ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います 作:寿限夢
……私だよ!!(土下座!)
嘘つきでごめんなさい!(;´д⊂)
とりあえず切りの良いところで出来ましたので、こちらをどうぞ!
※草蟹さんが画像一覧に紫乃ちゃんのファンアートを送ってくださいました!
とても可愛らしいので、気になる方は是非!
※誤字脱字報告、ありがとうございます!
町に戻るなり紫乃は、すぐさま町の宿屋に向かい、部屋を一室借りた。
このゲーム内では睡眠をとる事も可能だが、無論、そのためではない。
「~~♪」
部屋に入ってすぐ紫乃は早速、手に入れたばかりの装備を着て、鏡の前に立ってみた。
鏡の前でクルッとターン。
小さくポーズして、はにかんでみる。
「えへへ……かわ、いい……♪」
新しい装備に、紫乃は大層ご満悦だ。
「……ちょっと……裾が、短い、けど……」
そう言って紫乃は、【弔詩ノ礼装】の裾をちょっと下に引っ張る。
たしかに、上に着た【冥者の法衣】が膝まであるフード付きのロング丈なのに対し、【弔詩ノ礼装】のスカート丈は膝上15センチ以上と、かなり短い。しゃがんだら見えそうだ。
ちなみに、装備には下着も含まれおり、そちらもかなり際どいデザインとなっている。
具体的に言うと、黒の紐だ。
「あ……忘れてた……確認……」
新装備に夢中になっていた紫乃は、うっかり忘れていた装備の詳細を確認する。
【破壊成長】
この装備は壊れれば壊れるだけより強力になって元の形状に戻る。修復は瞬時に行われるため破損時の数値上の影響は無い。
「わぁ……ゾンビみたい……♥️」
"壊れても平気"という部分に、ゾンビとの共通点を見出だし、紫乃のテンションがますます上がる。
鏡の前で、もう一度クルッとターンする。
「……あと、は……」
紫乃の視線が、自身の足元に注がれる。
【冥者の法衣】【弔詩ノ礼装】がそれぞれ【頭】と【体】の装備なのに対し、靴だけは初期装備のままであった。
上二つが豪華なのに対し、足元だけが浮いている。
「……どうせなら……揃えた方、が……いい、よね……?」
趣味のせいで忘れがちだが、紫乃だって年頃の
「買いに……行こ……♪」
着ていた装備を一旦着替え、紫乃は鼻歌交じりに町に出た。
目指すは新しい足装備。それも新しい装備に合う、オシャレな物だ。
なお、杖だけは【嘆きの妖杖】のままだったため、
「ひぇっ!?」
「ひっ!?」
「生首ッ!?」
リアルな生首の意匠を見て、悲鳴を上げる者が後を絶たなかった。
「んぅ……無い……」
宿を出ておよそ三十分。
紫乃は町の通りをトテトテと歩きながら、頭を悩ませていた。
というのも、町の防具屋や服屋などに、中々これといった物がなかったからである。
「……どうしよう、かな……?」
【嘆きの妖杖】の頬を、紫乃は指でプニプニと押しながら考え込む。
店にないのなら、情報掲示板などを探して、何かしらのクエストで報酬として狙うか。
あるいはダンジョン。または、モンスターのレアドロップなどを狙って、ひたすら周回するか。
いずれにせよ、ただ町で買うより大変なうえ、必ずしも気に入ったデザインが出るとは限らない。
「んぅ……ん……?」
紫乃がそうやって悩みながら歩いていると、いつしか、町の知らない通りにまで来ていた。
ここはどこだろうと、辺りを見回す。
すると一軒だけ、看板が出ている店を見つけた。
「“イズ工房”……?」
店の前に出ている看板を見れば、店の名前らしき表記と《いらっしゃいませ》の文字。
店の壁には、剣と盾の画。どうやら、武器屋のようである。
「お邪魔……しま~す……」
物は試しとばかりに、紫乃は、店の中へと入ってみた。
「は~い、いらっしゃ……ッ!?」
店の中に入ると、水色の髪をした女性ひとり、カウンター越しに作業していた。
女性が気付き、こちらを振り向く。が、紫乃の【嘆きの妖杖】を見て一瞬、その場で固まった。
「……あの……?」
「え? ……ああ、ごめんなさい! ちょっとびっくりしちゃって!」
小首をかしげる紫乃に向かい、女性が両手を振って答える。
と言っても一瞬、店に女の生首が入ってきたと思ったので、女性は内心、心臓がバクバクしていた。
「ごほん……それじゃあ、あらためまして、いらっしゃい。私はイズ。見ての通りの生産職で、主に鍛冶を専門としているわ」
「あ、えっと……シノ、って言います……」
「シノちゃんね。それで、初めましてだけど、今日は何をお探しかしら?」
「えっと……実は……」
ゲーム内での初めての交流らしい交流に、紫乃は緊張しながらも、自身の目的を伝えた。
「ふむふむ、成る程ね。装備に合った靴ね……」
「はい……なかなか……いいのが、なくて……」
「ん~……そうね。ちょっとその装備、見せてもらえる?」
イズの要求に応え、紫乃は初期装備から新装備に着替えてみせる。濃紫のローブがはためき、黒のドレスのスカートが揺れる。
「あら! 素敵な装備ね!」
「えへへ……♪」
「とっても可愛らしいわ! うん、そうね、これなら……」
はにかむ紫乃の周りを、イズがうんうんと頷きながらぐるぐると回る。
ぐるぐる回る。
やがて、考えがまとまったらしいイズが、本題に入った。
「ねぇシノちゃん。もし良ければだけど、ウチでオーダーメイドしない?」
「オーダー、メイド……?」
「そう! ちょっと値は張るかもだけど……シノちゃんの装備に合う靴を、一からデザインするの」
イズの提案に、紫乃は上を向いて考える。
たしかにあるかどうか分からない物を探すより、いっそ作ってしまった方が手っ取り早い。
「じゃあ……お願い、します……」
「決まりね! それじゃあ早速であれなんだけど……シノちゃん。予算は今どれくらい持ってる? 」
おそるおそる聞くイズの質問に、紫乃は自身の所持金を確認する。
「えっと……今……195万持ってます……」
「ひゃく……け、結構貯めてるのね……」
「あんまり……使う機会なかった、から……」
予想より遙かに高い額に、イズが、少し上擦った声を上げる。
ちなみに、紫乃がこんなにリッチなのは、無論ゾンビによる人海戦術による賜物。
わずか三日弱とはいえ、毎回大量のゾンビでローラー作戦よろしく敵を殲滅し続ければ、否が応でも貯まるというものである。
そして、貯まっているのはお金だけではない。
「……ちなみに、モンスターの素材とかもある?」
「あ、はい……結構……あります……えっと……これと……これと……」
紫乃はインベントリにあるアイテムを、ひとつひとつ丁寧にカウンターの上に出す。
ついでに、数を教えながら。
並べられるアイテムとその数を聞いて、次第にイズの顔色が、段々と青ざめていった。
「……で……全部……です……」
「……」
「……? イズ、さん……?」
「……きょ、【兇人の骨】に【腐人の臓】……【悪夢の幽衣】に……そ、それに【弔霊の心】ですって……!?」
イズの全身が震え、額から汗がにじみ出る。
さも有りなん。
それというのも紫乃が取り出したアイテムのほとんどが、滅多に出ることのない、レアドロップばかりだったからだ。
「【兇人の骨】なんか、スケルトン百体倒して出るか出ないかなのに……!」
「……?」
カウンターに突っ伏さんばかりに落ち込むイズに対し、紫乃は小首をかしげるばかりだ。
というのも紫乃からしてみれば、これらの素材全て、ゾンビと散歩していて、たまたま拾っただけのようなものだからである。
「……」
「えっと……イズ、さ……?」
「シノちゃんッ!!」
「は、はい……!?」
紫乃が声をかけようとしたら、突っ伏していたイズがバッと跳ね起きた。
「これらの素材、いくつか融通してもらえる!?」
「あ、えっと……はい……大丈夫です……いっぱいあります、から……」
「これだけあれば今作れる中で最高の物が作れるわ! 待っててね、今デザイン書き起こすから!!」
それだけ言ってイズは、すぐ様カウンターの奥の部屋へ向かい、走り去っていった。
すさまじい速度である。
例えるなら、風のようである。
「……生産職……の、人って……速いんだ……」
思わずそんな勘違いを起こす、紫乃なのであった。
……大量のレア素材見たら、イズさんなら多分こうなると思うんじゃよ。
キャラ崩壊してない?
一応タグ付けといた方が良いかな……?
次、速ければ二、三日ほどで投稿します。
皆さまいつも感想、ありがとうございます!
サービス回……いる?
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いりゅううう!!(ホラー)
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いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
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要らぬ!!