ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 少し遅れました!

 新キャラ出そうか悩んでたら、日が過ぎてた……まさかキングクリムゾン!?

 どうぞお納めください!


ホラー少女と下準備

 【NWO】南の丘の謎のモンスター

 

 1名前:名無しの槍使い

 

 昨日のアレ、見た?

 

 

 

 2名前:名無しの大剣使い

 

 見た。

 

 

 

 3名前:名無しの魔法使い

 

 見た。

 

 

 4名前:名無しの弓使い

 

 見た。

 

 

 

 5名前:名無しの槍使い

 

 アレ何なの?

 

 

 

 6名前:名無しの大剣使い

  

 わかんねえ……マジで何なんだアレ?

 

 

 

 7名前:名無しの斧使い

 

 

 え? なに? 何かあったの?

 

 昨日ログインしてなくてわかんないだけど?

 

 

 

 8名前:名無しの大盾使い

 

 おれも見た訳じゃないんだが……なんでも昨日、南の丘に謎の赤いモンスターが現れたらしい。

 

 しかも複数。

 

 

 

 9名前:名無しの大剣使い

 

 

 おれはリアルタイムで見たけどな……

 

 アレはヤバい。

 

 ゴブリンの群れ吹き飛ばしてた。

 

 

 

 

 10:名無しの槍使い

 

 おれ見た時はオークの頭吹き飛ばしてたぞ。

 

 

 

 

 

 11:名無しの弓使い

 

 おれもそれ見た。

 

 つーか、すぐ側にいた。

 

 木の上から見てたんだけど、目の前をオークの頭が横切った時に、足滑らせて落ちた。

 

 

 

 

 12名前:名無しの大盾使い

 

 

 大丈夫だったのか?

 

 

 

 

 

 13名前:名無しの弓使い

 

 大丈夫だけど大丈夫じゃなかった。

 

 

 

 14名前:名無し槍の使い

 

 何があった?

 

 

 

 

 15名前:名無しの弓使い

 

 木から落ちたおれの側に、そいつらの一体がいた。

 

 馬鹿デカイ、ムキムキのバイオのネ●シスみたいなやつ。

 

 で、落ちてきたおれの頭掴んで、握り潰そうとしてきた。

 

 

 

 16名前:名無しの大剣使い

 

 全然大丈夫じゃねぇ!

 

 

  

 

 17名前:名無しの魔法使い

 

 それで、大丈夫だったてのは?

 

 

 

 18名前:名無しの弓使い

 

 潰されかけたところで、急に女の子が聞こえた。

 

 小さい、囁くような声で「ダメ……」って。

 

 

 

 

 19名前:名無しの大盾使い

 

 

 女の子?

 

 

 

 

 20名前:名無しの弓使い

 

 

 そしたらそいつ、おれの頭から手を離して群れと一緒に走っていった。

 

 あの声は一体、何だったのでしょうか……

 

 

 

 

 21名前:名無しの槍使い

 

 

 なんで最後の最後で怖い話風で締めんだよwww

 

 

 

 

 22名前:名無しの魔法使い

 

 

 まぁ実際恐怖体験な訳だし。

 

 

 

 23名前:名無しの大盾使い

 

 

 それにしても女の子か……

 

 

 

 

 24名前:名無しの斧使い

 

 一体、何者なんだ……?

 

 

 

 

 掲示板でそんな話がされてるとは露知らず。

 事件の主犯である紫乃は、イズの工房へ来ていた。

 つい先日頼んでおいた靴が、ようやく出来たと連絡があったのである。

 

「わぁ……!」

 

 完成した装備に、紫乃が喜びの声をあげる。

 イズが用意してくれた装備は、やや厚底の黒いロリータパンプス。可愛らしくデザインされた靴からは黒いリボンが伸び、紫乃の細く白い足を、妖しく彩っている。

 

「可愛い……!」

「ふふ、我ながら会心の出来よ♪」

 

 喜ぶ紫乃に、イズが微笑みながら返す。

 そんな新装備の詳細が、コレだ。

 

 

 【空欄】

 【INT+50】【MP+300】

 

 紫乃の装備の補正値を、余裕で上回っている。

 紫乃が持ってきたレア素材を大量につぎ込んだおかげでもあるが、一番の理由は、やはりイズの腕である。

 貴重な素材を余すことなく使いこなす技術は、生産職の中でも折り紙付きであった。

 

 

  

「貴重な素材をふんだんに使えたから、ステータス補正もすごく高く出来たわ 装備の名前はどうする?」

「名前……【小夜月(さよつき)】……【小夜月(さよつき)】に……します……♪」

 

 装備の名前を決め、紫乃は喜びながら【小夜月】を装備した状態でターンする。

 ちなみに【小夜月】とは、万葉集に詠われる月の冬歌にある表現のひとつで、"夜が更けてきた頃に現れる月"つまりは、【更待月(ふけまちづき)】のことである。

 

「素敵な名前ね♪」

「ありがとう……ございます……ふふっ♪」

 

 微笑むイズに、紫乃もはにかみながらお礼を言う。

 

「この後はどうするの?」

「え、と……今日は……北の森で……レベル上げ……です……」

 

 昨日一昨日と続けたスキル集めで、粗方めぼしいスキルは取得済みである。

 まだ未発見のスキルを見つけるという手もあるが、それはレベル上げのついでにしておく。

 

「そう、頑張ってね!」

「はい……イズさんも……ありがとう、ございます……!」

 

 イズにお礼を言うと、紫乃は見送られながら北の森へ向かった。

 

 

 

 

 

「【死霊術】……」

 

 森に着くと紫乃は、毎度おなじみゾンビの大量召喚を行った。

 今回は一部に【マッシヴ】も使い、強化ゾンビとの混成軍団だ。

 

「……新スキル……」

 

 ゾンビに森を蹂躙させている間、紫乃は自身のステータスを確認していた。

 

 

 シノ

 Lv23

 HP 15/15

 MP 1000/1000《+345》

 

 【STR 0】

 【VIT 0】

 【AGI 0】

 【DEX 0】

 【INT 95(+120)】

 

 装備

 頭 【冥者の法衣】

 体 【弔詩ノ礼装】

 右手 【嘆きの妖杖:嘆きの妖精】

 左手 【空欄】

 足 【小夜月】

 靴 【小夜月】

 装飾品 【空欄】

 【空欄】

 【空欄】

 

 スキル

 【闇魔法Ⅲ】【ダークボール】【ダークウォール】【ダークジャベリン】【大物喰らい】【死霊術】【呪い】

 【魔法の心得Ⅴ】【MP強化小】【MPカット小】【MP回復速度強化小】【マッシヴ】

 

 

「何かない……かな……?」

 

 自身のステータスを見ながら、紫乃はん~と頭を捻らせる。

 それなりにスキルは増えているのだが、出来れば、もう一味欲しい。

 だが掲示板を見る限り、今取れるスキルでコレだという物はない。

 

「んぅ……」

 

 考えながら紫乃は、ゾンビたちの方を眺める。

 今日もゾンビたちは元気に、獲物を喰らい捕食している。

 今の獲物は、野良のゾンビだ。

 

 がつ、かつ、こり、むしゃ……

 

 

 

「……」

 

 

 

 ――その様子を見て、紫乃の脳裏に悪魔が舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おいしい……のかな……?」

 

 

 

 

 

 

 くちゃ、ごきん……、

 

 

 何気なく呟いた紫乃の言葉は、一気に紫乃の思考を支配していった。

 ゾンビの味。それが気になってしょうがない。

 

「どんな味……だろ……? 甘いのか……? 苦いのかな……? それとも……」

 

 気になった物は、とにかくしょうがない。

 何事もチャレンジだ。

 もしかしたら、新スキルが見つかるかもしれない。

 紫乃はゾンビに指示し、野良ゾンビの一体を、生け捕りにして連れてこさせた。

 

「……はぁ……」

 

 紫乃の目の前に、一体のゾンビが横たわる。

 手足はもぎ取られており、唯一ある頭は、紫乃のゾンビが抑えている。

 紫乃はゾンビの体の上に乗り、馬乗りになった。

 

「は、ぁ……っ♡」

 

 頬を上気させた紫乃が、トロリとした眼でゾンビを見つめる。

 息を荒くしながら、白く細い指先で、ゾンビの体を弄る。

 そして、

 

「は……ぁ……っ♡」

 

 一番、柔らかいその(首筋)へ――

 

「ぁ……む♡」

 

 自身の歯を、突き立てた。

 

「……っ!」

 

 

 

 

 

 

 紫乃の脳裏に、電流が走った。

 

 

 

 

 

 

 

「この、味……!」

 

 口に含んだそれ()を、紫乃は、何度も舌の上を転がせる。

 くちゅくちゅと少し下品に音が鳴ってしまったが、仕方ない。

 やがて、

 

「ん、く……」

 

 口に含んでいた物を、コクンと飲み干した。

 

「ぁ、はぁ……この苦み……と……この臭み、は……」

 

 紫乃の頭に浮かぶ味。それは、日頃よく食べるあの味に似ていた。

 ゾンビの味。それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

「……納豆!」

 

 まさかの納豆である。

 

「やった……納豆……大好き……!」

 

 そしてまさかのコレである。

 偶然にも紫乃は、納豆やとろろなどねばねばして味や匂いの濃い食物が好物であった。

 

「あ……むっ♡」

 

 紫乃が啄むように、ゾンビの肉を食べ進む。

 首筋から舐るように、そっと、味を堪能しながら。

 やがて、頭の頂上まできた時、

 

 「あ、ん……ぁ……」

 

 ゾンビは耐えられず、HPが0となって果てた。

 光の粒子となって消えていくゾンビ。 

 だが、紫乃は満足していない。

 

「もっと……♡」

 

 すぐ様指示して、他のゾンビを生け捕りにさせる。

 新しいゾンビの上に、馬乗りになる。

 そして、今度はハムハムと唇を這わせながら、ゆっくりと咀嚼していく。

 

「ぁむ……む、ちゅ……♡」

 

 そうやって、次のゾンビも果てて消えていくと、紫乃は、また新たに次のゾンビを生け捕りにする。

 このゲームには満腹感がないため、いくらでも食べられるのだ。

 

「もっとぉ……もっともっと……♡」 

 

 次から次へとゾンビを生け捕りにし、ひとり残らず食べてしまう。

 そうしてるうちに、さらなる発見もする。

 

「ぁ……食べる、場所で……反応、変わるんだ……♡」

 

 どうやら触る場所だけでなく、食べる場所にも反応の違いを見つけて喜ぶ紫乃。

 びくびくと震えるゾンビに、紫乃は何かを感じた。

 

「びくびくして……かわいい……♡ ほら……食べちゃうぞ~……♡」

 

 食べておいしい、見て楽しいゾンビに、紫乃のテンションはどんどん上がっていく。

 食べられ続けるゾンビ。

 そして、とうとう10人目を食べたところで、

 

 

 

『スキル【屍喰鬼(グール)】を取得しました』

 

 

 

 見たことのない、未発見スキルを手に入れた。

 

「……【屍喰鬼】?」

 

 口元を拭いた紫乃が、スキルの確認をする。

 

 

 【屍喰鬼(グール)

 

 屍を喰らい、闇の道へと落ちた者の末路。

 純粋な物理ダメージ、毒、麻痺を無効化する。

 火魔法・光魔法からのダメージ倍加。

 HP回復ポーションでダメージ。

 取得条件

 アンデッドモンスターをHPドレインで倒すこと。

 

 

「……ふふ、私……本当の、ゾンビに……なっちゃった……♡」

 

 スキルの詳細を見た紫乃が、妖しく微笑む。

 その肌はスキルの影響か青白くなり、口元からチラリと見える歯は、鋭く尖っていた。

 

「ふふ、ふふふ……♡」

 

 薄暗い森の中に、少女の笑い声が木霊した。

 紫乃の初イベントは果たして……。

 

 

 

 

 

 

 

 ――その頃。とある管理室。

 

「くぁいせふじこ!!?」

 

「うわッ!?」

 

「今度はなんだ!?」

 

「ぐ、【屍喰鬼】取ったやつがおる!!」

 

「はぁっ!?」

 

「マジで!?」

 

「どこのどいつだ!!」

 

「こ、これ……!」

 

『――はぁ!?』

 

「シノ!」

 

「またコイツか!?」

 

「【死霊術】や【呪い】だって取りにくいのに、コイツどうなってんだ!」

 

「本当に取ったのか!?」

 

「み、見ろ……取ってる時の映像がある……」

 

 

『ぁは……苦くて……すっごい濃い……♡』

 

 

「……ほ、本当に、食べてる……」

 

「ネクロフィリアでカニバリズムとか、どんだけ……」

 

 

『ふふ……♡ ここ食べられるといいの……♡』

 

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 

『ぜ~んぶ……食べちゃう、ね……♡』

 

 

「……おれちょっとトイレ!」

 

「おれも!」

 

「お、おれも!」

 

「なぁ誰か替えのパンツ持ってる?」

 

「お前らマジかッ!?」

 




 新装備やスキル……やりすぎじゃないよね?
 コレでもだいぶ抑え目にしたと思うんじゃけど……?

 あと、紫乃ちゃんは苦いのかえぐみがあるのも割といけます。

 気が向いたら評価感想よろしくお願いします!

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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