ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 後れ馳せながらなんとか書けましたので、どうぞご賞味くださいませ!

 ようやくイベントだ……長かった!

 今回、紫乃ちゃんは初イベントということでテンションあげあげです!


 それでは、どうぞ!(ゝω・´★)


ホラー少女とイベント戦

 イベント当日。

 紫乃は町の広場で、自身のステータスの確認していた。

 

 シノ

 Lv28

 HP 15/15

 MP 1200/1200《+345》

 

 【STR 0】

 【VIT 0】

 【AGI 0】

 【DEX 0】

 【INT 120(+120)】

 

 装備

 頭 【冥者の法衣】

 体 【弔詩ノ礼装】

 右手 【嘆きの妖杖:嘆きの妖精】

 左手 【空欄】

 足 【小夜月】

 靴 【小夜月】

 装飾品 【空欄】

 【空欄】

 【空欄】

 

 スキル

 【大物喰らい】【屍喰鬼】【死霊術】【呪い】

 【闇魔法Ⅲ】【ダークボール】【ダークウォール】【ダークジャベリン】【マッシブ】

 【魔法の心得Ⅵ】【MP強化小】【MPカット小】【MP回復速度強化小】

 

 

「……ん……大丈夫……」

 

 あの(【屍喰鬼】を取った)日からレベル上げで、紫乃のレベルは30の大台に近づいていた。

 現在の最高レベルが48らしいので、十分上級者と渡り合えるレベルだ。

 貯めて置いたステータスポイントもINTとMPに割り振っている。【大物喰らい】と合わせれば紫乃のINT値は480。並み大抵の敵は、一撃で粉砕できる数値に達していた。

 

「わぁ……人……いっぱい……」

 

 そうして待っている間にも、イベント参加者が続々と広場に集まってくる。

 ものすごい数であった。

 当然、広場は人がごった返したようになっているが、なぜか紫乃の周りだけ不自然に空いていた。

 理由は単純。

 紫乃が持つ【嘆きの妖杖】(リアルな女の生首)に、皆怯えているのだ。 

 

『がぉ~! それでは、第一回“New World On-line”イベントを、開始するドラ!!』

 

 ようやく開始時刻になると、空中にドラゴンのような奇妙な人形が現れ、イベント開始を告げた。

 

『制限時間は三時間!ステージは、新たに作られたイベント専用マップ! ちなみにボクは、このゲームのマスコット“ドラゾウ”! 初めての人は、以後よろしくドラ♪ それではカウントダウン~……』

 

 簡単な説明と軽い自己紹介をし、人形――もといドラゾウはカウントを始める。

 紫乃は、杖をギュッと握る。

 

『……3……2……、1! みんな頑張るドラ~♪』

 

 カウントが終わるのと同時に、紫乃の体を、光が包んでいく。

 眩しさのあまり紫乃は両目を閉じる。

 

「ん……」

 

 そして、眩しさがなくなり、ようやく目を開けた、その時に。

 

 

 

 

 

 

 

「あ……っ」

 

 

 

 

 

 紫乃は、背後から突きだされた槍に、その胸を貫かれていた。

 

「ヒャッハーっ! 一番槍もらったァーーッ!!」

 

 紫乃を貫いた槍士が、紫乃を貫いたまま雄叫びを上げる。

 

「悪く思うなよ嬢ちゃん! たまたまこのおれの目の前に現れたのが、運の尽、き……?」

 

 声高らかに勝利を宣言する槍士であったが、その声は徐々に、怪訝そうなものへと変わっていく。 

 というのも、死体が消えないのだ。

 倒されたプレイヤーは、モンスター同様光の粒子となって消えていくはずなのに、自身が串刺しにした少女は、未だ自身の槍にぶら下がっている。

 

「あぁ……?」

 

 槍士が怪訝そうな表情のまま、串刺しになった紫乃に顔を近づけていく。

 二人の距離が縮まる。

 その瞬間――

 

 

 

「……ばぁ♪」

 

 

 

 紫乃が、貫かれたまま仰向けに振り返り、槍士を見た。

 黒の瞳孔に彩られた赤い瞳に、槍士の顔が映る。

 

「ひッ!?」

「……【ダークジャベリン】」

「ッご、あ……!?」

 

 槍士が怯んだ隙に、紫乃が、槍士に杖を向けて闇色の槍を放ち、その体を串刺しにした。

 

「な、ぁ……ッ」

「ふふっ……お揃い、だ、ね……♪」

 

 何が起きたか分からぬまま心臓を貫かれた槍士に、紫乃が、妖しく微笑みながら耳元にそっと囁きかける。

 その囁きは届いたのか否か。

 やがて力尽きた槍士は、光の粒子となり、呆気なく消えていった。

 

「……ふぅ……びっくりした……」

 

 槍士が消えていったのを見届けた紫乃が、小さく呟きながら、地面に降り立つ。

 

「服……あ、よかった……もう、直って、る……」

 

 槍に貫かれた装備を確認するが、もうすでに傷ひとつない。

 【冥者の法衣】と【弔詩ノ礼装】が持つ、【破壊成長】の効果であった。

 

 

「ふふ……それに、しても……♪」

 

 思い出されるのは、先ほど倒した槍士の顔。

 不可解なものを見た人特有の恐怖と驚きに満ちた表情に、紫乃の唇から、艶めかしい笑みがこぼれる。

 

「もっと……見たいな……♡」

 

 紫乃は杖を地面につきながら微笑む。

 

「【死霊術】……」

 

 そして、いつもの下準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 所変わって、イベントエリア。

 深い森の開けた場所では、あちらこちらで戦いが始まっていた。

 

「ハァッ!」

「ぜぁッ!」

「せいやッ!」

 

 短剣を翻す小柄な者や、大剣を振り回す大柄な者。

 木の上から矢を放つ弓士もいれば、身の丈ほどもある大斧を振り翳す剛の者などもいる。

 老若男女問わず戦う、そのどれもかれもが、この日のために研鑽を積んだ強者たち。

 初イベントとなる今回のイベントで、上位入賞し、自身の名を高めることを目標にした、イベント参加者たちであった。

 

「うりゃあッ!」

「どらぁッ!」

「そりゃッ!」

 

 

 

 

 ……だが、その戦いは、唐突に終わりを告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……か~ごめ、かごめ。か~ごのな~かのと~り~は~……♪

 

 

 

 

 

 

 

「んお?」

「んうっ?」

「なんだ?」

 

 突如として森に響く、少女の歌う声。

 囁くような静かな、それなのに耳に届く場違いな歌声に、その場にいた者たちは聞き入り、一時、戦いを止めた。

 

「……い~つ、い~つ、でやる♪

 

「お、おい……」

「なんだよこの歌は……」

 

「……よあけの、ばんに……♪

 

「頭の中に、直接響いてくるみたいだ……!」

 

 その場にいた全員の顔に、静かな動揺が走った。

 聞こえてくるのは、森の奥。

 自然と視線が、そちらへと集中する。

 

「……つ~るとかめが、すべった。うしろのしょうめん、だ~ぁ~れ……♪

 

「……」

「……」

「……」

 

 少女の歌声が止み、辺りに静寂が舞い降りた。

 周囲は、異様な緊張感に包まれている。

 誰もがその場から微動だにせず、歌声の聞こえた、森の奥をにらんでいた。

 

 

 その時――

 

 

GAAAAAAAAAAAAッ!!」

 

「げぶぅッ!!」

「ゲハッ!?」

 

 突如として背後から巨大な赤黒いゾンビが現れ、手近にいた者を、一撃の元吹き飛ばしていた。

 空中を、吹き飛ばされた参加者の上半身が飛ぶ。

 

「ひっ!?」

「うぉっ!?」

「な、なんだ!?」

 

 突然の出来事に混乱する参加者を嘲笑うように、赤黒いゾンビは腕を振り、参加者たちを襲う。

 今度は二人、首と胴が泣き別れになった。

 

「ひ、怯むな! とりあえずやっちまヴェッ!?」 

 

 いち早く正気に戻った者がいたが、構えるのと同時に、真横からもう一体巨大なゾンビが現れ、その者の頭を叩き潰した。

 潰された者の体が粒子となり、辺りに散らばる。

 

「ひぃィ!?」

 

 その様子を間近で見ていた者が、恐怖に引きつった悲鳴を上げた。

 その悲鳴に群がるように、森の奥から次々と同じようなゾンビが現れ、戸惑う参加者を、襲い始めた。

 

「ひ、ひぃィ~!?」

「な、なんだコイツら!?」

「モンスターだ!」

「プレイヤー同士のバトルロイヤルだろ! なんでモンスターが出るんだよ!?」

 

 参加者の悲痛な訴えも空しく、巨大ゾンビたちは次々と参加者を襲い、喰らっていく。

 手や足、頭が吹き飛び、血の代わりに光の粒子が散らばり、消滅していく。

 

「くっ!」

「こ、この!」

 

 当然、参加者たちもだだ黙ってやられてはおらず、何人かはゾンビに向かい、攻撃していく。

 剣や槍、斧が振るわれる。

 だが、

 

「ぐひっ!?」

「べゃっ!!」

 

 一体を攻撃しようとする間に、別の巨大ゾンビが襲いかかり、攻撃を阻害してしまう。

 今まさに攻撃してきた二人がゾンビに横ッ面を殴られ、首から上が吹き飛ばされた。

 

「あぁあ~~ッ!?」

 

 その様を見て、何人かの参加者は、その場から悲鳴を上げて逃げ去ろうとする。

 当然、逃げようする者にも巨大ゾンビたちの攻撃が振るわれる。

 何人かの参加者は叩き潰されたりしたが、運良く攻撃をかいくぐり、森の中へと逃げ込んだ参加者が、何人かいた。

 だが、

 

「ぎゃあぁああっ!!?」

   

 森の中から、逃げ出した者の悲鳴が響き渡る。

 残っていた者が振り向き、そして絶望した。

 

「ああっ!? やめろっ!! 離せぇぇぇっ!!」

 

 かつん、ごつん、ぐちゃ、くちゃ、

 

 森に逃げ込んだ者は、ゾンビの餌食となっていた。

 最初に現れた巨大なゾンビではない。普通のゾンビだ。

 だが、その数は巨大ゾンビの比ではなく、数えきれないほどの数のゾンビが森中にひしめき合い、逃げた者たちを、手当たり次第貪っていた。

 

「ぁああああ~~っ!?」

 

「うっ、うわぁぁあっ!」

「む、むりだ……!」

「なんだよ、なんだよこれッ!?」

 

 取り囲まれた絶望的な状況に、必死に戦っていた者たちの戦意が挫けた。

 その時、森の中から、またあの歌が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「……か~ごめ、かごめ。か~ごのな~かのと~り~は~……♪

 

 

 

 

 

「~~ッうわぁああっ!!」

「ひぃィッ!!」

「あ、おい待て!!」

 

 何とか協力して戦っていた者も、絶望のあまり逃げ出そうとする者が続出する。

 そういった者たちから、ゾンビに喰われていった。

 ギリギリ保っていた均衡が、徐々に崩れていく。  

 

 

 

「……い~つ、い~つ、でやる♪

 

 

 

「ぐべぇッ!?」

「げひッ!!」

「あがぁああっ!!」

「くそ、くそ、くそッ!」

「いやだ、来るな来るなぁッ!!」

 

 

 

「……よあけの、ばんに……♪

 

 

 

 戦っていた者も、徐々にゾンビの餌食となり、数を減らしていく。

 またひとり、またひとりと。

 櫛の歯が、欠けていくように。

 

 

 

 

「……つ~るとかめが、すべった。うしろのしょうめん、だ~ぁ~れ……♪

 

 

 

 

 辺りを、再び静寂が支配した。

 残っている参加者は、もうひとりもいない。

 全員、ゾンビ餌食となって、粒子となって消えてしまったのだ。

 

「ふふっ……おいし、かった……?」

 

 森の奥から少女――紫乃が、いつもの肩車スタイルで現れる。

 その場にいたゾンビたちが紫乃の元へ集っていく。

 

「行こ……♪」

 

 紫乃の指示に従い、ゾンビたちが歩き出す。

 紫乃を中心として、まるで編隊を組むように。

 それはまさに、死の行軍であった。

 

 

「ふふっ……か~ごめ、かごめ。か~ごのな~かのと~り~は~……♪」

 

 

 

 森に、紫乃の歌声が響き渡る。

 イベント(悪夢)はまだ、始まったばかりだった。




 運営「「「((((;゜Д゜)))」」」


 という訳で、運営ガクブル状態です(笑)

 紫乃ちゃんが目覚めちゃいけない何かに目覚めました(笑)


 評価感想よろしくお願いいたします!(ゝω・´★)

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  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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