、新しく彩海学園中等部3年生になったクラスの諸君!その一部であるC組を担当したりするのは!何を隠そうこの私!武術と仙術のダブルマスター!彩海学園の仙姑(せんこ)娘娘(にゃんにゃん)!みんなの笹崎岬だったり!よろしくね!」

「はーい、良く知ってます。何で今更そのような説明口調で大げさな自己紹介をするのでしょーか」

「よくぞ聞いてくれました甲島ちゃん。生真面目な委員長という雰囲気なのにノリのいい性格わたし大好きだったり。質問に答えましょう、その理由とは!私の事を知らない学生がいるからです!みんなの事を知らない子がいるからです!それは誰だ!?ここにいる本土からの編入生、姫柊雪菜ちゃんだーー!」

 

 いえーーい!

 

 古城先輩のうそつき。雪菜は教壇の上で顔を真っ赤にして体を震わせながらこの場にいない古城への恨み言を胸中で吐いた。

 教室中に熱狂が広がる。大げさな前振りで紹介されて、雪菜は軽くパニックになっていた。本土にいた時、雪菜は高神の杜という神道系の女学校に通っていた。獅子王機関の有する養成所だ。そのような経緯から、高神の杜は在校生もどこか厳かだった。

ここはまるで違う。わたしはいつの間にか異世界に迷い込んでしまったのだろうか、そんな益体も無いことを考えてしまう。

 無駄にハイテンションな自己紹介をして場を盛り上げてくれたりしたのは笹崎岬。赤い髪をお団子と三つ編みにした若い女性だ。服装はチャイナドレス風のシャツにミニスカート、スパッツ着用。明らかに教師が教育の場で着ていい恰好ではない。これが許されるのなら学生の制服にあらゆる校則は適用されないのではないか。

 そしてこの熱狂の中でわたしは自己紹介をしなければならないのか。笹崎先生と連れ立って入った時から既にどよめいていた教室の興奮は最高潮に達していた。

 

「た、ただいま紹介に与りました、姫柊雪菜です。本土からこの学校に編入してきました。趣味は――最近、バスケットボールに少し興味が出てきました。よ、よろしくお願いします」

 

 よろしくーー!

 

 面白味のない挨拶と自己紹介だったのにクラスメイト達はノリノリだった。

 

「さて、質問タイムに移ったりしようかな。皆の方から何か訊きたいことはあったりするかなー?」

 

 一斉に手が上がった。好奇心が重すぎる。

 

「じゃあ姫柊ちゃん、誰でもいいから手を挙げてる人を選んで質問に答えてあげたりして。選ばれた人は一言自己紹介をしてから質問すること。制限時間は飽きるまで。よーいスタート」

 

 こうなったら自棄だ。雪菜は覚悟を決めた。

 

「バスケ部所属の進藤美波だよ!あたしと一緒に全国目指さない!?」

「クラス委員が飽きてきた甲島桜よ。代わりにやってくれないかしら?」

「ゴホ…月光(つきみつ)隼太(はやた)。部活なら剣道にしませんか?」

縄藤(なわふじ)(だん)!彼女がギャンブルにはまりすぎている!止め方を教えてくれ!」

「〝赤い血潮の(レッドベルト)波巻(なみまき)櫛奈(くしな)!これってナイスセンスよね!」

「叶瀬夏音、でした。あの、猫は好きですか?」

高清水(たかしみず)清高(きよたか)、ところでこの手の話なら一番乗りの暁さんが静かなのはどうしてかな?」

「その質問を待ってたからだよお待たせ暁凪沙です!昨日は楽しかったね雪菜ちゃん!次はいつ遊ぼっか!」

 

 熱狂が加速する。もはや沈静化の兆しは見えない。なんだかすごい所に来てしまった。けど嫌いじゃない。

 故郷ともいえるような高神の杜を離れ、友人たちとも気軽に会えるような状況になって僅かばかり孤独感を抱いていたが、彼らの熱がそれを溶かしてくれる気がした。

 ふと、一学年上の先輩を想う。あの人は今どうしているのだろう。編入生はわたしだけだから、ここよりは静かなんだろうな――。

 

 

 

§§§§§§§§§§§§§

 

 

 

「今日から1年、お前たちのクラス担任を務める南宮那月だ。感涙に咽べひよっこ共」

「畜生!」

「神は死んだ!」

「/(^o^)\ナンテコッタイ」

 

 教室の敷居から助走無しで跳躍し、空中で一回転してから教壇の上に足を組んで着席した南宮那月は、開口一番横暴にそう言い放った。

 教室内に響く嘆きは、中学時代に補習で散々に――或いは惨々に扱かれた者たちの絶望か。

 南宮那月。〝空隙の魔女〟の異名をとる現役の国家攻魔官。打ち倒してきた魔族や能力者は星の数。市内の治安を守る特区警備隊の指導教官も兼ねる、比類なき天才攻魔師。

 だが彩海学園の生徒にとっては、漆黒のドレスに身を包む自称26歳の幼女教師だ。気取った口調にはしかし威厳があり、生徒からの評判は寧ろ良い。教室に木霊する呻き声も悲嘆を滲ませても疎ましさは無い。

 

「質問でーす。那月ちゃんは中等部の英語教師じゃなかったっけ?」

 

 手を挙げて訊いたのは矢瀬基樹。古城の友人であり、藍羽浅葱の幼馴染である。染めた短髪をツンツンに逆立て、ヘッドフォンを首にかけている。ちゃらい雰囲気を常に漂わせているが、堂々と那月をちゃんづけで呼ぶ当たり中々肝が据わっている。

 

「今年度からは高等部のここのクラス担任と英語を担当することになった。それと矢瀬、さらりと私をちゃんづけで呼んだな。後で覚悟しておけ」

 

 手に持った黒レースのセンスを空いている掌に叩きつける。ぱん、と響いた音には那月の怒気が込められていた。軽薄な笑みを浮かべたまま基樹は硬直する。

そんな幼馴染の様子に呆れた笑みを零しつつ、浅葱は後ろの席の古城に語り掛ける。新学期初日なので、席は出席番号順だ。

 

「ほとほと那月先生と縁があるわね、あんたも。弟子が心配なのかしら?今度はクラス担任にまでなるなんて」

「偶々だろ。那月ちゃんはそこまでお節介焼きじゃねーよ、凪沙じゃあるまいし」

 

 那月はただ単に古城が異界記憶保持者であり、かつ第四真祖である事を知る攻魔師というだけではない。

 那月は古城の写輪眼の訓練に付き合ってくれた師でもある。本土にいた頃は父、暁牙城がその役を担っていたが、絃神島に移住してからは専ら那月がスパルタで写輪眼だけでなく古城の忍・体・幻を鍛え上げた。

 親愛を窺わせる素振りこそないが、国家攻魔官としての仕事と両立しつつ、一能力者でしかない古城をマンツーマンで指導してくれた那月は、古城にとって家族と同じくらい大きな存在だ。

 その那月が古城のいるクラス担任を務めるという。因果を感じそうではあるが、師がそこまで甘くないとは古城も良く知っている。古城の今の状況を指して「覚悟はしておけ」といったのは彼女なのだから。

 今の古城の意識の大半を占めているのは昨夜対峙した2人組だ。

 

――男の方はロタリンギアの殲教師だと言った。

――潜伏場所は限られるはず。ロタリンギアの教会か、企業。

――けどロタリンギアは魔族に対して悪感情が強いはず。魔族特区にそんな施設があるか?

――それにあの子。眷獣使いだから吸血鬼だと思ったが、もしかしたら……

 

 ルードルフ・オイスタッハは去り際に殲教師と名乗った。その仲間が吸血鬼というのはおかしい。そしてアスタルテの人工的な美しさと機械的な物言い。ロタリンギアという国の性質も加味すると、彼女の正体がうっすらと見えてくる。思い至った可能性に眉を顰めたところで、頭に強烈な衝撃が走った。

 

()って!?」

「何を呆けている。次は貴様の番だ」

「え、何が?」

 

 何の話だと思って反射的に聞き返す。机の上には、いつの間にか黒レースの扇子。那月は恐らく、これを教壇の上から古城に向かって投げつけたのだろう。那月の目が一段と鋭さを増す。古城の背に寒気が走った。周りはその様子を見て呆れながらも面白がっている。

 

「自己紹介だ。ほとんど顔見知りだがこういうものはお約束だからな。藍羽が終わったから次は貴様の番だと言った。私に手を上げさせるとはいい度胸だな」

「那月ちゃん、生徒に扇子を投げつけておいてその物言いはどうかと思うんだ」

 

 那月の口角が凶悪に吊り上がる。那月はその幼い容姿から頻繁にちゃんづけで呼ばれ、その度に男女構わず制裁を科してきた。昨今の教師による体罰反対の風潮などどこ吹く風だと言わんばかりだ。

 この短い時間で基樹に続いて2度目。クラスメイトの中には古城に向かって合掌している者までいる。

 

「私が進めるHRで気をそぞろにしてちゃん付け呼ばわり、終いには説教か。夏季休暇で気が緩んでいたようだな。昼休み、生徒指導室に来い」

 

 3アウトと誰かが言った。声を辿ってみれば基樹がニヤ付いた表情で古城に憐みの視線を向けていた。

 新学期初日からついてない。そう思いながら古城は立ち上がり、ヤケクソ気味に自己紹介を始めた。

 

「みんな知ってるだろうけど、暁古城。趣味はバスケ。好みのタイプは合法ゴスロリ教師」

 

 今度は踵落としが飛んできた。

 




◆補足
南宮那月:古城らのクラス担任兼英語教諭。本作では古城の師。忍術という異世界の能力を使う古城を容赦なく鍛え上げた。原作1巻ではちゃん付けした古城を頭蓋骨が陥没する勢いで殴りつけた記載があるので最後のあれは過剰反応ではないはず。せやろか?原作での暁家との繋がりは4年前のイタリアでの事件が切欠ですが本作では……?

笹崎岬:雪菜、凪沙らのクラス担任。原作との相違点は仙姑娘娘という自称以外今のところ無し。テンションあれでよかったかな?

月光隼太/波巻櫛奈/縄藤弾:ネタです。再登場の予定は無い。

叶瀬夏音:まだモブキャラ。本作では中3の時点で雪菜、凪沙と同じクラス。

高清水清高:原作3巻で登場したモブキャラで本作でもモブ。下の名前は作者考案。確か出てなかったはず。

彩海学園:古城、雪菜らが通う中高一貫校。男子の制服がブレザーというのは本作の設定。原作では魔族は50人ほどでしたが、本作では全校生徒の3割弱が魔族或いは能力者。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。